古事記の創生の神々の意味するもの



人気ブログランキング ←いつも応援クリックをありがとうございます。

天の御中の主は、高みと御結び、神と御結び、
ぐんぐん伸びて葦のように早く立派にまっすぐに成長した男子となって、
常に天に立ち、常に豊かな野の国に常に立たれ


20171031 造化三神
(画像はクリックすると、お借りした当該画像の元ページに飛ぶようにしています)


【お知らせ】
11月 3日(金・文化の日)14:00 第2回 名古屋倭塾 公開講座(古事記)
11月 5日(日)18:30 第45回 倭塾 公開講座
11月25日(土)18:30 第20回 百人一首塾
12月16日(土)18:30 第46回 倭塾 公開講座
12月23日(土)18:30 第21回 百人一首塾
1月6日(土)13:00 第47回 倭塾 公開講座
1月20日(土)18:00 第22回 百人一首塾
 *****

以下にご紹介するお話は、去る10月30日(月)に、有料メルマガである「ねずさんのひとりごとメールマガジン」の第278号に掲載したお話です。
「ねずさんのひとりごとメールマガジン(略称:ねずマグ)」は、月々864円の有料メルマガです。
登録後最初の1ヶ月は無料でお楽しみいただけます。
ご登録は↓のURLから行っていただくことができます。
 ↓ ↓ ↓
http://www.mag2.com/m/0001335031.html

 ***

天之御中主神に始まる創生の神々については、はじめの7柱の独り神が宇宙創生を意味し、続く5組の男女神が太陽系の惑星を意味するのだということは、拙著『ねずさんと語る古事記 壱』に書かせていただいたことです。
けれど、他のところもそうですが、古事記がこのように神々のお名前を連続して書いているところは、「神」の字を取ると、それなりの漢文となり、ひとつのストーリーを持った筋書きになる、という特徴があるということは、古事記の別のところで何度か繰り返して書かせていただいたところです。

創生の神々については、たとえば宇摩志阿斯訶備比古遅神(うましかしかひこちのかみ)などは以音(こえをもちいる)と注釈されています。
ということは、古事記を最初から解説していくに際して、いきなり「神々の名前が連続しているところはきれいな漢文になる」と書いたとしても、読者の方は「だって宇摩志阿斯訶備比古遅神は以音であって、ただの当て字であって漢字には意味がないではないか」と、おそらくこの段階では、「神々の名前の連続=ストーリー」という説が、矛盾をはらんだ解説というようになってしまうおそれがあります。
そのために、本の方では、創生の神々のお名前の連続が意味するストーリーには、意図して言及しないできたわけです。





◆◆◆◆◆スマホで読めるKindle版もあります。◆◆◆◆◆

◆youtubeの動画サイトをはじめました。
↓下のバナーをクリックするとチャンネルに飛びます↓
20170513 バナー _th
↑よろしかったらチャンネル登録をお願いします。登録無料です↑
新しい動画がアップされました!


『ねずさんと語る古事記・参』絶賛発売中!!
古事記3の一部


ただ、おそらく古事記の三巻まで出て、また倭塾やメルマガ等で、「神々の名前の連続=ストーリー」ということにお馴染みいただいた後であれば、以下の解釈も受け入れていただけるものではないかという気がして、今回、初めて文章にしたわけです。

さて、以上の前置きはさておいて、では本題に入ります。
創生の神々は、以下の17柱の神々によって構成されています。
17柱であるということが、聖徳太子の十七条憲法が十七条である根拠にもなっています。

初代 天之御中主神
2代 高御産巣日神
3代 神産巣日神
4代 宇摩志阿斯訶備比古遅神
  (うましかしかひこちのかみ)
5代 天之常立神
6代 国之常立神
7代 豊雲野神
8代 宇比地迩(うひちに)神
  (妹)須比智迩(すひちに)神
9代 角杙(つのくひ)神
  (妹)活杙(いくくひ)神
10代 意富斗能地(おほとのち)神
  (妹)大斗乃弁神(おほとのへ)神
11代 於母陀琉(おもたる)神
  (妹)阿夜訶志古泥(あやかしこね)神
12代 伊耶那岐(いさなき)神
  (妹)伊耶那美(いさなみ)神

初代から7代までが独り神、8代目以降が男女神になります。
そこではじめの7代の神様のお名前から「神」の字をとって並べてみます。

「天之御中主、高御産巣日、神産巣日、宇摩志阿斯訶備比古遅、天之常立、国之常立、豊雲野」

漢文としてここでわかりにくいのが4代の「うましかしかひこち」なのですが、大和言葉で「うまし」は立派な、「あし」は葦、「かひ」は甲斐とか効果、「ひこち」は古語で男子を意味します。
つまり現代語にすれば、「ぐんぐん伸びて葦のように早く立派にまっすぐに成長した男子」という意味になります。
また「産巣(むすひ)」は、「うぶす」とも読みますが、これは結びのことです。
すると、以下の文に読み下すことができます。

「天の御中の主は、高みと御結び、神と御結び、
 ぐんぐん伸びて葦のように早く立派にまっすぐに成長した男子となって、
 常に天に立ち、常に豊かな野の国に常に立たれ・・・。」

我が国における伝承文化は、もともと旧石器から縄文時代に続くおよそ二万年という途方もなく長い期間に口承され続けた文化です。これができたのは、我が国が二万年の長きに渡って、人と人とが殺し合わないことを文化としてきたからです。
そしてとりわけ重要なことは、文節ごとに神様のお名前として、決して人々の記憶から失われることがないようにしたのかもしれません。

次いで後半の5組の男女神です。
それぞれの神の名は、男性神の名前の後に続けて「妹◯◯」と記されています。
「妹」という字は、いまでは血の繋がった妹を意味しますが、「妹」がそのような意味に限定して用いられるようになったのは、実は最近のことです。
戦前までは、一族の子どもたちで自分よりも年下の女の子は、叔父叔母の子であっても妹や弟でした。
また中世までは、妻は血の繋がった妹と同じとみなされました。
このことは、日本の社会が大家族制であったことを考えれば容易にご理解いただけると思います。

・・・ということで、続きは「ねずマグ」のバックナンバーでお楽しみください。


登録後最初の1ヶ月は無料です。
ご登録は↓のURLから行っていただくことができます。
 ↓ ↓ ↓
http://www.mag2.com/m/0001335031.html

なお、このお話は、ジャポニズムの12月号にも掲載しています。
よろしかったら是非お読みいただければと思います。

お読みいただき、ありがとうございました。

人気ブログランキング
↑ ↑
応援クリックありがとうございます。


◆◆◆◆◆スマホで読めるKindle版もあります。◆◆◆◆◆


20161026 倭塾バナー


20160810 目からウロコの日本の歴史


【メルマガのお申し込みは↓コチラ↓】
ねずさんのひとりごとメールマガジン有料版
最初の一ヶ月間無料でご購読いただけます。
クリックするとお申し込みページに飛びます
↓  ↓
ねずブロメルマガ


この記事が気に入ったら
いいね!しよう
\  SNSでみんなに教えよう! /
\  ねずさんのひとりごとの最新記事が届くよ! /

あわせて読みたい

こちらもオススメ

コメント

くすのきのこ

No title
こんにちは。争いのない時代はありません。縄文期も同様でしょう。せいぜ
い、相手を滅しつくす事はなかった。また滅ぼした相手が祟らないように祀
りあげた。という所が妥当でしょう。日本の歴史は戦争の歴史でもあります
が、皇室の存在が縮み込んだ室町末期~戦国初期程酷い感じを受けます。弱
者が一揆を繰り広げると酷いが強者の元に纏まり始め、強者同士の争いとな
るとルールとある程度の秩序が出来てくる。
言葉は飾るもの。語る者はなるべく柔らかく語る。何故なら、人類とは武器
を身体に併せ持たない弱い動物だからです。本能的に強者よりも弱者に共感
する。そのくせしぶといwそういう存在だから面白いw


疑問

縄文時代の洗骨・再葬~「穢れ」「清め」「黄泉帰りに対する恐怖」意識の高まり(?)
『古事記』の神話の中には、「死」や「死体」の穢れや、「死者蘇り(黄泉帰り)」の恐怖と、それに対する「清め」の行為が描かれています。
伊邪那岐と伊邪那美の壮絶な「夫婦げんか」でも、「死の穢れ」に対する「禊」のシーンが登場します。

昨今「神道朝鮮半島起源説」も吹聴されていますが、「穢れ観」や「清め意識」や、「蘇り(黄泉帰り)」を恐れる感覚は、縄文時代の「洗骨・再葬」に淵源が求められるのではないかと思います。

縄文〜弥生時代にも存在した「再葬墓」という葬儀の習俗
http://www.sougiya.biz/kiji_detail.php?cid=668

白骨化した遺体を掘り起こし、丁寧に磨き、汚れが酷い場合は汚れをナイフで削り取り、改めて骨壺に納めて埋葬し直す、或は、そうした骨壺を小高い山の標高の高い場所に安置する、海辺の洞窟で再葬を行う等々、スタイルは様々です。

「洗骨・再葬」を通じて血族の絆を確認すると同時に、真っ白な骨と穢れた肉体を完全に分離し、遺骨を洗い清め、死者が迷わずあの世へ行き、二度とこの世に蘇らない様にとの強い思いを感じます。
個人的には、こうした感覚は、『古事記』や神道の中にも生きていると感じますが、間違いでしょうか?
非公開コメント

検索フォーム

ねずさんのプロフィール

小名木善行(おなぎぜんこう)

Author:小名木善行(おなぎぜんこう)
連絡先: info@musubi-ac.com
昭和31年1月生まれ
国司啓蒙家
静岡県浜松市出身。上場信販会社を経て現在は執筆活動を中心に、私塾である「倭塾」を運営。
ブログ「ねずさんの学ぼう日本」を毎日配信。Youtubeの「むすび大学」では、100万再生の動画他、1年でチャンネル登録者数を25万人越えにしている。
他にCGS「目からウロコシリーズ」、ひらめきTV「明治150年 真の日本の姿シリーズ」など多数の動画あり。

《著書》 日本図書館協会推薦『ねずさんの日本の心で読み解く百人一首』、『ねずさんと語る古事記1~3巻』、『ねずさんの奇跡の国 日本がわかる万葉集』、『ねずさんの世界に誇る覚醒と繁栄を解く日本書紀』、『ねずさんの知っておきたい日本のすごい秘密』、『日本建国史』、『庶民の日本史』、『金融経済の裏側』、『子供たちに伝えたい 美しき日本人たち』その他執筆多数。

《動画》 「むすび大学シリーズ」、「ゆにわ塾シリーズ」「CGS目からウロコの日本の歴史シリーズ」、「明治150年 真の日本の姿シリーズ」、「優しい子を育てる小名木塾シリーズ」など多数。

講演のご依頼について

最低3週間程度の余裕をもって、以下のアドレスからメールでお申し込みください。
むすび大学事務局
E-mail info@musubi-ac.com
電話 072-807-7567
○受付時間 
9:00~12:00
15:00~19:00
定休日  木曜日

スポンサードリンク

カレンダー

02 | 2023/03 | 04
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -

最新記事

*引用・転載・コメントについて

ブログ、SNS、ツイッター、動画や印刷物作成など、多数に公開するに際しては、必ず、当ブログからの転載であること、および記事のURLを付してくださいますようお願いします。
またいただきましたコメントはすべて読ませていただいていますが、個別のご回答は一切しておりません。あしからずご了承ください。

スポンサードリンク

月別アーカイブ

ねずさん(小名木善行)著書

ねずさんメルマガ

ご購読は↓コチラ↓から
ねずブロメルマガ

スポンサードリンク

コメントをくださる皆様へ

基本的にご意見は尊重し、削除も最低限にとどめますが、コメントは互いに尊敬と互譲の心をもってお願いします。汚い言葉遣いや他の人を揶揄するようなコメント、並びに他人への誹謗中傷にあたるコメント、および名無しコメントは、削除しますのであしからず。

スポンサードリンク