おどろくべき日本の最先端技術とこれからの課題



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とにかく日本の最先端技術ってすごいです。
もしかしたら世界が変わります。


20171204 玉響
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【お知らせ】
11月25日(土)18:30 第20回 百人一首塾
12月16日(土)18:30 第46回 倭塾 公開講座
12月23日(土)18:30 第21回 百人一首塾
1月6日(土)13:30 第47回 倭塾 公開講座
1月20日(土)18:30 第22回 百人一首塾
2月8日(木)18:30 第23回 百人一首塾
2月18日(日)18:30 第48回 倭塾公開講座
※2月の倭塾・百人一首塾の開催日が変更になっています。
 *****

エクボ株式会社という会社があります。
この会社の存在は、日本弥栄の会の月刊『玉響(たまゆら)』12月号の対談記事で知りました。
まさに世界の最先端の技術開発に取り組んでいる会社です。

以前にもご紹介しましたが『玉響』は、いろいろな雑誌の定期購読をしていますけれど、正直な話、到着同日に毎号全部読み終えてしまうのは、この『玉響』だけです。
非常に内容の濃い雑誌です。
 ▼冊子玉響▼
http://www.nihoniyasaka.com/book/

この対談記事で知ったのですが、たとえば宇宙船に乗って何年も旅をすると、地球から持っていった水や野菜は、いつか足らなくなります。
ではどうするかというと、それを空中から作り出すというわけです。
まるで西洋の童話に出てくる魔法使いのおばあさんが、空中から様々なものを魔法で生み出すような話なのですけれども、これが意外にも現実性を持つ話だといことは、この記事を読んで初めて知って驚きました。

どういうことかというと、すべての物質は振動によって成り立っているわけです。
その振動を再現すれば、同じものがそこに作り出せてしまうというのです。
信じられないような話ですが、理論的にはそれが可能で、とりわけ科学は再現性を重んじる分野ですから、実際に繰り返し再現できるとなれば、今度はそれが実用化されていくわけです。





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古事記3の一部



あるいは重力です。
特殊な環境のもとでは、なんと重力を遮断できるのだそうです。
実際に重量が軽くなる実験動画も公開されています。
振動をコントロールすることで、重力波を遮断するわけですが、そうなると本当に将来、相当な重量物を人差し指一本で運んだり、車からタイヤもなくなってしまうかもしれない。

また、私たちは電気はコードによって伝えることができることを知っていますが、ところが電気はなんと離れたところに飛ばすことができる。
すると放電ロスなしで、100%電気エネルギーを移動させることができるわけです。
こうしたことが、SFの世界ではなくて、現実に実現可能になってきているのです。

そういえば、ある方から、古代において信じられないような巨石を山の頂上に上げたり、ピラミッドのような巨大建造物を築いたりすることができたのは、音波によって重力をコントロールしていたからだ、と聞いたことがあります。

いわゆる巨石文化というのは、実は現代文明とはまったく違う文明で、重力をコントロールし、食べ物などを空気中から作り出すことができた文明だったのだというのです。
これを聞いたときは、さすがに「眉唾」と思ったのですが、ところがそうしたことが現実の科学的な実験によってあきらかになりつつあるのです。

江戸時代の人なら、薄い板の上にフルカラーで映像が映るテレビの存在など、想像もできなかったことでしょう。
あるいは馬より速い自動車が、一家に一台どころか、ひとり一台になっている様子など、想像をはるかに越えた世界であるに違いありません。
その自動車も、私たちはタイヤが4つ付いていることがあたりまえの常識と思っていますが、何十年か先の未来には、タイヤの付いた自動車など、まったく考えられないくらいのローテクになっているかもしれません。

私たちは、現代文明が人類史上最高に高度に発達した文明だと信じて疑いませんが、もしかすると、はるか古代の人から見たら、現代人というのは、なんと原始的な生活をしているのだろうかと、思われてしまうかもしれないのです。
だって、現代の技術でピラミッドの制作は不可能です。

古典を学んでいて、思うことがあります。
それは、もしかしたら現代人が科学技術の素晴らしい世紀に住んでいると思っていること自体が、ただの現代人の奢りでしかないのではないかということです。
もしかしたら古代において、人類はいまよりも、もっとはるかに進んだ、それも、いまとはまったく違った文明を築いていた可能性があるのです。

たとえば縄文時代は1万4千年も続いた時代ですが、その間、ずっと原始的な生活が営まれていたというのは、どう考えても不自然なのです。
江戸時代の終わりから、まだたったの150年です。
万年単位の時代の中には、もしかしたら、いまとはまったく別な形で高度に発達した文明があったかもしれない。
もしかしたら、その文明のもとでは重力がコントロールされ、巨石や巨木が自在に扱われていたかもしれないし、天の鳥船が、空を飛んで世界中を旅することができかもしれない。
あるいは、月や火星や金星にまで、人々は移動していたかもしれない。
また、いまとはまったく違った形での高度に発達した文明があったかもしれない。

欧米列強にはじまるいわゆる近代国家は、商業利権が世の中の中心になっている文明の形です。
商業は最終消費によって利益を得ますから、売り手や作り手は、様々に人々の欲望を刺激して、消費を煽ります。
考えてみると、ちょっと色や形が違っただけで、新たな需要が創造されるわけですから、人々はいきおい、僅かな違いのために大きなエネルギーを日々費やすことになります。

けれども商業利権ではなく、人々の豊かな安心できる安全な暮らしや、その暮らしの中で人々が愛と喜びと幸せと美しさを求めることが世の中の中心的価値観になっていたら、はたして世の中はどのように動くのでしょうか。
誰もがみんなのために、自分にできる最大の努力をし続ける。
そういう社会では、いまとはまったく別な、科学や文明の発達があるのではないでしょうか。

ところが私たちを取り巻く世界の現実は、商業利権が支配する世界です。
ですから新しい科学技術が開発されても、戦争でもない限りは、容易にそれが陽の目をみないし、発展もしません。

かつての石炭から石油への変化もそうでした。
石炭の全盛期に、すでに石油加工は始まっていましたが、容易に石炭から石油へと産業構造は変化しない。
そのため第一次世界大戦は、石炭エネルギーで戦われることになりました。
ところがその第一次世界大戦のあと、世界的な大恐慌が起こり、株価が大暴落します。

この「株価の大暴落」によって、たいへんな不況に陥ったと、私たちは学校で習いますが、実はこれは極めておかしな理屈なのです。
なぜなら、株式市場というのは、いわば段ボール箱であって、その段ボール箱に、現金が山積みされることが、株価が値上がりするということです。
逆に段ボールに入っていた現金がよそに持ち出されることが、株価の暴落です。

つまり、大暴落したということは、損した人たちがたくさんいた一方で、その大暴落によって大儲けした人がいたということなのです。
なぜなら経済は、常に実体経済だからです。
株価が下がって、株式市場から現金が持ち出されたということは、株を持っていた人は損しますけれど、誰かが損した分、必ず誰かが儲けているのです。

1929年のNY市場の大暴落のときには、まさに既存の既得権益者たちが、この暴落によって大損をし、まったく新しい、新たな富裕層を生み出しました。
その典型がケネディ家で、だだのいち相場師にすぎなかったケネディ家は、ついには息子を大統領にまでする米国のNEWエスタブリッシュメントに飛躍しています。

そしてこの大暴落によって生まれた新たな富裕層が育てたのが、米国における基礎研究分野の充実と、新たな資源エネルギーとしての石油関連産業の育成でした。
こうして世界の主軸は、石炭から離れられなかった英国の手を離れ、米国に移転していくわけです。

日本でもバブルの崩壊がありました。
いまだに日本は、その崩壊後の平均株価を取り戻していませんが、そのバルブ崩壊によって、東京株式市場から流出した資金は、果たしてどこに行ったのでしょうか。
実は、全部、外国人投資家の懐へと転移しています。
だから日本は、バブル崩壊以降、ずっと貧しい状態が続いているわけです。

それにしても日本は、幕末に金(Gold)が海外に流出し、大東亜戦争で焼け野原になり、バブルが崩壊して日本のマネーが世界に流出するという大事故を繰り返しながら、それでもまだ世界の経済大国の一角を占めています。
どれだけ日本人が勤勉かということです。

さて、最先端技術の話です。
実はこの最先端技術について、非常に不思議なことがあります。
日本では、世界の最先端となる技術開発が、毎度、不思議なことに途中でストップしてしまい、気がつけば、その開発事項が、外国から発表されているのです。

なぜこのようなことが起きるのでしょうか。
たとえば、最先端技術開発のためには、世界にひとつしかないようなスーパー計測器などが必要になります。
それら計測機器等は、完全オリジナルで作らなければならないものですから、1台の価格が1億円以上することはあたりまえのように起こります。

大学の研究室でも、あるいは企業でも、なかなかそうした費用の捻出は難しいことですから、いきおい国に資金援助を求めることになります。
そしてその際は、研究資料の一切を文科省に提出します。
ところが最先端の、しかも商業化の可能性が高い特殊な技術であればあるほど、逆に申請が却下されてしまうのです。
そして、なぜかしばらくすると、他国でその技術についての特許の発表がなされます。

そこで株式会社エクボのホームページから、ひとつのお話をご紹介したいと思います。
まずは、ご一読いただければと思います。
記事は下のURLのエクボ株式会社のページからの転載です。

 ****

【コラム:世界はリアルに動いている(一般公開)】
【一般公開記事】第185回 マラリアと戦う蚊帳
https://shop.eqbo.jp/novel_sounenwar_0.html

【マラリアと戦う「日本の蚊帳(かや)」!!】
皆さん!こんにちは
今回は、マラリアと戦う力を日本が提供している事実をお届けします!

▼「世界中の人々に、うちの蚊帳は期待されているのか」

国際社会を代表する政治家や実業家が年に1回、スイスの保養地ダボスに集まって、世界の諸問題を討議するダボス会議。
2005(平成17)年の「貧困撲滅のための財源に関する分科会」で、一つの事件が起きた。

壇上から、タンザニアのムカパ大統領が
「今日も、この瞬間も、
 マラリアで亡くなっていく子供たちが存在します。
 今すぐに助けが必要なのです」と訴えた。
現実に2000年には世界で84万人の死者が出ており、そのほとんどがアフリカだった。

それを聞いていたハリウッド女優のシャロン・ストーンが
「私が個人として、一万米ドルを供出します。
 それでオリセットの蚊帳を購入して配布してほしい。
 他にも賛同する方はいませんか」と呼びかけた。
その呼びかけにマクロソフトのビル・ゲイツなどが次々に賛同し、その場で100万ドル、1億円相当の寄付が集まったのである。

オリセットネットは蚊帳を作るポリエチレンの糸に防虫剤を練り込み、それが徐々に表面に染み出して、5年以上も防虫効果を持つという製品で、日本の住友化学が開発した。

ダボス会議の前年に、オリセットネットは米国の『TIME』誌から、"Most Amazing Invention"(最も驚くべき発明)の表彰を受けており、シャロン・ストーンが「オリセットの蚊帳を」と言い出したのは、こういうニュースで有名になっていたからだろう。

ダボス会議に招待されていた住友化学社長・米倉弘昌(よねくら・ひろまさ)は、この光景を見ていて、
「これだけ多くの世界中の人々に、
 うちの蚊帳は期待されているのか」と思った。
「これはうちとしてもひとつ、
 覚悟をもって世界の期待に
 応えていかねばなるまいな」と決心した。

■「日本人ならみんな知っているかと思った」?

ここまで来るまでには、住友化学の中で多くの人々による10数年にわたる悪戦苦闘があった。
発端は、かつて住友化学が世界のベストセラーとして売っていたマラリア対策の殺虫剤スミオスチンが徐々に売り上げを減らしていたことだった。

日本では戦後の早い時期に、下水溝整備など蚊の発生源対策と殺虫剤散布により、マラリア撲滅に成功していた。
しかし広大なアフリカ大陸で発生源対策も不十分なまま、殺虫剤を撒き続けていて、いつかはマラリア撲滅に成功するのだろうか?
そんな疑問が先進国の政府援助を減らしつつあった。

海外農薬事業を担当していた川崎修二は、この苦境を乗り切る術(すべ)はないかと、旧知の世界の熱帯医学の権威的存在である英国の医学研究所のカーチス博士に相談した。
博士の答えに川崎は驚いた。
「あなたがた日本人ならみんな知っているかと思った。
 今、注目されているのは
 蚊帳(かや)を使ったマラリア対策ですよ。

日本人の伝統的な生活の智恵である蚊帳が、マラリア対策として注目されているという。
しかも博士はその蚊帳に殺虫剤を染みこませておけば、蚊の絶対数を減らしていける、という。

川崎の下で研究に従事していた伊藤高明も、アメリカの国際開発庁が殺虫剤に浸した蚊帳を使って、住民参加の実験を始めている、という情報をつかんでいた。
しかし、その蚊帳は単に殺虫剤の溶液に浸しただけで、半年ごとにそれを繰り返す「再処理」をしなければならない。
「途上国の普通の人が、
 殺虫剤の液で蚊帳を処理すること自体が、
 常識的に考えてあり得ない行動やな。
 本気なのか、このやり方は。」

■分子レベルの設計?

伊藤は樹脂の中に殺虫剤を練り込んで、すこしづつ滲み出てくるようにすれば、「再処理」などしなくとも長く使える蚊帳が作れるのでは、と思いついた。
そこで樹脂や製造工程に詳しい奥野武に相談した。
奥野は初めは、そんなものは商売にはならない、と乗り気ではなかったが、熱心な伊藤に根負けして開発を始めた。

奥野は、繊維の中に練り込まれた殺虫剤の分子がどのような温度でどう動くのかまで検討して、樹脂の仕様や製造方法を検討した。
その結果、何年も殺虫効果が続く樹脂を作ることができた。

また、伊藤は、暑いアフリカで蚊帳の中を少しでも涼しくするための編み目の大きさにもこだわった。
蚊は編み目を通過しようとする時、羽を広げた状態で通ろうとする事を発見し、マラリアを媒介するハマダラカは日本の蚊よりも一回り大きい事から、編み目を少し大きくする事とした。

こうしてできあがった蚊帳を外務省のODA(政府開発援助)担当者やJICA(国際協力機構)に説明したが、その良さは理解が難しく、反応は鈍かった。
川崎は現地でこの蚊帳の効果を実証することが必要と考え、「小規模援助」に着目した。
各途上国の日本大使が少額の人道支援を大使権限で実施できるという仕組みである。

この仕組みを使って、5年ほどの間に43カ国にわたって、数十帳から時には千張もの蚊帳が現地で使われるようになった。
マラリアの院内感染が明らかに減少した、という報告も6カ国からあがってきた。

■「アメリカ国際開発庁からのクレーム」

しかし、思わぬ所から横やりが入った。
マラリア対策に取り組んでいるアメリカの国際開発庁から、1990年にクレームが届いたのである。

自分たちがせっかく殺虫剤を「含浸するタイプの蚊帳」を広め、ユーザーである住民自身での「再処理」習慣を根付かせるための啓蒙活動を行っている横で、「再処理をしなくてよい」という製品を展開するとは、どういうことなのか。
マラリア対策プログラムに対して、「マイナスの影響を与える製品」の展開はやめてほしい。

国際開発庁が広めようとしていた蚊帳は、単に殺虫剤の溶液に漬けて、繊維の表面に殺虫剤が付着しているだけの従来型のものだ。
半年もすると殺虫剤が消え失せて、効果もなくなってしまう。
そのために、半年ごとに殺虫剤の溶液に含浸するという「再処理」が必要だった。
それをいかにアフリカの住民にさせるか、がネックとなっていた。

マラリア退治を真の目的としていれば、再処理を必要としない住友化学のオリセットネットの登場は両手をあげて歓迎すべきことだった。
しかし、国際開発庁の担当者たちは、そんな事をしたら、自分たちが今まで進めてきた対策を否定することになる、と考えたのだろう。

いかにも唯我独尊、不合理な主張だが、米国の国際開発庁は世界のマラリア対策の主導権を握っていた。
その影響力で、各国からの注文は減っていった。
今まで事業を担ってきた川崎も奥野も他の部署への異動を命ぜられた。
オリセットネットの先行きは真っ暗になった。

■「この申請は、スミトモからのあの蚊帳か」

一人、オリセットネット事業に残った伊藤は、それでもあきらめなかった。
今までの各地での適用成果をレポートにまとめて、WHO(世界保健機構)の認定を受ければ、道は開けるかもしれない、と考えた。
認定には3年の年月と数百万円の費用がかかる。
伊藤は新しい上司を説得して、なんとか申請の許可を貰った。

その申請を受け取ったWHOの職員、ピエール・ギエ博士はルワンダ人の学生スタッフを呼んで聞いた。
「この申請は、スミトモからのあの蚊帳か」
「ドクター・ピエール。間違いありませんね。
 日本のスミトモの、オリセットネットという蚊帳です」

ピエールはフランスの開発研究局の出身で、以前からアフリカの現地でマラリア対策活動について研究を積み重ねていた。
その学生スタッフが、ある日、持ち帰った蚊帳を見て、
「これは、珍しい製品があったものだね」
とピエールは感心した。
それは川崎の時代に少額無償援助で各地にばら撒いたオリセット蚊帳のひとつだった。

マラリア対策の現地での実態を目の当たりにしていたピエールは、住民に従来型の蚊帳を再処理させることが、その普及の妨げになっていることを理解していたのである。

その時の事を思い出しながら、ピエールは思った。
「そうか。あの蚊帳がついに
 WHOに認定の申請をよこしてきたというわけか。
 今の動きからすると、
 これは大きな潮目の変化になり得るかもしれない。

■「WHOの前代未聞の推奨と大量注文」

2001年春、ピエールから伊藤にメールが入った。
オリセットの件で話がしたい、ということだった。
来日したピエールはフランス語訛りの英語で伊藤に言った。

「WHOは今、マラリア対策蚊帳について、
 大きな方向転換をしようとしています。
 これまでに再処理を行わせることで、
 ユーザー住民の啓蒙を図ることを目指してきました。
 だが今、ようやく、そのプロセスを経ていては、
 普及が進まないということが、
 合意となりつつあります。
 WHOはそう遠くない将来、
 長期残効蚊帳、
 つまり再処理をしなくても、
 長期間にわたって殺虫効果が残るものを
 推奨する方向に舵を切り替えるでしょう。
 そのときに、あなたがたのオリセットの蚊帳は、
 現時点で最も性能面で優れている蚊帳であると
 理解せざるを得ません。

同年10月、WHOは「長期残効蚊帳」という新しいカテゴリーを創設し、その第一号認可品としてオリセットを推奨した。
WHOが新カテゴリーまで創設して推奨するのは前代未聞のことだった。
同時に「フィールド評価用」として、7万張りもの発注をしてきた。
今までの膠着在庫が一掃されるだけでなく、大至急、増産体制を作らなければならない。

伊藤は上司に掛け合って奥野を戻して貰った。
奥野は事態の急進展に驚いたが、大車輪で動いて、年間10万張りの生産体制を整えた。

■「WHOが無償でうちの技術が欲しいといっていると?」

WHOはさらにオリセットの急速な普及を促進するために、矢継ぎ早に手を打ってきた。
「すばらしい技術であるオリセットの技術を、
 アフリカで現地生産できるよう、
 できれば無償で蚊帳生産技術を供与してほしい。
 それにより生産規模を拡大し、
 安く大量の蚊帳を供給できる体制を構築したい。」

WHOは「安く大量の蚊帳を供給できる体制」のメンバーも揃えていた。
住友化学が殺虫剤、エクソンモービルがポリエチレン樹脂を提供し、技術供与されたアフリカ現地の製造委託先が蚊帳を製造する。
それをユニセフが買い上げ、PSI(ポピュレーション・サービス・インターナショナル)がマラリアの感染地域に配布・啓蒙を行う、という体制である。

「WHOが無償でうちの技術が欲しいといっていると?」と、社長の米倉弘昌は上申書に目を留めた。
技術で商売をしてきた住友化学がタダで外部に技術を出すなど前代未聞だった。

しかし、と米倉は考えた。技術料をタダにしても、その分、製品価格が下がり、販売量が増えれば、殺虫剤の販売だけでも利益は確保できるだろう。
なにより、それだけ多くのマラリア患者を減らせるし、現地生産によって現地の雇用も生み出せる。

■「三方良し」経営の世界的な成功事例

アフリカでの製造技術移転先として、ピエールからの紹介もあり、タンザニアの企業、AtoZが選ばれた。
住友化学が設備投資のアドバイス、機械の調達先の紹介、ライン作り、作業者の指導まで行った。

やっとのことで生産ラインを設置し、しばらく経ってから、住友化学の指導員が訪問してみると、工場の床は散乱し、物も乱雑に置かれていた。
そんな状況から、指導を繰り返し、2005年には300万張りへと拡大することができた。
 
冒頭で紹介した米倉がダボス会議で
「これだけ多くの世界中の人々に、
 うちの蚊帳は期待されているのか」
と感じたのは、この頃のことであった。

ユニセフからは再三にわたり、オリセットの供給能力を年産数千万張りに増強して欲しいとの要求が来ていた。
増産のために、現地でのもう一つの製造会社として、AtoZ社のグループ会社と住友化学のジョイント・ベンチャーを作った。

こうした思い切った増産により、現在、タンザニアの生産能力は年間3000万張りに達し、最大7千人もの雇用機会を生み出している。
なによりもオリセットネットやその他の対策の効果もあいまって、マラリアによる死者はかつての100万人規模から現在では60万人レベルに減少している。

拙著『世界が称賛する 日本の経営』では「売り手良し、買い手良し、世間良し」の「三方良し」経営が日本の経営の本質だと説いたが、オリセットネットはその世界的な成功事例と言えよう。

(文責 伊勢雅臣)

 *****

文中にもありますが、日本の最先端の技術開発を行う科学者が、資金面でたいへんな苦労をしながらこれを行っていても、いわゆるツブシが行われることが多々あるのです。
上の蚊帳は、たまたまフランスの研究者が動いたことと、まだ利権が確立していなかったことから、幸いにも軌道に乗りましたが、実際には、新技術というものは、既存の大きな利権と正面衝突してしまうことが多いわけです。

それでも日本の技術者や各企業は、世のため人のためを優先する精神性から、むしろ新技術の取り込みに積極的ですが、世界ではなかなかそうはいきません。
「俺の商売の邪魔をする者は敵だ」という二元対立が優先します。
そして国際政治上での政治的圧力がかかります。

日本の技術開発人は涙をのみ、邪魔した側が何らかの事情変化でその新技術が必要になったとき、いつのまにかその対立企業から、日本で開発していたはずの技術が「新技術」として発表される。
どうして機密がバレたのか。
同じ研究をただアチラが先行させていただけなのか。
それとも日本の研究成果がどこかから洩れていたのか。
証拠は何もありません。
ですから多くの研究者たちが涙を飲んでいるということも、またよくあることです。

さらにおかしなこともあります。
文科省から資金援助を得て、必死に研究開発していたら、その技術はとっくに別な企業が米国の企業と合弁で開発を終わらせていて、特許申請までしていた。
要するに特許が降りるまでのつなぎに、日本の企業が文科省の援助のもとに、とっくにできあがっているものの研究をさせられていた、というわけです。
すでに開発が終わっている案件なら、こんどはそれを土台にして、そこからさらに新しい技術を開発していくのが日本企業であり、日本の技術者たちです。
だから、「開発されてない」ことにして、研究を継続させられる。
それが文科省の指導のもとに行われるということは、文科省は、故意に日本の研究陣の足を引っ張っていたことになります。
いったいどこの国の行政なのかといいたくなります。

エクボ株式会社は、そうした干渉を避けるため、会員からの浄財によって研究開発を続けている会社です。
会員になったからといって、特別な見返りがあるわけではありません。
しかし、日本の未来を信じ、世界の発展と幸福を信じて、私も会員にさせていただきました。
そんな未来を暗示させるエクボ株式会社。
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コメント

one

No title
テスラコイルって、凄いと思います。フィラデルフィア計画時代にできた瞬間移動、テレポテーションも、反重力も、フリーエネルギーも、今の世の中で表に出てこないのは、残念に思います。
しかし、物質文明が如何に発達しようとも、それを操る人間の心、即ち精神文明の進歩が伴わないのであるから、神の経綸上、致し方ないことだとも思います。なぜならば、私、今の人類の精神レベルなら、核戦争や何かを平気でやらかすと思うからです。

私、はやし浩司さんという方の縄文”亀”についての説がとても面白いともいます。
https://www.youtube.com/watch?v=wgqdgLEI7sA&feature=share

明後日、原宿で行われる林さんの講演会に行ってみます。前売りを買えなかったので、席があるかどうかわからないのですが。
http://hayashihiroshilive.peatix.com/

疑問

「氏族社会」の萌芽は縄文時代から
「氏族社会」はモンゴルツングース的、騎馬民族的だとよく聞かされて来ましたが、「氏族社会」の萌芽は、縄文・弥生時代からではないでしょうか?

例えば、三内丸山遺跡。
あの大規模集落に、何世代にもわたって人々が住み続けました。
当然「村人意識」を強く持った事でしょう。
「俺たちは三内丸山集団(と言ったかかどうかはさておいて)である」「三内丸山の人間である」という意識を強く持ったはずです。

当然そこには、カリスマ的なリーダー的人物が存在したでしょう。
そうなるとそれはもう、「氏族社会」に片足を突っ込んでいる状態と言えます。

その他にも、東北地方などでは、大量のアクセサリーと共に葬られている人物がいたりして、確実に「偉大なるリーダー」が存在し始めているのですが、あまりマスコミでは紹介されないのが不思議ですね。

くすのきのこ

No title
こんにちは。日本周囲の海底には古代構造物が沈んでいますね。
青森県陸奥湾、静岡県熱海、島根県日御碕・沖ノ島、和歌山県串本、福岡県
沖ノ島など。琵琶湖にも縄文時代の遺跡が沈んでいると。海に沈む前には陸
地だったわけです。琵琶湖は古代湖であり、実は600万年前三重県にあっ
た大山田湖が北上し130万年前現在地に至り、一時消えたが30~100
万年前に沈降して再び湖となったと。現在でも北西に移動中だとかw古墳時
代~平安時代~江戸時代の遺跡まであり・・だそうです。
人間の目に見えるものは僅かでしかない。人は自らの知る事しか知らない。
この無知の知を突き付けられるからこそ知る楽しみがある。現在のガクシャ
の中の既得権益層の一部は、政治とカネに翻弄されているのかも・・。

rgb

No title
外患罪で死刑にすべきですね。

相模の三吉

また彼かと思ってしまう
坂上教授が提唱した高性能のTRONプロジェクトを潰した方のことが瞬時に湧いてきました。そしてPEGY conpyutingのことが仕掛けられたのではないかと…。ソフトバンクは「申告漏れ総額は約62億円で、全体の追徴税額は約17億円」が大きく表に出ないのは根が同じとすると…。以下ご参考
https://ameblo.jp/putrajp/entry-10945614343.html

シミズ

全くもって官僚は日本の敵ですね。
帰化人が大量に入り込んでいるらしいですが。
ねずさんのブログを読めば読むほど、ブログに登場する気高い日本人と現世の腐敗しきった日本人のギャップに悲しくなります。

よたロニモ

No title
  どんな反日イズムの持ち主にも、こちらのブログを、少しでも
  よんでもらえれば、みんな親日になる。


   表現は違いますが、言いえて妙と思います。

 昨今は、読まない洗濯も、こころえていますが、、、。

 ちいさなことですが、ひとつ。

 段ボールの例えは、いまひとつピンときません。
 いわば、さきにつけ回しをする、「共同幻想」のようなものかとも、
 個人的には思います。これも、表現が誤解をまねきそうですが。

 ロム專でもいいんですよね。

 すばらしいと思ったら、こちらで書き込みをせずとも、ひとりでも
 二人でも、紹介しましょう。
 一般人は書き込みが商売ではないのですから。
 
 日々の、すばらしいブログ、ありがとうございます。
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ねずさんのプロフィール

小名木善行(おなぎぜんこう)

Author:小名木善行(おなぎぜんこう)
連絡先: info@musubi-ac.com
昭和31年1月生まれ
国司啓蒙家
静岡県浜松市出身。上場信販会社を経て現在は執筆活動を中心に、私塾である「倭塾」を運営。
ブログ「ねずさんの学ぼう日本」を毎日配信。Youtubeの「むすび大学」では、100万再生の動画他、1年でチャンネル登録者数を25万人越えにしている。
他にCGS「目からウロコシリーズ」、ひらめきTV「明治150年 真の日本の姿シリーズ」など多数の動画あり。

《著書》 日本図書館協会推薦『ねずさんの日本の心で読み解く百人一首』、『ねずさんと語る古事記1~3巻』、『ねずさんの奇跡の国 日本がわかる万葉集』、『ねずさんの世界に誇る覚醒と繁栄を解く日本書紀』、『ねずさんの知っておきたい日本のすごい秘密』、『日本建国史』、『庶民の日本史』、『金融経済の裏側』、『子供たちに伝えたい 美しき日本人たち』その他執筆多数。

《動画》 「むすび大学シリーズ」、「ゆにわ塾シリーズ」「CGS目からウロコの日本の歴史シリーズ」、「明治150年 真の日本の姿シリーズ」、「優しい子を育てる小名木塾シリーズ」など多数。

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