新作動画『江戸の天才数学者 関孝和』

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キサゲって、鉄をピカピカに平らにするんだ。
だけど髪の毛の10分の1位のデコボコを残すんだ。
そうすると、ボコの所に油が流れて、
機械の動きがスムースになるんだ。
イシさんくらいの大ベテランになると、
指で触っただけでデコボコが分かるんだ。キサゲ作業の風景

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【お知らせ】◆
<東京・倭塾、百人一首塾他>6月30日(土)13:30
倭塾・東京 第52回7月14日(土)18:00
倭塾・東京 第53回7月28日(土)18:00
百人一首塾 第28回8月15日(水)
ねずさんと靖国昇殿参拝9月15日(土)18:30
百人一首塾 第29回9月23日(日)13:30
第54回 倭塾・東京 第54回<関西・倭塾>8月10日(金)19:00
倭塾・関西 第一回 (IK歴史勉強会 十七条憲法と創生の神々)9月9日(日)14:00
倭塾・関西 第二回 (IK歴史勉強会 イザナギ・イザナミと古代の朝鮮半島情勢)10月19日(金)19:00
倭塾・関西 第三回 (IK歴史勉強会 大航海時代と大国主)11月11日(日)14:00
倭塾・関西 第四回 (IK歴史勉強会 唐の皇帝と日本の天皇)12月8日(土)14:00
倭塾・関西 第五回 (IK歴史勉強会 稲作の歴史と古墳のお話)エリカちゃんは、小学5年生の女の子です。
ひとりっ子です。
両親のもとですくすく育ちましたが、お母さんからお説教されることはしょっちゅうでした。
でもお父さんから叱られることは、あまりありませんでした。
ところが叱られたのです。
エリカちゃんも友達も、ゲーム機が大好きです。
通信が出来て新しいソフトも沢山あるゲーム機が登場します。
友達が持ちます。
どうしても欲しくなります。
お母さんからは、
「クリスマスにサンタさんにお願いしなさい」
と言われていました。
しかし待ちきれなくて、ウソをついてしまいました。
「今持っているゲーム機、壊れちゃった。」
もちろん、すぐばれてしまいます。
お母さんからはうんと叱られました。
夜、会社から帰ったお父さんに、「エリカ、ここに座りなさい」と言われました。
しかしお父さんは、意外なことを言いました。
「ウソをついたのも悪いけど、
もっとよくないことがあるんだぞ。
ウソがばれなかったら、
古いゲーム機は
どうするつもりだったんだ?」
そして謎の命令を下します。
「エリカ、
あしたおじいちゃんとおばあちゃんのウチに
泊まりに行ってこいよ、
どうせ夏休みだし。」
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翌日、一人でドキドキして電車に乗ります。
田舎の駅には、おばあちゃんが出迎えに来ていました。
その夜の晩ご飯は、おばあちゃんと二人で食べました。
おじいちゃんは、仕事でまだ工場にいるのです。
晩ご飯のあと、おばあちゃんは洗濯物にアイロンをあてています。
見るとポケットが沢山ついたベージュ色のズボンでした。
オイルのしみがあちこちついています。
年季が入ったズボンです。
おばあちゃんは、
「ほら見てご覧、ここ」
と指さします。
右足の付け根の一寸上の方です。
そこだけ生地が傷んでほつれかけています。
おばあちゃんは、誇らしげに言いました。
「長年仕事をしているとこうなるの。
おじいちゃんの勲章みたいなものよ。
キサゲの柄の端っこをここに当てて、
ぐっと前に押すのよ。
それを毎日ずーとやってきた。」
おじいちゃんは、工場のキサゲ工なのでした。
翌朝、7時前に起こされました。
「今日はおじいちゃんと一緒に、
エリカちゃんも工場に行くのよ。」
バスに乗って、おじいちゃんと一緒に工場へ向かいます。
そしてびっくりします。
バスに乗ってくる同じ工場の人が、皆おじいちゃんに挨拶するのです。
「イシさん、おはようございます。」
「イシさん、夕べはどうも。」
おじいちゃんの姓は、「石川」だから、「イシさん」なのです。
若いお兄さんが私を見て言いました。
「イシさん、・・・この子、お孫さんですか?」
「最後だから連れてきた。」
「イシさん、長年お世話になりました。
オレ、仕事を一から教えてもらって・・・。
まだ何も恩返しできなくて・・・。」
そう、今日はおじいちゃんの60歳の誕生日、定年の日なのでした。
工場では、小さなヘルメットを渡されました。
おじいちゃんの横には、でぷっちょのおじさんがいて、ニコニコしています。
工場長さんでした。
今日、見学することを特別に許してくれて、おまけに今日も最後の仕事があるおじいちゃんに代わって、工場の案内までしてくれるらしい。
おじいちゃんは申し訳なさそうに
「悪いなぁ、忙しいのに」
と言ったのに、工場長さんはにこやかに笑って、首を横に振ります。
「イシさんには難しい仕事を
数え切れないほどやってもらったんですから、
それ位、喜んでやらせてもらいますよ。」
フシギでした。
工場長さんは、一番偉いはずなのに、おじいちゃんに敬語を使っている、なんか心から尊敬している感じです。
夕べはおじいちゃんの送別会だったと、工場長さんは教えてくれました。
工場で一緒に働いてきた仲間が、沢山出席して賑やかな会でした。
工場は、工作機械を作る工場でした。
工作機械とは、機械を作る機械のことで、マザーマシンと言われます。
高い精度が求められます。
その精度を最終的にキサゲという人手による作業で実現しているのです。
おじいちゃんは、そのキサゲ班の班長でした。
おじいちゃんから、一から仕事を教え込まれた班の若手、それがバスの中で会った若い人でした。
3年やってやっと半人前です。
夕べは、最後に泣いたそうです。
工場の中は、あちこちで機械が音を立てています。
クレーンが金属の塊を運んでいます。
ロボットが動いています。
工場長さんは、いろいろ自慢します。
「この床、地震でもびくともしないよ。」
「工場の中、涼しいだろ?
1年間23度、湿度も一定だよ。」
「それは機械のためだよ。
機械は温度で伸び縮みするんだよ。
みんな生きているんだ。」
そして胸のポケットから、携帯電話を取り出します。
「これ、ウチの工場で作った機械で作っているんだよ。
こんなに小さいのに、
部品が沢山使われている。
その部品の寸法が、
0.1ミリでもずれていたら、
正しく組み立てられない。
何万個作った中の
どの1個ををとっても、
ぴったりにならないといけないんだ。」
工場長さんは、さっきの言葉を繰り返します。
「生き物と同じなんだよ、鉄や機械は。
人が愛情を込めて付き合っていけば、
命を持つんだ。」
エリカちゃんは、胸がキュンとなりました。
そうか、お父さんの言っていたことは、このことだったんだ。
そのあと、おじいちゃんのキサゲの職場に行きました。
太っちょのおじさんがいる、茶髪のイケメンぽいお兄さんがいる、機械の底に潜り込んで仕事をしているお兄さんもいる。
歩いていると、声をかけられます。
「イシさんのお孫さんだって?」
「何年生?」
「目がよく似ているね」
「イシさんも長生きしなくっちゃ」
おじいちゃんは、一生懸命キサゲの仕事をしていました。
工場長さんは、説明をしてくれます。
「キサゲって、鉄をピカピカに平らにするんだよ。
だけど、髪の毛の10分の1位のデコボコを残すんだ。
そうすると、ボコの所に油が流れて、
機械の動きがスムースになるんだよ。」
おじいちゃんは、キサゲで削った表面を、そっと指でなでています。
「イシさんくらいの大ベテランになると、
指で触っただけでデコボコが分かるんだよ。」
お昼休みになりました。
皆が食堂に集まりました。
おじいちゃんのお別れ式です。
皆んなで力を合わせて機械を作っているから、皆が仲間なのです。
おじいちゃんは、拍手に迎えられて入って来ました。
照れくさそうです。
いろんな人から花束をもらいます。
「えー、それで・・、
ここでサプライズがあります。」
司会の工場長さんが言いました。
「今から25年前、当時5歳だった
イシさんの息子さんが、
父の日作文コンクールで
最優秀賞を取りました。
本日のために息子さんから、
この作文を送ってもらいました。
イシさんの定年に当たって、
この作文をもう一度、
イシさんに捧げたいと思います。」
作文を読み終わると、食堂は割れるような拍手に包まれました。
エリカちゃんも一生懸命、拍手しました。
「子供時代のお父さん、
やるじゃん・・・。」
最後におじいちゃんの挨拶です。
「・・・ワシは口べただから、
・・・挨拶なんて・・・、
とにかくその・・・、
みんな元気で頑張ってくれ。」
「ものを作るっていうのは、
・・・アレだ、うん、・・・
素晴らしいことだと思うんだ、
ほんとに。」
「最後に、今日、
孫に仕事をしているところを
見せてやれて・・・、
よかった・・・。」
拍手、拍手、拍手でした。
もうエリカちゃんは、ものを粗末に扱うことはしないでしょう。
部屋はきちんと整理するでしょう。
お友達には、仲良く親切にするでしょう・・・。
ここに我が国におけるものづくりの原風景があります。
工場の皆が仲間であり家族です。
先輩達は若者達を厳しくしかし暖かく鍛えます。
仕事に誇りを持ち、仕事に真っ直ぐに取り組み、若者達を薫陶します。
若者達は、自分を鍛えてくれた先輩達に感謝します。
工場長もそのような人達を高く評価し大切にします。
こうして我が国のものづくりの現場では、職人という人達が大切に扱われ、技術・技能が伝承されてきました。
この大震災で、東北地方のものづくりの工場が、大きな打撃を受けました。
そこで改めて分かったことは、世界中の主立った工場に、その影響が及んだことです。
日本からの各種の部品の供給が途絶えて、世界各国の工場も休止に追い込まれました。
我が国のものづくり力は、世界のトップなのです。
是非東北地方の被災工場の早期の復興と今後の発展を祈りたいと思います。
ただ1つの暗雲は電力の逼迫です。
(資料)重松清著、はまのゆか絵「おじいちゃんの大切な一日」(幻冬舎)
※この記事は2011年6月の記事の再掲です。
お読みいただき、ありがとうございました。

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コメント
くすのきのこ
東北の石油の国有化。けれども商うとアメに潰されるので備蓄。
現代は、衣食住の全てが石油・天然ガスを基盤としてます。
食料生産も石油なしで耕運機動かず・苗を植えれず・雑草と害虫対策
できず・収穫できず・加工できない。衣類の素材も石油。住居の鉄鋼
もコンクリートも採掘・運搬・製造の全てに石油と電気が必要。素材
が石油の資材も多い。
その石油の一次決算がドルだからアメリカは強い。軍も最大。それに
食料生産国で貿易用小麦の一次卸はアメ企業のみ。飼料作物のコーン
も支配。つよいな~wさすがに計画的に造られた国。
しかし実際にトクアの脅威があり、地球と太陽の変動による天災も収
まらないとなると・・カク・地震・津波・台風に備えていかなくては。
じわじわと漸進しないと・・そういう所はシ~ナを見習うべきかもw
日本の屑鉄価格が北京五輪以来の低値からじわじわ上がっていると。
シ~ナの粗鋼はダブついているのに。モノがいいんですかね?大きな
船に化けるかも~ヘ~キに化けるかも~?それなのにザイムは日本の
ヘ~キ産業を弱らせるつもりらしいと・・あっそ~?さん?考えても
らわないと困りますが?何か秘策でもあるのかな・・。
2018/06/26 URL 編集
くすのきのこ
また東北の石油を国有化し商わないで備蓄。商うとアメに潰されますw
現代は全てといって言い程の物質が石油・天然ガスを基盤に作られて
います。食料生産にしても、石油なしでは能率よく小数労働で耕運で
きず、苗を植えれず、雑草対策できず、収穫できず、運搬できず、
加工できない。衣料は素材が石油系のものが多い。住環境にしても、
鉄鋼もコンクリートも材料採掘・運搬・製造全てに石油・天然ガスと
それによる電力が関わってくる。山一つを崩してコンクリートが作ら
れる。居食住すべての基盤が石油と天然ガスになっています。
その一次決算がドルだからアメリカは強い。それと軍事力を合わせ持
つ。また食料生産国で小麦の一次決算はアメ企業のみ。家畜の飼料穀
物であるコーンも支配。さすがに計画的に造られた国なだけあるので
す。
しかし実際にトクアの軍事的脅威があり、また地球と太陽の変動によ
る天災も収まるはずもなしと・・核兵器・地震・津波・台風被害に備
えた居住地造りを視野に入れねばなりませんね。ジワジワと計画的に
漸進していくしかありません。そういう所はシ~ナを見習うべきかもw
日本の屑鉄価格がじりじりと上がっているそうです。輸出先はシ~ナ。
北京五輪以来の低価格から上昇中。シ~ナの粗鋼はダブついているの
に。つまり日本製の鉄製品はモノがよく・・軍備拡張にはもってこい
なのかな?それなのにザイムは日本の防衛・軍事産業を更に弱らせる
つもりらしいですよ。どう対抗すべきかな?このままでは・・。
あっそ~?考えてもらわないと困りますがw何か秘策でもあるのかな?
2018/06/26 URL 編集
日本を愛する日本人から一言・・・
早速その資料にさせていただきます。丁度5.6年生なのでぴったりでしょう。
感動が世の中を大きく変えて行くと信じています。
2018/06/22 URL 編集