軍犬金剛と那智の物語



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20180501 表紙完成2のコピー

靖国神社に軍犬慰霊像があります。
彼らは満洲や南方で将兵と共に戦った軍犬たちの慰霊碑です。
そして実は7月7日は、昭和8年に陸軍省が軍犬金剛、那智号に初の甲号功章を授与した日でもあります。


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20180627 軍犬
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靖国神社に軍犬慰霊像があります。
彼らは満洲や南方で将兵と共に戦った軍犬たちの慰霊碑です。
そして実は7月7日は、昭和8年に陸軍省が軍犬金剛、那智号に初の甲号功章を授与した日でもあります。

このときの金剛、那智号の活躍について、「金剛、那智の記念碑」のあった奉天(瀋陽)の加茂国民学校で行われた慰霊祭において、神奈川県逗子市の逗子高等女学校の先生をしておられた板倉鎮子氏が小学生に話されたものが、ネットに掲載されていましたので、ここに転載します。

**********
軍犬 金剛、那智の話
(週間小国民_昭和17年10月4日号から)
http://kiriken.web9.jp/gunken/kongou_nachi.html</u>">http://kiriken.web9.jp/gunken/kongou_nachi.html

那智は中華民国の青島の浅野浩利さんのお家で生まれました。
お母さん犬は小夜丸というシェパードです。
仔犬は全部で7匹生まれました。
オスの4頭は戦艦の名を取って、
金剛、長門、陸奥、榛名とつけられ、
雌の3頭は那智、摩耶、高雄と
巡洋艦の名を付けてもらいました。


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20160630 軍犬 金剛、那智


無敵の我が軍艦のように
7頭とも揃って身体の丈夫な賢い犬ばかりでした。
そのうちでも那智はとりわけ利口なので、
当時奉天の独立守備隊第二大隊で軍犬班の将校だった板倉大尉の許で
立派な軍用犬にしようと
はるばる満州に行くことになりました。

しかし浅野のおばさんは
小さい那智がたった一人
海山越えて遠いところへ行くのが可哀想でたまらないので
いろいろ考えられた末、
それではもう1頭献納しようと、
金剛と一緒にして大連行きの奉天丸に預けられました。
二匹にすれば、途中淋しいことはなかろうとの思いやりが、
とうとう冥土の旅まで道伴れになってしまったとは
よくせきの因縁とでもいうのでしょう。

金剛、那智の兄妹犬は
大連で板倉大尉に迎えられて奉天に着きました。
着くとすぐ猛烈な訓練が始まりました。

その当時満州は、
いつ戦争があるかもわからないという危い時だったのです。
しかし、那智、金剛はさすがに難しい訓練にもすぐ馴れて、
隊でも評判の犬になりました。

そうこうするうちに満州事変が
奉天から少し離れた柳條湖で始まりました。
こういう場合にこそ軍犬は活躍しなければならないと、
金剛、那智は勇躍出発しました。

何しろ敵は1万2千の大勢で
北大営という兵舎に立て籠もって居ましたので、
味方は僅か5百名だけでしたから
夜襲することになり、
金剛、那智も参戦を許され、
初めて本当の戦争に出たのでした。

味方はみんな勇敢に戦ったので
翌19日朝
とうとう北大営を占領、
敵をさんざんやっつけました。

金剛、那智は敵弾雨の中を
伝令の任務に服しましたが、
敵は何しろ大勢ですから
激しい戦いとなり、
そのうえ夜の戦争ですから
兵隊さんも犬もバラバラになってしまいました。

日露戦争で部下の杉野兵曹長を見失った廣瀬中佐のように、
板倉大尉は金剛、那智を捜しまわりましたが、
行方がわかりません。
その当時の様子を
元の飼主だった浅野さんに宛てた
板倉大尉の手紙を読んでみますと

「午後11時より翌朝6時に亘る
 暗夜の激戦のこととて
 人犬相離れ、
 主は犬を求め、犬は主を捜すも、
 天明に至るも遂に那智、金剛の姿なく、

 戦闘以来三日、
 北大営内を隈なく捜索せしに
 金剛号は敵弾のため腹部貫通銃創、
 那智号は胸部貫通銃創をうけ、
 共に戦死しありを発見、
 誠に残念に有之候。

 勇敢なる戦士として
 敵弾のため名誉の戦死をとげたるは
 軍用犬のため決して無駄死にあらず、
 後輩幾多軍犬の発展上
 大なる功績をあげたるものと確信致し居候。

 北大営戦死の地に墓標を建てその霊を慰め申候。」

板倉大尉は、冒頭の板倉鎮子氏のご主人で、
この手紙から間もなく、錦州において戦死された。

*********

以前、国民学校の教科書に載った軍犬利根の物語をご紹介させていただきました。
日本が飼育した軍犬は1万頭を超えます。
日華事変を含む大東亜の戦いで、もちろん初期から中期の頃までは、帰国できた軍犬もいましたが、その多くは大陸で命を失い、また終戦時に大陸で生き残っていた軍犬たちは、すべてソ連軍やChina国民党軍に引き渡されました。
ソ連軍は、その軍犬たちをそのままChina共産党軍に下げ渡し、その後の消息はすべて不明です。

ただ、どうなったかは、これら軍犬たちの血を引く犬が、Chinaにいないことから、想像に難くないことです。

日本が軍犬を用いて、最後には軍犬たちの多くの命が失われたことで、日本軍があたかも酷いことをしたように記述しているものもあるようです。
しかし、軍犬の飼育は、米軍は当時50万頭です。
その米軍犬たちが、南方戦線で日本軍の立てこもる洞窟陣地の発見に大活躍しています。
要するに軍犬を用いたのは日本軍ばかりではなくて、当時、世界であたりまえのように行われたことです。

ただすくなくとも日本の旧軍人だった方々は、戦友とともに外地で散っていった軍犬たちのために、靖国に慰霊碑を建て、そしていまも靖國神社に行くと、その慰霊碑の前に、誰が置いたのか、いつも水やお花が飾られています。
それが日本人です。

ちなみに金剛は戦後にも活躍しています。
海上自衛隊呉地方地補給基地に「金剛丸」という名のジャーマンシェパードがいました。
戦前の軍用犬と異なり、いまの自衛隊では基地内の警備を目的とする犬として「警備犬」」と呼ばれ、訓練されていました。

金剛丸が、東日本大震災のとき、救助のために被災地に出動しました。
そして介護の老夫婦を救助しました。
誰もが怯むような厳しい状況の中で、金剛丸は自衛官としての使命を立派に果たしたのです。
けれど、人より何十倍も聴覚や嗅覚が優れた犬のことです。
任務は想像を超える激務でした。

津波肺と呼ばれる病気にかかり、任務中に死亡しました。
4歳4ヶ月でした。人なら30代半ばくらいの年齢です。

靖国神社には軍犬、軍馬、伝書鳩の慰霊碑があります。
戦前の金剛や那智、メリー号なども、ここで慰霊が行われます。
けれど、戦後に殉職した自衛隊の警備犬は「戦死」ではないので、靖国に祀られることはありません。

「そんなのおかしいだろ!」と言った人がいました。
そして、犬も人間も、一緒じゃないか!と、鶴の一声で航空自衛隊の某基地のしかも1番目立つ場所に、大きな犬の慰霊碑を作ってくれました。
それが田母神俊雄元空幕長です。
そういう4つ星のジェネラルを、戦後日本の政府も、また日本の一部保守派の人たちも、騙し叩き勾留しています。

金剛や那智についてネットで調べてみますと、犬たちは被害者ニダと騒いでいるサイトなどもみかけます。
国を護り、人の命を救おうと一心に訓練され、過酷な情況の中を人とともに戦った軍犬軍馬軍鳩たちを、御霊を信じ、未来永劫、いつまでも大切に慰霊していこうとする日本人。
それを被害者ニダと言いつのるばかり人たちの垂れ流す論説にひっかかって、戦前の日本や、いま起きている事実から目を背ける現代日本人。
そしてなくてはならない人を、寄ってたかって叩き続ける現代日本人。

何かが間違っているような気がします。
政治的に日本を取り戻すという前に、私は、日本人が日本人としてのこころを取り戻すことこそ大事なことだと思っています。

※この記事は16年5月の記事の再掲です。

【感動】心打たれる戦地の犬たち〜軍用犬と兵士


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コメント

Kaminari

日教組教育の害毒
子供の頃から真面目に学校で勉強すれば、日本は悪かった、間違っていたと思い込むようになりますね。そのような教育プログラムになっていることが多いと感じています。
まず私たちが誤った歴史観を修正していく必要がありますね。
小名木さんのブログはその歴史観を修正するのにとても役に立ちます。ありがとうございます。

えっちゃん

No title
今日もありがとうございます。ブログに転載すると同時に、フェースブックでも拡散させていただきます。今日の軍犬、警察犬のお話は、心打たれました。動画を見て涙が出ました。
70歳以上の方が、アメリカのWGIPにやられ、自虐史観を植え付けられたとのこと。私は、亡父に、「戦争論・小林よしのり著」をあげました。読み終わって、目に涙を浮かべ、○○さんにも見せてやろうと嬉しそうに言っていました。やっと理解されたという思いだったのでしょう。幸いなことに、本好きな亡父ですから、理解できたと思います。
若者は、ネットで色々知り、KAZUYAさんをはじめとするユーチューバーから、偏向されない事実を知っています。電博の縛りがある新聞、テレビ、映画から離れ、毒されていません。だから、「ねずさんのひとりごと」をはじめとするブログなどを拡散し、多くのかたに「日本人の心」を取り戻すお手伝いをしています。

-

日本は映画でも悪者です。只今ファイナルカウントダウンなる映画が放映されていますが、日本軍機がアメリカの民間船を意味も無く機銃攻撃するなど内容は酷いものです。これも戦争に勝った者の傲慢としか思えません。しかも日本軍は絶対悪であると信じる齢七十の親が語るあたり、日本の戦後自虐史教育が如何に深刻であるか、嘆かわしい限りです。私は日本に戦争犯罪が全く無かったとは思いませんが、天皇陛下の玉音放送による大義はその当時も、今も生き続けているものと信じています。
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ねずさんのプロフィール

小名木善行(おなぎぜんこう)

Author:小名木善行(おなぎぜんこう)
連絡先: info@musubi-ac.com
昭和31年1月生まれ
国司啓蒙家
静岡県浜松市出身。上場信販会社を経て現在は執筆活動を中心に、私塾である「倭塾」を運営。
ブログ「ねずさんの学ぼう日本」を毎日配信。Youtubeの「むすび大学」では、100万再生の動画他、1年でチャンネル登録者数を25万人越えにしている。
他にCGS「目からウロコシリーズ」、ひらめきTV「明治150年 真の日本の姿シリーズ」など多数の動画あり。

《著書》 日本図書館協会推薦『ねずさんの日本の心で読み解く百人一首』、『ねずさんと語る古事記1~3巻』、『ねずさんの奇跡の国 日本がわかる万葉集』、『ねずさんの世界に誇る覚醒と繁栄を解く日本書紀』、『ねずさんの知っておきたい日本のすごい秘密』、『日本建国史』、『庶民の日本史』、『金融経済の裏側』、『子供たちに伝えたい 美しき日本人たち』その他執筆多数。

《動画》 「むすび大学シリーズ」、「ゆにわ塾シリーズ」「CGS目からウロコの日本の歴史シリーズ」、「明治150年 真の日本の姿シリーズ」、「優しい子を育てる小名木塾シリーズ」など多数。

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