私達の先祖たちは「よろこびあふれる楽しい国」を希求してきた



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よく「日本を良くしよう」と言いますが、
そのために怒ってばかりいても、
人々はついてきません。
そうではなくて、
「日本を楽しくしよう」
という発想や行動がもっとあって
良いのではないかと思います。
日本はイザナキ、イザナミの時代から、
元来
「よろこびあふれる楽しい国」
を希求し続けてきた国なのですから。


20180726 笑顔
(画像はクリックすると、お借りした当該画像の元ページに飛ぶようにしています。
画像は単なるイメージで本編とは関係のないものです。)



暗いニュースや怒りの報道が満ち溢れています。
野党さんの行動を見ても、ひたすら怒れば票が集まると思っているかのようです。

しかし日本書紀を読むと、そこにはイザナキ、イザナミの神が、そもそも何のためにオノゴロ島を作ったかの目的が書かれています。それが、
「豈国無歟(あにくになけむや)」です。
「あに〜や」は、学校の古文の授業では単なる反語としか教わらず、ですから「あに国なけむや」は、「国はあるだろうか。ないよね。だったら自分たちでつくろうよ」といった語感としてしか訳されません。

けれども日本書紀は、ここで「豈(あに)」という漢字を用いています。
「豈」は楽太鼓(がくたいこ)の象形文字です。
楽太鼓は、神社などにある据え置き型の太鼓です。
この太鼓はうれしいとき、楽しいときに打ち鳴らす太鼓です。
だから「楽しい太鼓=楽太鼓」という名前が付いています。

つまりイザナキ神とイザナミ神は、
「よろこびの太鼓を打ち鳴らすような
 楽しい国はどこかにないだろうか。
 ないよね。
 じゃあ、自分たちで築こうよ」
と語りあって、この世をつくられたのだと、日本書紀は書いています。


日本書紀は、国史(こくし)と言って、江戸の昔も明治以降の戦前戦中までの日本でも、あたりまえのように教えられていたものです。
その教科書の一番始めの方で、生徒たちは「日本は豈国(あにくに)」=「よろこびあふれる楽しい国」と教わりました。
ですから東郷平八郎など、著名な軍人さんたちは、もちろん戦うときは鬼にもなりますが、平素の講演などを聞くと、抱腹絶倒でまことに楽しかったそうですし、普段接していても、本当に心があたたまるし、楽しかったそうです。

このことは維新の志士達も同じで、高杉晋作や桂小五郎の遊びは有名ですが、同様に諸藩の志士たちも、みんな真っ直ぐだったし明るかったし爽(さわ)やかだったし、なにより明るかったそうです。
なぜなら日本を良くしようとする志士たちが、暗い志士では誰も付いてこないからですし、そもそも日本を良くするということ自体が、明るい日本、楽しい日本、よろこびあふれる楽しい日本にしていきたいという意味だからです。

もちろん『葉隠』などは、武士は日に片頬(ぶしはひにかたふ)と言いまして、武士は一日一回、片方の頬をちょっとゆがめるくらいでちょうどよく、それ以上に笑ってはいけないなどと書いていますが、それもまた考えてみれば、逆にそれだけ武士たちがよく笑ったということの裏返しでもあります。

ではその「よろこび」や「楽しさ」は、自分だけのものでしょうか。
自分のよろこびや自分の楽しさのために、周囲の人たちに迷惑をかけたり、あるいは自分よりも下位の人や国から収奪したり、あるいは男性が女性を自分の欲望を満たすために強姦することが、正しいことでしょうか。
そうではないことは、誰にでも簡単に気付けることです。

つまり「よろこび」も「楽しさ」も、みんなと共有しあうことが大事なことです。
自分のよろこびや楽しさを優先するのではなくて、周囲のみんながよろこびや楽しみを得ることができるように、自分なりに最善を尽くしていく。
そうすることで、よろこびも楽しさも、実は倍増していきます。
みんながうれしくて楽しい笑顔で包まれていたら、なんだか自分もうれしくなります。

逆に、家庭の中にあっても、家族の誰かひとりでも暗い怒りに沈んでいたら、なんでもない他の家族まで、気が滅入ってしまいます。
つまり自分だけのよろこび、自分だけの楽しみだけでは、ただの身勝手になってしまう。
うれしいこと、楽しいことはみんなと共有することで、そのよろこびが倍増するし、悲しいこと、辛いことはみんなが共有してくれたら、その辛さも悲しさも半減するし、もしかするとそれ以上に前向きで発展的な解消方法が見つかるかもしれません。

そういう視点で見たら、オジサマたちよりも、最近の若者達の方が、
「人を笑わせたりよろこばせる職業に就きたい」
「災害支援活動に参加してみんなによろこんでもらいたい」
「音楽を通じてみんなによろこばれたい」
等々、人によろこばれることをしたいと考え行動しています。

若者はゲームに夢中になって、と思われる方もおいでかもしれませんが、そのゲームも、人気があるのは友達と一緒に狩りや対戦ができるコミュニケーション型のゲームです。
ゲーム自体にチャット機能がない場合など、子供たちはLINEなどで音声での会話をしながら遊んでいます。

サッカーのワールドカップの試合があれば、自分ひとりでテレビにかじりつくのではなくて、渋谷の町に集合したり、地元の応援団の集まるお店に集合したりして、みんなで試合を鑑賞して、点が入ればみんなでよろこび、負ければみんなで涙を流します。
まさにみんなのよろこび、みんなの楽しみが自分のよろこびであり、楽しみです。
そしてそれは、日本人ばかりではなくて、世界中のサッカーファンの多くが、まさにその楽しみやよろこびを知って、同様の行動をしています。

一方オジサマたちは、眉にシワを寄せて「いまどきの政治はなっとらん」とか、暗い。
テレビのサンデー・○ーニ○グに至っては、キャスター全員が朝から笑顔のひとつもなく、暗い顔でブツブツグチグチと政権の批判をしています。
キャスターさんたちやプロデューサーさんたちは、それでお互い同士の共感があるのかもしれませんが、あっているのでしょうが、視聴者には何のよろこびも楽しさも伝わってきませんし、なんだか「暗いことこそ世の中だ」と言っているかのようです。

そういうのを「いまどきの3K」というのだそうです。
3Kというのは、
 K  くらい
 K  きもい
 K  気味が悪い
です。
視聴率が伸びないのもあたりまえです。
日本人の感覚になじまないのです。

保守系のオジサマたちも、このあたりは反省が必要かもしれません。
世を憂うのは結構な話ですが、だからといって、暗い批判や暗い非難ばかりでは3Kの迷路に入り込んでしまいます。
何のために世を憂いているのかといえば、それは教条主義的なドグマを強制する社会を築きたいとか、戦争したいからではないと思います。
誰もが豊かに安心して安全に暮らせる平和な日本、よろこびあふれる楽しい日本を取り戻したいからであろうと思います。
それならもっと明るく、もっと楽しく。
新しい日本の建設のために、志と希望あふれる活動こそが、人々を惹きつけるのではないかと思います。

神社は、氏子さんたちが集まって会合を開くと、たいていはその後に直会(なおらい)があります。
大事な話のあとは、やっぱりお楽しみコーナーです。
なぜなら根幹に「よろこびあふれる楽しいクニつくり」という共通の思いあるからです。
それが古くからの日本社会です。

平成に入ってからの日本では、何事も効率重視、安ければ良いという風潮になり、相互のコミュニケーションのための飲食などは税制上の規制の対象にまでなりました。
政治が、日本的思考ではなく、どこかにかぶれた政治になったからだと言われています。

少々効率が悪くたっていいじゃないか、と思います。
地震、水害、日照り、凶作、火事、ついでに親父の雷が落ちないようにするには、みんなの協力、みんなの助け合いが不可欠です。
災害は待ってくれないし、いつどこで起きるかもわからない。
だったら、日頃から、万一の際の助け合いができるように、人間関係をしっかりと良好に保っていこう。
みんなで楽しくすごして行こう。
そのために自分なりにできる最大限の努力をしていこう、というのが日本人の考え方であり行動です。

政治も同じです。
暗い顔をして、ただ怒るだけの政治。
ただ批判したり野次ったりするだけの政治。
そんなことばかりしているから、政治不信になるのだと思います。

よく「日本を良くしよう」と言いますが、そのために怒ってばかりいても、人々はついてきません。
そうではなくて、「日本を楽しくしよう」という発想や行動がもっとあって良いのではないかと思います。
日本はイザナキ、イザナミの時代から、元来「よろこびあふれる楽しい国」を希求し続けてきた国なのですから。

よろこびあふれる楽しい国とは、豊かで安全で安心して暮らせる国です。
その国では、誰もが愛と喜びと幸せと美しさを求めて生きることができる。
そしてそのためにお互いがお互いを大切にしあう国。
それが古来からある日本が希求してきた日本の形です。

お読みいただき、ありがとうございました。

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にっぽんじん

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小名木善行(おなぎぜんこう)

Author:小名木善行(おなぎぜんこう)
連絡先: info@musubi-ac.com
昭和31年1月生まれ
国司啓蒙家
静岡県浜松市出身。上場信販会社を経て現在は執筆活動を中心に、私塾である「倭塾」を運営。
ブログ「ねずさんの学ぼう日本」を毎日配信。Youtubeの「むすび大学」では、100万再生の動画他、1年でチャンネル登録者数を25万人越えにしている。
他にCGS「目からウロコシリーズ」、ひらめきTV「明治150年 真の日本の姿シリーズ」など多数の動画あり。

《著書》 日本図書館協会推薦『ねずさんの日本の心で読み解く百人一首』、『ねずさんと語る古事記1~3巻』、『ねずさんの奇跡の国 日本がわかる万葉集』、『ねずさんの世界に誇る覚醒と繁栄を解く日本書紀』、『ねずさんの知っておきたい日本のすごい秘密』、『日本建国史』、『庶民の日本史』、『金融経済の裏側』、『子供たちに伝えたい 美しき日本人たち』その他執筆多数。

《動画》 「むすび大学シリーズ」、「ゆにわ塾シリーズ」「CGS目からウロコの日本の歴史シリーズ」、「明治150年 真の日本の姿シリーズ」、「優しい子を育てる小名木塾シリーズ」など多数。

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