日本的なよろこびとは



7月28日(土)18時半から予定していました百人一首塾ですが、
急なことで申し訳ないのですが、当日台風直撃であったため、日程を明日、
8月2日(木)18時半からに変更しています。
ご理解とご協力のほど、よろしくお願いします。
      小名木善行 拝


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よろこびも、たのしさも、もちろん笑顔の連鎖ではありますが、けれども決してそれだけではない。
よろこびも楽しさも、もっとずっと深い意味があるのだということを、純粋な日本人であれば、あるいは政治的に偏向していない魂を持った人間であれば、国籍や民族の如何に関わらず、実は誰もが気付くことができるのです。

20180801 ニホンアサガオ
(画像はクリックすると、お借りした当該画像の元ページに飛ぶようにしています。
画像は単なるイメージで本編とは関係のないものです。)


【お知らせ】
<東京・倭塾、百人一首塾他>
8月2日(木)18:00 百人一首塾 第28回←日程を変更していますのでご注意ください。
8月15日(水)ねずさんと靖国昇殿参拝
8月26日(日)14:00 チャンネルAJER主催・誰も言わないねずさんの世界一誇れる国日本
9月15日(土)18:30 百人一首塾 第29回
9月23日(日)13:30 第54回 倭塾・東京 第54回
<関西・倭塾>
8月10日(金)19:00 倭塾・関西 第一回 (IK歴史勉強会 十七条憲法と創生の神々)
9月9日(日)14:00 倭塾・関西 第二回 (IK歴史勉強会 イザナギ・イザナミと古代の朝鮮半島情勢)
10月19日(金)19:00 倭塾・関西 第三回 (IK歴史勉強会 大航海時代と大国主)
11月9日(金)19:00 倭塾・関西 第四回 (IK歴史勉強会 唐の皇帝と日本の天皇)
12月8日(土)14:00 倭塾・関西 第五回 (IK歴史勉強会 稲作の歴史と古墳のお話)
<国内研修>
12月16日(日)~17日(月) 一泊二日 神話を体感する会
11月の倭塾関西の日程が11月11日(日)から、11月9日(金)19時に変更になっていますのでご注意ください。


我が国の神語(かむかたり)では、創世神であるイザナキとイザナミが「よろこびあふれる楽しい国」を築こうとして、この世をつくられたのだとあります。
これを「豈国(あにくに)」といいます。

ところがそんな「よろこびあふれる楽しい国」に、ヤマタノオロチなど、次々と試練が襲います。
そしてその都度、神々は知恵と勇気をふりしぼり、あるいは力を合わせてその困難に立ち向かって問題を解決していきます。

なぜそのようになるかの答えは簡単に見つかると思います。
毎日がよろこび、毎日が楽しみばかりでは堕落してしまうからです。
苦労があり、その苦労を乗り越える。
その乗り越える知恵と力と勇気と協同にこそ、実はよろこびがあり、楽しさがあるというのが、我が国の神語の教えです。

ですから「よろこびあふれる楽しいクニ」とは、ただ馬鹿騒ぎをしているだけのクニのことではありません。
問題を解決するためには、勤勉でなければならず、日々努力の積み重ねでなければならず、困難に負けず、乗り越えるだけの心も体も鍛えていかなければならず、協調のためにはときに我慢もしなければならず、ときに勇気を振り絞って戦うことも必要です。
そしてそれが、どこまでも神々の御分霊のひとつである、人々のために行われるとき、はじめてそこに「よろこび」があります。

つまり日本的「よろこび」とは、自分だけが良い思いをしたり、自分だけが贅沢をしたり、自己満足のために他人を犠牲にしたりすることの対極、すなわちどこまでも「みんなのために、みんなとともに」よろこびがある、とされているものです。



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ここでいうみんなとは、自分を取り巻くごく一握りの家族であったり、王国の貴族たちであったり、特定の民族や国家だけを指すものではありません。
あまねく世界の人々が、ひいては地球規模のあらゆる生命体のみんなが、よろこびあふれる楽しい地球を担っていく。
そのために自分にできることは、ほんの少しの小さなことかもしれないけれど、その小さなことをみんなで積み重ねていく。
それが日本人の日本的よろこびです。

さらにこのよろこびは、日本仏教の考え方ですと、さらに5段階に分けられるのだそうです。
それが、「天界(てんかい)、声聞界(しょうもんかい)、縁覚界(えんかくかい)、菩薩界(ぼさつかい)、仏界(ぶっかい)」で、右に行くほど、位の高いよろこびになります。

専門家ではありませんので、間違いもあるかもしれませんが、ねず式で概略すると、
 天界 試合に勝ったとか、物事が成就したときなどの一瞬のよろこび
    天にも登るような幸せな瞬間の気持ち
 声聞 人の話を聞いたり映画や演劇などを鑑賞したり、
    本を読んだりして長く余韻のある感動を得たときのよろこび
 縁覚 折に触れて一瞬の悟りを得るような感動のよろこび
 菩薩 人にやさしくするよろこび。
 仏界 何人にもおかされない無限のよろこび

つまり仏教界においても、実は本当のよろこびとは、馬鹿げた冗談を言い合ってゲラゲラ笑っているだけの、いまどきのテレビのようなものではなくて、生命そのもの、ないしは魂そのもののよろこびのことを言っているわけです。

ちなみに「よろこび」は大和言葉ですが、漢字では
 喜び
 悦び
 歓び
 慶び
 欣び
 熙び
などの文字が充てられています。

「喜」は、上の「壴」の部分が壁掛け型の太鼓で、下に「口」があり、そこから太鼓を叩いて喜び合う象形になっています。
「悦」は旧字が「悅」で、心+八+兄の組み合わせから、八(たくさんの)立派な兄が来てくれたような気分というわけで、たのもしくてうれしい気持ちを表す会意象形文字です。
「歓」は、「欠」があくびを意味することでもおわかりなように、雀を見張っているミミズクがあくびをしているわけです。つまり権力者の見張りが居眠りをしているわけで、その間、人々はうれしいというわけです。いかにも漢字発祥の国のお国柄が出ているようでおもしろいです。
「慶」は廌+心+夂の組み合わせで、廌は穢れた神獣です。
その神獣にやられるところを、間一髪、心臓(心)を逃す(夂)ことができたというわけで、まさに間一髪の僥倖を得た、といったものが字源になっています。
「欣」は、手斧に欠(あくび)で、斧を持って仕事をしている人があくびをしている。つまりのんびりまったりできるということで、うれしい。
「熙」は、巸+火から成り立ちますが、巸というのは、母親が赤ちゃんに母乳を飲ませている象形です。その母子をともに火で炙(あぶ)る。つまり食べてしまうわけですが、それがどうやら彼らにとってはよろこびらしい。ちなにみに日本人は、この字に「ひかる・ひろい・やわらぐ・よろこぶ・たのしむ」といった訓読みを与えました。そうすることで日本人は、この漢字が持つマイナスの部分を取り去っています。

上の6つの漢字のもともとの成り立ちをご覧いただいておわかりいただけると思いますが、漢字文化圏での「よろこび」は、いずれも瞬間的なよろこびであり、自分だけのよろこびでしかありません。
上の日本仏教の考え方に従うなら、瞬間的な満足を意味する天界のよろこびにさえも至らない。
なぜなら自分だけのよろこび、自分だけの満足だからです。

ところが日本的よろこびはそうではなくて、声聞、縁覚、菩薩、仏(しょうもん、えんかく、ぼさつ、ほとけ)と、瞬間だけではない、もっと深い、自他ともにあるよろこびです。

カタカムナによれば、よろこびは
「よ」は、新しいとか陽、
「ろ」は、空間を抜けること
「こ」は、出入り
「び」は、根源
をそれぞれ意味するのだそうです。
つまりよろこびというのは
「既存のコチコチ頭を脱して新しい気持ちで根源に至る」
すなわち陋習(ろうしゅう=古くなった殻)を脱して、新たに新鮮な気持ちでものごとの根源に触れ、それによって新たな道を拓き、未来を築くことを言います。

そのためには当然、自分ひとりだけではなくて、周囲のひとびとみんなの協力や共感が不可欠で、だからこそみんなで力を合わせて、難局を乗り越え、新しい時代を築いていく。
この場合のよろこびは、瞬間的なよろこびではなくて、未来につながり、未来を担う、つまりいま生きている人たちばかりか、これから生まれてくる命にまで至る、壮大なよろこびになります。
それが日本人の日本人的よろこびなのです。

昨今「豈国(よろこびあふれる楽しい国)」のことを書くと、そこで述べているよろこびや楽しさのことが、あたかもテレビのくだらない瞬発芸のお笑いの意味でしかないような捉え方をする人が中においでになると知ってびっくりしました。

昨今の若者たちの、
「人を笑わせたりよろこばせる職業に就きたい」
「災害支援活動に参加してみんなによろこんでもらいたい」
「音楽を通じてみんなによろこばれたい」
等々という気持ちは、日本人の若者であれば、それは単に瞬間芸のお笑いのことを言うのではなくて、いずれも未来にひろがる幸せを届けたいという日本的意味におけるよろこびであろうと思います。

若者たちは、神話教育を受けていなくても、学校で左傾化した日教組教育を受けて育っても、日本的よろこびをちゃんと知っているのです。
これこそ人は魂の乗り物であることの証左です。

よろこびも、たのしさも、もちろん笑顔の連鎖ではありますが、けれども決してそれだけではない。
よろこびも楽しさも、もっとずっと深い意味があるのだということを、純粋な日本人であれば、あるいは政治的に偏向していない魂を持った人間であれば、国籍や民族の如何に関わらず、実は誰もが気付くことができるのです。

お読みいただき、ありがとうございました。

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コメント

終わりな、ゴヤ

マタゾロの自己中に義理はない
 悲しいですよ。
 あまりにも、つまらない人間ドラマ !
 にぎやかしではあるけどね。節度ということも、
 知らないんだろう。、、、シフトするよ。
  小名木先生には失礼します。
非公開コメント

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ねずさんのプロフィール

小名木善行(おなぎぜんこう)

Author:小名木善行(おなぎぜんこう)
連絡先: info@musubi-ac.com
昭和31年1月生まれ
国司啓蒙家
静岡県浜松市出身。上場信販会社を経て現在は執筆活動を中心に、私塾である「倭塾」を運営。
ブログ「ねずさんの学ぼう日本」を毎日配信。Youtubeの「むすび大学」では、100万再生の動画他、1年でチャンネル登録者数を25万人越えにしている。
他にCGS「目からウロコシリーズ」、ひらめきTV「明治150年 真の日本の姿シリーズ」など多数の動画あり。

《著書》 日本図書館協会推薦『ねずさんの日本の心で読み解く百人一首』、『ねずさんと語る古事記1~3巻』、『ねずさんの奇跡の国 日本がわかる万葉集』、『ねずさんの世界に誇る覚醒と繁栄を解く日本書紀』、『ねずさんの知っておきたい日本のすごい秘密』、『日本建国史』、『庶民の日本史』、『金融経済の裏側』、『子供たちに伝えたい 美しき日本人たち』その他執筆多数。

《動画》 「むすび大学シリーズ」、「ゆにわ塾シリーズ」「CGS目からウロコの日本の歴史シリーズ」、「明治150年 真の日本の姿シリーズ」、「優しい子を育てる小名木塾シリーズ」など多数。

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