ザビエルの言葉とこれからの日本



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20181022 戦国時代
(画像はクリックすると、お借りした当該画像の元ページに飛ぶようにしています。
画像は単なるイメージで本編とは関係のないものです。)


日本がいくら欧米化したところで、日本人は日本人です。
日本が世界最古の国家であることには理由があります。
その理由を取り戻して常識化し、そこから新たな未来を創造していく。
そこにこそ日本が未来を拓く鍵があるのだと思います。


【お知らせ】
<東京・倭塾、百人一首塾他>
会場は都営新宿線船堀駅前にある「タワーホール船堀」です。
10月8日(月)13:30 第55回 倭塾 研修室 1330-160
10月27日(土)18:00 第30回 百人一首塾 407会議室
11月13日(火)18:00 第31回 百人一首塾 307会議室
11月25日(日)18:00 第56回 倭塾 研修室
12月6日(木)18:00 第32回 百人一首塾 301会議室
12月24日(月)13:30 第57回 倭塾 研修室
1月14日(月・祭日)13:30 第58回 倭塾
1月26日(土)18:00 第33回 ねず式ゼミナール
2月2日(土)13:30 第59回 倭塾
2月23日(土)18:00 第34回 ねず式ゼミナール
<関西・倭塾>
10月19日(金)19:00 倭塾・関西 第三回 (IK歴史勉強会 大航海時代と大国主)
11月9日(金)19:00 倭塾・関西 第四回 (IK歴史勉強会 唐の皇帝と日本の天皇)
12月8日(土)14:00 倭塾・関西 第五回 (IK歴史勉強会 稲作の歴史と古墳のお話)
<国内研修>
12月16日(日)~17日(月) 一泊二日 神話を体感する会
11月の倭塾関西の日程が11月11日(日)から、11月9日(金)19時に変更になっていますのでご注意ください。


フランシスコ・ザビエルの日本に関して述べた有名な言葉があります。

「この国の人々は
 今までに発見された
 国民の中で最高であり、
 日本人より優れている人々は
 異教徒の間では見つけられない。

 彼らは親しみやすく、
 一般に善良で、
 悪意がない。

 驚くほど名誉心の強い人々で、
 他の何ものよりも名誉を重んじる。

 大部分の人々は貧しいが、
 武士も、そういう人々も
 貧しいことを
 不名誉と思わない。」


フランシスコ・ザビエルといえば、天文18(1549)年8月に、日本に初めてキリスト教を伝えた人として有名です。
そのザビエルが日本に滞在したのは、同年から天文21(1552)年11月までの3年3ヶ月です。
その間にザビエルは鹿児島、山口、京都をめぐって布教活動を行っています。

そのザビエルが日本について書いた文が上の文です。
ザビエルがこの評価をしたのは、日本が平和で文化が円熟した江戸時代ではありません。
1549〜1552年は、日本は「戦国時代」です。


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しかも1549年といえば、信長がまだ藤原信長と名乗り、徳川家康がまだ松平竹千代という名の少年だった時代です。
この年、竹千代は駿府の今川義元に人質として送られています。
1550年には前田利家が14歳で信長に仕え、信長の守役だった平手政秀が、うつけ者と呼ばれた信長を諌めるために切腹した年です。

要するにザビエルの見た日本は、まさに戦国まっただ中の、織豊時代で国内がある程度おさまる前の、まさに戦国乱世の真っ只中だったわけです。
ところがそんな日本を、ザビエルは「親しみやすく善良」とたたえています。
しかも「今までに発見された国民の中で最高」だというのです。

みなさんは「戦国時代」と聞くと、どのような時代を思い浮かべるでしょうか。
おそらく学校で教わり、テレビや小説の時代劇で知った戦国時代は、戦国大名がイクサばかりやっていて、荒っぽい武者が民衆を殺し、部下が上司を殺す下克上の時代で、あらゆる権威が崩れ、次々と起こる戦に、田畑は荒され、野山は荒野となり、庶民は飢え、国は荒れ、野武士集団が跋扈(ばっこ)して、庶民や農民から強盗や強姦を繰り返していた時代、そんなイメージを鮮烈に焼き付けられているのではないかと思います。
ところが、実際にその時代を、自分の足で歩き、見聞したザビエルは、その戦国期の日本を、まったく違う姿にとらえています。

ザビエルは文の中で「異教徒」という言葉を用いていますが、この時代、西洋人にとって「異教徒」は蛮族であり、ヒトモドキです。
映画に出て来るバンパイヤ(吸血鬼)や、リカント(狼男)と同じで、人の姿をした獣であって、人として認識されません。
ところがその「異教徒」の国である日本を、ザビエルは「いままで見た国の中で最高」と述べているわけです。
いってみれば猿の社会を、人間の社会よりも美しい国、美しい国民と評価するようなものです。

異教徒でありながら、実に優れた文化を持った国。
ザビエルは、そのように評価しています。
そしてその評価が与えられた日本は、なんと、日本人の常識からしたら、世が荒れた戦国時代の日本です。

みなさまには是非、このことの意味するところをお考えいただきたいのです。
もし、みなさんがザビエルの立場にある宣教師だったとしたならば、いまの日本を見たとき、果たしてザビエルと同等の評価をされるでしょうか。
もし「しない」のであれば、それは世が荒れたと言われる戦国時代よりも、いまの日本のほうが、よほど民心が荒んでいるということになります。

実際には、最近発見された戦国時代の日記などの記録をみると、後世の我々が「戦国時代」と名付けた時代も江戸時代も、日本人の心はまるで変わっていないことに驚かされます。
つまり日本人は、戦国期においても、文化が円熟したとされる江戸期においても、等しく勤勉で真面目で、人を大事にし、ひとりひとりが自らの成長に励み、人々が互いに助け合い、たとえ貧しくても立派に生きることを選択する民度の高い国民であったのです。

エドワード・モース(Edward Sylvester Morse)は、明治10(1878)年から明治15(1882)年にかけて、3度にわたって来日したアメリカの教授です。
日本の大森貝塚の発見や、ダーウィンの進化論を日本に伝えた人でもあります。
そのモースが、日本での体験談を「JAPAN DAY BY DAY」という本にしています。
明治10年ごろの日本の姿を、紀行文として著した本です。
すこし引用してみます。

■世界中で日本ほど、子供が親切に取扱われ、そして子供のために深い注意が払われる国はない。
ニコニコしている所から判断すると、子供達は朝から晩まで幸福である。

■外国人の筆者が一人残らず一致することがある。
それは日本が「子どもたちの天国だ」ということである。

■この国の子どもたちは親切に取り扱われるばかりではなく、他のいずれの国の子どもたちよりも多くの自由を持ち、その自由を乱用することはより少なく、気持ちのよい経験の、より多くの変化を持っている。

■世界中で両親を敬愛し、老年者を尊敬すること、日本の子どもに如くものはない。
汝の父と母とを敬愛せよ、これは日本人に深くしみ込んだ特性である。

■日本人のきれい好きなことは、常に外国人が口にしている。
日本人は、家に入るのに、足袋以外は履いていない。
木製の履物なり、わらの草履なりを、文字通り踏み外してから入る。
最下級の子どもたちは家の前で遊ぶが、それにしても地面でじかに遊ぶことはせず、大人がむしろを敷いてやる。


モースは、明治19年にも「Japanese Homes and their Surroundings」という本を書いています。
そこには、次の記述があります。

■レインをはじめ文筆家たちは「日本の住居にはプライバシーが欠けている」と述べている。
しかし彼らは、プライバシーは野蛮で不作法な人々の間でのみ必要なことを忘れている。
日本人は、こういった野蛮な人々の非常に少ない国民である。


冒頭に戦国時代のザビエルを引用しました。
それよりももっと古い時代、奈良時代の終わり頃の756年に建てられた国宝を保存する正倉院には、これまた有名な話だけれど、鍵がありません。
あるのは、紙でできたお札です。
それでいて泥棒がはいらない。

いっぱんの民家でさえ、一昔前まで、異なった文化の隣の国民が日本人のような顔をして日本国内に住むようになるまでは、家に鍵などなかったし、玄関の戸はいつも開け放たれたままでした。
開けっ放しでも、鍵などかけなくても、そもそも泥棒が入る心配などまったくなかったからです。

なぜでしょう。

以前、いつもお世話になっている市内のある神社の宮司がおっしゃられました。
日本という国は、陛下のもとにみんなが共同体として生活していたのです。

戦国時代の日本も、やはり同じ、共同体だったのです。

日本はもういちど、日本の心を取り戻すための勉強、つまり日本人としてのアイデンティティを本気で取り戻すことをしっかりと考えて行かなければならないのではないでしょうか。

会社も同じです。
同業他社をいくらこき下ろしたとしても、自分の会社が良くなることは決してありません。
自分のいる会社を良い会社にしたいなら、自分たちが努力して頑張らなければ、決して業績があがることはありません。

あるいは同業他社に自社の悪口を言われたからといって、同じようにその会社の悪口を並べ立てたところで、自社の業績が上向くようには決してなりません。
それどころか、他者の悪口ばかりで疑心暗鬼におちいれば、自分の会社の中さえも、互いに信じ合うことができない荒んだ会社になってしまいます。
けれどそれが国単位になると、なぜかヨソの国の悪口ばかりになってしまう。

悪いけれど半島が嘘つきで、大陸が自分勝手で残酷なのは、千年前も二千年前もまったく変わりがありません。
おそらくあと千年経っても、何も変わらないであろうと思います。
それよりも我が国が、世界中の誰からも認められる、本当に良い国、素晴らしい国になることをこそ考え行動すべきであろうと思います。

私達は日本を取り戻そうとしています。
なぜなら、日本がいくら欧米化したところで、日本人は日本人です。
日本が世界最古の国家であることには理由があります。
その理由を取り戻して常識化し、そこから新たな未来を創造していく。
そこにこそ日本が未来を拓く鍵があるのだと思います。


※この記事は2012年9月の記事のリニューアルです。

お読みいただき、ありがとうございました。

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コメント

名無し。

スレ違いですいません。
スレ違いですいません。

今、まとめサイトの「保守速報」や「もえるあじあ」や「アノニマスポスト」等が特定勢力によってネット遮断されています。

これが、自由で平和で安全で民主的な日本国の実態です。まるで日本は、特定勢力が支配する独裁国家のようです。恐ろしい事です。

此処も気を付けて下さい。

岡 義雄

No title
おはようございます!
今日も拝読させていただきました。シェアさせていただきます。ありがとうございます。
こうして一つ一つ読ませていただいて、自分でも調べて、少しずつではありますが、日本という国の本来あるべき姿や、国体の何たるかや、日本人としてどうあるべきかが理解できるようになってきました。
僕が受けてきた教育は、歴史は年表授業でしたが、戦争を否定的に教えられる事はなく、運動会で「軍艦マーチ」がまだ使われていましたし、小中学校も国旗を掲揚していましたし、我が家でも旗日には日章旗を玄関に掲揚していました。母親から教育勅語を教えられもしました。それでも世間は学生運動が盛んで、激しい政権批判や今で言うテロ的な事件が頻発して、世の中が騒然としていた時期でしたので、かなり左翼的思想に浸っていた時期が長く、気付きは2012年仕事で必要に迫られて調べだした近現代史がきっかけでした。それからまだ6年しか経っていませんが、本当に気づけて良かったと思っています。
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ねずさんのプロフィール

小名木善行(おなぎぜんこう)

Author:小名木善行(おなぎぜんこう)
連絡先: info@musubi-ac.com
昭和31年1月生まれ
国司啓蒙家
静岡県浜松市出身。上場信販会社を経て現在は執筆活動を中心に、私塾である「倭塾」を運営。
ブログ「ねずさんの学ぼう日本」を毎日配信。Youtubeの「むすび大学」では、100万再生の動画他、1年でチャンネル登録者数を25万人越えにしている。
他にCGS「目からウロコシリーズ」、ひらめきTV「明治150年 真の日本の姿シリーズ」など多数の動画あり。

《著書》 日本図書館協会推薦『ねずさんの日本の心で読み解く百人一首』、『ねずさんと語る古事記1~3巻』、『ねずさんの奇跡の国 日本がわかる万葉集』、『ねずさんの世界に誇る覚醒と繁栄を解く日本書紀』、『ねずさんの知っておきたい日本のすごい秘密』、『日本建国史』、『庶民の日本史』、『金融経済の裏側』、『子供たちに伝えたい 美しき日本人たち』その他執筆多数。

《動画》 「むすび大学シリーズ」、「ゆにわ塾シリーズ」「CGS目からウロコの日本の歴史シリーズ」、「明治150年 真の日本の姿シリーズ」、「優しい子を育てる小名木塾シリーズ」など多数。

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