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日本を取り戻すということは、日本の原点に還るということです。
そうであれば、七世紀に、まさにそのために書かれた古事記の真髄を、すこしでも広く普及するために、このような取り組みもまた必要なものではないかと考えます。
(画像はクリックすると、お借りした当該画像の元ページに飛ぶようにしています。
画像は単なるイメージで本編とは関係のないものです。)古事記の読み方は、それぞれの本の著者の先生によってまちまちです。
拙著の『ねずさんと学ぶ古事記』では、岩波書店の『日本古典文学大系』の読みを利用させていただきましたが、もともと神話は、もちろん神代文字によって文字化されていたとはいえ、相当古い時代からの口誦によってもたらされていたものと考えられます。
そして口誦によるものは、日本語の場合、和歌と同じで概ね「七五調(しちごちょう)」で語られるといって良いと思われます。
その意味で、古事記の読み方も、おそらくは七五調であったものと思われ、そこであらためて七五調で古事記を呼んでみたらどうかという提案が、この稿の目的です。
たとえば「アメノミナカヌシノカミ」と呼ばれる神様がおいでになります。
古事記の一番始めに登場する神様で、万物創生の根源神です。
ですからとても重要な神様です。
漢字で書くと「天之御中主神」で、字を見たら天のど真ん中の主の神様であるとわかる、というのが、拙著の古事記でご提案させていただいた、漢字で読み解く古事記です。
これを「アメノミナカヌシノカミ」とカタカナで表記されても、「あめのみなかぬしのかみ」とひらがなで表記されても、それだけで、「ああ、そういう意味をお持ちの神様なのか」とすぐにピンとくる方など、そうそう滅多においでになるものではありません。
ところが日本というのは言霊の国です。
同じ神様のお名前でも、七五調で区切って音読すると、あら不思議、その神様がどのような神様なのか、生粋の日本人ならどなたでも、すぐに腑に落ちます。
ものは試しです。
ちょっと声に出して読んでみてください。
あめのみなかの ぬしのかみ
天之御中主之神「あめのみなかの」で7字、「ぬしのかみ」が5字です。
「あめ」は天空(もっと言ったらすべての時空間)で、その「みなか」つまりど真ん中の、「主の神様」と音読すると、意味がストンと腑に落ちます。
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神様のお名前の読み方を勝手に変えるのはけしからん、とお叱りを被ることも覚悟の上です。
また、古事記が書かれた時代、畿内の朝廷において、どのような言語が用いられていたのかも、いまとなってはわからないことが多いです。
それは、基本的に関西弁に近い宮中言葉であったであろうとは思いますが、では現代の関西弁と、どこがどのように違っていたのかなどの詳細は不明です。
ですから、もしかしたら間違った読み方になってしまっているかもしれません。
それでもこうした取り組みにあえて挑戦するのは、古事記はその序文において、国家の典教とするために古事記は書かれたのだと明記しているからです。
日本を取り戻すということは、日本の原点に還るということです。
そうであれば、七世紀に、まさにそのために書かれた古事記の真髄を、すこしでも広く普及するために、このような取り組みもまた必要なものではないかと考えます。
そこで折をみながら、すこしづつ、古事記の原文を、特に重要と思われる箇所に絞って、そのまま七五調で読むということを、してみたいと思います。
*
【七五調で読む古事記】 1-1
(ぜひ、声に出して音読してみてください)あめつちの はじめのときに
天地初発之時たかまのはらに なりませる
於高天原成かみのなは
神名あめのみなかの ぬしのかみ
天之御中主神(訓高下天、云阿麻。下効此)つぎにたかみの むすひかみ
次高御産巣日神つぎにはかみの むすひかみ
次神産巣日神このみはしらの かみがみは
此三柱神者ならびてひとり かみなりまして
並独神成坐而みにおかくされ ましきなり
隠身也。緑色で書いた
(訓高下天、云阿麻。下効此)は、注釈文で「高の下の天を訓みて「あま」と云う。下これにならふ
」と読みます。
「高」という字の下にある「天」は「あま」と読みなさいという注釈ですから、本来は
ta ka ama no hara
と発音するのですが、「ka ama」で、母音の「a」が二つ続くため、ここは詰まって
ta ka-ma no hara
になります。
何もない時空間に、最初に唯一の存在として成られたのが「天之御中主神」であり、次に高次元の「むすび」の神、次に神との「むすび」の神という順番で神々が成られた。
そしてこの三柱の神様は、それぞれ性別のない「独神(ひとりがみ)」であり、成られるとすぐに「隠身(みにかくされた)」と書かれています。
「隠れ身」というのは、かくれんぼのように「隠れた」のではなく、「隠」という漢字が、もともと「おおいかくす」という意味、「身」という漢字が、胎内に子を持つ母体の象形であることから、存在のすべてを胎内にある胎児のように、それぞれの神様の内側に入れたという意味であると拝します。
つまり天之御中主神は、何もない時空間に唯一の存在と成られと同時に、その存在のすべてを胎児のように胎内に入れた、その胎児の中に高御産巣日神が成られて、同じくその胎内にすべてを入れた、同様に神産巣日神が高御産巣日神の胎内に成られ、そのすべてを胎内に入れた、といったようなことがここで描写されています。
要するに私達は、神々の胎内にあるのだということが、ここで明確にされています。
母体と胎児は一体です。
そして胎児の健康は、母体の最も望むことです。
つまり私達みんなの幸せが神々の幸せであり、神々と私達は一体の存在として、深い感謝の気持ちをもってこの世を生きていく必要があることが伺えます。
お読みいただき、ありがとうございました。

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コメント
渋谷進
2019/04/08 URL 編集
takechiyo1949
音読は倭塾でもやります。
七五調で声を出す。
とても気持ちいいです。
言葉には言霊が宿る。
正にその通りですね。
2019/04/08 URL 編集
-
読んでいて心に響きとても良かったです。
この七五調の古事記を書籍化して欲しいですね。
絵本形式で読み聞かせ出来たらとても良いと思います。
2018/12/31 URL 編集
なすび
いまどきのラップでもいけそうです。
先生もよりメジャーに、
だれか、やってくれないものでしょうか。
あいすみません。トウホウ、演歌的なので。
2018/12/28 URL 編集
岡 義雄
今日も拝読させていただきました。ありがとうございます。
しっかりシェアさせていただきました。
2018/12/28 URL 編集