七五読み古事記(99)しほみつるたま



締切間近!平成31年度倭塾動画配信サービス受講生募集中
↑↑↑クリック↑↑↑


人気ブログランキング ←いつも応援クリックをありがとうございます。

慰安婦問題や徴用工、今回のレーダー照射事件にも一脈通じるものがあると思いますので、順番がかなり前後してしまいますが、海幸山幸から、古事記の一文をご紹介してみます。

20190109 しおのみつたま
(画像はクリックすると、お借りした当該画像の元ページに飛ぶようにしています。
『紙芝居・古事記』(神谷宗幣著))より


どんなご近所であったとしても、自分の利益しか考えず、平気で嘘をつく人とは付き合うものではありません。
そのような人のことを、昔は「斜めの人」と言いました。
斜めになったものから見ると、まっすぐなものが歪んで見えるものです。
そしてそのような人は、これまた必ず「上から目線」で他人を非難します。

そんなわけで、いままさに「斜め上にある国」とギクシャクしているわけですが、基本はそのような相手とは「関わらない」ことが最も大切なことです。
けれども、それが無視できない相手であった場合には、どのように対応したら良いのか。
古事記はそのことについて、実の兄から無理難題を要求されたときの対処法として、海幸山幸(うみさちやまさち)の物語を私達に示してくれています。

七五読み古事記としては、お話する順番がかなり前後してしまいますが、時宜(じぎ)を得たものだと思いますので、ご紹介してみたいと思います。

 *

わたかみの おしへにいうが ごとくして
備如海神之教言
そのちあたへば それいごは
与其鉤 故自尓以後
いよいよに まずしくなりて さらにあらぶる こころおこして せまりくる
稍兪貧 更起荒心迫来
まさにせむなら しほみつる たまをだしては おぼれしめ
将攻之時 出塩盈珠而令溺
うれいてこわば
其愁請者
しおふるたまで すくいまし
出塩乾珠而救
かくなやませば くるしましとき まをさくに
如此令惚苦之時 稽首白
あはいまよりは
僕者自今以後
いましみことの ひるよるの
為汝命之昼夜
もりひととして つかへまし
守護人而仕奉


最新動画《大人のための修身入門》


『ねずさんのひとりごとメールマガジン』
登録会員募集中 ¥864(税込)/月  初月無料!
https://www.mag2.com/m/0001335031.html


この一節は、古事記の海佐知山佐知の物語に出てくるところです。
ちなみに「うみさち、やまさち」は、日本書紀では「海幸山幸」、古事記では「海佐知山佐知」と書かれています。
「佐知」は以音(こえをもちいる)と注釈がありますので、もともと大和言葉に「さち」という言葉があり、「幸」も「佐知」も、単にそこに漢字を当てただけのものであることがわかります。

さて、兄の海佐知毘古(うみさちひこ)の釣り針をなくしたからと、大洋の中から、その一本の釣り針を探し出して持って来いという兄に、弟の山佐知毘古は、悩むわけです。
なにしろ「太平洋に釣り針一本」です。探し出せるわけもない。
しかも要求をしているのは実兄です。
つまり「無視できない相手から無理難題を要求されたときに、私達はどのように対処すれば良いか」を示した一文です。

悩んだ山佐知毘古は、海の神に相談します。
すると海の神は、海中から一本の釣り針を探し出します。
その釣り針が兄の釣り針かどうかはわかりません。
ただし、その針を兄に渡す時、呪文とともに次の指示を与えます。

1 針は後手で渡せ。
2 兄が高田(あげた)を作ったなら、汝命(いましみこと)は下田(くぼた)を営(つく)れ。
  兄が下田を作ったら、汝命は高田を営れ。
3 そうして三年の間、兄を貧しくさせなさい。
4 そのことを兄が恨怨(うら)んで攻めてきたら、塩盈珠(しほみつたま)を出して溺らせなさい。
5 詫(わび)てきたら塩乾珠(しほふるたま)を出して活(い)かしてあげなさい。

1は後ろ手で渡すのですから、頭を下げない。つまり謝る必要はないということです。
2は経済制裁です。しかもそれを徹底して行いなさいと説いています。
3は、その期間を三年と読んでいます。時間がかかるのです。
4は、その結果、逆恨みして相手が軍事行動を起こしてきた時、十分準備して徹底して完膚無きまで相手をやっつけなさいと教えています。
5は、相手が謝ってきたら、すぐに許してあげなさいと説いています。

2〜5は繰り返しになります。
これを現代の高等数学で「しっぺ返し理論」と言います。
相手が裏切ったら、すかさず裏切りのカードを出して報復する。
相手が協調してきたら、すこし協調してあげる。
この繰り返しが、結果として相手を実質的に教育することになり、関係を良好なものにするという理論です。
現代の最先端数学がようやくたどり着いた高等理論を、なんと古事記は1300年も前に明らかにしているのです。



▼七五読み古事記の過去記事
1 天之御中主神
2 諸命以
3 成り成りて
4 しおみつるたま

お読みいただき、ありがとうございました。

人気ブログランキング
↑ ↑
応援クリックありがとうございます。

講演や動画、記事などで有償で活用される場合は、
メールでお申し出ください。

nezu3344@gmail.com

【お知らせ】
<倭塾、倭塾ゼミ・他>
会場は都営新宿線船堀駅前にある「タワーホール船堀」です。
1月6日(日)14:30 ねずさん&太夫さんと行く靖国正式参拝
1月14日(月・祭日)13:30 第58回 倭塾公開講座
1月26日(土)18:30 第33回 日本文化を学ぶ倭塾ゼミ
2月2日(土)13:30 第59回 倭塾公開講座
2月23日(土)18:30 第34回 日本文化を学ぶ倭塾ゼミ
3月9日(土)18:30 第60回 倭塾公開講座
3月16日(土)18:30 第35回 日本文化を学ぶ倭塾ゼミ
4月13日(土)18:30 第36回 日本文化を学ぶ倭塾ゼミ(407会議室)
4月27日(土)13:30 第60回 倭塾(研修室)
5月11日(土)18:30 第37回 日本文化を学ぶ倭塾ゼミ(401会議室)
5月19日(日)13:30 第61回 倭塾(401会議室)


動画【CGS ねずさん 古事記のセカイ】
はじめに
01-01 私達はなぜ神話を学ぶのか
01-02 古事記と日本書紀の違いとは
第一章
02-01 隠身と別天神
02-02 創生の神々と十七条憲法のただならぬ関係とは
03-01 諸命以と修理固成という重要語
03-02 見立てると成り成りて
03-03 ヒルコをめぐる三つの意味とは
03-04 神議(かむはか)り
03-05 国生みと神生み
03-06 イザナミの神避りと古代の葬祭


動画《大人のための修身入門》
01 修身教育とは
02 誠実
03 孝行
04 礼儀
05 博愛
06 公益
07 よい日本人
08 自立自営
09 我が郷土
10 人の名誉を重んじる
11 勇気
12 進取の気象
13 信義
14 国旗 





この記事が気に入ったら
いいね!しよう
\  SNSでみんなに教えよう! /
\  ねずさんのひとりごとの最新記事が届くよ! /

あわせて読みたい

こちらもオススメ

コメント

はらさり

なるほど
ねず先生、こんばんは。

古〜いお話しでしたが、今にも通ずるお話しでしたね!
日本と韓国。正にこのお話し通りにしたら、解決法が少し見出せそうな気がします。

個人的な話題で申し訳ありませんが、私と双子の妹もそんな感じです。
妹は私に慰謝料=37年分を払えといつも言っています。これは妹がお金欲しさから言っているんです。
私は3才の頃心臓病を発症したんですが、何かにつけて「手術したからって偉い気になるなよ!」とイチャモンを付けて来ます。妹は入院や手術が憧れみたいで、私への妬み僻みやっかみで、それで慰謝料払えと言っています。

正に妹は韓国のようです。私は日本の立場に近いです。
このブログを読んで改めて「不条理なことに頭を下げたり、謝ってはいけない」と心に誓った私です。

Kaminari

古事記の教え
古代から半島や他民族と関わる中で、ご先祖様が学ばれたことなのでしょうね。
しっぺ返しの理論、これで行くべきです。
ありがとうございます。

にっぽんじん

移民と文明の衝突
入管法改正で4月から多数の外国人が日本にやってきます。
これに関して「平川祐弘東大名誉教授」が産経新聞に警鐘ともいえる寄稿文が掲載されていました。

政府は移民ではないと言うが、外国人が入ることには違いがありません。
平川氏は日本の神道と外国の宗教の違いを指摘し、生活習慣(文明)の共存は難しいと述べています。

日本人の多くは私を含め、神道という「宗教心」を持っていません。
が、仏壇と神棚を並べ、ご先祖様を祀ります。日本の神道は「誰もが〇ねば神になる」のです。

一方、外国の宗教は人間の上に絶対神が存在し、経典にその教えが書かれています。神の教えを学校で学ぶのです。日本には神道の授業はありません。戦前もありませんでした。

○○を食べない「イスラム教」、○○を食べない「ヒンズー教」これらと教えが異なる「キリスト教」信者たちが沢山に日本にやってきます。彼らは「郷に入れば郷に従え」ではありません。自分たちの「教えに従え」です。決して妥協はありません。聖徳太子の「和を持って尊し」は通用しません。

言語の違いは乗り越えても宗教の違いは乗り越えることは出来ません。彼らは必ず「同じ文明」で集団化します。

平川教授はそのことを恐れていました。

非公開コメント

検索フォーム

ねずさんのプロフィール

小名木善行(おなぎぜんこう)

Author:小名木善行(おなぎぜんこう)
連絡先: info@musubi-ac.com
昭和31年1月生まれ
国司啓蒙家
静岡県浜松市出身。上場信販会社を経て現在は執筆活動を中心に、私塾である「倭塾」を運営。
ブログ「ねずさんの学ぼう日本」を毎日配信。Youtubeの「むすび大学」では、100万再生の動画他、1年でチャンネル登録者数を25万人越えにしている。
他にCGS「目からウロコシリーズ」、ひらめきTV「明治150年 真の日本の姿シリーズ」など多数の動画あり。

《著書》 日本図書館協会推薦『ねずさんの日本の心で読み解く百人一首』、『ねずさんと語る古事記1~3巻』、『ねずさんの奇跡の国 日本がわかる万葉集』、『ねずさんの世界に誇る覚醒と繁栄を解く日本書紀』、『ねずさんの知っておきたい日本のすごい秘密』、『日本建国史』、『庶民の日本史』、『金融経済の裏側』、『子供たちに伝えたい 美しき日本人たち』その他執筆多数。

《動画》 「むすび大学シリーズ」、「ゆにわ塾シリーズ」「CGS目からウロコの日本の歴史シリーズ」、「明治150年 真の日本の姿シリーズ」、「優しい子を育てる小名木塾シリーズ」など多数。

講演のご依頼について

最低3週間程度の余裕をもって、以下のアドレスからメールでお申し込みください。
むすび大学事務局
E-mail info@musubi-ac.com
電話 072-807-7567
○受付時間 
9:00~12:00
15:00~19:00
定休日  木曜日

スポンサードリンク

カレンダー

10 | 2023/11 | 12
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -

最新記事

*引用・転載・コメントについて

ブログ、SNS、ツイッター、動画や印刷物作成など、多数に公開するに際しては、必ず、当ブログからの転載であること、および記事のURLを付してくださいますようお願いします。
またいただきましたコメントはすべて読ませていただいていますが、個別のご回答は一切しておりません。あしからずご了承ください。

スポンサードリンク

月別アーカイブ

ねずさん(小名木善行)著書

ねずさんメルマガ

ご購読は↓コチラ↓から
ねずブロメルマガ

スポンサードリンク

コメントをくださる皆様へ

基本的にご意見は尊重し、削除も最低限にとどめますが、コメントは互いに尊敬と互譲の心をもってお願いします。汚い言葉遣いや他の人を揶揄するようなコメント、並びに他人への誹謗中傷にあたるコメント、および名無しコメントは、削除しますのであしからず。

スポンサードリンク