七三一部隊のこと



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戦前戦中までの大陸は、疫病の宝庫だったところです。
生水なんて飲もうものなら、たちまち重い病気になってしまう。
現に、そうした知識がまだあまりなかった明治の中頃に起きた日清戦争(明治27〜28)では、邦人の戦死者1万3,311名のうち、病死が1万1,894名です。
なんと89.4%が病死であって、戦いによる戦死者は1,132名しかいません。
それほどまでに大陸の衛生環境がひどい状態であったから、昭和11(1936)年に当時の関東軍板垣征四郎参謀長によって「関東軍防疫部」として発足したのが731部隊です。


20190505 731部隊

(画像はクリックすると、お借りした当該画像の元ページに飛ぶようにしています。
画像は単なるイメージで本編とは関係のないものです。)


731部隊といえば、森村誠一の小説『悪魔の飽食』で、あたかも悪鬼の部隊であったかのように宣伝された戦前戦中の関東軍の機関です。
小説ですから、そこには作者の主張もあるし、あくまでもフィクションですから、ひとつの部隊を題材に、あれこれ空想しながら仕立てることは自由なのでしょうが、そうしてつくられた悪の虚像を、ことさらに政治利用して、まるで731部隊が本当にそのような酷いところであったかのように宣伝するのは、これは先人たちへの冒涜というものです。

そもそも戦前戦中までの大陸は、疫病の宝庫だったところです。
生水なんて飲もうものなら、たちまち重い病気になってしまう。
現に、そうした知識がまだあまりなかった明治の中頃に起きた日清戦争(明治27〜28)では、邦人の戦死者1万3,311名のうち、病死が1万1,894名です。
なんと89.4%が病死であって、戦いによる戦死者は1,132名しかいません。
それほどまでに大陸の衛生環境がひどい状態であったから、昭和11(1936)年に当時の関東軍板垣征四郎参謀長によって「関東軍防疫部」として発足したのが731部隊であったのです。

この731部隊の部隊長の石井四郎軍医中将は、千葉県山武郡芝山町加茂の出身だったのですが、部隊には同じ郷の出身者が多数いたため、発足当時は加茂部隊と呼ばれたりもしていました。
この「関東軍防疫部」には、同時に「関東軍軍馬防疫廠」も併設されました。
人だけでなく、軍馬の防疫も担当したのです。
この二つが、昭和15(1940)年に統合されて、「関東軍防疫給水部」となりました。



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20190317 MARTH



部隊が大手柄として名をはせたのが昭和14年のノモンハン事件です。
このとき石井軍医中将は、特殊な技術の石井式濾水機を考案して、現地の給水活動にあたりました。
御存知の通り、大陸では洋の東西を問わず、糞尿を川にそのまま垂れ流す風習がありました。
ですから大陸における衛生的な給水は、軍の行動にとって、とても大切なことです。
戦いに備えるべき兵士たちが病気で倒れてしまい、それによって部隊が全滅の危機に瀕するのでは何にもならない。あたりまえのことです。
過去には西洋でペストが大流行し、人口の3分の1が失われるというたいへんな事態もあったのです。

日本は国土の表土が衛生的に保たれ、山には森の樹々が茂り、その下の土は腐葉土や岩盤、砂利、粘土層など、幾重にも折り重なった地層があって、雨水が自然濾過されて、衛生的できれいな地下水が、全国いたるところで湧き出ます。
たとえば富士山に降り積もった雪は、溶けて地下水となりますが、これが足柄あたりで湧き水となるまでに約30年かかります。
自然は、それだけの長い時間をかけて、水を清潔で美味しい水にしてくれているわけです。

ところが大陸には、まず緑がありません。
黄砂の砂漠で、表土にはわずかばかりの草が茂るだけです。
自然に木が生えても、すぐに刈り取られたり燃やされたりしてしまいます。

いま、グーグル・アースなどで衛星写真を見ることができますが、赤や黄色の砂漠ばかりの大陸で、かつての満州や朝鮮半島、あるいは日本軍が進駐していたChina東部に緑があるのは、当時、日本の軍関係者や民間人が、
「みどりの潤いがあれば人々の殺伐とした心がきっと和むに違いない」と、
数十億本単位で植林事業を行ったからです。
そうして生まれた緑さえ勝手に伐採してしまい、緑がなくなったからと山の斜面を緑色のペンキで塗りつぶす。
それが大陸です。

そのような土地で、軍が衛生的な水を確保することは、とても大切なことです。
そのために防疫部をつくる。
これはもう、当然すぎるくらい当然の軍の行動であったわけです。

防疫ですから、当然、細菌への対策研究をします。
このため731部隊の研究資料などは、戦後、すぐに米軍がすべて接取してしまいました。
そしてそれは世界最先端の防疫学上の第一級資料です。
この資料は、米国の薬品メーカーにとって、きわめて貴重性の高い資料でした。
ですからその接取資料は極秘扱いにされています。

そして731部隊の業績が極秘となったことをいいことに、まるで731部隊が悪魔の部隊であるかのように戦後宣伝されました。
その宣伝に一役買ったのが森村誠一の『悪魔の飽食』であったわけです。
この小説は単なる空想話でしかないし、史実に関してあまりにも誤りが多いことが度々指摘されていたにも関わらず、いつの間にか、その小説の作り話が、あたかも真実であるかのように宣伝されました。

これを利用したのが中共政府で、中共内に「731部隊記念館」をつくり、そこに実は日本人が被害者である済南事件(http://nezu621.blog7.fc2.com/blog-entry-1879.html)のときの写真を「日本陸軍七三一部隊による人体実験の犠牲者の写真」として蝋人形にして展示し、かつまた学校の歴史教科書にまで掲載しました。

斉南事件の被害者(24歳の女性)
斉南事件の被害者24歳の女性

Chinaの歴史教科書にも掲載(翻訳版)
中国の歴史教科書のねつ造記事
731部隊記念館では蝋人形になって展示
731部隊記念館に使われたウソ


風土病にコレラにペスト。
とにかく大陸は(いまもですけれど)伝染病の巣窟でした。
だから731部隊があったのだし、その研究成果に基づいて731部隊は現地の人たちに無償で予防接種もしています。
その予防接種のことさえ、人体実験にすり替えられました。

要するに大陸では、731部隊の活躍とその研究成果によって、やっと衛生的な環境を手に入れることができたわけです。
すくなくとも、これによって彼らは風土病から開放され、安全な生活を手に入れることができたのです。
ところがそれをいま、冒頭の写真のようなイカサマまでして、あたかも731部隊を悪魔のように仕立てる。
それまで庶民にとって最大の味方だったものを、次の政権が最大の敵へと(政治的に)変更してしまう。
それがChinaにおいて2千年以上繰り返されている彼らの文化です。


また米国も、史実について、沈黙を守り通しました。
理由については、米中の関係悪化を懸念した、あるいは薬品メーカーにとって終戦時に日本から奪いとった研究データが躍進のきっかけになっていたことを隠したかった等々、いろいろに言われていますが、すべて忖度です。
どれも当たらずとも遠からずとは思いますが、これによって日本が貶められる状況が続いていたことは事実です。

だいぶ以前ですが、「安倍総理米議会演説と新たな世界秩序の開始」(http://nezu621.blog7.fc2.com/blog-entry-2631.html)という記事で、安倍総理の米議会演説により、日米関係は、第二次世界大戦の戦勝国と敗戦国という枠組みから、新たに「東西冷戦を一緒に戦い勝利した同盟国」へと、日米の関係が大きく変化したことを書かせていただきました。

そして米国は、「米国立公文書館が731部隊(関東軍防疫給水部)に関する機密文書10万頁分を公開」をしました。
そして公開文書の中には、どこにも日本が悪辣な細菌兵器を用いたといった記録などないし、むしろ日本の疫学の研究がどれほど進んでいたかが見事に立証されています。

いまもなお、敗戦利得にしがみつく人々によって、日本国内も、また東亜の情勢も混乱が続いています。
けれど、これまで敗戦利得者たちが主張していた、かつての日本に対する「嘘の山」は、これから次々と明るみに出てきます。
彼らの主張は、それがどんなに立派な会社や政治家や大学教授の主張や本であったとしても、あと何年かするとことごとく「クズの山」になることでしょう。
世界はおおきく変わろうとしているのです。

731部隊の石井四郎陸軍軍医中将は、戦後、新宿区内で医院を開業しました。
そして近隣の住民が怪我や病気になると無償で診察、治療を行っていたと伝えられています。
そしてこのことは、昭和57(1982)年8月29日の『The Japan Times』で、報道されています。
たいへんな人格者で、多くの患者さんから慕われたのです。
そして昭和34(1959)年10月に、満67歳で天寿をまっとうされてお亡くなりになりました。

※この記事は2015年5月の記事のリニューアルです。
お読みいただき、ありがとうございました。

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01-02 古事記と日本書紀の違いとは
第一章
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02-02 創生の神々と十七条憲法のただならぬ関係とは
03-01 諸命以と修理固成という重要語
03-02 見立てると成り成りて
03-03 ヒルコをめぐる三つの意味とは
03-04 神議(かむはか)り
03-05 国生みと神生み
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04 礼儀
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06 公益
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09 我が郷土
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12 進取の気象
13 信義
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コメント

K.S

No title
731部隊のことはなんとなくよくないことをした
部隊だということ位いしか思っていなくて、
本当のことは何も知りませんでしたが、今日
この記事を読ましていただき、実態がわかりました。
本当にとんでもない誤解でした。
 戦後社会主義、共産主義の連中が我が物顔に日本中を
嘘宣伝しまくって、小生もなんとなく日本は軍国主義に
毒されてきたが、敗戦で却ってよかったんだとか
思っていたのでいろんな宣伝に惑わされていた訳。
朝日新聞を親の代から読んでおり、ある日いわゆる慰安婦
拉致問題の記事に出会い、とても奇異な思いがして
おかしい記事だなと思った。今までそんなこと誰からも
聞いたことがない。こんなことってありえないと思った。
そして朝日新聞に大きな疑問を持つようになった。
日本をこんなことで悪く言うのは間違いであると
感じた。それから朝日新聞購読をやめた。
それから何十年もたった今日、購読をやめてよ
かったと言う思いがしきりである。
何を言いたいかと言うと、戦後このようにして
日本国の雰囲気が、社会党や共産党の扇動によって
マスコミその他あらゆる分野に反日主義がはび
こってしまったということである。幸いインターネット
などによってその歪みが知れ、日本をまともな国に修正
する兆しが出てきたことである。
 いい話を聞かせていただき有難うございました。
 
      まもなく米寿の一老人より

ねず先生の一ファン

疑問
いつも勉強をさせて頂いております。感謝しております。

しかしながら、一つ解せないことがあります。
それは、ねず先生が推す、マーサなる人物です。

先生は、X-ジャパンのトシさんが洗脳された経緯を御存知ないのでしょうか?

それとも、先生は、マーサの信者なのでしょうか?

記事とは関係ありませんが、お答え頂きたく存じます。

takechiyo1949

長年の「刷り込まれ」は度し難い
『悪魔の飽食』を本屋で初めてパラパラと読んだのは、長女が10歳頃だったと思います。
何じゃ!こりゃ!
とても買う気にはなりません。
二度目は母の遺品整理中の事。
ヨレヨレのページのあちこちに赤線が引いてありました。
小説だとしても許されない捏造部分…看護婦だった母も怒り心頭だったのでしょうかね。

相方の親戚を夫婦で訪ねました。
私より歳上の老人達ばかり。
TVを観ながら酒になりました。
年寄の情報源は「TVや新聞だけ」と言われます。
老人達を観察してますと、TVや新聞も同じで、人様の言うことを良く聞きません。
持論や反論は延々と喋ります。
しかも耳が遠いから大声です。
何十年もの「刷り込まれ」は、もはや度し難いです。
そんな時は、私の顔色を見て『関わるな!』と相方がサインを送ってきます。
昔…今は亡き義兄と大喧嘩したことがありましたから。
今だに教宣して歩く作家と合唱団を率いる音楽家と彼等を招く輩は、破廉恥で赦し難い国賊と呼ばざるを得ません。
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ねずさんのプロフィール

小名木善行(おなぎぜんこう)

Author:小名木善行(おなぎぜんこう)
連絡先: info@musubi-ac.com
昭和31年1月生まれ
国司啓蒙家
静岡県浜松市出身。上場信販会社を経て現在は執筆活動を中心に、私塾である「倭塾」を運営。
ブログ「ねずさんの学ぼう日本」を毎日配信。Youtubeの「むすび大学」では、100万再生の動画他、1年でチャンネル登録者数を25万人越えにしている。
他にCGS「目からウロコシリーズ」、ひらめきTV「明治150年 真の日本の姿シリーズ」など多数の動画あり。

《著書》 日本図書館協会推薦『ねずさんの日本の心で読み解く百人一首』、『ねずさんと語る古事記1~3巻』、『ねずさんの奇跡の国 日本がわかる万葉集』、『ねずさんの世界に誇る覚醒と繁栄を解く日本書紀』、『ねずさんの知っておきたい日本のすごい秘密』、『日本建国史』、『庶民の日本史』、『金融経済の裏側』、『子供たちに伝えたい 美しき日本人たち』その他執筆多数。

《動画》 「むすび大学シリーズ」、「ゆにわ塾シリーズ」「CGS目からウロコの日本の歴史シリーズ」、「明治150年 真の日本の姿シリーズ」、「優しい子を育てる小名木塾シリーズ」など多数。

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