オトポール事件と樋口季一郎陸軍中将

即位礼正殿の儀(そくいれいせいでんのぎ)
の開催を心から寿ぎ、
皇国の永劫なる弥栄をご祈念申し上げます。

  小名木善行 拝

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20191006 ねずラジ
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日本には日本の歴史があります。
私たちは、戦後に教わってきたことが、本当に、正しい歴史であったのか。
いまいちど、冷静に考え直してみるべきときにきていると思います。


樋口季一郎陸軍中将
20191018 樋口季一郎
画像出所=https://bunshun.jp/articles/-/8962
(画像はクリックすると、お借りした当該画像の元ページに飛ぶようにしています。
画像は単なるイメージで本編とは関係のないものです。)


昭和13(1938)年3月、ナチスの迫害から逃れてきたユダヤ人、満洲に入国できずにソ連のオトポール駅で立ち往生となっていました。
駅舎からあふれた人々は、吹雪の中で野宿同然の状況となっていました。
身の回りの物だけを持ってようやくたどりついた難民たちです。
オトポールの3月の気温は、夜にはマイナス30度の極寒です。
食糧もすでに尽きており、飢えと寒さで凍死者さえも出はじめていました。

満洲国は、日本の同盟国でした。
その日本はドイツと同盟関係にありました。
「もしユダヤ難民を受け入れれば、
 ドイツ側から抗議を受ることになる」
満洲の役人たちは、そのことを心配してユダヤ難民の受け入れを拒否しました。

オトポール駅は、ヨーロッパとつながるシベリア鉄道のアジア側の終点です。
次々とやってくるユダヤ難民たちは、ついにその数、2万人に達するものとなっていました。



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20190317 MARTH


満州のハルビン市で特務機関長をしていた陸軍の樋口季一郎(ひぐちきいちろう)陸軍少将のもとにハルビンユダヤ人協会会長で医師のカウフマン博士がやってきました。
そして樋口陸軍少将に、ユダヤ難民の救出を依頼してきました。
しばらく考えていた樋口少将は答えました。
「わかりました。
 すべての責任は私が負います。
 博士は難民の受け入れ準備に
 取りかかってください」
この言葉を聞いたとき、カウフマン博士は滂沱の涙を抑えることができなかったそうです。

樋口陸軍少将は、すぐ満鉄の松岡洋右(ようすけ)総裁に特別列車の手配を依頼しました。
オトポールのユダヤ人たちは、すでに多くが満足に歩けない状態となっていました。
駅から満洲の国境までは、わずか数百メートルです。
そこには満鉄の日本人職員が待ち構えていました。

ユダヤ人たちはすでに息も絶え絶えの状況でした。
待ち構える日本の職員たちは、
「頑張れ、もう一息だ!」
と叫びました。
ようやく国境にたどり着いたユダヤ人たちを、職員たちが背負って列車まで連れて行きました。
こうして、すべてのユダヤ人が救出されました。

特別列車は、二日かけて、ハルビン駅に到着しました。
列車が停車すると、救護班の医者がまっさきに車内にとびこみました。
病人や凍傷で歩けなくなった人たちがつぎつぎにタンカで運び出されました。
やつれた幼い子供たちには、暖かなミルクが振る舞われました。
子供も大人も、そのそのビンを見ただけで泣き出しました。

数時間後、樋ロ陸軍少将はオトポールの難民すべてが収容されたという報告をうけました。
十数名の凍死者、および病人と凍傷患者二十数名を除き、すべてのユダヤ人が無事に保護されました。
もし救援があと一日遅れていたら、この程度の犠牲者ではすまなかっただろうと医師たちは言いました。

ユダヤ難民たちは、日本やアメリカへ渡り、残りの人たちはこのハルピンの開拓農民として生活していくことになりました。
日本に着いたユダヤ人たちは、在日ユダヤ人会と協力して、神戸に受け入れ施設を作られました。
日本の警察も、乏しい食糧事情の中で、トラック何台ものジャガイモをユダヤ人に贈りました。

こうして事件が落着した2週間後、日本国政府に対してドイツ政府から強硬な抗議文が送られてきました。
関東軍の司令部の東条英機参謀長は、樋口陸軍少将を呼び出しました。
樋口陸軍少将は、東条英機参謀長に答えました。
「ドイツは日本の同盟国です。
 しかしドイツのやり方が
 ユダヤ人を死に追いやるものであるならば、
 それは人道上の敵です。
 私は日本とドイツの友好を希望します。
 しかし日本はドイツの属国ではありません。」

そして参謀長の顔を正面から見据えて言いました。

「参謀長!
 ヒトラーのお先棒をかついで、
 弱い者いじめをすることを、
 正しいとお思いになりますか」

東条は天井を仰いで言いました。  
「樋口君、よく言ってくれた。
 君の主張は筋が通っている。
 私からも中央に、
 この問題は不問に付すように伝えておこう」

そして日本国政府は、ドイツの抗議を、
「当然なる人道上の配慮」
として一蹴しました。

数年後、転勤で樋口少将がハルピンを去る日、駅には二千人近い群衆が集まりました。
遠く数十キロの奥地から馬車をとばして駆けつけたユダヤ人もいました。
それは樋口少将が土地や住居を世話したユダヤ難民たちでした。
樋口陸軍少将の乗った列車が動き出すと、群衆はホームになだれ込み、
「ヒグチ!」「ヒグチ!」「ヒグチ! バンザイ!」の声がいつまでも響きました。

オトポール事件から約七年後、大東亜戦争の末期に突如侵攻してきたソ連軍を撃退した樋口陸軍少将は、ソ連に恨まれて、終戦後に戦争犯罪人として裁判にかけられそうになりました。
このとき樋口陸軍少将を救ったのはユダヤ人たちでした。

「命の恩人ヒグチを救え!」
「ヒグチに恩を返すのは今しかない!」
世界ユダヤ協会は、世界中のユダヤ人に連絡してアメリカ政府に働きかけ、樋口を救いました。

かつての満洲は、いまは中共の東北省と、ロシア領に分断統治されています。
そこには、かつてのロシア帝国の元貴族たちや、こうして樋口季一郎元陸軍中将に助けられた多くのユダヤ人たちも平和に暮らしていました。
日本が戦争に敗れたとき、満洲には、China共産党軍とソ連軍がなだれ込み、満洲国はなくなりました。
そして、そこにいたロシア帝国の元貴族やユダヤ人たちは、いまでは誰も残っていません。

運の良いものは、難を逃れてアメリカやヨーロッパに亡命することができました。
けれど、それをすることができたのは、1000人にひとりもいなかったといわれています。
国を失うということが、そこに住む人々に何をもたらすのか。
そして責任ある将官と、その将官に率いられた軍の存在こそ、人々の安全を護るものであるということを、私たちはいまいちど考えてみる必要があると思うのです。

日本における軍は、上古の昔の神倭伊波礼毘古命に率いられた御軍の時代から現代の自衛隊に至るまで、常に公正無私、人々の生活の安全と安心を護る軍でした。
ですから日本人にとって、軍人といえば、それはいまの自衛官や機動隊員と同様、常に正義の味方です。

ところがこのことは、日本人の常識であっても、諸外国の常識ではありません。
大陸や半島においては、自国の軍は常に暴徒であったしヤクザ者であったし、ギャングの手先で有り続けました。
西洋においては、軍といえば傭兵で、傭兵は常に食いはぐれた愚連隊の集合体でした。
そしてその軍を動かすものが支配者でした。
ですから支配者=収奪者であったし、だからこそ、そこからの自由のために民衆が軍と戦ったという歴史を持つのが西洋社会であり、その収奪者から逃れて、自由のために新大陸を目指したのがアメリカです。
日本とは国の成り立ちが違うのです。

その、国の成り立ちが違う人達が、日本の軍のあまりの強さを見て恐怖して、戦後70年間、必死になって行ったことが、「日本の軍は怖い存在」というイメージです。
ところが、70年もかけながら、現実には、「日本の軍は怖い存在」というイメージは、ただの言葉遊びにしかならず、これを政争の道具にすればするほど、それをする野党は、日本の世間から見放されてきました。
また、これを教育よって日本人に刷り込もうとすればするほど、自衛隊への入隊希望者が増えています。

日本には日本の歴史があります。
私たちは、戦後に教わってきたことが、本当に、正しい歴史であったのか。
いまいちど、冷静に考え直してみるべきときにきていると思います。

お読みいただき、ありがとうございました。

◆参考文献
服部剛著『教室の感動を実況中継! 先生、日本ってすごいね』

※この記事は2016年10月の記事のリニューアルです。
お読みいただき、ありがとうございました。


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コメント

匿名希望

今日も尊い話をありがとうございます
ねずさんへ
こんにちは。今日も尊い話をありがとうございます。満州は今日では悪しき侵略の代名詞のように言われていますが満州があったから難民を助けることができたのですね。樋口氏がチベットを見捨てている今の日本を見たらどう感じるか…
しかし昨日の即位礼正殿の奇跡に加え、koukenzさんの予想を読んだらなんだか希望が持てる気がしてきました。令和の時代は、新しい希望に満ちた時代になりますように、、、

-

台風が日本の穢れを祓いさってくれれば良いのに
ポーランドの収容所記念館かベルリンの記念館か忘れましたがこのユダヤ人の西ヨーロッパから世界各地への逃避先の展示物を見ました。上海に矢印が届いていて線の太さは人数に比例している様でした。しかしあの展示物を観た人は当時上海が日本の施政下にあったとは分からず現在の中共が人道的介入をしたと思うでしょう。ニューヨークのユダヤ博物館では映画産業に対するユダヤ人の貢献が展示されておりマスコミを支配したユダヤ人にとって日本人が五族協和を計った事は世界に知らしめたい情報ではないのでしょう。

koukenz

No title
ねずさんへ 本日は誠におめでとうございます。
10年ぐらい先の近未来の学校教科書を考えてみました。
1)遺跡発掘が進みDNA鑑定などで歴史考古学が塗り替えられる。
2)令和元年六月香港で光復時代革命をきっかけに共産党政権が崩壊。革命家アグネス・チョウ曰く”香港は私たちの家なんだから守るのです!と。国は”家”の集合体というさざれ石型国家観が生まれる。
3)チベット・ウイグル・南モンゴルは新国家観のもとに独立する。
4)世界中で”和歌”研究が進み題材は”君が代”が取り上げられる。

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ねずさんのプロフィール

小名木善行(おなぎぜんこう) HN:ねず

Author:小名木善行(おなぎぜんこう) HN:ねず
連絡先: nezu3344@gmail.com
執筆活動を中心に、私塾である「倭塾」、「百人一首塾」を運営。
またインターネット上でブログ「ねずさんのひとりごと」を毎日配信。他に「ねずさんのメールマガジン」を発行している。
動画では、CGSで「ねずさんのふたりごと」や「Hirameki.TV」に出演して「奇跡の将軍樋口季一郎」、「古事記から読み解く経営の真髄」などを発表し、またDVDでは「ねずさんの目からウロコの日本の歴史」、「正しい歴史に学ぶすばらしい国日本」などが発売配布されている。
小名木善行事務所 所長
倭塾 塾長。

日本の心を伝える会代表
日本史検定講座講師&教務。
(著書)

『ねずさんの昔も今もすごいぞ日本人』

『ねずさんの 昔も今もすごいぞ日本人!和と結いの心と対等意識』

『ねずさんの 昔も今もすごいぞ日本人!日本はなぜ戦ったのか』

『ねずさんの日本の心で読み解く百人一首』日本図書館協会推薦

『ねずさんと語る古事記 壱〜序文、創生の神々、伊耶那岐と伊耶那美』
『ねずさんと語る古事記・弐〜天照大御神と須佐之男命、八俣遠呂智、大国主神』
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