基準点を明確にする

20191123 万葉集表紙1200
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覚醒のきっかけは、怒りや嫉妬であっても構わないと思います。しかし新たな日本を切り開く道は、怒りや嫉妬を基にしてはいけないと思います。それは愛と喜びと幸せと美しさといった前向きな価値によるものでなければならないのです。


20191206 持統天皇
画像出所=https://www.pinterest.jp/pin/695172892454540117/
(画像はクリックすると、お借りした当該画像の元ページに飛ぶようにしています。
画像は単なるイメージで本編とは関係のないものです。)


あまりにもくだらない、連日続くメディアの桜の花見がどうのこうのという愚にもつかない議論以下の愚行に接して思うのは、日本が「基準点を見失っている」ということです。

何が大切で、何が優先すべき課題なのか。
それらの判断には、必ず判断の物差しが必要になります。
物差しがないとどうなるかというと、ただ問題だ問題だと騒ぐばかりになる。
そもそも何が「問題」なのかさえもわからないからです。
すると「問題」を「作り出し」て自己の経済的メリットを追求し、人を平気で犠牲にする。
要するに被害者ビジネスの犠牲者になる。

基準点というのは、気象用語の場合は、地球上の位置や海面からの高さを正確に測定した測量の際の基準となるポイントで、これがもとになって地図が作成されたり、国土計画が行われるものですが、もうひとつ、軍事用語としての基準点があります。
コチラは砲撃を行うに際しての目標位置の捕捉のための目視ポイントです。
すなわち基準点がなければ、敵への砲撃が、ただのメクラ撃ちになってしまいます。

刑事事件では、捜査において「現場百回」と言われます。
常に原点に還ることによって真実に迫ることができるからです。
つまり基準点に還るということです。
それだけ基準点は、大切なポイントです。



20191006 ねずラジ
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日本には、日本の基準点があります。
それが建国の詔であり、仁徳天皇の「民のカマドの煙」であり、舒明天皇の「うまし国」であり、天智天皇の「公地公民」であり、持統天皇の「尊朝愛国」です。
他にも数え上げればきりがないほど、たくさんの基準点があります。
そしてそれら基準点の根幹にあるのは、神話の時代から続く、日本が豊かで安全で安心して暮らすことができる国への布石です。

古事記にしても百人一首にしても、あるいは万葉集にしても、ただ男女の愛憎恩怨のドラマを観せているのではありません。
そこには、我が国を「このような国にするのだ」という明確な意思があります。
つまりそこに、我が国が立脚する日本の、そして日本人の原点があるわけです。

日本に、素晴らしい文化遺産の数々があることは、これは世界が認めていることです。
しかし文化というのは、ただ自然発生的に生まれるものではありません。
必ず原因となる理由があって形成されていくものです。

たとえば「江戸っ子文化」と呼ばれるものがあります。
喧嘩っぱやくて、べらんめえ調で、気っ風が良くて、あっさりしていて、いつまでも禍根を引きずらない。
一心太助が大暴れして、みんなが拍手喝采を送るような、そんな江戸文化は、家康公が江戸に町を築いたときに、これを江戸の文化として、そのような方向に育てようとして、生まれた文化です。

どんな時代にも、活発な人もいればそうでない人もいる。
その中で、どのような人や、どのような文化にスポットライトを当てるかによって、文化の方向が決まるのです。
何もしなければ、ただの混沌(カオス)状態になります。
いまの日本そのものです。

推古天皇の時代に、聖徳太子が現れて、我が国は隋や唐と対等に渡り合うことができる統一国家への道を歩み始めました。
そしてこのときに示されたのが十七条憲法です。
国家建設の黎明期に、このような形で、先に文化的規範が示されたということは、実はとても重大なことです。
なぜなら、世界における国家建設は、常に反対派や対立する王や民衆への「征圧と粛清」によって行われてきた歴史を持つからです。
我が国は、それを文化によって代替したのです。
これは本当にすごいことです。

そしてこの姿勢は、その後も舒明天皇、その皇后であられた後の皇極天皇、そしてその子らによって受け継がれていきました。
そんな中で起こったのが、白村江事件です。
このとき、全国の多くの豪族たちが、大切なわが子を半島で失いました。
このときの中央への反感はきわめて大きなもので、その影響は持統天皇の時代まで続きます。
なにしろ持統天皇は、地方への行幸に夜襲されて矢傷を負われているのです。
それだけ深刻な日本分裂の危機があったわけです。

ところがその持統天皇は、自らが矢傷を受けてもなお、日本を文化によって統一するという道を一歩も違えることはありませんでした。
そして中央における高い文化の発露として、柿本人麻呂に命じて編纂を開始させたのが『万葉集』です。

万葉集全20巻は、いちどきに成立したわけではなくて、巻1がはじめに持統天皇と、その勅を受けた柿本人麻呂によって成立し、以後巻2が元明天皇や、古事記の編纂で名高い太安万侶(おほのやすまろ)、巻3以降は元正天皇や大伴家持らによって形成されています。

『万葉集』に庶民の歌が数多く掲載されていることは、広く知られていることですが、この時代に庶民がここまで文字を扱い、深い意味の歌を詠むことができた社会というのは、ある意味、世界的に見ても、ものすごいことであるといえます。

しかし事はそれだけにとどまらないのです。
『万葉集』の真価は、実は、大和言葉としての歌謡を、さらに漢字を用いて記すことによって、歌に重層的に意味を重ねるという、一段と進んだ文化が用いられているところにあります。

たとえば「やまと」という言葉は、我が国を示しますが、その表記には
 大和(やまと)
 倭(やまと)
 山庭(やまと)
 八間跡(やまと)
 日本(やまと)
などが使い分けられています。
もっといえば、「豈」という字も、「山」に「豆」で、「豆」は「と」とも読みますから、これ一字で「やまと」です。

大きな和の国としての「大和」、稲穂の前でかしずくたおやかな女性を意味する「倭」、山の手前に広大な水田がまるで庭のように広がっている様子を意味する「山庭(やまと)」、都の区画整理された往来を意味する「八間跡(やまと)」、天照大御神を意味する「日」の本にある国としての「日本(やまと)」等々、おなじ「やまとの国」を表現するにも、その表記文字を変えることで、また違った深い意味を重ねることができる。
そしてそうすることによって、歌により一層の深みを与えることができる。

これは、文学的意味における、ある意味、一大革命です。
そしてこれを誰が行ったかといえば、もちろん形にしてとどめたのは柿本人麻呂ですが、実際にこれを始めたのは、おそらくは庶民が先であったろうと思うのです。

なぜなら庶民というのは気楽なもので、何でも楽しみに変えてしまう。
いまでも、たとえば「ヨロシク」を「夜露死苦」などと書いて喜んでいます。
そしてこれを、さらに高い文化にまで育て上げることによって、権力や武力ではない、文化の力によって日本を統一国家にしていこうと努力を重ねられたのが、やはり持統天皇です。

その持統天皇のお言葉の中に、
「朕 嘉厥 尊朝愛国 売己顕忠」というお言葉があります。
「朕(ちん)、
 朝(みかど)を尊(とうと)び、
 国(くに)を愛(おも)ひ、
 己(おのれ)を売(う)りて
 忠(まなめるこころ)を顕(あらは)すを
 嘉(よみ)とす」
と読み下します。

これが我が国の歴史上、「愛国」という文字が用いられた初出です。
西暦694年のことで、1300年以上も昔のことです。
にもかかわらず、いまどき「愛国」という言葉を使うと、右翼だとか危険思想だとかいわれる。

冗談じゃあないです。
愛は全てに通じるのです。
愛を否定する教育をしているのは、世界広しといえども、おそらくは日本だけです。
歴史上にも存在しない。
現代日本は、実はそこまで歪んでしまっているということです。

そうした歪みを、正しいものに戻していくためには何が必要かといえば、それは人々の覚醒しかありません。
そしてその覚醒は、怒りや嫉妬の発露であってはならないと思うのです。

もちろん、覚醒のきっかけは、怒りの感情や嫉妬であっても良いでしょう。
けれど、そこから新たな日本を切り開く道は、怒りや嫉妬を基にしてはいけないと思うのです。
そうではなく、愛と喜びと幸せと美しさといった価値あるものへのシフトアップでなければならないと思うのです。

日本を取り戻そうとするとき、そのための基準点をどこに置くかを明確にすることはとても大切なことです。
早い話、日本を破壊し共産主義革命をもたらしたい人たちにとっては、日本国内が混乱し、世論がバラバラになり、国内の対立が深まって喧騒と騒乱が続いて、国民生活が日々危険にさらされているような情況こそが望ましい。
つまり混乱と無秩序こそが、共産主義革命志向の人たちにとっての基準点です。

世間の多くの人たちは、誰もそのような毎日が生命の危険にさらされるような国柄は望んでいません。
毎日が平和で、豊かで安全で、安心して暮らせる社会をこそ、希求されていることです。
そして私達日本人は、歴史上、たしかに、そうした文化を築いてきたといえるだけの実績があります。
これこそ私達が帰るべき原点です。

新著『ねずさんの奇跡の国 日本がわかる万葉集』は、そのために書き下ろした本です。

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コメント

tbsasahinhk

真の頭良さは記憶力だけじゃない
 昔から学歴偏重のためか、記憶力に優れたものを重用したため、東大の法学部を出た馬鹿者がこの世を差配してきましたが、その弊害に気付かないで世の中が狂ってきました。
 
 品質管理の手法にパレート分析というのがあり、事故発生の原因で多いものから順に並べて多い順から事故対策するものです。

 世の中この順番を間違えると、甚だ非効率で、努力の割に成果が上がらない状況となります。

 本当に頭のいい人とは記憶力と同時に、ねずさんの仰る通り何が重要かを判断する力とその順番を間違えないことを言うのだと思います。
 またその他にも視野の広さと、自己犠牲を伴う相手を慮る精神が必要なのは言うまでもありません。

 いつも心に残る話題を提供していただいて感謝しております。
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ねずさんのプロフィール

小名木善行(おなぎぜんこう) HN:ねず

Author:小名木善行(おなぎぜんこう) HN:ねず
連絡先: nezu3344@gmail.com
執筆活動を中心に、私塾である「倭塾」、「百人一首塾」を運営。
またインターネット上でブログ「ねずさんのひとりごと」を毎日配信。他に「ねずさんのメールマガジン」を発行している。
動画では、CGSで「ねずさんのふたりごと」や「Hirameki.TV」に出演して「奇跡の将軍樋口季一郎」、「古事記から読み解く経営の真髄」などを発表し、またDVDでは「ねずさんの目からウロコの日本の歴史」、「正しい歴史に学ぶすばらしい国日本」などが発売配布されている。
小名木善行事務所 所長
倭塾 塾長。

日本の心を伝える会代表
日本史検定講座講師&教務。
(著書)

『ねずさんの昔も今もすごいぞ日本人』

『ねずさんの 昔も今もすごいぞ日本人!和と結いの心と対等意識』

『ねずさんの 昔も今もすごいぞ日本人!日本はなぜ戦ったのか』

『ねずさんの日本の心で読み解く百人一首』日本図書館協会推薦

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