教養と文化の国

20191123 万葉集表紙1200
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我が国の歴史を、あたかも権力者による血塗られた横暴の歴史のように考えることは間違っています。
我が国には、権力者が自分が逃げるためにと、大型のダムを決壊させて100万人もの民間人を一気に水死させたり、大統領が自分が逃げ伸びるために漢江に架かる橋を、まだ民衆が避難のために橋を渡っているのに、橋にいる民衆ごと橋を爆破するような残虐な文化は、歴史上まったく存在しないのですから。


20191123 万葉集表紙1
画像出所=https://amzn.to/34cLFq0
(画像はクリックすると、お借りした当該画像の元ページに飛ぶようにしています。
画像は単なるイメージで本編とは関係のないものです。)


17日に、拙著『ねずさんの奇跡の国 日本がわかる万葉集』に、3つ目のAmazonレビューが付きました。
まさに「我が意を得たり」といえるレビューです。
書いていただいたwakaさん、ありがとうございました。

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******
waka 殿堂入りベスト50レビュアー
5つ星 日本の凄さが分かる素晴らしい解釈
2019年12月17日
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「はじめに」で、小名木氏は、恋の歌だとされてきた歌が実はそうではないという、一般に流布している解釈と本来の意味が極端に異なる例を挙げて、なぜこのような解釈が生まれたのか説明し、中には「けしからん」解釈も出てきて、万葉集が「よく分からない歌集」にされてしまったと述べている。
そして、本当の意味が分かると、私たちの祖先がどのような国を目指したのか、そして日本という国、或いは日本人の心とはどのようなものなのかを学ぶ大きなきっかけとなり、改めて日本を知る機会になると述べている。

万葉集が詠まれた時代は、唐という軍事大国が虎視眈々と我が国を狙っていた時代である。
我が国が自立自存を保つためには、国を統一する必要が出てきた。
国をひとつにまとめるのに際し、歴史を通じてどこの国でも行われてきたのが、武力による反対派の制圧と粛清である。
しかし日本は、地方豪族も何代かさかのぼれば、皆、親戚で、粛清するわけにはいかない。そこで行われたのが、文化と教養の普及と経済的利益の共有である。

漢字に訓読みを与えて、日本語としての表記を可能にするという文化運動もそのひとつである。
使う文字が共通になれば、それは同じ民族となり、共同して統一国家を営むことができる。
また漢字を用いることで、ひとつの文中に複数の意味をもたせることができ、より複雑な言語空間ができあがる。
そして言葉が高度になるということは、そのまま文化が高度なものになることを意味する。
万葉集は、そのような文化形成期に詠まれた歌集なのである。

まず舒明天皇の歌を取り上げ、舒明天皇が仁徳天皇と同様に、「民衆の心が澄んで賢くて心根が良くて、みんなが幸せに生きていくことができる好感の持てる国」を国家の理想像として、その歌を詠まれていると述べている。
有間皇子が国のため、一切の釈明をせず、濡れ衣を被って、処刑を受けた話や、額田王と天智天皇と大海人皇子(天武天皇)の三角関係とされてきた歌は、実は天智天皇の治世を讃えた歌であるなど、その詠まれた状況を考慮しながらの解釈は非常に説得力があった。
日本の素晴らしさを改めて感じることができた。


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20191006 ねずラジ
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wakaさん、ありがとうございます。
本の中で、有間皇子のあたりは、あっさりと書いてしまっているので、真意を読み取っていただけるか実は不安だったのですが、見事に文意を汲み取っていただき、とてもうれしく思います。
有馬皇子は、素晴らしい人格者であったと思うのです。
有間皇子を処刑したとされる中大兄皇子も、事情をわかって有間皇子を処罰せざるを得なかったのであろうと思います。

ただ、これは私の想像ですが、おそらく有間皇子は、実際には処刑されていないのではないかと思っています。
処刑したことにして、出家してお坊さんになって、どこかの住職として余生をまっとうしたのではないか。
有間皇子も、その方が気楽に余生を送れたであろうし、殺したとみせかけて裏でこっそり逃がそうとしたということこそ、いかにも中大兄皇子らしいやり方だと思うのです。

そもそも我が国は、死を穢れとして忌む習慣がありました。
一方、秩序維持のためには、反逆者を赦すわけにはいかない。
こうした2極化した狭間(はざま)にあって、仏教の持つ「出家をすることは、今生に別れを告げることになる」というシステムは、たいへんに便利なものであったと思います。

ただ、そうは言っても、出家によって命を永らえたことを奇貨として、再び反逆の狼煙(のろし)を挙げて秩序を乱すような者の場合、これはやはり本当に処刑するほかはありません。
中大兄皇子の場合、乙巳の変で蘇我氏を武力によって制圧した経験を持ちます。
ですから手を汚すことは、厭わない。
けれど、そのままこれをどこまでも推し進めるならば、我が国は武力によって秩序を図る国柄になってしまいます。

二度と皇室を軽んずるような豪族を出してはならない。
けれど、その一方で、簡単に武力に訴えるような国柄は、我が国の文化として許容してはならない。
このことをいかに実現していくかが、中大兄皇子の時代から、弟の大海人皇子(後の天武天皇)、その妻の持統天皇に至る時代の、最大の懸案事項でした。
大化の改新も、記紀の編纂も、歌集の編纂も、そうした文化的政治的背景のもとで生まれた一連の改革のためのものです。
そしてこうした一連の改革の基礎となる考え方を明確に打ち出されたのが、中大兄皇子の父であられる舒明天皇でした。

我が国の歴史を、あたかも権力者による血塗られた横暴の歴史のように考えることは間違っています。
我が国には、権力者が自分が逃げるためにと、大型のダムを決壊させて100万人もの民間人を一気に水死させたり、大統領が自分が逃げ伸びるために漢江に架かる橋を、まだ民衆が避難のために橋を渡っているのに、橋にいる民衆ごと橋を爆破するような残虐な文化は、歴史上まったく存在しないのですから。

お読みいただき、ありがとうございました。


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小名木善行(おなぎぜんこう) HN:ねず

Author:小名木善行(おなぎぜんこう) HN:ねず
連絡先: nezu3344@gmail.com
執筆活動を中心に、私塾である「倭塾」、「百人一首塾」を運営。
またインターネット上でブログ「ねずさんのひとりごと」を毎日配信。他に「ねずさんのメールマガジン」を発行している。
動画では、CGSで「ねずさんのふたりごと」や「Hirameki.TV」に出演して「奇跡の将軍樋口季一郎」、「古事記から読み解く経営の真髄」などを発表し、またDVDでは「ねずさんの目からウロコの日本の歴史」、「正しい歴史に学ぶすばらしい国日本」などが発売配布されている。
小名木善行事務所 所長
倭塾 塾長。

日本の心を伝える会代表
日本史検定講座講師&教務。
(著書)

『ねずさんの昔も今もすごいぞ日本人』

『ねずさんの 昔も今もすごいぞ日本人!和と結いの心と対等意識』

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