深層心理、潜在意識、阿頼耶識、神々の知恵



20191123 万葉集表紙1200
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戦後の左翼運動は、進化論を用いて日本古来の知恵を、まるで「古いものは悪」とでも言うかのように切り捨ててきました。
そのためにたいへんな金額も投下されました。
ところがいざ東日本大震災のような大規模災害があると、瞬時にして日本人は霊(ひ)の記憶を呼び覚まして、互いに助け合い、協力しあって災害を乗り越えました。
こうした行動は単に「人には生まれてからの記憶しかない」とする西洋心理学では説明がつかないことです。


20191223 潜在意識
画像出所=https://www.motivation-up.com/whats/subconscious.html
(画像はクリックすると、お借りした当該画像の元ページに飛ぶようにしています。
画像は単なるイメージで本編とは関係のないものです。)


西洋の心理学では、知覚できる意識のことを表層意識とか顕在意識と呼び、自分で知覚はしていないけれど心理の奥深くにある意識のことを無意識とか潜在意識と呼びます。
潜在意識は表層意識に影響を与えますが、その影響を与える潜在意識のことが深層心理です。
氷山に例えると、海水面の上に見えているものが顕在意識、水面下に隠れていて見えないけれど、見えているところよりもはるかに巨大な氷の塊となっているところが潜在意識だというわけです。

これが仏教哲学になりますと、知覚できる表層心が、感覚としての五識(ごしき=視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚)と、思考としての三識(さんしき=知・情・意)に分けられます。
ここまでを六識といい、西洋的な表現ですと表層意識と同じものです。

その六識に影響を与える、つまり西洋心理学でいうところの深層心理にあたるものが、仏教では末那識(まなしき)で、ここに自己の本体があるとされます。これが第七識です。

ところが面白いのは、さらにその下部に、もっと深い意識体がある。
これを根本心といい、第八識と第九識があり、すべてを合わせて九識論(くしきろん)と呼ばれます。

第八識が阿頼耶識(あらやしき)です。
ここには一切の種子が貯蔵されているといわれ、母親の胎内にいるときから現在に至るまでのあらゆる知識経験が貯蔵されています。
第九識が阿摩耶識(あまやしき)で、別名「仏識」とも言いますが、仏界に連なる根本心であるというのが一般的な解釈とされています。

九識論は、なにせ二千年の歴史のある仏教の教えであるだけに、上に述べた以外にも様々な解釈があり、一概に上に述べたことだけが真実の解釈というわけではなくて、様々な異論・傍論がありますので、別な見方で教わっておいでの方もいるかもしれません。
とりわけ第九識の阿摩耶識は、集合知というだけでなく、神界や大宇宙の知性につながるという解釈もあり、お好きな方は、一度詳しくお調べになるのも良いかもしれません。

いずれにしても、表層意識の下に、無意識の膨大な世界があるのだという考察は、古い昔からずっとあったということになります。



20191006 ねずラジ
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おもしろいことに、日本古来の神道では、顕在意識と潜在意識や、九識のような分類を行いません。
知覚している世界とは別に、我々には魂が宿り、その魂は神々に通じていると説きます。
これがまた深くて面白いのですが、近年の次元論が、そんな神道的世界を、実に上手に顕すようになりました。

次元といえば、みなさま三次元とか四次元世界などと言って、よくご存知のことと思います。
たとえば0次元といえば、点。
一次元といえば、直線の世界です。
二次元の世界といえば、平面の世界、
三次元は立体の世界です。

この次元を説明するのにあたって、手塚治虫が漫画で、二次元世界や三次元世界を描き、このときに説明を容易にするために、二次元の平面世界で活躍する二次元の住民や、三次元世界で活動する我々の世界などを紹介しました。
つまり説明のために、二次元や三次元の世界の中に、時間の概念を含めて、二次元、三次元の住民が、その次元内で時間軸に沿って動き始める・・・という描写がなされたわけです。
けれど、2次元(直線)内を、往復、往来したら、そこには時間軸があることになります。
つまり、二次元の説明がつかなくなってしまう。

典型的なのが0次元で、0次元はまったく動かない点であるはずが、そこに時間軸を加えると、どうなるのか、誰も説明がつかなくなってしまうわけです。

諸説ありますが、もっとも簡単に理解するためには、3次元までは、まったく動きのない(つまり時間の止まった)世界。
そして4次元になると、時間軸が加わって、3次元の立体内が動きを持つようになる、と考えると、ここが非常にわかりやすくなります。
私達は、生まれたときから、成長するにしたがって、身長も体重も外見も変わりますが、それは3次元空間に時間軸が加わった4次元の世界に、我々が住んでいるからだ、というわけです。

と、ここまでご理解いただいた上で、A4の紙を真横から見ていただくと、そのヘリは直線です。
でも上から見たら、平面です。
その平面上の離れた点に、点を2つ書いたとき、横から見たら、一直線上にその点は並んでいますが、上からみたら、別々な場所にある。
これは簡単にご理解いただけると思います。

仮にこの直線を、時間軸だと仮定しますと、実は時間軸は一次元上を、直線的に動いているわけではなくて、平面状を行きつ戻りつしていることがわかります。(下図参照)

20191223 次元論


要するにこれが5次元世界で、さらに6次元になると、この図の全部を上から見下すように見渡すことができます。
一方、我々が住む4次元世界(三次元+時間)の世界では、時間軸は直線上(図のへり)にしかありません。
しかも我々の大脳新皮質は三次元・・・つまり今のこの瞬間しか知覚できません。
ですから図の平面上で、実は図のように行きつ戻りつしている時間が、我々の世界での知覚では、過去にさかのぼっての変化(過去の塗替え)のようにも見えるし、平面上の曲線が、我々の世界では直線上でしか認識できませんから、これが多元宇宙のように認識されたりもするわけです。

我が国では、神とは、ご先祖をずっとさかのぼった、人々の共通のご先祖という考え方をします。
よく「神語は、我々の共通のご先祖の物語であって、すべて真実だ」と言われるのは、そのためです。
ですからたとえば天照大御神は、何千年も前に実在した我々のご先祖、ということになるのですが、その天照大御神にしても、弟の須佐之男命にしても、いまでもおいでになられ、人々が参拝しています。

これがどういうことかというと、要するに神様というのは高次元の存在であって時空を超越しておいでだから、我々の知覚からしたら、過去現在未来と呼ばれる時空間のすべてに存在されている、という理解になるわけです。

このことから、古神道ではさらにおもしろい理解があって、インド仏教では、輪廻転生は、常に過去から未来へと向かう時間軸の中で生じる(だから高僧が転生したゴールデン・ボーイなる者が存在したりする)とされるのですが、我が国の古神道では、神々の世界は時空を超越するわけです。
従って、生まれ変わりという概念はあるのですけれど、その生まれ変わる先は、もしかすると過去の時代かもしれない、ということになります。
従って、21世紀の初頭を生きている我々が、死んだ後に縄文時代に生まれ変わる、なんてことも起こり得ると考えるわけです。

こうしたことが、あまりに素っ頓狂でわかりにくく、これまでは古神道は、なにやらわからない世界のようにされてきたのですが、近年の理論物理学の成果は、むしろ古神道の世界に理論的に近づいてきているように思います。

さて、冒頭に述べた潜在意識ですが、神道では今生の記憶は記憶として「身に備わる」と考えます。
言い方を変えると、胎内にいるときから死ぬまでのすべての記憶は身(み)に蓄えられる。
けれども人というのは、単に身(み)だけの存在ではなく、霊(ひ)と身(み)が合わさったのが、人です。
人の身(み)には、霊(ひ)が備わるのです。
これを大和言葉で言い表したのが、「ひふみ」で、「ひふみ」は、「霊(ひ)生(ふ)身(み)」です。
つまり「霊(ひ)から身(み)が生まれる」というのが、簡単に言うと「ひふみ」の意味で、昔の人は、数詞を覚えるときに、いち、に、さんよりも先に、この「ひふみ」を学んだわけです。

そして潜在意識と呼ばれるものは、ひとつには、胎児だった頃からの身(み)の記憶ですが、それだけではなく、今生を越えた霊(ひ)の記憶があり、またその霊(ひ)は、同じくご神体である神々の記憶、つまり知恵でもある、と考えられてきました。
人は、いまこの瞬間に穢れを祓い、姿勢をただし、あるいは水行などの行を行うことによって、自分に備わった霊(ひ)と神界を結び、より膨大な知恵を得ると考えられてきたのです。

つまり、西洋心理学でいう潜在意識や、仏教でいう阿摩耶識といった深い意識は、実は個人の、いま生きているだけの記憶にとどまらず、時空を超越した神々の霊(ひ)の知識と考えてきたわけです。
そして奇しくも、次元論は、まさにそんな神道的世界を、見事に証明しつつあるということができます。

日本社会の最大の誇りとすべきは、過去の様々な時代における知恵が、ずっと現代にまで継続して生きているということです。
早い話、十七条憲法の「和をもって貴しとなす」は、西暦604年に発布されたものですが、いまでも日本人のなかには、十七条憲法の精神が息づいています。
西洋にしても東洋にしても、王朝が交代するたびに、それまでの知識や経験が、すべて失われてしまっています。
つまりすべての時代が、いわばゼロからのスタートになる。
それまでの知恵が失われてしまってきたわけです。
とりわけチャイナの場合、王朝が交代するたびに人口の3分の1が失われ、その多くが知識層であったことは、きわめて重大な損失であったものと思います。
これはコリアにおいても同じことがいえます。

ところが日本では、縄文時代、あるいはもっと古い時代から万年の単位で続く思想や知恵が、そのまま継続して現代にまで活かされている。
これこそまさに、世界に誇るべき、すごいことです。

戦後の左翼運動は、進化論を用いて日本古来の知恵を、まるで「古いものは悪」とでも言うかのように切り捨ててきました。
そのためにたいへんな金額も投下されました。
ところがいざ東日本大震災のような大規模災害があると、瞬時にして日本人は霊(ひ)の記憶を呼び覚まして、互いに助け合い、協力しあって災害を乗り越えました。

こうした行動は単に「人には生まれてからの記憶しかない」とする西洋心理学では説明がつかないことです。
そしていまや欧米の心理学が、日本に古来からある精神世界に強く影響され、研究対象になってきているといいます。
要するに、基礎となる精神世界に関する知見が、従来のものから大きく変化しつつあるのです。
そしてその方向が、なんと日本の古神道で説かれた道に向かっている・・・。

私達の国・日本にある古い日本文化は、もしかすると超最先端の現代学問よりも、実はもっとはるかに進んだ内容を持っていたかも知れない。
そのように思います。

日本を信じ、良心を信じ、人を信じ、愛を信じる。
祖代や古代の日本人は、一般庶民がそうしたことができる国を目指しました。
そのために、過去を抹消することなく、過去を叡智(えいち)と考えて、そこから大切な学びを得るという国柄を築いてきました。
私は、日本は3万年以上にわたって蓄積された知恵を、一度も滅ぼされることなく継続し蓄え進化させてきた国であると思っています。
その日本の知恵を、あらためて学び直す。

今回の『ねずさんの奇跡の国 日本がわかる万葉集』も、そのために書いた本です。

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コメント

寺島孝

No title
小名木善幸先生

毎日、熱く、目から鱗のブログを有難うございます。

昨日いつもの近所の本屋さんに行って、受付前の新刊本を並べているところに、ねずさんの万葉集が置いてありました。やったあ~と。
最も目に付く、購入し易い場所に、売れるから置いてあるんですよね。
本屋さんはその辺よく調べてあるはずです。
アマゾンの万葉集部門で一番売れていると先生から聞いていましたが、昨日は実感しました。

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寺島

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ねずさんのプロフィール

小名木善行(おなぎぜんこう)

Author:小名木善行(おなぎぜんこう)
連絡先: info@musubi-ac.com
昭和31年1月生まれ
国司啓蒙家
静岡県浜松市出身。上場信販会社を経て現在は執筆活動を中心に、私塾である「倭塾」を運営。
ブログ「ねずさんの学ぼう日本」を毎日配信。Youtubeの「むすび大学」では、100万再生の動画他、1年でチャンネル登録者数を25万人越えにしている。
他にCGS「目からウロコシリーズ」、ひらめきTV「明治150年 真の日本の姿シリーズ」など多数の動画あり。

《著書》 日本図書館協会推薦『ねずさんの日本の心で読み解く百人一首』、『ねずさんと語る古事記1~3巻』、『ねずさんの奇跡の国 日本がわかる万葉集』、『ねずさんの世界に誇る覚醒と繁栄を解く日本書紀』、『ねずさんの知っておきたい日本のすごい秘密』、『日本建国史』、『庶民の日本史』、『金融経済の裏側』、『子供たちに伝えたい 美しき日本人たち』その他執筆多数。

《動画》 「むすび大学シリーズ」、「ゆにわ塾シリーズ」「CGS目からウロコの日本の歴史シリーズ」、「明治150年 真の日本の姿シリーズ」、「優しい子を育てる小名木塾シリーズ」など多数。

講演のご依頼について

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