たとえば「権力」は、旧字体なら「權力」です。
「權」という字は、字をよく見たらわかりますが、木の横に草があります。
つまり木に葉の生えた枝がある。
その木の葉の陰の高いところに、目が二つあります。
これが捕食動物であるミミズクの目で、その下に「隹(すずめ)」がいます。
つまり、ミミズクがスズメを監視している象形です。
スズメは油断をすればミミズクに捕まって食べられてしまいますから、その力である「權力」は、人々を監視し、場合によっては捕らえてしまうという、恐ろしい力だとわかります。
「人權」なら、人が監視されている状態ですから、人が捕まらないように油断をしないで正しく生きる、いわば人の道のことを言うとわかります。
「人權」は英語で書いたら「Human Rights」です。
「Right」は、神の示す道のことですから、人が生きるために神々によって示された道が人権です。
従って「Human Rights」と、漢字の「人權」は同じ意味になります。
ところがその權利や人權を、「権利、人権」と略字で書いたら意味がわからなくなります。
日本国憲法は、人権を「侵すことのできない永久の権利として現在及び将来の国民に与へられる」と規定していますが、「権(權)」の意味を履き違えたら、個人の意思と行動が国家的正義に優先するかのような誤解を与えることなります。
つまり、刑法に書かれていなければ、あるいは刑法に触れなければ何をやっても構わないという、乱暴を肯定するかのような個人の利益(権利)になってしまうわけです。
きわめて馬鹿げた話と言わざるを得ません。
それを後生大事に保持しようとするのは、ゲスの行動の正当化と言わざるを得ません。
せっかくの「令和」の元号も、内閣府によって示された元号は「令和」と書かれていました。
見事な筆字であることはおおいに結構なのですが、令和の「令」は、本来は下の左図の字です。


この字は上にある三角屋根が神様の声が上から降ってくる象形で、下にその声の前でかしずいている人の姿があります。それが上の右側の図です。
この形がもとになって漢字になっているわけです。
ところがこれを「令」と書いてしまうと、そうした漢字の成り立ちの意味がまったくわからなくなってしまう。
このため、せっかくの「令和」の元号も、「和することを上から目線で命令する不細工な元号」などと揶揄(やゆ)する馬鹿者まで出る始末です。
まさに、嘆かわしい限りです。
また、この令和が『万葉集』の「梅花の歌32首併せて序」から採られたことは、各種報道で明らかですが、そこで紹介される、
初春(はつはる)は
令(よ)き月(つき)にして
気(き)も淑(よ)くて
風(かぜ)和(なご)み 云々
は、五七調の長歌の形式は取っていますが、題詞(ひたいのことば)といって、32首の歌を紹介するにあたっての序文のようなものです。
また「よき月」を、「良き月」ではなく、意図して「令(よ)き月」と書いているのは、初春が神々が与え給うた神の意思としての「よき月」だという意味が、そこに込められています。
仮にここを「良き月」と表記すると、「良」という字は穀物の中から、よいものだけを選び出すための器具の象形ですから、これを行うのは秋の収穫の時ということになり、「初春は秋の月」という意味のわからない詞(ことば)になってしまいます。
上に述べた英語の「Right」にしても、日本語の「令」にしても、言葉というのは、その国の文化を築き、文化を担(にな)い、民度を形成する、きわめて重要なものです。
昨今では、義務教育における国語の年間授業時間数も、我々が子供の頃と比べて半分に減っています。
それでまともな国民が形成されるのでしょうか。
また昨今では、日本語学校を出た外国人の方が、よほど正しい日本語を話したり書いたりするようになりました。
外国人への教育にできて、日本人の教育にできないということが、あるのでしょうか。
日本語を取り戻す。
それは、私達がこれから取り組まなければならない大きな課題です。
お読みいただき、ありがとうございました。
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コメント
takechiyo1949
国語力って何でしょうか?
聴く?話す?読む?書く?
そういう「力量」のこと?
難しい言葉とその意味を沢山覚える?何のために?
中学生の頃、担任の国語の先生が言いました。
『聴くことも話すことも読むことも書くことも、思考の結果に過ぎない。国語力とは「思考力」のことだ。』
まだ子供でしたが、なるほどと思ったものです。
さて「コミュニケーションは大事だ」と言いながら「集団の空気を読め」とも言います。
集団って元々同質ですから、毎回の討論など必要ありません。
空気が読めなかったり、異質な雰囲気を感じたら、孤立するか去るしかありません。
無理矢理に合わせて我慢するって手もありますけどね。
しかし、その集団は「来るもの拒まず去るもの追わず」です。
我国は「察する文化の国」で、激論など滅多にありません。
そういうのを好まない性格なのでしょうね。
不特定多数を相手に、難しい単語を並べて話す人がいても「理解できない者は分からんでいい」ってスタンスを感じても、誰も文句を言いません。
何が何なのか…もう少し考えてみたいと思います。
2020/01/11 URL 編集
森山
これは、飾らない本音を堂々と書かれているところだと思う。
例えば、白人は人間ではない などだ。
大東亜戦争終戦後の日本国と日本人は、
欧米白人による正義によって、悪しき日本国と日本人をたたき潰し、そして開放され、真に、国際社会に迎えられた。
そして、本当に、今までは他国に対して、非道な事を犯し、お詫びしてもし尽くせないほどの悪さをしてしまった反省より、日本国と日本人は、自らの国家平和実現の為にも、決して、CIAやM6のようなスパイ活動もせずに、他国を信頼して、そのような他国から日本国及び日本人に対する凡ゆる言動行為は、全て過去の日本国と日本人が犯した悪事に対する戒めとして受け止め、決して逆らわず、ただただその行為に対して、日本国と日本人は、協力することで、持続的な国際平和世界実現でること。
今時点でも、日本国民の間で、「おい、今の日本国憲法って、日本人が考え作ったものではなく、白人が一週間程度で作ったオンボロ憲法なんだってさ。これっておかしくない?」という議論も論争もないまま、すでに、70数年を迎える。
だけど、戦後、日本軍は決して悪くなかった、南京大虐殺なんて無かった、従軍慰安婦なるものも無かった・・・
これは、インターネットなどにより、全く盛り上がってこなかった自国への誇りや自分のご先祖様が非力な状況の下、決して逃げず、肉片になるまで、祖国日本の弥栄と愛する家族を心から心配して、白人が植民地にしていた地で、無言のまま散っていってたことを動画などで見る機会があったからだろう。
今の日本国憲法は、日本国嫌法というべきだろう。
日本国が嫌になることばかり書いてあるGHQ憲法なんだから、自分の国を本当に好きになるような憲法にすべきだと思う。
紀号より、この認識がかけている限り、表面上でしかないと感じます。
日本人が識るべき日本人
岡部芳郎
国井善弥
高野虎市
中村久子
私は、あの大東亜戦争時の日本の多くの若者が、愛しき家族や恋人とも別れ、ただただ鬼畜米英の為に、その短い人生を終えた。この英霊のしかばねの上に、この日本国は成り立っている以上、今後、日本精神でなければ、何度でも、厳しい状況を多くの日本人に降りかかることと思います。
金ではない、あの大戦で散華されたご先祖様のその心根に触れることが出来る日本人にしか、この日本国を担うことは出来ないと思うからである。
天皇陛下万歳
日本国万歳
英霊に万歳
2020/01/11 URL 編集