大事なことです・・ケンポウと憲法とConstitution



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言葉の問題は大事です。
ましてそれが国の根幹を定める憲法ともなれば、その大切さは論を待たないと思います。
このことは、私たちが深く考えなければならない、決しておろそかにできないことだと思います。


20200405 日本国憲法草案
画像出所=https://prangecollectionjp.wordpress.com/2019/04/21/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%9B%BD%E6%86%B2%E6%B3%95%EF%BC%9A%E7%AC%AC%E4%B8%89%E5%9B%9E/
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結論から書きます。
ケンポウと、憲法と、Constitutionの概念の混在が、今の日本人にとっての最大の障害です。

現行の日本国憲法も、先の大日本帝国憲法も、いずれも西洋における「Constitution」を「憲法」と和訳しています。
ところが概念として、日本における憲法という言葉の意味と、西洋における「Constitution」では、実はまったく意味が違います。

「constitution」という語は、フランス革命当時のパリ市民たちの手で作られた造語です。
 Con《共に》、
 stitute《立てた》
 ion《こと》
が組み合わさったできました。

フランス革命に際して、パリの市民が集まって共同体をつくり、その共同体がフランス王朝と戦うに際しての基本的な共同体の基本規約として打ち立てられたのがはじまりで、王朝を打倒して自治が始まると、当然、その共同体基本規約は変更することになるし、パリ市民だけでなく、フランス全体を統一国家としたときには、今度はフランス全体に関する基本規約へと変更されていく。
つまり、共同体の形や目的、方向が変われば、当然にその都度変更していくのが、彼ら西洋人にとっての「constitution」です。

ですから例えば西ドイツは日本と同じ第二次世界大戦の敗戦国ですが、戦後60回以上にわたって「constitution」の改正を行っています。
改正するのが当然だからです。
現実問題として、終戦直後の状況と、いまのドイツでは、まったく国の様子も民衆の求めるものも違ってきています。


20200401 日本書紀
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そういう意味では、日本も同じで、大日本帝国憲法が制定された時代と現代とでは、まったく時代環境が異なっているし、まして日本国憲法が制定されたときは、日本は戦後の焼け野原で、しかもGHQによって占領統治されていたわけです。
その頃の状況と、いまの日本の状況では、まったく様子が異なっているわけで、そうであれば「constitution」は、いまの状況に合わせて変えるのがむしろ当然であるわけです。

ところがここにやっかいなことが起こります。
明治のはじめ(明治6年)に、元熊本藩士の林正明(はやしまさあき)が合衆国constitutionの訳本を、また元津山藩士の箕作麟祥(みつくりあきよし)がフランスconstitutionの訳本を出すに際して、「憲法」という用語を用いてしまったのです。
これによって日本では、あたかも「constitution(共同体基本規定)」と日本語の「憲法」が、同じものと誤認されるようになってしまったのです。

実はこれは重大問題です。
日本で「憲法」といえば、西暦604年に制定された十七条憲法のことを指します。
有名な「和をもって貴しとなせ」などの言葉のある憲法ですが、この憲法は、制定から1400年以上が経過した現代においても、色褪せることはありません。
なぜなら十七条憲法は、日本人として共有すべき万古不易(ばんこふえき)の事柄が述べられているからです。
ですから、おそらくあと1400年経過した後の世においても、十七条憲法が色褪せることは、まずありえない。

そういう約定を、17条に渡って書いたものが十七条憲法なのですが、実は「十七条憲法」というのは、訳語であって、日本書紀の本文には、「憲法十七条」と書いてあります。
読みは「いつくしきのり、とうあまりななをち」です。
「憲法」と書いて、大和言葉で「いつくしきのり」と読むのが、本来の読み方です。

「憲」=いつくしき
「法」=のり

なのですが、古語で「いつき」といえば、【斎(いつき)】のことで、 身心を清めて神に仕えることを言います。
「いつくしき」になると形容詞になって「身心を清めて神に仕えるように」といった意味になります。
「のり」というのは、基準規範規則法令のようなもので、糊(のり)と同じで、ベッタリと張り付いたらもう取れない。つまり取ってはならないもの、破ってはならないもの、といった意味の言葉になります。

ですから大和言葉の「いつくしき・のり」は、現代語に訳せば、
「身心を清めて神に仕えるように大切に守らなければならないこと」
といった意味になります。

人倫としての最低限守らなければならないものですから、それは千年経とうが5千年経とうが、まさに万古不易で、決して変わることがないものです。
その「変わることがない万古不易の人の道、国家の道」が、日本人にとっての「いつくしきのり(憲法)」であるわけです。

ということは、日本語の「憲法」と、西洋における「constitution(共同体基本規定)」では、その基本概念がまったく違うということです。

似たようなもので日本人が誤解しているものに「国連憲章」があります。
これは英語では「Charter of the United Nations」と書かれているもので、
「United Nations」というのは連合国軍のことを意味します。
「Charter(チャーター)」は、日本語に直したら乗り物をチャーターするのと同じです。要するに利用規約です。
つまり「Charter of the United Nations」というのは、万古不易の国際連合の憲法ではなく、単に第二次世界大戦における「連合国軍」(当時の連合国というのは事実上は英米仏蘭ソ)を利用させてもらうための規約であるわけです。

もっとわかりやすく言うならば、国連の安全保障理事国(現在は米英仏露中)が世界の軍事を独占し、その独占された軍事力を各国が利用させてもらうための規約だから「チャーター・オブ・ザ・ United Nations」なのです。
これを「国連憲章」と誤訳すると、日本人にはあたかもそれが「国連」という名の世界政府の万古不易の変えてはならない憲法のように見えてしまう。

ところがその「国連憲章」には、日本は明確に「敵国である」と書かれているわけです。
いまでは日本も連合国(United Nations)の一員として、連合国軍(United Nations)をチャーターしているわけですから、それでいていつまでも「敵国」とされているのは、いかがなものかと思いますが、なぜか日本は、国連憲章から敵国条項を外すことにあまり熱心ではない。
その理由は、本当は連合国軍をチャーターするための基本規約ある「Charter of the United Nations」を、日本人が「国連憲章」などと、あたかも世界政府の憲法であるかのように錯覚する誤訳がまかり通っているからでもあるわけです。

話が脱線しましたが、「いつくしきのり(憲法)」と「constitution(共同体基本規定)」では、その基本となる概念が違いすぎます。
日本人にとっては、憲法とは「いつくしきのり」であって、本来、変えてはならないものであるからです。

ここに多くの日本人が抱える自己矛盾があります。
憲法を、変えてはならない「いつくしきのり」と考える日本人の言語感覚と、
変えることを前提とした英語の「constitution(共同体基本規定)」では、そもそもの基本概念がまったく異なるのに、その異なる二つが「憲法(けんぽう)」という言葉の中に混在してしまっているからです。

ですから現行憲法を改正、もしくは自主憲法の制定をしようとするにあたっては、我々日本人は、まずその前提として、
万古不易の「いつくしきのり(憲法)」と、
状況に応じて変化させるべき「constitution(共同体基本規定)」とをしっかりと区別する必要があるのです。

早い話、憲法改正とか憲法破棄とかいうと、猛然と反対意見が起こりますが、そもそも現行の日本国憲法なるものが、占領軍によって与えられた「連合国占領統治下の日本(Occupied Japan)における日本人という共同体の基本規定(constitution)」であり、和訳するなら本来は、「The Constitution of Japan」は「日本国憲法」ではなく、「連合国統治領日本における日本人の服務規程」(小山常実先生)と訳すべきものであったわけです。

仮にもし、いま日本国憲法の名称が英語の「The Constitution of Japan」の訳として、「連合国統治領日本における日本人の服務規程」とされていたならば、おそらく1万人の日本人がいたら、その1万人全員が「改正すべき」、もしくは「新たに憲法を作り直すべき」と考えると思います。
言葉というのは、かくも恐ろしいものであるわけです。

従って我々がこれからの日本の形を、そして日本の憲法の在り方を考えるにあたっては、まずはじめに、
万古不易の「いつくしきのり(憲法)」と、「日本という共同体の基本規定(または基本法)」とを分けて考える必要があると思います。

たとえば、「国会は衆参両院による」(第四十二条)という規定は、万古不易のいつくしきのりにはなじまないものといえます。
そうであれば、これは「日本という共同体の基本規定(または基本法)」に記載すべきものであって、「いつくしきのり(憲法)」に記述すべきものではないということになります。

つまり、世界最古の歴史を持つ日本として、我々日本人が千年経っても1万年経っても「変えてはならないもの」と、その時時の世界情勢や国情に合わせて、常に変化させるべきものとを、明確に区別して考える。

その意味では、我が国の先人たちは、実に立派であったと思います。
なぜなら、十七条憲法という万古不易の憲法を根本として、武家政権であれば武家諸法度という形で統治のための基本法を定めていたからです。

さらにいうと、チャイナにおいてちゃんとした民主主義が育たなかったり、あるいは共産主義と言いながら、その実態は単なる王朝体制であったりするのは、やはり言語の問題が大きいと思います。
なぜならチャイナにおける近代用語は、そのほとんどが日本語の輸入であるからです。
早い話、中華人民共和国という国号の「人民・共和」は、日本語の転用です。

もともとはチャイナも日本も、政治経済哲学用語として、四書五経しかなかったわけです。
ところが幕末以降日本は西洋における近代以降の政治経済哲学科学医学などの用語を和訳するに際して、その多くを漢字二文字で書き表すようにしました。
今日のテーマの「Constitution」を「律法」あるいは「憲法」と訳したのも、「Right」を「權利」と訳したのも、「人民」や「共和」、「民主」、「共産」などの訳も、すべて日本で行われたことです。
この結果、現代チャイナ語の単語の6割以上が、日本語からの転用だと言われています。

ところがこの転用に際して、日本では、それでもまだ「訓読み」があることで、やや誤解や曲解を防(ふせ)げるのですが、訓読みを持たないチャイナ語では、その誤解は誤解のままで終わってしまいます。
例えば「民主」といえば、日本語なら「たみ(民)が主役、もしくは主人となる仕組み」と理解できます。
けれどチャイナ語はもともと漢字圏です。

すると「民」の意味は、もともと「壁の内側で庶民の目を潰して、庶民に強制的に言うことを聞かせること」、「主」は、屋敷の奥まったところにあるロウソクの炎から転じて、屋敷の奥にいる偉い人」です。
すると「民主」は、「権力を持った人が、民衆の目を潰して(情報を操作したりして)、民衆に言うことをきかせる仕組み」という意味になってしまうのです。

「共産」なら、日本語の場合、「とも(共)に産(う)むための仕組み」、といった語感になりますが、漢語としてみたときには、
「共」が、捧げものをする意味、
「産」が、生まれたばかりの物を装飾するという意味
ですから、「共産」の意味は、「できあがった製品等を、党の幹部に捧げる仕組み」といった意味になってしまうわけです。

それでも、日本が教育の柱となっていた時期(戦前の支那事変前等)であれば、教育によって、こうした用語が、英語やフランス語、あるいはドイツ語のどの単語とリンクされるかがしっかり教えられましたし、あらゆる用語は、その用語の定義を明確にするところから、当時の教育が行われていましたから、そこで教育を受けた人たちは、ある意味、間違いが少なかったのです。
けれども彼らが、チャイナ本土に帰り、日本で教わった理念や概念を、チャイナで普及したとき、実はそこで意図した社会システムとはまったく異なるチャイナ流の文化が成り立ってしまう。

このことはコリアの場合も同じで、とりわけコリアは、その曲解された漢字の語彙のまま、ハングルに文字が置き換えられてしまいましたから、これはもう救いようがない。

ちなみに台湾の場合、漢字が旧字体のまま生き残ったことと、もとからいる台湾の人々が、訓読みを理解することができたことで、その誤解、曲解が、現代日本人よりもはるかに少ないものになっています。
というのは、日本は戦後、漢字を新字体にしてしまったために、意味が不明確になってしまった。

たとえば「Right」は、権利と訳されますが、旧字なら「權利」なわけです。
旧字の「權」は、肉食獣であるミミズクが枝の上から下にいるスズメたちを監視している象形です。
ですから「權利」なら、民衆の利益のために上から監視する力という意味になり、これは英語の「Right」、つまり神から与えられた神のもとでの人の利益になるものという意味にかなり近い。
ところがそうした意味が新字体の「権利」では、まったく失われてしまうわけです。

言葉の問題は大事です。
ましてそれが国の根幹を定める憲法ともなれば、その大切さは論を待たないと思います。
このことは、私たちが深く考えなければならない、決しておろそかにできないことだと思います。

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コメント

敏四郎

戦力不保持
敵国条項と在日米軍基地と憲法はワンセットだと思います。
これにより政治家を脅しパペットにできます
行政の方は日米合同委員会で完全に押さえています
この委員会は秘密組織ではないですがメディアは絶対報道しません
またパヨクもこれに触れませんが、これは利害が一致するからだと思います
在日米軍司令部と日米合同委員会は日本弱体化のGHQ政策を維持していますが、これは中韓朝やパヨクにとっても望ましいことですから
メディアは米軍基地けしからんとか言いますが上の委員会について触れませんのでガス抜きかアリバイ作りでしかなくメディアも在日米軍司令部傘下とも言えると思います
憲法で戦力不保持を言ってる以上日本は法的に非独立国だと思います。
非独立国だからこそ上のような委員会などを使い内政に容喙しても問題にならないと思います
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小名木善行(おなぎぜんこう)

Author:小名木善行(おなぎぜんこう)
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昭和31年1月生まれ
国司啓蒙家
静岡県浜松市出身。上場信販会社を経て現在は執筆活動を中心に、私塾である「倭塾」を運営。
ブログ「ねずさんの学ぼう日本」を毎日配信。Youtubeの「むすび大学」では、100万再生の動画他、1年でチャンネル登録者数を25万人越えにしている。
他にCGS「目からウロコシリーズ」、ひらめきTV「明治150年 真の日本の姿シリーズ」など多数の動画あり。

《著書》 日本図書館協会推薦『ねずさんの日本の心で読み解く百人一首』、『ねずさんと語る古事記1~3巻』、『ねずさんの奇跡の国 日本がわかる万葉集』、『ねずさんの世界に誇る覚醒と繁栄を解く日本書紀』、『ねずさんの知っておきたい日本のすごい秘密』、『日本建国史』、『庶民の日本史』、『金融経済の裏側』、『子供たちに伝えたい 美しき日本人たち』その他執筆多数。

《動画》 「むすび大学シリーズ」、「ゆにわ塾シリーズ」「CGS目からウロコの日本の歴史シリーズ」、「明治150年 真の日本の姿シリーズ」、「優しい子を育てる小名木塾シリーズ」など多数。

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