日本書紀講義3 創生の男女神

現代の我々は、冷凍コンテナの発明によって、食料は外国で買って輸入すれば良い、身近なスーパーやコンビニで買えば良いと思っています。
けれど、今回のコロナがあらためて明確にしたことは、食料を国内生産し、むしろ食料輸入国ではなく、食料輸出国くらいになっていないと、いざというときに食糧不足が起こるということです。
私たちは、国の形を根幹から見直す必要があります。

20200510 日本書紀
画像出所=http://www.tohoku21.net/kagura/history/kigen.html
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日本書紀講義1 清陽(すみあきらか)
日本書紀講義2 国之常立尊
日本書紀講義3 創生の男女神
日本書紀講義4 磤馭慮嶋(おのごろじま)
日本書紀講義5 陽神左旋・陰神右旋
日本書紀講義6 陽神左旋・陰神右旋(修正版)


▼ご先祖の期待のもとに生まれたイザナギとイザナミ
 日本書紀は創生の三神である国常立尊(くにのことたちのみこと)、国狭槌尊(くにのさつちのみこと)、豊斟渟尊(とよくむぬのみこと)》がお生まれになられたあと、四組八神の男女の神々がお生まれになられたことを記しています。不思議なことにこの男女の神々には、それぞれ別名が記されています。日本書紀は他の項目では別な説は「一書曰(あるふみにいはく)」として、別に項目を立てて紹介しているのですが、この男女神についてだけは、なぜか本文にわざわざ別名を記しているわけです。ということは、そこになにか意図があるということです。この意図にはさまざまな読み解きがあります。ここではそのなかのひとつを先ずご紹介しようと思います。それは、神々の名は大切な何かを伝えようとしている、ということです。なぜなら神々のお名前というのは、その神様がご自身でそのようにお名乗りになられたということではなく、後の人々がその神様の特徴を人の言葉に訳したものだからです。
 詳しい解説は後回しにして、はじめに結論を申し上げます。次の意味になります。

平地の泥土の浅瀬《洲》に苗を植え   埿土煑尊・沙土煑尊
稲作を土台にした国造りをした     埿土根尊・沙土根尊
草葺屋根の大きな屋敷に至る道は  大戸之道尊・大苫辺尊
誰もが豊かに安心して暮らせるための道  大戸摩彦尊・大戸摩姫尊
稲作や麻製品つくりをする人々の顔は笑顔に輝き  面足尊・惶根尊
樫の木の家は美しく耀き        吾屋惶根尊・忌橿城尊
家族は繁栄し               青橿城根尊・吾屋橿城尊
神々の意を受けた堂々とした男性神と   伊弉諾尊
神々の意を受けたしなやかな女性神が   伊弉冉尊
お生まれになられた。

《原文》次有神、埿土煑尊(埿土、此云于毗尼)沙土煑尊(沙土、此云須毗尼)。亦曰埿土根尊、沙土根尊。次有神大戸之道尊。一云大戸之邊、大苫邊尊、亦曰大戸摩彦尊。大戸摩姫尊、亦曰大富道尊、大富邊尊。次有神面足尊、惶根尊、亦曰吾屋惶根尊、亦曰忌橿城尊、亦曰青橿城根尊、亦曰吾屋橿城尊。次有神伊弉諾尊、伊弉冉尊。


20200401 日本書紀
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20191006 ねずラジ
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 ご一読しておわかりいただけますように、イザナギとイザナミの二神は、それ以前のご先祖の神々たちの貴重なお働きと、大きな愛に育まれて誕生されたわけです。イザナギとイザナミは、我々の直接のご祖先であり、また国地(くにつち)を生み、偉大な天照大御神をお生みになり、そして歴代天皇の直接の祖にあたる偉大な神々です。その二神が、大きな愛に育まれて誕生された。こんなにあたたかな神話を私達日本は大切にしてきたのです。素晴らしいことだと思います。

▼埿土煑尊(うひにのみこと)、沙土煑尊(すひにのみこと)
 はじめに登場する埿土煑尊(うひにのみこと)、沙土煑尊(すひにのみこと)は、漢字だけの意味なら「泥を煮る、砂を煮る」で意味が通じません。そこで日本書紀にはちゃんと注釈があって、「埿土はうひに(于毘尼)と読み、沙土はすひに(須毘尼)と読みなさい」と書いているわけです。つまり漢字はただの当て字であって、ここは大和言葉で意味を取りなさいということです。大和言葉なら「う」は植える、「ひ(火)」や「に(煑)」は煮炊き、「す」は平坦な「州(す)」のことです。つまり煮炊きする何かを平地に植えているわけです。漢字の意味も重ねれば、洲のような平坦な泥土に植えて育てる植物といえばやはり稲のことになります。つまり稲作そのものといえます。

▼大戸之道尊(おとのちみこと)、大戸摩姫尊(おほとまのひめみこと)
 次に生(な)られた神様は、大戸之道尊(おほとのぢのみこと)と大戸摩姫尊(おほとまのひめみこと)です。ここでは注釈がありませんから、神様のお名前の漢字の意味と、大和言葉の意味が共通していることになります。別名も含めて見ていくと、大戸之道尊は、「大戸」が大きな戸で、それが「之道」ですから「大きな戸に至る道」、大苫辺尊は「苫(とま)」が藁(わら)のことで、草で葺いた屋根、「辺」は「ほとり、そば、あたり」で、「大きな草葺き屋根の家のあたり」という意味になります。すると「大戸之道」と「大苫辺」を合わせて、「草葺屋根の大きな屋敷の戸(門)に至る道」といった意味になります。
 この二神にも別名があり、それが大戸摩彦尊(おほとのまひこのみこと)、大戸摩姫尊(おほとのまひめのみこと)、もうひとつが大富道尊(おほとのまぢのみこと)、大富辺尊(おほとまへのみこと)です。大戸摩彦、大戸摩姫の「摩」は、もともと手で麻をすりつぶして繊維をとることの象形で、「彦・姫」はそれぞれ男女を意味します。大きな門(戸)のある屋敷で麻製品を作っている男女という意味です。
 もうひとつの大富道(おほとのまぢ)、大富辺(おほとまへ)は、「大富」が「たいへん豊か」ですから、誰もが豊かに生活できるための道と、これによる豊かな人々を意味します。

▼面足尊(おもたるみこと)、惶根尊(かしこねみこと)
 次に生られた面足尊(おもたるみこと)と惶根尊(かしこねみこと)も、和名の注釈がありませんから、漢字の意味で読んでみると、「面」が顔で、「足」には満足するという意味があります。「惶」は、「皇」が美しく輝くで、これに「忄」が付いていますから、心が美しく輝く。「根」は大地に根ざすこと。つまり面足(おもたる)は「みんなの顔が満足に輝く」、惶根(かしこね)が「大地に根ざす」。つまり二神を合わせますと、「大地に根ざすことで、みんなの顔が笑顔に輝く」という意味となります。
 この二神の別名の一は、吾屋惶根尊(あやかしかねのみこと)、忌橿城尊(いむかしきのみこと)です。吾屋惶根は「我が家は大地に根ざして美しく耀く」、「忌」はかしこまる、「橿城」は「樫の木でできた硬い城」ですから、「堅い樫の木でできた我が家が大地に根ざして美しく耀く」。二神の別名の二の青橿城根尊(あをかしきねのみこと)、吾屋橿城尊(あやかしきのみこと)は、青橿城根で「堅い樫の木でできた青い我が家は大地に根ざし」、吾屋橿城で「我が屋敷は堅い樫の木の城」といった意味になります。

▼伊弉諾尊(いざなぎみこと)、伊弉冉尊(いざなみみこと)
 最後が伊弉諾尊(いさなきみこと)と伊弉冉尊(いさなみみこと)です。古事記では「伊耶那岐神、伊耶那美神」と書きますが、日本書紀は伊弉諾、伊弉冉と字を当てています。
「伊」は、漢字の成り立ちは手にムチを持った人で、そこから氏族の長とか治める人を意味するようになった字です。「弉」は、装いを凝らして堂々としているさま、「諾」は、シャーマンが神意を口にすることの象形で、そこから承知する、承諾するといった意味になった字です。「冉」は、しなやかなさまを意味する漢字です。
そこから、次の意味となります。
「伊弉諾」=神々の意を受けた堂々とした男性神
「伊弉冉」=神々の意を受けたしなやかな女性神
 大和言葉では「き」は男、「み」は女を意味します。ですから「おきな(翁)」、「おみな(嫗)」と言います。「いざな」は「誘(いざな)う」ですから、いざなき、いざなみは、それぞれ「いざなう男、いざなう女」という意味になりますが、そこに漢字を重ねることで、日本書紀は言葉の意味に深みを持たせています。

 以上を総合すると、冒頭に記した意味が浮かび上がってきます。そしてここで日本書紀が主張していることは、明らかに、
「誰もが飢えることのない、稲作を根本とした国つくり」であるとわかります。

 稲作を根本にするためには、人々の助け合いが必要です。稲作はひとりでできる仕事ではないからです。そして稲作のためには暦が必要です。さらにより良い収穫を得るための知恵や知識、そして真面目に農作業にいそしむ根気、そしてなにより共同で作業をすることができるあたたかな人間関係が必要です。また、農地を守るためには、堤防工事など、手抜きのないしっかりとした工事が、ちゃんとした計画のもとに実現できる高い技術と、その設計のための高度な知恵が必要です。
 するとどのような国柄が必要になるでしょうか。その答えは、争いよりも共同を軸とする、「教育と高度な技術を尊ぶ文化」が必要になるといえるのではないでしょうか。こうしたことを営む立派で堂々とした男性と、しなやかで美しい女性たちの暮らす国。それが私たちの祖先が目指した日本の姿です。果たして現代日本に住む私たちは、ご先祖の期待通りの「やまとびと」になっているといえるでしょうか。

《ご参考》本抄の現代文
次に成られた神が
埿土煑尊(うひにのみこと)と沙土煑尊(すひにのみこと)です。
 この二柱の男女の神には、それぞれ、
 埿土根尊(ひじねのみこと)
 沙土根尊(すひねのみこと)という別名があります。
次に成られた神は、
大戸之道尊(おとのちみこと)で、
 ある書によればこの神の名は、
 大戸之邊(おほとのへ)
 大苫邊尊(おとまへみこと)
 大戸摩彦尊(おとまひみこと)などと呼ばれています。
大戸摩姫尊(おほとまのひめのみこと)にも別名があって、
 大富道尊(おとちのみこと)
 大富邊尊(おとへのみこと)と呼ばれています。
次に成られた神は、
面足尊(おもたるみこと)と惶根尊(かしこねみこと)です。
 このニ神にも別名があって、
 吾屋惶根尊(あやかねみこと)
 忌橿城尊(いかきのみこと)
 青橿城根尊(あやきねみこと)
 吾屋橿城尊(あやかきみこと)などと呼ばれています。
次に成られた神が、
伊弉諾尊(いざなぎのみこと)と
伊弉冉尊(いざなみのみこと)です。


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takechiyo1949

我国建国の精神
ねず先生からの受け売りです。
・狩猟採集でその日暮らし
~稲作で災害時の食量備蓄
~備蓄食量融通で相互扶助
我国は、これらのステップで相互扶助の国を造ってきました。

『災害の多い我国は、四方八方を覆うひとつ屋根の下で暮らす家族のように、全国で互いに助け合って、誰もが安心して暮らせるようにしていこう』

ご存知の「八紘一宇」です。
これが我国建国の精神です。

今の我国の農業や漁業はどうなっているのでしょうか。
健全に取り組まれ、安定して営まれているのでしょうか。
取り組まない?
取り組めない?
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根気もない?
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自給自足や地産地消を忘れ、天災の危機を煽り、どこかの誰かに利益を誘導してませんか。
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小名木善行(おなぎぜんこう)

Author:小名木善行(おなぎぜんこう)
連絡先: nezu3344@gmail.com
電話:080-4358-3739
出身:静岡県浜松市
住所:千葉県野田市
執筆活動を中心に、私塾である「倭塾」、「百人一首塾」を運営。
またインターネット上でブログ「ねずさんの学ぼう日本」を毎日配信。他に「ねずさんのメールマガジン」を発行している。
動画では、CGSで「ねずさんのふたりごと」や「Hirameki.TV」に出演して「明治150年真の日本の姿」、「日本と台湾の絆」、「奇跡の将軍樋口季一郎」、「南京事件は4度あった」、などを発表し、またDVDでは「ねずさんの目からウロコの日本の歴史」、「正しい歴史に学ぶすばらしい国日本」などが発売配布されている。
小名木善行事務所 所長
倭塾 塾長。
日本の心を伝える会代表
日本史検定講座講師&教務。
《著書》
『ねずさんの昔も今もすごいぞ日本人』
『ねずさんの 昔も今もすごいぞ日本人!和と結いの心と対等意識』
『ねずさんの 昔も今もすごいぞ日本人!日本はなぜ戦ったのか』
『ねずさんの日本の心で読み解く百人一首』日本図書館協会推薦
『ねずさんと語る古事記 壱〜序文、創生の神々、伊耶那岐と伊耶那美』
『ねずさんと語る古事記・弐〜天照大御神と須佐之男命、八俣遠呂智、大国主神』
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