日本書紀講義3 創生の男女神

現代の我々は、冷凍コンテナの発明によって、食料は外国で買って輸入すれば良い、身近なスーパーやコンビニで買えば良いと思っています。
けれど、今回のコロナがあらためて明確にしたことは、食料を国内生産し、むしろ食料輸入国ではなく、食料輸出国くらいになっていないと、いざというときに食糧不足が起こるということです。
私たちは、国の形を根幹から見直す必要があります。

20200510 日本書紀
画像出所=http://www.tohoku21.net/kagura/history/kigen.html
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日本書紀講義1 清陽(すみあきらか)
日本書紀講義2 国之常立尊
日本書紀講義3 創生の男女神


◆◆◆◆◆◆

次有神    つぎにかみあり
埿土煑尊   うひにのみこと (埿土、此云于毗尼)
沙土煑尊   すひにのみこと (沙土、此云須毗尼)
 亦曰     またいはく
 埿土根尊   ひじのひの ねのみこと
 沙土根尊   すひねのみこと
次有神    つぎにかみあり
大戸之道尊  おほとのみちの みことなり
 一云大戸之邊 あるにいはくは おほとのへ
大苫邊尊   おほとまの へのみこと
 亦曰大戸摩彦尊 またいはく おほとまひこの みことなり
大戸摩姫尊  おほとまの ひめのみことは
 亦曰     またいはく
 大富道尊   おほとみの みちのみことに
 大富邊尊   おほとみの へのみこと
次有神    つぎにかみあり
面足尊    おもたるみこと
惶根尊    かしこねみこと
 亦曰     またいはく
 吾屋惶根尊  あのやのかしき ねのみこと
 亦曰     またいはく
 忌橿城尊   いみかしの きのみこと
 亦曰     またいはく
 青橿城根尊  あおかしき ねのみこと
 亦曰     またいはく
 吾屋橿城尊  あのやのかしの きのみこと
次有神    つぎにかみあり
伊弉諾尊   いざなぎみこと
伊弉冉尊   いざなみみこと

◆◆◆◆◆◆

《現代語訳》
次に成られた神が
埿土煑尊(うひにのみこと)と
沙土煑尊(すひにのみこと)です。
 この二柱の男女の神には、それぞれ、
 埿土根尊(ひじのひの ねのみこと)
 沙土根尊(すひねのみこと)という別名があります。
次に成られた神は、
大戸之道尊(おほとのみちのみこと)で、
 ある書によればこの神の名は、
 大戸之邊(おほとのへ)
 大苫邊尊(おほとまのへのみこと)
 大戸摩彦尊(おほとまひこのみこと)などと呼ばれています。
大戸摩姫尊(おほとまのひめのみこと)にも別名があって、
 大富道尊(おほとみのみちのみこと)
 大富邊尊(おほとみのへのみこと)と呼ばれています。
次に成られた神は、
面足尊(おもたるみこと)と
惶根尊(かしこねみこと)です。
 このニ神にも別名があって、
 吾屋惶根尊(あのやのかしきねのみこと)
 忌橿城尊(いみかしのきのみこと)
 青橿城根尊(あおかしきねのみこと)
 吾屋橿城尊(あのやのかしのきのみこと)などと呼ばれています。
次に成られた神が、
伊弉諾尊(いざなぎのみこと)と
伊弉冉尊(いざなみのみこと)です。

 ***


20200401 日本書紀
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20191006 ねずラジ
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創生の三神《国常立尊(くにのことたちのみこと)、国狭槌尊(くにのさつちのみこと)、豊斟渟尊(とよくむぬのみこと)》が乾道(あめのみち)に独(ひと)りで化(な)られた純(すめ)る男(を)の神であったのに対し、続く四組の八神は、男女の性別を持つ神々です。

はじめの三神が「男神(をのかみ)」なのだから、男性の神様なのだと考えるのは、いささか早計です。
大和言葉で「を」というのは、カタカムナによれば「奥に出現されたもうたもの」、ホツマなら「四方八方の中心」を意味します。
つまりどちらも「根源神」であることを意味しているわけですから、最初の三神は「男女の性別を持たない神」であられると考えるべきです。

そして、これに続くのが四組の男女神です。
ということは、男女の性別のない神様の方が、男女の性別を持つ神様よりも、より上位にある、ということです。
このことは、後に出てくる天照大御神が最高神であられることの意味につながっていくのですが、それについては、その項であらためてご案内しようと思います。

この四組八柱の神々は、それぞれ別名が記されています。
そこで問題になるのは、なぜ日本書紀が、ここで「あえて別名を記したのか」ということです。
他の項目でもそうですし、この項目でもそうなのですが、日本書紀は、「一書曰(あるふみにいはく)」として、別な書に記載されたことは、別に項目を立てて紹介するという形をとっているのです。
ところがこの段では、本文の中に別名が出てきます。
それが、なぜなのか、ということです。

そこで『ねずさんの世界に誇る覚醒と繁栄を解く日本書紀』では、ここで紹介された神々の名が、そのまま実はイザナギとイザナミのニ神がお生まれになられた理由もしくは経緯を記したものではないかという仮説を述べさせていただきました。
詳しい理由等は、本の方に委ねるとして、結論だけを申し上げると次の通りです。

 ****

平地の泥土の浅瀬《洲》に苗を植え  埿土煑尊・沙土煑尊
稲作を土台にした国造りをした    埿土根尊・沙土根尊
草葺屋根の大きな屋敷に至る道は 大戸之道尊・大苫辺尊
誰もが豊かに安心して暮らせるための道 大戸摩彦尊・大戸摩姫尊
稲作や麻製品つくりをする人々の顔は笑顔に輝き 面足尊・惶根尊
樫の木の家は美しく耀き       吾屋惶根尊・忌橿城尊
家族は繁栄し              青橿城根尊・吾屋橿城尊
神々の意を受けた堂々とした男性神と  伊弉諾尊
神々の意を受けたしなやかな女性神が  伊弉冉尊
お生まれになった。

 ****

神々のお名前というのは、その神様がご自身でそのようにお名乗りになられたということではなく、後の人々がその神様の特徴を人の言葉に訳したものです。
そして、それぞれの神々に別名が記されているということは、その「別名も含めて」何か伝えたいことがあったということです。
このことは、もちろん、それぞれの神様がおわすことを否定するものではありません。
あくまで、「このような見方ができる」というものです。

はじめの創生の三神であられる国常立尊(くにのとこたちのみこと)、国狭槌尊(くにのさつちのみこと)、豊斟渟尊(とよくむぬのみこと)の意味は、それぞれ

 全宇宙の根幹に成られた永遠不滅の神様《国常立尊》の両脇に、
 神稲の土壌を司る神様《国狭槌尊》と
 豊穣をもたらす神様《豊斟渟尊》が並んでいる様子

をあらわしたものです。
つまりこれは、我が国が農業の振興を通じて、誰もが豊かに安心して暮らせる社会を築こうとする日本書紀の意思でもあります。

そしてその意思のもとに、誰もが豊かに安心して安全に暮らせる社会が実現し、その中から、我が国の最初の男女神となられるイザナギ、イザナミがお生まれになたと、日本書紀は書いているわけです。
男女の結びは、そのまま次世代の繁栄と、未来に向けての発展をもたらします。
つまり日本書紀は、「食を根本とした国創り」によって、人々が安心して子を産み育てることができる。
そういう社会を目指して書かれたものであるということです。

これが、我が国の祖先が目指した日本の形です。

現代の我々は、冷凍コンテナの発明によって、食料は外国で買って輸入すれば良い、身近なスーパーやコンビニで買えば良いと思っています。
けれど、今回のコロナがあらためて明確にしたことは、食料を国内生産し、むしろ食料輸入国ではなく、食料輸出国くらいになっていないと、いざというときに食糧不足が起こるということです。

少し考えたら誰でもわかることですが、農業がなければ、人は他の生き物を殺すか、他人の食料を奪うことでしか生き残ることができません。
奪われたり殺されたりすれば、それは恨みになります。
そして恨みによる犯行が、きわめて残忍なものになりがちであることは、現代社会においてもよく知られたことです。
残忍は残忍を呼び、それはさらにエスカレートしていきます。
世界の歴史において、人類がきわめて残酷な歴史を築いてきたのもうなづけます。

ところが農業の発明は、「奪わなくても自分たちで食料を生産することができる」という社会を生みました。
加えて日本は、縄文の昔から、人が人を殺すという文化を持たない国でした。
四方を海に囲まれている日本では、食料は、人から奪わなくても、いくらでも海から手に入れることができたからです。
さらに農業の普及によって、私たちの祖先は、お米という長期の備蓄ができる食料を生産することで、天変地異による長期の食糧不足にさえも適合する社会を築いてきたのです。

それでも人はなにかの拍子に、はやり血を見てしまうことが起こります。
とりわけ隣国であるチャイナやコリアでは、まさに殺戮者たちが覇権を競っていました。
当然、その影響は日本も受けたわけです。
なにしろ、武力を持てばわがままを通すことができる。

これを防ぐにはどうしたら良いかということが、外圧の脅威が大きなものとなった6〜7世紀における我が国の最大のテーマでした。
そしてこの混乱の中に、後日、持統天皇と呼ばれた女性の天皇、鸕野讚良天皇(うののさらのすめらみこと)が御即位されました。
そして持統天皇は、争いのない日本を築くために、日本を「教育と文化」によって形成しようとなさいました。
その結果生まれたのが、『日本書紀』であり、『万葉集』です。

そして『日本書紀』が、その冒頭で明確に主張していること。
それが、
「食を根本とした国創り」
であるわけです。

食を根本とするということは、人々に暦がなければなりません。
より良い農作物を得るための知恵や知識、そして真面目に農作業にいそしむ根気、そしてなにより共同で作業をすることができるあたたかな人間関係が必要です。
そしてその農地を守るためには、堤防工事など、手抜きのないしっかりとした工事が、ちゃんとした計画のもとに実現できる高い技術と、その設計のための高度な知恵が必要です。

つまり、我が国の根幹として、争いよりも共同を軸とする教育と、高度な技術を尊ぶ文化が必要になるわけです。
そしてその根幹には、さらに、愛される男女、愛ある男女の存在が不可欠です。
日本書紀の冒頭は、まさにそのことを、神々の名をお借りして、明確に述べているということができるのです。

私たちはいま、国の形を根幹から見直す必要があります。

お読みいただき、ありがとうございました。


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takechiyo1949

我国建国の精神
ねず先生からの受け売りです。
・狩猟採集でその日暮らし
~稲作で災害時の食量備蓄
~備蓄食量融通で相互扶助
我国は、これらのステップで相互扶助の国を造ってきました。

『災害の多い我国は、四方八方を覆うひとつ屋根の下で暮らす家族のように、全国で互いに助け合って、誰もが安心して暮らせるようにしていこう』

ご存知の「八紘一宇」です。
これが我国建国の精神です。

今の我国の農業や漁業はどうなっているのでしょうか。
健全に取り組まれ、安定して営まれているのでしょうか。
取り組まない?
取り組めない?
やる気もない?
根気もない?
でも悪態だけは吐く?

自給自足や地産地消を忘れ、天災の危機を煽り、どこかの誰かに利益を誘導してませんか。
食べ物が不足?
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ねずさんのプロフィール

小名木善行(おなぎぜんこう) HN:ねず

Author:小名木善行(おなぎぜんこう) HN:ねず
連絡先: nezu3344@gmail.com
電話:080-4358-3739
出身:静岡県浜松市
住所:千葉県野田市
執筆活動を中心に、私塾である「倭塾」、「百人一首塾」を運営。
またインターネット上でブログ「ねずさんのひとりごと」を毎日配信。他に「ねずさんのメールマガジン」を発行している。
動画では、CGSで「ねずさんのふたりごと」や「Hirameki.TV」に出演して「明治150年真の日本の姿」、「日本と台湾の絆」、「奇跡の将軍樋口季一郎」、「南京事件は4度あった」、などを発表し、またDVDでは「ねずさんの目からウロコの日本の歴史」、「正しい歴史に学ぶすばらしい国日本」などが発売配布されている。
小名木善行事務所 所長
倭塾 塾長。
日本の心を伝える会代表
日本史検定講座講師&教務。
《著書》
『ねずさんの昔も今もすごいぞ日本人』
『ねずさんの 昔も今もすごいぞ日本人!和と結いの心と対等意識』
『ねずさんの 昔も今もすごいぞ日本人!日本はなぜ戦ったのか』
『ねずさんの日本の心で読み解く百人一首』日本図書館協会推薦
『ねずさんと語る古事記 壱〜序文、創生の神々、伊耶那岐と伊耶那美』
『ねずさんと語る古事記・弐〜天照大御神と須佐之男命、八俣遠呂智、大国主神』
『誰も言わない ねずさんの世界一誇れる国 日本』
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