君が代の「きみ」の持つ意味をもういちど考えてみる





殺し合い、奪い合いの世界の中にあって、我が国は、常に共同することで天然の災害に備え、誰もが豊かに安心して安全に暮らせる国を目指してきた国柄を持ちます。ただでさえ、天然の災害という痛手があるのに、そのうえ人と人とが無用な争いや奪い合いをしていたら誰も生き残ることができないし、国そのものが崩壊してしまいます。自分たちの子や孫の未来がなくなってしまうのです。だからこそ「我が君は千代に八千代に」という歌が千年の時を越えて、いまなお歌い継がれています。「君が代」は、私たち日本人が守らなければならない規範を示した歌でもあるのです。

20200510 君が代
画像出所=http://www.plamrec.com/kimigayo-gakuhu.htm
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以前に、「き」は男、「み」は女で、だから「おきな(翁)、おみな(嫗)」というし、「イザナキ、イザナミ」もそれぞれ「いざなう男、いざなう女」の意であり、そこから「君が代」の「きみ(きみ)」も、男女をあらわし、男女の愛が千代に八千代に、そして子々孫々がまるで小さな小石が重なり合って大きな岩石となった「さざれ石」のようになって云々という解説をさせていただきました。

そしてイザナキ、イザナミが我が国における最初の男女神であり、その男女神から天照大御神がお生まれになり、その直系の霊(ひ)を受け継いでおられるのが、歴代の天皇であり、だから古今集では、君が代の歌の謳い出しは、「我が君は」となっているのだ・・・といった解説をさせていただきました。

この話の初出は、8年前の2012年のことで、その後この話はおおいに拡散され、yahoo知恵袋などにも、「本当ですか?」といった質問があったり、賛否両論が沸き起こって、かなり広く普及しました。

結論から申しますと、あくまで「君が代」の君は「大君」、すなわち天皇を意味します。
ところがこれを「天皇です」と言うと、どこぞの左巻きの人たちが、先の戦争賛美だとかいって猛烈に抵抗する。
古今集に掲載された、いまから1100年以上も昔からある歌ですよと言っても、聞く耳を持たない。

そこで明治のはじめに、和歌である君が代に音楽が付けられて国歌になる前までは、君が代が結婚式の際のお祝いの歌として、「高砂」などとともに、広く歌われていた事実から、君が代の君が、男女の結びの意味でもあったということを、(天皇を意味しているばかりではありませんよ)という意味でご案内させていただいたわけです。

いずれにしても、この、いわば「男女説」によって、国歌としての「君が代」への抵抗運動が、かなり低調になってきたのは事実で、これは喜ばしいことであると思っています。

そこで今回は、ではどうして「き」が男、「み」が女なのかについて、お話してみたいと思います。


20200401 日本書紀
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20191006 ねずラジ
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もともと大和言葉は、一字一音一義であったということは、再三、お話していることです。
その一音ごとの意味は、今では、すっかり失われてしまっている感がありますが、それでも漢字の「訓読み」をさぐると、もともとのその一音ごとの意味を知ることができます。

「き」の音を持つ漢字はとても多いのですが、訓読みで「き」という読みを持つ漢字は実はとても少なくて、
「寸・木・生・氛・城・柝・黄・樹」くらいなものです。
これらに共通している意味を一言で言えば、「大地に根ざしたエネルギー」であり、陰陽では「陽」、男女なら「男性」となります。

「み」は、訓読みの漢字では「巳・身・実・躬・深・御」などがあり、これらに共通する意味は「深いところに実が成る身」であり、陰陽なら「陰」、男女なら「女性」です。

そこから、「きみ=男女」となるわけですが、おもしろいのは、男性を表す「き」が「気」でもあることです。
「木」や「樹」だけなら、大地にしっかりと根ざすのですが、「気」は拡散し、ひろがるものです。
なるほど、樹木は枝葉が空いっぱいにひろがるものではありますが、同時にそれが「気」となると、ひろがったまま、どこかに行ってしまう。

そういえば、男というものは、縄文の昔から、仕事に行くと言って村から出ていったら最後、どこで浮気をしているかわからない生き物でもあるわけです。
このことが、女性が男性の浮気の有無を探るために言語能力を発展させた、だからいまでも女性の方が口が達者なのだというのは、ドーキンズの「利己的遺伝子論」ですが、外に出て仕事をする男は、古来、糸の切れた奴凧(やっこだこ)のようなもので、一度糸が切れたら、どこに行っているのかわからない(笑)。
縄文の昔なら、あちこちのムラで子をつくっているツワモノもいたかもしれません。

一方、身の胎内奥深くで子を孕む女性は、お腹が大きくなっていたり、あるいは赤子がいれば、あちこちフラフラとでかけるというわけに行きませんし、そういうときには、縄文の昔なら食料を得ることは、男性に頼らなければなりません。
加えて、女性は男性よりも皮膚が薄いですから、あまり陽にあたるわけにもいかない。
まさに「陰」であるわけで、陰陽は、対立するものではなく、互いに補完しあい助け合っていかなければ、子孫を残すことができない仕組みになっているわけです。

そうして織りなされた人々には、必ずご先祖がおいでになります。
先祖がなければ、いまの命もないのです。
これは当然のことです。
ですからそのご先祖のことを、生まれを「かみ」の方にずっとさかのぼっていった先におわす存在ということで、大和言葉では「かみ」と言いました。

当然のことながら、すべての人には、最初の男女である「かみ」がいたわけで、その「かみ」の男女が、たがいにいざない(誘い)あって子をなすことで、その子孫が広がって、いま生きている人たちになっているわけです。

そしてその「かみ」たち(つまりご先祖の霊(ひ)たち)は、いまも天空から、そして地下から、私たちを見守ってくれている。
それが神であり、その神の中でもとりわけ偉大な神様の直系のご子孫のことを、「おほきみ(大君)」と呼んだわけです。

ですから、その直系の神の子孫のことを、天の子という意味で、「天子様」と呼びました。
もっと昔には「うわかたさま(上方様)」という呼び名もあったようです。

そしてチャイナで秦の始皇帝が、最初の皇帝を名乗り(始皇帝は、部下の学者たちに命じて「王」よりもっと偉大な名前を色々提案させたのですが、どれも気に入らず、自分で「皇帝」と名乗ったそうです)、その皇帝をいただく国に対して、我が国が自立自存を鮮明に打ち出すために、我が国の天子様のことをあらためて、漢字二文字の皇帝に対抗する意味で公称したのが「天皇」の呼称です。

つまり「天皇」という言葉には、我が国の自立自存の意思が込められているということです。

殺し合い、奪い合いの世界の中にあって、我が国は、常に共同することで天然の災害に備え、誰もが豊かに安心して安全に暮らせる国を目指してきた国柄を持ちます。
ただでさえ、天然の災害という痛手があるのに、そのうえ人と人とが無用な争いや奪い合いをしていたら誰も生き残ることができないし、国そのものが崩壊してしまいます。
自分たちの子や孫の未来がなくなってしまうのです。

ここが隣国と日本との大きな違いでもあります。
このたびの慰安婦問題のK国の内紛のように、お隣の国では、内部で常に骨肉の争いが起きます。
これは当然で、権力によってあったことをなかったことにするし、なかったことをあったことにしてしまう。
しかも内部の争いは、常に栲衾(たくぶすま)(*1)です。
(*1)栲衾=寝所でフスマや布団をうるさく叩くような行為。意味のないことにギャアギャア騒ぎ立て、いつまでもそれを罷めよとしないことを言う。隣国の政治や日本の国会における一部の在日議員のような行動のこと。新羅の国の枕詞でもある。

我が国には、天皇をチャイナの皇帝のような絶対権力者とせず、天皇をあくまで国家最高権威とします。
そのうえで国家最高権威である天皇によって民衆が「おほみたから」とされます。
これが我が国の国柄です。

天然の災害が多発する我が国では、人々が生き残るためには、上からの強引な命令で戦いをするという選択や、隣国のように自己の利益のために常に栲衾の内紛を繰り返すようでは、国民が生き残ることができません。
事実を事実として正確に把握し、人々が協力しあって災害に備えるということでなければ、我が国の国土で人が生き残ることができないからです。
そしてそのためには、教育と教養、そして人々の協同を是とする国家としての文化が必要です。
そうすることで、我が国は古来より、千年も万年も続く国柄を築いてきたのです。

だからこそ「我が君は千代に八千代に」という歌が千年の時を越えて、いまなお歌い継がれています。
「君が代」は、私たち日本人が守らなければならない規範を示した歌でもあるのです。

お読みいただき、ありがとうございました。


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コメント

マルリン

君が代がうれしいです
ランキングから来ました。
わたしは、君が代の意味ってすばらしいと思っているのですが、解釈は人それぞれですね。
さすが、日本国歌ですね。

takechiyo1949

しっかり知らしめる
「日の丸」や「君が代」の意味や歴史は、しっかり知らしめなければなりません。
国の成員として、自国への敬愛の念をどのように抱くか?
我国では、個人の自主性に委ねられていますから、思想信条を盾に、世間の当たり前を否定する自虐的な輩も発生します。
多くの国民は、それを覚めた目で眺めています。
認めてる訳ではありません。
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小名木善行(おなぎぜんこう)

Author:小名木善行(おなぎぜんこう)
連絡先: info@musubi-ac.com
昭和31年1月生まれ
国司啓蒙家
静岡県浜松市出身。上場信販会社を経て現在は執筆活動を中心に、私塾である「倭塾」を運営。
ブログ「ねずさんの学ぼう日本」を毎日配信。Youtubeの「むすび大学」では、100万再生の動画他、1年でチャンネル登録者数を25万人越えにしている。
他にCGS「目からウロコシリーズ」、ひらめきTV「明治150年 真の日本の姿シリーズ」など多数の動画あり。

《著書》 日本図書館協会推薦『ねずさんの日本の心で読み解く百人一首』、『ねずさんと語る古事記1~3巻』、『ねずさんの奇跡の国 日本がわかる万葉集』、『ねずさんの世界に誇る覚醒と繁栄を解く日本書紀』、『ねずさんの知っておきたい日本のすごい秘密』、『日本建国史』、『庶民の日本史』、『金融経済の裏側』、『子供たちに伝えたい 美しき日本人たち』その他執筆多数。

《動画》 「むすび大学シリーズ」、「ゆにわ塾シリーズ」「CGS目からウロコの日本の歴史シリーズ」、「明治150年 真の日本の姿シリーズ」、「優しい子を育てる小名木塾シリーズ」など多数。

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