いま私たち日本人が、コロナ事件を機会に取り戻さなければならないことは「道徳的精神と愛の心」です。 日本の軍人さんたちがなぜ勇敢だったのか。 そしてスレンバンの少女がなぜ強く生きることができたのか。 それは、日本人としての国民精神に基づく「道徳的精神と愛の心」が備わっていたからではないでしょうか。 |

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戦時中の小学5年生の国語教科書から、ひとつの物語をご紹介したいと思います。
まずお読みになってみてください。
*********
【スレンバンの少女】
(一)
マレーの英軍を急追し、所在に撃破しながら南下する皇軍が、スレンバンの町にはいった時のことです。
「皇軍来たる」の報を聞くと、附近の密林やゴム園の中にかくれていた住民たちも、安心して町へ帰って来ました。マレー人・支那人・インド人たちは、勇ましい日本の兵隊さんを喜んで迎えました。
その中にたった一人、色のあまり黒くない、十歳ぐらいのかわいい少女が、日の丸の旗を振りながら、
「万歳。万歳」
といっているのが、兵隊さんたちの目を引きました。
「あ、日本人がいる」
「日本の女の子だ」
兵隊さんたちはそう思うと、これもうれしそうに、にこにこしながら、
「万歳。万歳」
といいました。
「日本人は、あなた一人か」
と、聞く兵隊さんもありました。

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(二)
少女は、この町の雑貨商の娘で、父はインド人でしたが、母は日本人でした。土地の学校へ通っているかたわら、母親から日本語を教えられ、日本には天皇陛下がいらっしゃること、日本人は陛下の赤子であること、日本には富士山というりっぱなお山があることなどを、いつも聞かされていました。そうして、毎朝母といっしょに、お写真を拝むことにしていました。
「日本の子どもは、みんなお行儀がいいのです。富士山のようにりっぱです。あなたもお行儀をよくしないと、日本の子どもに笑われますよ」
と、母はよくこういいました。
(三)
大東亜戦争が始ると、母は日本人であるというので、敵の官憲からにらまれ、ある日、突然インド人の巡査が来て、母に同行を求めました。娘のいるのを見て、巡査は、
「この子もいっしょだ」
といいます。母は、きっぱりと、
「この子は、日本人ではありません」
といいました。
「あなたの子なら、日本人ではないか」
「いいえ、違います。私の子ではありません。この子は、父も母もインド人です。私は、この
子の継母です」
インド人の子と聞くと、インド人の巡査はようすを変えました。そうして母親に、「さあ、行こう」
とせきたてました。
「ちょっと待ってください」
母はそういいながら、巡査を拝むようにして、娘を一間へ呼びました。
母は、子をだきしめました。
「おかあさん」
母は、子にほほずりをしました。この子を今手ばなして、またいつあえるでしょう。
「おかあさんは、あの人といっしょに行かなければなりません。病気をしないで、元気で待っていなさい。たとえ、十年たっても二十年たっても、わたしはきっと帰って来ますから・・・それから、日本の兵隊さんは、かならず勝ってくれます。兵隊さんたちがこの町へ来たら、戸だなの中にあるお米や、かんづめや、ビールや、みんな出してあげてください。いま一つ・・・日の丸の旗が作ってあるから、あれを振って、万歳万歳といって迎えるのですよ」
ここまでいうと、母はこみあげて来る悲しさにことばも止って、机の上へつっぷしました。
「おかあさん」
子は、もう一度母を呼びました。母は涙をふいて立ちあがり、娘の手を取ってお写真の前に立ちました。
二人は、万感をこめて最敬礼をしました。母は、戸だなから二本の日の丸を取り出し、一本を娘に与えて、ふたたびお写真の前に立ちました。
親と子と「万歳」の一こと。子はそのまま泣き倒れてしまいました。しばらくして顔をあげると、巡査のあとについて出て行く母の後姿がちらと見えたきり、あとは涙にぼっとして、何が何やらわかりませんでした。
(四)
大東亜戦争は、一面にことばの戦です。一たび占領地へはいれば、ことばが通じないかぎり、手も足も出ません。
たった十一歳、内地なら国民学校四年生のこの少女は、その後、皇軍のある部隊の通訳を命じられました。
その隊は、この地方の鉄道の復旧工事に当りました。隊長以下何百の将兵と、マレー人・インド人の鉄道従業員たちの先頭に立って、少女は、たくみに日本語・英語・マレー語・インド語を使いわけながら、りすのように活動しました。
隊長は、自分の子のようにかわいがりました。兵隊さんたちともみんな、仲よしになりました。
「おかあさんに別れて、さびしいかね」
と、兵隊さんが肩をたたくと、
「天皇陛下がいらっしゃるから、さびしくありません。兵隊さんといっしょに仕事をすることは、お国のために孝行です」
といいます。「お国のために忠義です」と教えても、「いや、孝行です」といって、なかなか聞かないそうです。
********
冒頭に申し上げた通り、これは戦時中の国民学校初等科小学5年生の国語教科書にある物語です。
おそらくいまの国語教育なら、(一)のところなら、「文中に『その中にたった一人、色のあまり黒 くない、十歳ぐらいのかわいい少女が』とありますが、ここにある『その』は、何を指しているのでしょうか。文中の言葉を用いて〇文字以内で書きなさい」などといった設問になろうかと思います。
けれど当時の学校なら、「どうして少女は日の丸の旗を降っていたのですか。」という設問にはじまり、日の丸の旗をなぜ振るのか、降らないとどうなるのか、などが教室の中で話し合われたりしました。
いまとはだいぶ異なる教育方法です。
我が国におけるこうした教育学習の歴史は古く、教室内で生徒同士が討論したり考えたりして答えを出すという教育の歴史は、実は聖徳太子の十七条憲法にまでさかのぼります。
十七条憲法は、十七条の憲法(いつくしきのり)ですが、これは言い換えれば神聖な絶対に守るべき規範として示されたものです。
先日もご紹介した通り、その「いつくしきのり」の第一条は、和をもって貴(たっと)しとしたうえで、おおいに議論しなさい。そうすれば物事は必ず通じて行くものです(以和為貴、諧於論事 則事理自通)と書いています。
また十七条においても「必ずみんなと議論しなさい」としています。
さらに五箇条の御誓文も、「広く会議をおこし万機公論に決すべし」です。
我が国では、議論が奨励されてきたのです。
しかし議論のためには、その前提として日本語が読み書き話すことができなければなりません。しかもそれは方言ではなく、標準語でなければ、全国の各地域から集った兵隊さんたちの共通語がなくなります。
そしてさらに、議論の前提として、その根幹に互いへの愛がなければなりません。
実はこのことについて国民学校令施行規則は、国語教育において、「道徳的判断と実践の能力、郷土ならびに国体への愛の念(おも)いを育むことを目的とする」と述べています。
このことは、現代風に簡単にまとめれば「道徳的精神と愛の心の涵養(かんよう)」ということになります。
いかがでしょう。
上にある「スレンバンの少女」の物語ひとつをとってみても、この「道徳的精神と愛の心の涵養(かんよう)」という国語教育の精神が、見事にあらわされているといえます。
そしていま私たち日本人が、コロナ事件を機会に取り戻さなければならないことは「道徳的精神と愛の心」です。
日本の軍人さんたちがなぜ勇敢だったのか。
そしてスレンバンの少女がなぜ強く生きることができたのか。
それは、日本人としての国民精神に基づく「道徳的精神と愛の心」が備わっていたからではないでしょうか。
お読みいただき、ありがとうございました。
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コメント
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2020/06/02 URL 編集
鏡の中
良い話でも、共感を得られない心に刺さらない話では意味が無い。
それこそ極端な話、漫画の主人公の言葉とかの方が若者は刺さると思います。
まぁ、漫画の主人公言いすぎですが、昭和天皇と軍人の話より、平成の天皇でご存命の上皇明仁様の事を参考にお書きになった方が良いでしょう。
ご老人向けに書かれているならなら問題ありませんが・・・。
将来を担う若い世代をかえるのであれば、彼ら目線での話が必要でしょうね。
2020/06/01 URL 編集
takechiyo1949
賢者は歴史に学ぶ
︙
良く聞く言葉です。
愚者も学ぶ?
ホンマかいな?
前から、胸にストンと落ちないな~と思っていました。
Netを彷徨いていたところ、佐賀市の学習塾『志栄館』さんのHPを見つけました。
「塾生専用」というサイトがあって、面白いコメントがありました。
︙
賢者は歴史に学び
凡人は経験に学ぶ
そして愚者は何からも学ばない
︙
頭がスッキリしましたね。
おそらく先生の書き込みでしょうけど名言だと思います。
2020/06/01 URL 編集