文武両道

責任をとる覚悟があり、実際にそれができる膂力(りょりょく)を身につけた者にしか、政治も軍も任せられないのです。これは当然のことです。国会の非常識な審議会のやり取りやヤジを見ていると、現代日本もまた文武両道を復活させていくことを、今後の課題としていく必要を感じます。

20200527 八幡太郎義家
画像出所=https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%BA%90%E7%BE%A9%E5%AE%B6
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八幡太郎義家(はちまんたろうよしいえ)といえば、源氏の棟梁であり、弓の名手、数々の戦で武功を挙げて源氏の名を世にとどろかせた猛将です。
その義家が、関白の藤原頼道(よりみち)の館(やかた)で軍(いくさ)の物語などをしていたとき、その場に居合わせた大江匡房(おおえのまさふさ)が、
「義家殿は、器量はあるが、
 軍(いくさ)の道をお知りませんな」
と独り言をつぶやきました。

これを聞いた義家の家来は、
「ずいぶんとけしからんことを言う人だ」と思いました。

やがて時間も遅くなり、大江匡房は関白の館を出、義家も出ました。
家来が「あの人が、かくかくとのたまっていました」と言いました。

さて、ここからが義家の偉いところです。
義家は(きっと理由があるに違いない)と思って、匡房が車に乗ろうとするところに進み寄って会釈(えしゃく)をすると、このときから匡房のもとに弟子入りし、匡房を師として学ぶようになったのです。

平安末期の1083年(永保3年)に出羽の清原氏が朝廷に反乱を起こしました。
このとき朝廷は、義家をその鎮圧に向かわせました。
世にいう『後三年の役』です。

この戦いで義家が金沢の城を攻めようとしたとき、たまたま一行の雁(がん)が刈りとられた田んぼに降りようとして、にはかに列を乱して飛び去って行きました。
それを見た義家は、
「かつて師が教えてくれたことに、
 野に伏兵があるとき、
 雁(がん)の列を乱すという。
 この野には必ず伏兵がいるであろう」


20200401 日本書紀
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20191006 ねずラジ
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そして手勢を分けて三方から野を囲みました。
すると果たしてそこには、三百余騎の敵が隠れていました。
義家の軍は、これをさんざんに討ちとり、ついには敵軍を攻め破ったといいます。

 *

文中にある大江匡房(おおえのまさふさ)は、大学頭(だいがくのかみ)だった人です。
大学頭というのは、いまでいえば東大の総長兼内閣特別顧問みたいな人です。
そして大江匡房は、第71代後三条天皇の時代に、『延久の善政』の推進者として有名な人です。

『延久の善政』は、形骸化しつつあった律令体制を、いまいちど復活させようとしたもので、西洋でいえば、いわばルネッサンスのようなものに例えられるかもしれません。
民衆を豪族たちの私有民という立場から、あらためて天皇の「おほみたから」とすることで、民衆こそが豊かな時代を再興しようとした取り組みです。

近年の教科書等では、この『延久の善政』はほとんどまったくといってよいほど触れられず、まれに書いてあっても「延久の善政は後三条天皇が行った」と、支離滅裂な書き方がされています。
我が国の天皇は、第41代の持統天皇の治世以来、あくまで国家最高権威であって、政治は行わないことが基本的な我が国の形です。

ただし、人事は天皇のものです。
世の中は、誰を起用するかによって、政治が大きく変わります。
後三条天皇は、大学者である大江匡房を起用することで、国家の再興を図られたのです。

八幡太郎義家は、言わずと知れた源氏の棟梁で、『梁塵秘抄』には「同じき源氏と申せども,八幡太郎は恐ろしや」などいった記述もあります。
ひとたび弓をひけば、厚い鎧に身を包んだ敵の武者三人を串刺しにするとまで評された剛勇無双の人です。
ところがその義家が、単に強いばかりが大将ではないと、優秀な師匠について学問を修めたというのが、冒頭にある物語です。

大江匡房は大学者ですが、武門の長である大宰権帥を勤めたほどの武芸者でもあります。
八幡太郎義家は武門の長ですが、大江匡房を師とあおぎ、知にも長(た)けています。
日本は文武両道です。
青白きインテリでも、ただの武骨者でも駄目。両方そろってはじめて一人前とされてきたのです。

なぜなら、権力には常に責任が伴うからです。
責任をとる覚悟があり、実際にそれができる膂力(りょりょく)を身につけた者にしか、政治も軍も任せられないのです。
これは当然のことです。

国会の非常識な審議会のやり取りやヤジを見ていると、現代日本もまた文武両道を復活させていくことを、今後の課題としていく必要を感じます。

お読みいただき、ありがとうございました。


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コメント

takechiyo1949

拳魂歌心
『武は文あっての武徳』と、無刀流の山岡鉄舟先生も言ってます。
子供が通っていた空手道場には『拳魂歌心』の額がありました。
「文事」と「武事」は元々「一徳」で、別物では無い。
そんなことを諭されたようです。
全くの素人の親の私も、なるほど!と得心しました。

人の上に立つ者の資質とは?
話せば腰が低く親しみ易い
学問も武芸も仕事も出来る
理性と感情の相克に負けず
正義を愛し逞しく行動する
先ずは、熱意と誠意がある生き方を貫けるかどうかだと思います。

就活マニュアルにも「文武両道」の四字熟語が登場します。
面接で受けが良いらしいです。
学生が自己PRする「武」は、殆どがスポーツのことです。
そう言えば、柔術も剣術も薙刀術も弓術も射撃術も、今やスポーツの種類ですね。
しかし、文武の両方に長ける人物は、それほど多くは居ません。
秀でるための努力と忍耐。
容易なことではありませんから。
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ねずさんのプロフィール

小名木善行(おなぎぜんこう) HN:ねず

Author:小名木善行(おなぎぜんこう) HN:ねず
連絡先: nezu3344@gmail.com
電話:080-4358-3739
出身:静岡県浜松市
住所:千葉県野田市
執筆活動を中心に、私塾である「倭塾」、「百人一首塾」を運営。
またインターネット上でブログ「ねずさんのひとりごと」を毎日配信。他に「ねずさんのメールマガジン」を発行している。
動画では、CGSで「ねずさんのふたりごと」や「Hirameki.TV」に出演して「明治150年真の日本の姿」、「日本と台湾の絆」、「奇跡の将軍樋口季一郎」、「南京事件は4度あった」、などを発表し、またDVDでは「ねずさんの目からウロコの日本の歴史」、「正しい歴史に学ぶすばらしい国日本」などが発売配布されている。
小名木善行事務所 所長
倭塾 塾長。
日本の心を伝える会代表
日本史検定講座講師&教務。
《著書》
『ねずさんの昔も今もすごいぞ日本人』
『ねずさんの 昔も今もすごいぞ日本人!和と結いの心と対等意識』
『ねずさんの 昔も今もすごいぞ日本人!日本はなぜ戦ったのか』
『ねずさんの日本の心で読み解く百人一首』日本図書館協会推薦
『ねずさんと語る古事記 壱〜序文、創生の神々、伊耶那岐と伊耶那美』
『ねずさんと語る古事記・弐〜天照大御神と須佐之男命、八俣遠呂智、大国主神』
『誰も言わない ねずさんの世界一誇れる国 日本』
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