私達の先祖は「よろこびあふれる楽しい国」を希求してきた



よろこびあふれる楽しい国とは、豊かで安全で安心して暮らせる国です。
その国では、誰もが愛と喜びと幸せと美しさを求めて生きることができる。
そしてそのためにお互いがお互いを大切にしあう国。
それが古来から日本人が求め築こうとしてきた日本の姿です。

20180726 笑顔
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コロナを筆頭に大雨による水害など、暗いニュースや怒りの報道が満ち溢れています。
しかし日本書紀を読むと、そこにはイザナキ、イザナミの神が、そもそも何のためにオノゴロ島を作ったかの目的が書かれています。
それが、
「豈国(あにくに)」です。

「あに〜や」は、学校の古文の授業では単なる反語としか教わらず、ですから「あに国」なら「国はあるだろうか。ないよね」といった意味としてしか訳されません。
けれども日本書紀は、ここで意図して「豈(あに)」という漢字を用いています。

「豈」は楽太鼓(がくたいこ)の象形文字です。
楽太鼓は、神社などにある据え置き型の太鼓です。
この太鼓はうれしいとき、楽しいときに打ち鳴らす太鼓です。
だから「楽しい太鼓=楽太鼓」という名前が付いています。

つまりイザナキ神とイザナミ神は、
「よろこびの太鼓を打ち鳴らすような
 楽しい国はどこかにないだろうか。
 ないよね。
 じゃあ、自分たちで築こうよ」
と語りあって、この世をつくられたのだと、日本書紀は書いているのです。

さらに日本書紀の冒頭には、清陽(すみてあきらか)なるものが薄くたなびいて天となり、重濁(おもくてにごりたるもの)が下に固まって地(つち)となったとあり、さらに、その清陽と重濁を合わせたものから、神々が成られたと書いています。

そもそも神々は、清陽なだけのご存在ではないと日本書紀は書いているのです。
重く濁ったものも神々のうちなのです。


《塾・講演等の日程》
どなたでもご参加いただけます。
2020/7/25(土)13:30-16:30 第74回倭塾(於:富岡八幡宮婚儀殿)
 https://www.facebook.com/events/1074216212960822/
2020/8/1(土)13;00〜15:30 羽曳野講演(羽曳野市いずみの里 南島泉集会場)
 https://www.facebook.com/events/662947247910504/
2020/8/15(土)靖国神社昇殿参拝
 https://www.facebook.com/events/2667848776866935/
2020/9/12(土)13:30-15:30 第75回倭塾(於:富岡八幡宮婚儀殿)
 https://www.facebook.com/events/1140192956351381/
2020/10/18(日)13:30-16:30 第76回倭塾(於:富岡八幡宮婚儀殿)
 https://www.facebook.com/events/867036783780708/
2020/11/15(日)13:00〜15:30 日本書紀出版記念(於:靖国会館)
 https://www.facebook.com/events/269322421064039/
2020/12/19(土)13:30-16:30 第76回倭塾(於:富岡八幡宮婚儀殿)
 https://www.facebook.com/events/337364737249840/



20200401 日本書紀
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もっというなら、その重く濁った地(つち)でできる作物によって、わたしたちの体ができあがっています。
つまり私達、肉体を持つ者は、すべからく重くて濁ったものからできています。

もとより重濁なのですから、普通に生活していても日々、重くてつらいことがあるのはあたりまえです。
けれど、そんな状況にあっても、その内側には、誰の身にもちゃんと清陽があるのです。

だからこそ、その清陽であることを信じ、どんなときにも豈国、「よろこびあふれる楽しい国」を目指していくのだ。
それが私たちの祖先のねがいであり、後世に託した祈りでもあるのです。

日本書紀は、国史(こくし)として、江戸の昔も明治以降の戦前戦中までの日本でも、あたりまえのように教えられていたものです。
その教科書の一番始めの方で、生徒たちは「日本は豈国(あにくに)」=「よろこびあふれる楽しい国」と教わり、また、清陽(すみてあきらか)なるものを教わりました。

ですから東郷平八郎など、著名な軍人さんたちは、もちろん戦いは重くて苦しいものですが、平素においては抱腹絶倒でまことに楽しかったそうですし、普段接していても、本当に心があたたまる人であったと伝えられています。
西郷隆盛もまた、日頃接した誰もが、あんな明るいほがらかな人はいないと伝えています。
高杉晋作や桂小五郎の遊びは有名ですが、同様に諸藩の志士たちも、みんな真っ直ぐだったし明るかったし爽(さわ)やかだったし、なにより明るかった。

なぜなら日本を良くしようとする志士たちが、暗いようでは誰も付いてこない。
そもそも日本を良くするということ自体が、明るくて清くて、陽(ほがら)かで、よろこびあふれる楽しい日本を目指そうとするものであるのです。
その志士が暗くては話になりません。

『葉隠』などは、武士は日に片頬(ぶしはひにかたふ)と言いまして、武士は一日一回、片方の頬をちょっとゆがめるくらいでちょうどよく、それ以上に笑ってはいけないなどと書いていますが、それもまた考えてみれば、逆にそれだけ武士たちがよく笑ったということの裏返しでもあります。

ではその「よろこび」や「楽しさ」は、自分だけのものでしょうか。
自分のよろこびや自分の楽しさのために、周囲の人たちに迷惑をかけたり、あるいは自分よりも下位の人や国から収奪したり、あるいは男性が女性を自分の欲望を満たすために強姦することが、正しいことでしょうか。
そうではないことは、誰にでも簡単に気付けることです。

つまり「よろこび」も「楽しさ」も、「みんなと共有しあう」ことが大事なのです。
自分のよろこびや楽しさを優先するのではなくて、周囲のみんながよろこびや楽しみを得ることができるように、自分なりに最善を尽くしていく。
そうすることで、よろこびも楽しさも、実は倍増していきます。
みんながうれしくて楽しい笑顔で包まれていたら、なんだか自分もうれしくなります。

逆に、家庭の中にあっても、家族の誰かひとりでも暗い怒りに沈んでいたら、なんでもない他の家族まで、気が滅入ってしまいます。
つまり自分だけのよろこび、自分だけの楽しみだけでは、ただの身勝手になってしまう。
うれしいこと、楽しいことはみんなと共有することで、そのよろこびが倍増するし、悲しいこと、辛いことはみんなが共有してくれたら、その辛さも悲しさも半減するし、もしかするとそれ以上に前向きで発展的な解消方法が見つかるかもしれません。

そういう視点で見たら、オジサマたちよりも、最近の若者達の方が、
「人を笑わせたりよろこばせる職業に就きたい」
「災害支援活動に参加してみんなによろこんでもらいたい」
「音楽を通じてみんなによろこばれたい」
等々、人によろこばれることをしたいと考え行動しています。

若者はゲームに夢中になって、と思われる方もおいでかもしれませんが、そのゲームも、人気があるのは友達と一緒に狩りや対戦ができるコミュニケーション型のゲームです。
ゲーム自体にチャット機能がない場合など、子供たちはLINEなどで音声で会話して、楽しく笑い合いながらゲームを楽しんでいます。

サッカーのワールドカップの試合があれば、自分ひとりでテレビにかじりつくのではなくて、渋谷の町に集合したり、地元の応援団の集まるお店に集合したりして、みんなで試合を鑑賞して、点が入ればみんなでよろこび、負ければみんなで涙を流します。
まさにみんなのよろこび、みんなの楽しみが自分のよろこびであり、楽しみです。
そしてそれは、日本人ばかりではなくて、世界中のサッカーファンの多くが、まさにその楽しみやよろこびを知って、同様の行動をしています。

もっとも最近はコロナの三密禁止で、人が集合することが困難になりました。
けれどだからといって、オジサマたちのように、眉にシワを寄せて「いまどきの政治はなっとらん」と、テレビの暗いサンデー・○ーニ○グのように、キャスター全員が朝から笑顔のひとつもなく、暗い顔でブツブツグチグチと政権の批判をするようなものは、誰もよろこばない。

そういうのを「いまどきの3K」というのだそうです。
3Kというのは、
 K  くらい
 K  きもい
 K  気味が悪い
です。
視聴率が伸びないのもあたりまえです。
日本人の感覚になじまないのです。

保守系のオジサマたちも、このあたりは反省が必要かもしれません。
世を憂うのは結構な話ですが、だからといって、暗い批判や暗い非難ばかりでは3Kの迷路に入り込んでしまいます。
何のために世を憂いているのかといえば、それは教条主義的なドグマを強制する社会を築きたいとか、戦争したいからではないと思います。

誰もが豊かに安心して安全に暮らせる平和な日本、よろこびあふれる楽しい日本を取り戻したいからであろうと思います。
それならもっと明るく、もっと楽しく。
新しい日本の建設のために、志と希望あふれる活動こそが、人々を惹きつけるのではないかと思います。

神社は、氏子さんたちが集まって会合を開くと、たいていはその後に直会(なおらい)があります。
大事な話のあとは、やっぱりお楽しみコーナーです。
なぜなら根幹に「よろこびあふれる楽しいクニつくり」という共通の思いあるからです。
それが古くからの日本社会です。

平成に入ってからの日本では、何事も効率重視、安ければ良いという風潮になり、相互のコミュニケーションのための飲食などは税制上の規制の対象にまでなりました。
政治が、日本的思考ではなく、どこかにかぶれた政治になったからだと言われています。

少々効率が悪くたっていいじゃないか、と思います。
地震、水害、日照り、凶作、火事、ついでに親父の雷が落ちないようにするには、みんなの協力、みんなの助け合いが不可欠です。
災害は待ってくれないし、いつどこで起きるかもわからない。
だったら、日頃から、万一の際の助け合いができるように、人間関係をしっかりと良好に保っていこう。
みんなで楽しくすごして行こう。
そのために自分なりにできる最大限の努力をしていこう、というのが日本人の考え方であり行動です。

政治も同じです。
暗い顔をして、ただ怒るだけの政治。
ただ批判したり野次ったりするだけの政治。
そんなことばかりしているから、政治不信になるのだと思います。

よく「日本を良くしよう」と言いますが、そのために怒ってばかりいても、人々はついてきません。
そうではなくて、「日本を楽しくしよう」という発想や行動がもっとあって良いのではないかと思います。
日本はイザナキ、イザナミの時代から、元来「よろこびあふれる楽しい国」を希求し続けてきた国なのですから。

よろこびあふれる楽しい国とは、豊かで安全で安心して暮らせる国です。
その国では、誰もが愛と喜びと幸せと美しさを求めて生きることができる。
そしてそのためにお互いがお互いを大切にしあう国。
それが古来から日本人が求め築こうとしてきた日本の姿です。

※この記事は2018年7月の記事のリニューアルです。
お読みいただき、ありがとうございました。


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コメント

しぇりー

日本人の心
このお話は何回読んでも泣きます。
この世に本当に大切なものは見えないもの。

魂や心やそこに宿る思い…情‥信念‥

お金がなければ生きてゆけませんが
お仕事をして対価をいただくためには
仕事を共にする仲間への思いやり、
仕事で接する人への気配り、礼節心、

私たちは見えないものこそ大切に
生きていかねばならないのだと

改めてまた噛み締めることができるお話
ねず先生からのありがたいメッセージですね。

松さん

誰かが授けてくれるものではありません
我国が目指す「豈國」という設計図は、とても素晴らしいです。
しかし『古来から希求し続けて来た』のに、未だに実現できていません。
安心も安全も「誰かが授けてくれるものでは無い」と分かってはいますが、何故ですかね?

安心も安全も無い道を、心ならずも選んでしまった?
或いは何も気にしなかった?
それは一体どこの誰なのか?
それが問題だと思うのです。

自身のことは棚に上げて、他人様への批判中傷は溢れます。
政治が悪いからだ!
世界が悪いからだ!
マスコミは最悪だ!

いまどきの3K?
実に耳が痛い言われようです。
確かに反省すべきですが、R/Lや年齢や性別は関係無いと思います。
明るい話など毛嫌いする誹謗中傷マニアはワンサカいます。
そんな連中…単純なのに簡単には変われないんだな~と思いながら眺めています。
また、目先の物質的豊かさや便利さが普通の「その日暮らし」に、分別顔で満足してる庶民も多いです。
(少しでも不満があると大爆発)

情報取りが足りないと、呆けて洗脳されてしまいます。
気を付けなければなりません。
蒔かれた「豈國実現の種」が、いつか発芽するまで!
種を腐らせないように、微力ながら努力し続けようと思っています。

-

安倍総理は美しい日本を取り戻せたのでしょうか………?
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ねずさんのプロフィール

小名木善行(おなぎぜんこう)

Author:小名木善行(おなぎぜんこう)
連絡先: info@musubi-ac.com
昭和31年1月生まれ
国司啓蒙家
静岡県浜松市出身。上場信販会社を経て現在は執筆活動を中心に、私塾である「倭塾」を運営。
ブログ「ねずさんの学ぼう日本」を毎日配信。Youtubeの「むすび大学」では、100万再生の動画他、1年でチャンネル登録者数を25万人越えにしている。
他にCGS「目からウロコシリーズ」、ひらめきTV「明治150年 真の日本の姿シリーズ」など多数の動画あり。

《著書》 日本図書館協会推薦『ねずさんの日本の心で読み解く百人一首』、『ねずさんと語る古事記1~3巻』、『ねずさんの奇跡の国 日本がわかる万葉集』、『ねずさんの世界に誇る覚醒と繁栄を解く日本書紀』、『ねずさんの知っておきたい日本のすごい秘密』、『日本建国史』、『庶民の日本史』、『金融経済の裏側』、『子供たちに伝えたい 美しき日本人たち』その他執筆多数。

《動画》 「むすび大学シリーズ」、「ゆにわ塾シリーズ」「CGS目からウロコの日本の歴史シリーズ」、「明治150年 真の日本の姿シリーズ」、「優しい子を育てる小名木塾シリーズ」など多数。

講演のご依頼について

最低3週間程度の余裕をもって、以下のアドレスからメールでお申し込みください。
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