米国トルーマン大統領は、広島への原爆投下のあと、次の公式声明を出しました。 *** President Harry S.Truman Address to the Nation, 6 August 1945 広島への原子爆弾投下のトルーマン大統領声明 (1945年8月6日)
今から16時間前、米国の一航空機は日本陸軍の最重要基地である広島に1個の爆弾を投下した。 その爆弾は、TNT火薬2万トン以上の威力を持つものであった。 それは、戦争史上これまでに使用された爆弾の中で最も大型である英国の「グランド・スラム」の爆発力の2000倍を越えるものであった。 (原文) Sixteen hours ago an American airplane dropped one bomb on Hiroshima, an important Japanese Army base. That bomb had more power than 20,000 tons of TNT. It had more than 2,000 times the blast power of the British "Grand Slam," which is the largest bomb ever yet used in the history of warfare. ***
これまたおかしな声明です。 広島を「日本の陸軍の最重要基地(=an important Japanese Army base)」と言っています。 しかし、原爆被害を受けた広島の市街地は、陸軍基地ではありません。ただの市街地です。そして広島で原爆によって亡くなられた市民は、一般人です。
【英文】 PUBLIC INTERNATIONAL LAW - ATOMIC BOMBING OF HIROSHIMA AND NAGASAKI WAS AN ILLEGAL ACT IN VIOLATION OF INTERNATIONAL LAW.
The Japanese Government presented a letter of protest as stated below, to the Government of the United States through the Government of Switzerland on August 10, 1945.
August 10, 1945
A New-Type, Cruel Bomb Ignoring International law; Imperial Govern-ment Protest to the Government of the United States. With regard to the attack by a new-type bomb on the city of Hiroshima by a B-29 bomber on the 6th inst. the Imperial Government filed the following protest on the 10th inst. to the Government of the United States through the Government of Switzerland, and gave instructions to the Japanese Minister to Switzerland, Kase, to make the explanation of explanation of the same effect to the Inter-national Committee of Red Cross.
Protest against the Attack of a New-Type Bomb by American Airplane:
On the 6th of this month, an airplane of the United States dropped a new-type bomb on the urban district of the city of Hiroshima, and it killed and wounded a large number of the citizens and destroyed the bulk of the city. The city of Hiroshima is an crdinary local city which is not provided with any military defensive preparations or establishments, and the whole city has not a character of a military objective. In the statement on the aerial bom-bardment in this case, the United States President “Truman” asserts that they will destroy docks, factories and transport facilities. However, since the bomb in this case, dropped by a parachute, explodes in the air and extends the destructive effect to quite a wide sphere, it is clear to be quite impossible in technique to limit the effect of attack thereby to such specific objectives as mentioned above; and the above efficiency of the bomb in this case is already known to the United States. In the light of the actual state of damage, the damaged district covers a wide area, and those who were in the district were all killed indiscriminately by bomb-shell blast and radiant heat without dis-tinction of combatant or non-combatant or of age or sex. The damaged sphere is general and immense, and judging from the most cruel one that ever existed. It is a fundamental principle of international law in time of war that a belligerent has not an unlimited right in chosing the means of injuring the enemy, and should not use such weapons, projectiles, and other material as cause unnecessary pain; and these are each expressly stipulated in the annex of the Convention respecting the Laws and Customs of War on Land and artices 22 and 23(e) of the Regulations respecting the Laws and Customs of War on Land. Since the beginning of the present World War, the Government of the United States has declared repeatedly that the use of poison or other inhumane methods of warfare has been regarded as illegal by the pubic opin-ion in civilized countries, and that the United States would not use these methods of warfare unless the other countries used these first. However, the bomb in this case, which the United States used this time, exceeds by far the indiscriminate and cruel character of efficiency, the poison and other weapons the use of which has been prohibited hitherto because of such an efficiency. Disregarding a fundamental principle of international law and humanity, the United States has already made indiscriminate aerial bombardments on cities of the Empire in very wide areas, and it has already killed and injured a large number of old people, children, and women and collapsed or burned down shrines, temples, schools, hospital and ordinary private houses. Also, the United States has used the new bomb in this case which has indiscriminate and cruel character beyond comparison with all weapons and projectile of the past. This is a new offence against the civilization of mankind. The Imperial Government impeaches the Government of the United States in its own name and the name of all mankind and of civilization, and demands strongly that the Government of the United States give up the use of such an inhumane weapon instantly.
Note: Japan Branch of the International Law Association, Japanese Annual of International Law, 8, pp.251-2. (Tokyo: 1964) ~~~~~~~~~~~~~~~
コメント
匿名希望
日本はポツダム宣言を黙殺した。終戦の決断が遅いから原爆を落とされた。
さも「日本の対応が悪いから、被害が拡大した。」との論調は昔と変わりませんでした。
少しだけですが、アメリカの非道さや、アメリカ側でも使用するべきではなかったとの話がありましたが…
ただ何も知らない人が見ましたら、日本が悪いから落とされたと思うのではないでしょうか。
私、50代ですが学校の授業は第2次世界大戦、原爆投下については教科書に載っていませんでした。
私もテレビの影響で、日本が悪かったから原爆が落とされたと信じていた一人です。
未だにアメリカ史観だけで語られる、NHKは残念です。
残酷な事実ですが「人体実験だった。モルモットだった。」と語ってくれたねずさんに感謝します。
2020/08/08 URL 編集
ねずさんのファン
正直であることに、善良であること、この全てにつきます。
2020/08/06 URL 編集
kinshisho
毎年この時期になると考えさせられることですが、不思議なのがアメリカに於いても軍人たちは原爆の使用に消極的どころか反対の意見が多かったことで、基本的に使用に賛成だったのはトルーマン大統領以下政府首脳と議員らだったそうで、寧ろ軍人なら尚の事積極的に賛成しそうなものですが。
そして、御存知と思いますが、終戦後に現地入りした調査団は原爆の実態を写真に数多く収めるものの、その実態についてはアメリカ国内でも長い間伏せられていました。
特に、トルーマンでさえ『私は広島が軍都だと言われたから投下を許可したのに、民間人がこんなに犠牲になることが分かっていたなら広島への投下に反対していた』と言って激怒したらしく、更にこの実態をアメリカ国内で公表すれば間違いなく次の大統領選で落選すると分かっていたことから実態の公表については報道管制が敷かれた訳で、同時期に日本国内でも原爆に関する記述や写真に対する検閲が行われていますが、これは日本国内で知れ渡ることに対する反米感情の高まりよりも、米国内で知れ渡ることに対する政府への批判を恐れてのことだったのは明らかです。
また、実態を知った後はさすがにやり過ぎたと思ったのか、トルーマンは自らの決定を終生後悔していたことがトルーマンの家族や子孫の証言からも明らかになっています。ルーズベルトと並ぶ当時のアメリカの典型的な白人的思考の持主である人種差別主義者のトルーマンでさえ良心の呵責に苛まれたのかもしれません。
まあ、あんな実態が全米に知られれば、日本人のことをジャップと蔑んでいたアメリカ国民でもやり過ぎだと思うかもしれませんね。
それから数十年が経過して原爆の実態もネットで簡単に知ることができるようになってから、アメリカ国内に於ける風潮も変わり始めているのは確かで、特に保守本流の間でも、日米が戦争に至った責任はアメリカにあると言っているくらいですし、勝利の英雄であるルーズベルトに関しても、アメリカを衰退に追いやった最悪の大統領という評価さえあります。
まあ、日本国民がどう思うかはともかく、日本を穢したアメリカがタダで済む筈はなく、まるで日本から呪われたかのように戦後のアメリカは数々の災厄に見舞われているような気がしますね。
第二次世界大戦終了から僅か5年後に朝鮮戦争、朝鮮戦争終了から11年後にベトナム戦争と世界が比較的平穏な時代を謳歌していた中にあってアメリカは一人戦争を続け、その間締結した日米安保条約は高い物につき、1973年にはオイルショックによりアメリカの自動車産業の栄光の時代は終わり、以降のアメリカはGDPこそ成長しているものの誰もが衰退を自覚しており、恐らくはルーズベルトが描いた戦後のアメリカは嘗ての大英帝国のような栄耀栄華の日々だったはずで、自身の決定がこのような事態を招くことは予想外だったに違いありません。
嘗てアメリカの力の象徴であったデトロイトは最早見る影もなくロボコップが上映された当時よりも更に状況は悪化、ロボコップとて見捨てざるをえないような惨状で住宅が1ドルで投げ売りされていることも珍しくなく、それに対して広島に於いてSUMOで調べた最も安価な住宅は80万円であり、極論すればデトロイトの住宅価格は広島の最も安価な住宅の8000分の1まで価値が落ちていることになります。
さすがの私もこれには眩暈がしてしまいましたが、超大国アメリカがたった数十年でここまで落ちぶれるものなのか?と思わずにはいられませんでした。
ルーズベルトもトルーマンもあの世で自国の惨状をさぞかし嘆いていることでしょう。
もしかしたら、これこそが日本の呪いだったのでしょうか。
アメリカは日本から翼を奪いましたが、アメリカは日本によって足を奪われてしまったも同然で、これではいくらボーイング、ロッキードなどの航空機産業が健在でも現在のアメリカを支えきれるはずもなく、しかもアメリカの自動車産業にとっては打つ手もなく、やはりビッグ3は国とともに衰退していく運命なのでしょう。多分最終的にはピックアップトラックとその派生であるSUVしか残らないのでしょうね。
現在テキサス新幹線が2026年の開業を目指していますが、日本の新幹線がアメリカの地を走ることに既に興奮を抑えられない現地の方も少なくないようですけど、果たして喜んでいいのか、本来ならばこのくらいは自国内で開発できなければおかしいだろと思わないのか、穿った見方かもしれないですけどアメリカの製造業が落ちぶれたことを象徴する出来事のように思えました。
それに、文化面での発信力も衰えているというか、最近のハリウッドはつまらないと感じるようになり、特にSFは重苦しい雰囲気だけで昔にはあったハリウッドSF特有の面白さが感じられず、ヒューマンドラマはまだ辛うじて観られる作品も多いですけど、こちらもどうなることか。
もしもあの時原爆をデモンストレーションとして海上に投下していれば、現在のアメリカの姿はまた違ったものになっていたのではないか?
ここ数年カリフォルニアで秋になると毎年発生する大規模山火事にしても、一時東京大空襲の呪いだと言われたこともありますし、神国日本に一発で済ませていればここまではならなかったのでは?それを二発落してしまったが故に現在も天罰を受けているのではないか?と思わずにはいられません。
オカルトチックですが、今もアメリカが罰を受けているとすれば、今年もまた10月頃にカリフォルニアの山の何処かから火の手が上がるに違いないでしょう。もしかしたら自然現象に見せ掛けた神罰でないと誰が断言できるでしょうか。
空襲で命を落とすのもシャレになりませんが、仮に山火事から生き残ったら残ったで特にセレブなんかは山火事で何もかも失って放り出されれば失ったショックと相俟って生き地獄でしょうし。
加えて、アメリカでは製造業のみならず農業もまた危機に曝されていることはあまり知られていないような気がしますが、本来乾燥地帯であるアメリカに於いて世界有数の大規模農業が可能な背景には潤沢な地下水の存在があったのですけど、オガララ帯水層を始めとした地下水が枯渇しつつあるらしく、これがあとどのくらい持つのか、一説にはあと30年で枯渇するとも言われており、もしもそんなことになればアメリカは深刻な飢餓に見舞われることになります。
製造業のみならず農業までダメになれば、アメリカには最早ドルしか残りません。
やはり、アメリカは数十年掛けて日本から呪われ続けているのではないかと思わずにいられません。
でもって最後に、呪いや神罰のみならず、これも一種の法則ですけど覇権を握った国家はやがて見る影もなく衰退します。大航海時代に隆盛を極め、トルデシーリャス条約で世界を二分した程のスペイン、ポルトガルは今や欧州で最も貧しい国の一つですし、大英帝国は嘗ての面影など見る影もないですし、そしてアメリカが今衰退局面に入っており、中国との対立で更に消耗するのは確実で、アメリカは中国とともに弱体化していく運命と見て間違いないでしょう。
果たしてアメリカはこの先どのような姿になるのか。少なくとも嘗ての孤立路線に戻ることは間違いないでしょうけど、嘗ての栄光がウソであったかのように世界の最貧国の一つにまで落ちぶれる可能性もあるのです。
日本が今はまあ不況の真只中ですが、それでもここまで落ちぶれることなく連綿と続いているのは実は覇権を握らなかったからではないのか?と思うのですよね。なので、この先も日本が日本であり続けるためには覇権国家となるべきではないのです。
最後に、結局のところ、実は原爆によってアメリカも徐々に蝕まれていったのではないかということで話をシメさせていただきます。
2020/08/06 URL 編集
松さん
『…過ちは繰り返しませぬから』
どうして「繰返させませぬから」と言えないのでしょうか。
すっ惚けた碑文を読む度に憤りが込み上げます。
犬や猫その他の動物を残酷に扱う非道の輩と同じで、人を人とも思わぬ者共に「人道」などの崇高な概念はありません。
ねずさんが代弁された『必要な努力』とは、呆けて軟弱な「中立ゴッコ」などではありません。
怨讐を超え、質実共に剛健な國體(くにぶり)を築くことこそが、私達に課せられた使命だと思います。
08時15分
冷水を手向け合掌
2020/08/06 URL 編集