ススキとセイタカアワダチソウのお話

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このお話は、ねずブロの初期の頃から、毎年この時期に掲載しているお話です。
日本人なら、日本を信じる。
そこからはじめる。
ススキとセイタカアワダチソウの戦いは、そんな日本人としての戦いの原点を私達に教えてくれたような気がします。

20201101 セイタカアワダチソウ
画像出所=https://tokyo-eastpark.com/ogunohara/%E3%82%BB%E3%82%A4%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%82%A2%E3%83%AF%E3%83%80%E3%83%81%E3%82%BD%E3%82%A6%E3%80%80%E3%80%80%EF%BC%8D%E5%B0%BE%E4%B9%85%E3%81%AE%E5%8E%9F%E5%85%AC%E5%9C%92%EF%BC%8D/
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小名木善行です。

このお話は、ねずブロの初期の頃から、毎年この時期に掲載しているお話です。
このブログを書き始めたのが2008年でしたから、かれこれ12回目の掲載です。

セイタカアワダチソウというのは、上の写真にある草です。
いまや全国に広がっていますから、あの毒々しい黄色い穂先は、皆様もきっとご存知のことと思います。
いまから20〜30年ほど前は、本当にもう、東京の河川敷や堤防などは、この時期、セイタカアワダチソウに埋め尽くされていたのです。

だいたい日本の古くからの草花というのは、だいたい淡さのある中間色系が多いです。
ところがセイタカアワダチソウは、山吹色の、それこそ毒々しい色で野山を埋め尽くしてしまう。
その様子が、まるで黄色い泡がブクブクと立っているように見えるということで、「泡立ち草(アワダチソウ)」という名前が付けられています。

実はこのセイタカアワダチソウという植物は、戦後にGHQとともに日本にやってきた種です。
戦後の食糧不足の時代に、米国が日本を飢餓から救うために、大量の小麦を日本に持ち込んでくれたのですが、このときに一緒にセイタカアワダチソウの種子が持ち込まれました。

ところがこのセイタカアワダチソウ、もともと北米大陸という痩せて乾燥した土地に生育していた植物です。
要するに西部劇に登場するような、あの土地で生育していたのですが、その辺り一帯というのは、湿度が20%程度、こうなるとクチビルなど、すぐに乾燥してカサカサになってしまほどです。

セイタカアワダチソウは、もともとはキク科の植物なのですが、そういう痩せて感想した土地で生育するために、実に独特の進化を遂げました。
どのような進化かというと、まずはとにかく繁殖力がすさまじい。
ある年に、一本のセイタカアワダチソウが生えたと思ったら、翌年には植物のない枯れた土地に、いつのまにかポツリポツリと花を咲かせるようになり、さらに翌年になると、あたり一面がセイタカアワダチソウだらけになってしまう。
つまり、植物にとって過酷な環境にあっても、少しでも植物が生きている土地であれば、そこで猛烈に密生して繁殖し、他の植物を駆逐して、自分たちだけの天下を築くという、まさに侵略的植物に育ったのです。

そんなセイタカアワダチソウが日本にやってきたのです。
日本は高温多湿で、植物にとってはたいへんに住みよい環境です。土地も肥えています。
そしてそれまで厳しい環境化で繁殖してきたセイタカアワダチソウです。
日本の土壌は、まさに水を得た魚のようなもので、またたく間に、日本全国に盛大に繁殖を広げ、他の日本固有の植物を駆逐して行きました。

しかもセイタカアワダチソウは、繁殖するに際して、根から毒素を出します。
これによって、他の植物を全部殺してしまいます。
それどころか、土の中のミミズやモグラなども生育できなくしてしまう。
このことが何を意味しているかというと、日本の植物体系が変わってしまうということです。

もう50年も昔になります。
筆者が中学生の頃だったと思うのですが、少年マガジンだったか少年サンデーだったか、巻頭のカラーページに、このセイタカアワダチソウのことが掲載されたことがあります。
それは、ある日本の植物学者さんが、セイタカアワダチソウの繁殖に危機感を抱き、なんとかしてこれを駆逐しないと、日本の古生種の他の植物(おみなえし、オイランソウ、ススキ、コスモス)など、この時期に咲く草花が、全部滅んでしまう。

そのことを、その学者さんは必死で行政に訴えたのだけれど、政府は何も動いてくれない。地方行政も動いてくれない。
やむなくその学者さんは、少年マンガ誌に、セイタカアワダチソウによる日本の植物体系の危機を特集してもらい、少年たちに次世代を託そうとしたのです。

あれから半世紀。結局、行政は何もしないまま、日本の野山や堤防や空き地などでは、セイタカアワダチソウが猛威をふるうようになりました。
20〜30年ほど前までは、電車から川の堤防や空き地を見ると、そこにはどこもかしこもセイタカアワダチソウが毒々しい黄色い花を盛大に咲かせていたのです。
もはや日本の古生種の他の植物(おみなえし、オイランソウ、ススキ、コスモス)は、全部滅んでしまうかに見えました。

ところが、そんなセイタカアワダチソウが、数年前から、自滅を始めました。
不思議なことに、あんなに強大な勢力を誇っていたセイタカアワダチソウが、なぜか勢力を弱めて行ったのです。

なぜか。
彼らは、繁殖しすぎたのです。

先に述べましたように、セイタカアワダチソウは、きわめて排他的な植物です。
根から毒素を出して、他の植物を排斥してしまいます。
日本の土壌は、まさに彼らの繁殖に適した肥えた土壌ですから、彼らは本国以上に盛大に繁殖することができました。
ところが盛大に繁殖しすぎたのです。
つまり、彼ら自身が撒き散らす根からの毒素が、逆に彼らの命を奪い始めたのです。

これに代わって、勢力を盛り返してきたのが、ススキです。
ススキはイネ科の植物で、日本の古生種です。
穂は食用になり、葉と茎は、屋根材として活用されてきました。

茅葺屋根(かやぶきやね)の「茅(かや)」が、ススキのことです。
昔は、そんな屋根材を確保するために、全国の村々でススキ畑を作っていたくらいです。
そんなススキ畑があったところの代表が、東京にある「茅場町(かやばちょう)」です。

茅場町といえば東京証券取引所ですが、ここを開設した渋沢栄一は、ススキが何もない荒れ地でも繁殖すること、そして土中深くに根を張ることで土を耕し、ミミズやモグラなどが住みよい環境をつくり、そんなススキが繁殖したあとには、様々な野山の植物が、ススキと共存して咲くようになり、土が肥え、そこに樹木が繁殖できるようにまで土地を整えること。

つまりススキは、日本の国土の緑を育くむ重要な役割を担ない、日本人とともに発展してきた植物であったことから、明治のはじめにまだ規模の小さかった日本経済が、いずれ林となり、森となって国土を覆うように大きく発展してもらいたいという願いを込めて、茅場町に証券取引所を築いたという歴史があります。

それくらい、ススキは日本人の生活に切っても切り離せない深い役割を担い、日本人と共存してきた植物であるわけです。

そんなススキは、セイタカアワダチソウが猛威を揮っていた頃に、地上をセイタカアワダチソウに奪われながらも、土中に静かに寝を保ち続けました。
そしてセイタカアワダチソウが自滅をはじめたとき、その間隙を縫って茎を伸ばし、穂をはり始めました。
そして気がつけば、自分たちが撒き散らした毒素で自滅をはじめたセイタカアワダチソウに代わって、ススキが盛大に空き地に繁殖するようになりました。
そしてさらに、ススキの間には、コスモスやオミナエシなどの日本古来の美しい草花が顔を覗かせるようになりました。

どうしてススキは、再び繁殖することができるようになったのでしょう。
実は、ススキは、地上をセイタカアワダチソウに奪われていた頃、懸命に土中でセイタカアワダチソウの撒いた毒素を吸収し、毒の中にも共存できる道を探し続けたのです。
そしてセイタカアワダチソウ自身が、自分たちの出した毒素で自滅をはじめたとき、すでに毒素に負けない強い体を手に入れていたススキが、ふたたび野山を取り戻していったのです。

もっとも、取り戻し始めた頃のススキは、穂が、まるで白髪頭のように、真っ白になっていました。
よほど苦労されたのだと思います。
けれど去年くらいから、徐々に穂が、昔のままにすこし茶色がかったものに戻りつつあります。
つまり、もとの姿を取り戻しはじめたのです。

そして、これまでセイタカアワダチソウが猛威をふるっていた場所は、いまや、その大半が、ススキの繁殖地となりました。
さらにススキが、土中の毒素を吸収し分解してくれた結果、土中のモグラやミミズも、戻ってきました。
またススキの間には、オミナエシなどが、昔のままの美しい花を咲かせるようにもなりました。

日本というのは、実に不思議な国です。
天然の災害が多いことも理由のひとつなのかもしれませんが、排他的に自分たちだけのわがままで生きることは、動物であれ、植物であれ、結局はできないという国柄を持ちます。
時がくれば、わがままな、自分たちさえ良ければという種は、日本の国土の中では自滅し、結局のところ、共存の道を選ぶしか無くなっていくのです。

いまでもセイタカアワダチソウは、野山に咲いています。
けれど、昔のような、猛威をふるって土地を奪うような、あのような姿はあまり見かけなくなりました。
猛威の頃は、高さ4m位にまで生育したものですが、いま生き残っているセイタカアワダチソウは、いずれも、背が低くなりました。
そして、セイタカアワダチソウだけでなく、一緒にススキも、コスモスも茂るようになりました。
あの排他独尊的なセイタカアワダチソウが、なんと日本で、他の植物との「共存」の道を歩み始めたのです。

日本にわがままな外国人がやってくると、はじめのうちは自分たちのコミュニティ内ばかりを贔屓(ひいき)します。
電車に乗るときにも、黙って静かに駅のホームに並んでいる日本人が馬鹿にしか見えないのだそうです。
だから平気で横入りして、座席を陣取ります。
けれど、永く日本に住んでいる内に、気がつくと自分も、静かに駅のホームに並ぶようになっているのだそうです。
生まれや育ちが違っていても、いつの間にか日本人になっていくのです。

吉田松陰が水戸藩郷士、堀江克之助に送った書です。

「天照の神勅に、
 『日嗣之隆興 天壞無窮』と有之候所、
 神勅相違なければ日本は未だ亡びず。
 日本未だ亡びざれば、
 正気重て発生の時は必ずある也。
 只今の時勢に頓着するは
 神勅を疑の罪軽からざる也」


《現代語訳》
天照大御神のご神勅(しんちょく)に、「日嗣(ひつぎ)の隆興(さかえ)まさむこと、天壞(あめつち)とともに無窮(きはまりなかる)べし」とあります。そしてご神勅の通り、日本はいまだ滅んでいません。
日本がいまだ滅んでいないなら、日本が正気を取り戻すときが必ずやってきます。
ただいまの時事問題に頓着(とんちゃく)して、簡単に日本が滅びると言うのは、ご神勅を疑うというたいへん重い罪です。

日本人なら、日本を信じる。
そこからはじめる。
ススキとセイタカアワダチソウの戦いは、そんな日本人としての戦いの原点を私達に教えてくれたような気がします。


お読みいただき、ありがとうございました。
歴史を学ぶことでネガティブをポジティブに
小名木善行でした。


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コメント

枯葉

ススキ頑張れ
ずっと以前、確か、すすきがんばれ!というようなタイトルで記事を拝見して以来、セイタカアワダチソウとススキの事を毎年この季節には特に 気にしながら周りの風景を見てきました。
年々物凄い勢いで増え続けるセイタカアワダチソウの黄色を見るのが本当にツラいです。至るところに進出しています。
こちらは田舎だからでしょうか、まだまだ繁殖力は拡大していくばかりの様なのですが、おっしゃる通り、いつか自滅する日が来るのでしょうか。

湘南童子

うぅむ・・

・・誠に素晴らしき御話
ありがとうございました

自然療法の一種では開花直前の穂を
風呂に入れたり醤油漬けにしたりも



日ノ本の大和の天命が完うされますように
地球を司る神々様 ありがとうございます

翠子

何度読んでも、いいお話ですね。
日本らしく、また、日本人らしく。

いま、外国人による見たことも聞いたこともない犯罪が増えています。
少しの間にこんなにたくさん不良外国人が増えてしまい、これからどうなるか。
このお話のように、長い目で見ればうまくいくのかどうか、とても不安です。

ニンニン

私もこの話、大好きです。
子供の頃、当たり前のようにススキ畑がたくさんあった地域に住んでいたので、現在のススキにそんな戦いがあったとは…
でも、確かに、最近ススキが復活してる感じで、よく見かけるようになりました。

松さん

植物界の攻防戦!
北米では、ススキが侵略的外来種として勢力を拡げてるそうです。
植物界の攻防戦!
凄まじいですね!
因みに、ススキもセイタカアワダチソウも、人間にとっては薬草なのですけどね。

スチールボウ

この話、好きです。
この話は掲載される度に読みます。
それと同時に、「今年も、あと僅かだなぁ。」と季節の移ろいを感じます。
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ねずさんのプロフィール

小名木善行(おなぎぜんこう)

Author:小名木善行(おなぎぜんこう)
連絡先: nezu3344@gmail.com
電話:080-4358-3739
出身:静岡県浜松市
住所:千葉県野田市
執筆活動を中心に、私塾である「倭塾」、「百人一首塾」を運営。
またインターネット上でブログ「ねずさんの学ぼう日本」を毎日配信。他に「ねずさんのメールマガジン」を発行している。
動画では、CGSで「ねずさんのふたりごと」や「Hirameki.TV」に出演して「明治150年真の日本の姿」、「日本と台湾の絆」、「奇跡の将軍樋口季一郎」、「南京事件は4度あった」、などを発表し、またDVDでは「ねずさんの目からウロコの日本の歴史」、「正しい歴史に学ぶすばらしい国日本」などが発売配布されている。
小名木善行事務所 所長
倭塾 塾長。
日本の心を伝える会代表
日本史検定講座講師&教務。
《著書》
『ねずさんの昔も今もすごいぞ日本人』
『ねずさんの 昔も今もすごいぞ日本人!和と結いの心と対等意識』
『ねずさんの 昔も今もすごいぞ日本人!日本はなぜ戦ったのか』
『ねずさんの日本の心で読み解く百人一首』日本図書館協会推薦
『ねずさんと語る古事記 壱〜序文、創生の神々、伊耶那岐と伊耶那美』
『ねずさんと語る古事記・弐〜天照大御神と須佐之男命、八俣遠呂智、大国主神』
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