180度違うしがらみの社会と、抑圧の社会



支配され、抑圧された社会の人々は、自由を求めます。しがらみによってがんじがらめにされた人々も、自由を求めます。その意味では、行動は同じになります。
ただし、その行動の原点となっている文化は、180度違うものです。
なぜなら、抑圧は、他者から与えられるものであり、しがらみは、自分が勝手にそのように感じているものであるからです。

20201112 しがらみ
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いまどきは日本もずいぶんと米国化してしまっているので、最近の若い人たちは日本における「しがらみ」は、もしかすると理解しにくいものかもしれません。

しがらみというのは、狭い世間での人間関係のことで、あそこでは誰それにお世話になった、あっちでは誰それに恩義がある、親の恩、師匠の恩、先輩の恩、友人関係における仲間たちとのつながり等々、自分の思い通りに気ままに生きたいと思っても、なかなかそうはいかない等々・・・と「自分が感じる柵(さく)のようなもの」のことを言います。
ですから昔は、浮世のしがらみ、義理のしがらみなどというように用いられた語です。

「しがらみ」を漢字で書くと、まさに「柵」という字が用いられます。
向こうまで行きたいのだけれど、そこに「柵」があって、なかなかそうはいかないというわけです。
つまり「しがらみ」というのは、自分が主体となって感じるもの、他者に対して自分がむしろ能動的に感じるものということができます。

かつての日本では、こうした「しがらみ」が、人々の行動を規制したし、だからこそ「しがらみ」でがんじがらめになった田舎を捨てて、大都会に出て気ままに暮らしたいというのが、人々の夢であったりもしました。
昔、ヒッピーなんてのが流行った頃、男性が長髪でいるだけで、田舎だと、ご近所から色々噂される・・・ように感じるし、親からもそのように言われるのではないかと不安になる。

ところが東京に出ると、同じアパートでも、隣は何をする人ぞ、てな具合で、隣人同士でも互いに干渉しないから、Gパンをはいて長髪にして無精ヒゲを生やしていても、誰にも文句を言われずに気ままにしていることができる、というわけで若者たちが東京ぐらしに憧れた・・・なんて時代もあったわけです。

これに対し、アメリカ型の文化のもとでは、支配と隷属の関係が主体となります。
会社の上司(ボス)は支配者であり、親は子を支配するし、夫は妻を支配します。
当然、支配される側にある大勢の社会的地位の低い者や、女性たちなどは、支配によって抑圧されます。
言いたいことがあっても言えない。
だから、支配からの自由、抑圧からの自由が、社会全体を覆う夢となります。

「俺達は自由だ」と、常々自己主張しなければならないのは、要するにそこに自由がないからで、前にも書きましたが人は常に「ないものねだり」です。
自由がないから自由を欲しがるし、民主的な社会ではないから民主を欲しがる。
お金がない人はお金がほしいし、恋人がいない人は恋人がほしい。
独身の人は結婚したいし、結婚している人は夫や妻から離れて自由でいたい。
抑圧されて、自由がない人は、やはり自由が欲しいのです。

そしてこの場合の「抑圧」は、受動的なものです。
つまりなかば強制的に、自由を奪われているのが「抑圧」です。

一方、日本的な「しがらみ」は、自分がそのように感じているだけであり、はねつけようと思えば、それなりにできてしまうものです。
なぜなら「しがらみ」は、自分が主体となって他者を思うという能動的なものだからです。

支配され、抑圧された社会の人々は、自由を求めます。
しがらみによってがんじがらめにされた人々も、自由を求めます。
その意味では、行動は同じになります。

ただし、その行動の原点となっている文化は、180度違うものです。
なぜなら、
抑圧は、他者から与えられるものであり、
しがらみは、自分が勝手にそのように感じているものであるからです。

同じ西洋でも、ヨーロッパの田舎などでは、日本と同じく「しがらみ」が強くなります。
ただ、社会そのものの構造は、支配と被支配の関係が軸になっていますから、しがらみよりも抑圧から逃れたい。
それで新大陸に逃れていった人たちが築いたのが米国で、米国暮らしは「しがらみ」がない分、社会が支配的で、抑圧的になります。
だから、自由を求め、自由を愛する社会となります。

一方日本はもともと知らす国ですから、民衆こそが「おほみたから」だし、支配者、権力者は、力によって人々を抑圧するのではなく、道理と衆議によって人々がより豊かに安心して安全に暮らすことができるようにしていくことに責任を持つ人々でした。

そうした社会では、権力による「抑圧」よりも、道徳による「しがらみ」によって、むしろ人々はがんじがらめにされてしまう。
ですから多くの人々の心理は、「しがらみ」の中で、いかにして上手に人間関係を構築していくのかが重要視されるし、いまでも、働く人達の悩みや夫婦間の悩みの多くは「人間関係の悩み」が、圧倒的に日本人の悩みの第1位になっています。

東西の文化の違いって、おもしろいですね。


お読みいただき、ありがとうございました。
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小名木善行でした。


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出身:静岡県浜松市
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執筆活動を中心に、私塾である「倭塾」、「百人一首塾」を運営。
またインターネット上でブログ「ねずさんの学ぼう日本」を毎日配信。他に「ねずさんのメールマガジン」を発行している。
動画では、CGSで「ねずさんのふたりごと」や「Hirameki.TV」に出演して「明治150年真の日本の姿」、「日本と台湾の絆」、「奇跡の将軍樋口季一郎」、「南京事件は4度あった」、などを発表し、またDVDでは「ねずさんの目からウロコの日本の歴史」、「正しい歴史に学ぶすばらしい国日本」などが発売配布されている。
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