「討ちてし止まん」は責任を持つという意味



日本は「討ちてし止まん」の精神を否定するのではなく、むしろいまこそ「討ちてし止まん」の精神を取戻べきです。

ジョン・エドガー・フーヴァー(John Edgar Hoover)
20201128 フーバー
画像出所=https://www.thedailybeast.com/j-edgar-hoover-unmasked-by-eastwood-movie-and-last-of-his-g-men
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小名木善行です。

「討ちてし止まん」という言葉は、戦時用語として先の大戦中にずいぶんと使われた言葉です。
戦後は戦前までの日本を、ある意味、馬鹿にしたような言葉として用いられました。
けれど馬鹿にした側が、馬鹿者です。
なぜなら知恵がないからです。

もともと「討ちてし止まん」は、久米歌(くめうた)と言って、古事記の神武天皇記に出てくる歌にある言葉です。
神武天皇の軍団が八十健(やそたける)らを倒した後、登美那賀須泥毘古(とみのなかすねひこ)を討とうとしたときに、神武天皇が歌われた歌として古事記に出てきます。
現代語訳すると、次のようになります。

1 いかめしくて強い久米の子らよ
  粟の畑にニラが一本生えてきた
  そんなものは根も芽も繋いで
  討ちてしやまん

2 いかめしくて強い久米の子らが
  垣根の下に飢えた山椒で
  お前たちの口がヒリヒリ疼いていたことを、
  私は決して忘れないから
  討ちてしやまん

3 神風が吹く伊勢の海
  大きな石に這いまわり
  巻き貝のように這い回わって
  討ちてしやまん

《原文》
将擊登美毘古之時、歌曰、
美都美都斯 久米能古良賀 阿波布爾波 賀美良比登母登 曾泥賀母登 曾泥米都那芸弖 宇知弖志夜麻牟
又歌曰、
美都美都斯 久米能古良賀 加岐母登爾 宇恵志波士加美 久知比比久 和礼波和須礼志 宇知弖斯夜麻牟
又歌曰、
加牟加是能 伊勢能宇美能 意斐志爾 波比母登富呂布 志多陀美能 伊波比母登富理 宇知弖志夜麻牟


このように古事記の久米歌には、「討ちてし止まん」という語が、三回繰り返して出てきます。
三度繰り返されているということは、現代の歌謡曲なら、ただのサビですが、古代の文では、それは重要語という意味になります。

一読すると勝つまで戦うぞ、どこまでも戦うぞと歌っているように見えますが、実はそうではありません。
このことは集団戦を考えたらわかることです。

バレーボールでも野球やサッカー、バスケットボールでも、いま流行りのラグビーでも、集団戦は、必ず各人にポジションが与えられます。
そして各自が最後の最後まで、そのポジションを守りきり、自分に与えられた役割をしっかりと果たすことで、戦いが勝利に導かれます。
ただ勝つまで戦うぞというだけでは、集団戦は戦えないし、勝利もないのです。

この簡単な理屈がわかれば、「討ちてしやまん」の意味も明らかになります。
すべての兵員が、それぞれの役割を最後まできちんと責任を果たすこと。
それが「討ちてしやまん」です。

神武天皇は、我が国の初代の天皇であり、その初代天皇が、各人がそれぞれの持場において、しっかりと責任を持って最後までその責任を果たすことを、こうして明らかにされたのです。
そしてこれが我が国の思想文化となりました。

誰もが、その人にふさわしい持ち場を持ちます。
そしてそれぞれが、それぞれの持ち場で、責任をきっちりと果たしていく。
しっかりと最後まで責任を持って仕事をやり抜く。
これこそが我が国の産業の強さの原点だし、我が国の最大の強みです。

どこぞの国では、「ケンチャナヨ(いいかいいから、適当に)」が文化の中心となっています。
その国では、人は感情を隠してはいけないとされています。
腹の中にあるものは、すべて吐き出すことが正しいとされる。
けれど、あたりまえのことですが、そうなれば激しいぶつかり合いが起こりますし、弱いものは毎度、服従の苦痛を味わうことになります。
結局のところ、どこかで「ケンチャナヨ」と言って、曖昧にするしかない。

最近のテレビ番組が面白くないのがここで、かつての人気ドラマでは、水戸黄門にせよ、大岡越前にせよ、あるいは長編時代劇としての白虎隊にせよ、そこには必ず日本的な真面目さがありました。
真面目だから悩むし、真面目だからすれ違いが起こるし、真面目だから最後に笑いがある。
鉄腕アトムも、巨人の星も、宇宙戦艦ヤマトなどのアニメも同じです。
主人公たちは、どこまでも真面目なのです。
鬼滅の刃が特別な大ヒットになったことも、映画「君の名は。」が大ヒットしたのも、同じ理由です。

ところが最近のテレビドラマや映画などは、ケンチャナヨものが多く、根底において真面目さがない。
ただのカッコつけ、斜めに構えて世の中を差別的なものや、上下関係として見るだけの、たいへんに浅はかなものになっています。
だからつまらない。
そのつまらないものに、スポンサーが付いて映画やドラマが作成されます。
企業の側からしてみると、他に選択肢がないから昔からの流れで予算配分していますが、これでは早晩、スポンサー企業からも見放されていくのではないでしょうか。

ときどき日本の文化は、曖昧にすることを是とする文化であるという評論をみかけますが、これは半島的な極めて片寄った見方という他ありません。
日本では、互いに感情を吐き出すのではなく、誰もがちょっとずつ我慢をすることを是とします。
そのうえで、仕事はキッチリとこなしていく。
文化のあり方が、半島とは間逆なのです。

こうした日本人の昔から持つ文化性を否定するとどうなるかというと、日本人のキッチリと責任を持って仕事をするという文化が損ねられるわけですから、その間に「ケンチャナヨ」といって曖昧に誤魔化してきた仕事を、日本に追いつかせることができる。
だから戦後の在日左翼や、日本解体を目論む馬鹿者や、これに騙された不幸な日本人の若者たちが「討ちてしやまん」という日本的精神を破壊しようとしました。
そうすることで日本の工業力や技術力を奪って行ったのです。

するとどうなるかというと、日本では、誰もがちょっとずつ我慢をしながら、かつ、責任を果たさない、という社会構造が生まれます。
責任を果たさないということは、ちゃんとした仕事をしないということですから、結局、上司など、社会の上に立つ者がひたすら我慢をする社会になっていきます。

責任ある政府や良識ある人達に「討ちてし止まん」という概念を捨てさせれば、社会における責任者がいなくなります。
日本人の民度と仕事のレベルが下がるのです。
その結果、日本の技術と能力が失われていきます。

するとどうなるかといえば、答えは簡単です。
日本人が半島人化し、貧しくなるのです。
国は災害に弱く産業の育たない貧乏国になる。

かつてアメリカに、ジョン・エドガー・フーヴァー(John Edgar Hoover)という人がいました。
いまのFBI(連邦捜査局 Federal Bureau of Investigation)を創設した人です。
1930年代のギャング狩り、第二次世界大戦中のスパイ摘発、戦後の赤狩りなどの活動を指揮した人として有名です。
そのフーバーは、戦時中の日系人の強制収容に対して、
「スパイと思しき者たちは真珠湾攻撃の直後にFBIが既に拘束している」と、猛反対をしました。そういう硬骨漢がフーバーです。

そのフーバーを連邦捜査局の長官に任命したのは、米国共和党のカルバン・クーリッジ第30代合衆国大統領です。
クーリッジ大統領は、実はウォレン・ハーディング大統領の時代の副大統領だったのですが、ウォレン大統領が急死したために急遽、大統領に昇格した人です。

このクーリッジ大統領という人は、政治が自由市場に干渉することを拒否し、減税をし、これによっていちじるしい経済成長をもたらして米国に「狂騒の20年代」と呼ばれるほどの好況をもたらした大統領です。
また、不正や不公正をとことん憎む大統領でした。

そしてそのクーリッジ大統領が見込んだのが、まだ29歳の若者であったフーバーです。
長官となったフーバーは、FBIの腐敗した捜査官を次々に解雇し、代わりに全米からとびきり優秀な警察官をFBIに集めました。

その頃のアメリカには、ギャングやスパイ、あるいは赤狩りを実行しようとするときに、これを逮捕したり射殺したりするための法がありませんでした。
今の日本と同じです。
法的に、人権はむしろ悪党の側、加害者の側に与えられ、被害者の人権は無視される。
そんな状況でしたから、他の行政官僚や政治家たちは、悪党退治に尻込みしていました。
フーバーは、政府のいち員として、果敢に悪党退治を実施していきました。

そのためフーバーは、共産主義者やスパイからは蛇蝎のごとく嫌われたし、さまざまな悪意ある中傷がフーバーに対して行われました。
けれど、そんなフーバーの行動は、まさに神武天皇の「討ちてし止まん」の精神と同じものであったのではないかと思います。

いまの日本に求められるのは、そんなフーバーのような人材です。
日本は「討ちてし止まん」の精神を否定するのではなく、むしろいまこそ「討ちてし止まん」の精神を取戻べきです。


※この記事は2019年11月の記事のリニューアルです。
お読みいただき、ありがとうございました。
歴史を学ぶことでネガティブをポジティブに
小名木善行でした。


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コメント

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そのような方がいらっしゃったのですね、米国にも。
今の日本、こういう気概のある若者が政治の世界に必要なのでしょうね、きっと。
私達世代が何もしてこなかったツケを若者に押し付けるかたちになり、申し訳ない気持ちでいっぱいです。

-

今のトランプ大統領の戦いそのものですね。
CIAもFBIも腐れ切っていて、マスコミ、ネットの主な情報統制は敵の手の内、
いわゆるエスタブリッシュメントは真っ黒共犯者。(エプスタインとかね)
これに負けたら人類の未来はディストピアにしかならず、遠からず滅びると思います。
バイデン支持者には妄想だと言われそうですが。
目の前に来てから慌てても間に合わないのですがね?
日本の政府や官僚には現実を見据えた覚悟も心意気も感じないのですが(目先の事ばかり?)
実際はどうなんでしょう。
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Author:小名木善行(おなぎぜんこう)
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出身:静岡県浜松市
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執筆活動を中心に、私塾である「倭塾」、「百人一首塾」を運営。
またインターネット上でブログ「ねずさんの学ぼう日本」を毎日配信。他に「ねずさんのメールマガジン」を発行している。
動画では、CGSで「ねずさんのふたりごと」や「Hirameki.TV」に出演して「明治150年真の日本の姿」、「日本と台湾の絆」、「奇跡の将軍樋口季一郎」、「南京事件は4度あった」、などを発表し、またDVDでは「ねずさんの目からウロコの日本の歴史」、「正しい歴史に学ぶすばらしい国日本」などが発売配布されている。
小名木善行事務所 所長
倭塾 塾長。
日本の心を伝える会代表
日本史検定講座講師&教務。
《著書》
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