「ねずラジ」は、筆者が12年にわたって書き綴ってきたブログの記事4000本の中から、選りすぐりの記事をベースに対談形式でお届けするラジオ番組です。もちろん、ただ過去記事を読み上げるだけでなく、その都度補足しながら、より理解が深まるように話しています。意外と人気で、リスナーが多いのでびっくりしています。 詳細はこちら→https://www.ishikikaikaku.jp/nezuraji/
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理想とは、民衆が豊かに安全に安心して暮らせる社会です。そしてそれは、間違いなく、古い昔の日本に実存します。 ここが核心です。脊椎(せきつい)動物にとっての脊椎です。脊椎がなければ、脊椎動物は成り立ちえません。同様に、この核心《それはひとことでいえばシラスということですが》を持たなければ、人類社会の理想の未来はやってこない。 つまり日本には、世界が理想として求めるもののすべてがある、ということです。私達が私達の国の歴史を知ることは、世界の未来を知ることにつながるのです。 |

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歴史を学ぶことでネガティブをポジティブに 小名木善行です。
『動物農場(どうぶつのうじょう)』という本があります。
かつて世界的なベストセラーになった本です。
原題は『Animal Farm』です。
作者は、「英語で書かれた20世紀の小説ベスト100」「史上最高の文学100」のタイトル保持者でもある、
英国人のジョージ・オーウェル(George Orwell)です。
いつごろの本かというと、昭和20(1945)年8月17日の刊行です。
つまり終戦直後に刊行された本です。
『動物農場』は、飲んだくれの農場主を追い出して理想的な共和国を築こうとした動物たちを描いた物語です。
ある日、動物たちは、人間の農場主によって動物たちの利益が「搾取」されていると気付きます。
動物たちは、偶発的に起こった革命で人間を追い出し、豚の指導のもとで「動物主義」に基づく『動物農場』をつくりあげます。
ところが動物たちの間で不和や争いが絶えません。
指導者の豚は、独裁者となって恐怖政治を行ないます。
結局、動物たちにとって、支配者が入れ替わっただけで、人間が支配していた時以上に苦しく抑圧された過酷な生活が待っていた、という物語です。
この物語には、個人の名前を特定する固有名詞はひとつも出てきません。
しかし登場する動物達は、全員、旧ソ連のスターリンであったり、その周辺にいた人物であったりと、読む人にはその人物特定が容易にできるよう工夫されています。
要するに『動物農場』は、動物に例えてはいるけれど、実際にはソビエト共産党に対する痛烈な批判本であったわけです。
いまなら中共や、毛 沢東、習キンピラなどの共産邪教や、米国大統領選挙などが連想されることでしょう。
オーウェルがこの本を書きあげたのは、まだ戦時中の昭和19(1944)年2月です。
この頃は米英とソ連は、同じ連合国であり、同盟国でしたから、彼は数社の出版社から出版を断られています。
彼は、半年がかりであちこちの出版社に本を持ち歩き、ようやくこの年の8月になって、セッカー・アンド・ウォーバーグ社に出版を承諾してもらっています。
ところが国内は紙不足で出版しようにも紙がない。
結局、本が出されたのは、ようやく第二次世界大戦が終わった昭和20年8月のことになったわけです。
ちなみにナチス・ドイツがソ連に攻め込んだのは、昭和16(1941)年6月22日のことです。
開戦当初は、ドイツの軍事力の前にソ連は連戦連敗です。
ソ連は全土をドイツ軍に蹂躙され、ついに首都モスクワも陥落寸前となるけれど、冬の到来で、かろうじて戦線が膠着化する。
歴史の教科書では、この後、昭和17年6月からはじまるスターリングラードの戦いで、ソ連がナチス・ドイツに圧勝し、これを転機にドイツ軍が潰走を重ねたと書いているけれど、ここには、重要な事実がひとつ書かれていません。
それがなにかというと、実は、ドイツ軍に押され、国家が壊滅の危機に陥ったソ連のスターリンが、米国に泣きついて115億ドル(当時のお金で約4兆1000億円)という途方もない巨額の戦費を借りた、という事実です。
当時の日本の国家予算が8000億円くらいです。
いまの貨幣価値に換算したら約50倍ですから、当時の4兆円というのは、いまのお金で200兆円という額になります。
要するにソ連は、いまの相場で言ったら、200兆円という巨額の戦費を米国から借り、このカネで軍装を整え、さらに米国から様々な軍事技術を導入させてもらって、ドイツ軍と対戦したわけです。
米国にしてみれば、ヨーロッパ戦線においてドイツが、ソ連を手中にすることは、自分たちが戦争に負けることを意味しましたし、貸与(たいよ)なら、いずれは返ってくるお金です。
一方、英国は米国を動かしてソ連を助けてドイツをやりこめない限り、もはや国家として生き残れない、国家そのものが風前の灯火(ともしび)にありました。
ですから英国は米を動かそうと必死だったのです。
ソ連が借りたお金のことを、軍事借款といいます。
あくまで一時的に借りたのであって、もらったわけではない。
つまり戦争が終われば、ソ連は米国にその200兆円を返さなければならないわけです。
それで戦争が終わったあとにソ連のスターリンがどうしたかというと、戦争が終わる直前に日本に攻め込んで、米国と敵対関係を築きました。
敵対する戦争当事国間では、借りた金は返さなくて良いことになります。
つまりソ連のスターリンは、米国からカネや軍備をせしめたあと、米国と敵対関係を築くことで、体よく借金を踏み倒したわけです。
そして戦後46年経った平成3(1991)年、このカネを踏み倒したままソ連は崩壊しています。
米国の貸した金は、全部、パアです。
要するに米国も、英国も、スターリンに体よく騙されたのです。
ちなみにこのとき、どうして米国が115億ドルという、途方もないカネを右から左にポンと出すことができたのかについては、実はそのカネはもともと日本のものであったという説があります。
明治維新の少し前、米国はハリスを使って日本との間に日米和親条約を締結しましたが、その細則のなかで、金銀の両替相場を固定制にしました。
これによって日本から大量の金(Gold)が米国に流出しました。
当時の日本は世界の金(Gold)のおよそ3分の1を持っていたというくらい、まさに黄金の国ジパングそのものだったのですが、この流出のために日本国内では流通する金でできた小判が不足となり、やむなく幕府は金の含有量を4分の1にした万延小判を発行するに至っています。
米国はその金を用いて、南北戦争を戦い、戦勝後に南軍が欧州から借りていた戦費を全額償還し、さらにアラスカを当時のロシアからキャッシュで買い、メキシコからアリゾナ州とニューメキシコ州を購入しています。
それでもなお、まだ米国大統領府の金庫には、大量の金塊が保存されていて、結局その残りの金を用いて、ソ連を助けたというわけです。
カネがあって、武装が完璧で、戦意もあれば、ふつう常識で考えてもソ連とドイツの戦いは、ソ連の勝利となります。
結局ドイツでは、昭和20(1945)年4月30日に、ベルリンでヒットラー総統が自殺し、5月2日にはソ連がベルリンを占領し、同月、ドイツは降伏しました。
ドイツを破ったあとも、そのために調達した戦費も軍装も、まるごと手元に残っていたソ連は、ヨーロッパ戦線にいた軍を、反転させて満洲や樺太に向かわせ、そこで日ソ中立条約を一方的に破棄して日本に攻め込んでいます。
戦いは、どちらかといえば、日本軍優勢だったとも言われています。
しかし日本は、ポツタム宣言を受け入れて、連合国に降伏する。
日本軍を武装解除させたソ連は、満洲国を建国した日本の技術者や労働者らを、施設や重機ごと、シベリアに連行し、給料も払わず、タダ働きで使役して、国土のインフラの整備をします。
だいたい、日本のいまの自衛隊の国家予算が、人件費こみで約4兆円です。
それを200兆円もGETしたのです。
当時のソ連にはカネはあった。
そして労働力は、日本人抑留者やドイツ軍抑留者を、タダ同然で使役し、また国内に必要なインフラは、まるごと満州から移設しています。
戦後間もない頃、ソ連は「人々が働かなくても○か年計画という計画経済で、国内のインフラが次々と整い、まさに理想国家を形成したと、さんざん宣伝していました。
また日本国内でも、当時の日本の左翼がさんざんソ連を持ち上げていました。
しかしインフラ整備にはお金がかかるものだし、誰かが働かなければ決して整うものではありません。
要するに他所の国から借りた金を返さず、捕虜を労働力として使役し、必要な都市インフラは満洲から移設して、ソ連は国を築いたわけです。
したがってかつてのソ連を一言で言うなら、ただの泥棒国家でしかありません。
理想社会が聞いてあきれますが、世界では、泥棒から泥棒しても、泥棒した者が勝ちです。
『アリババと40人の盗賊』は、貧乏なアリババが、40人の盗賊から金貨を奪って大金持ちになる物語ですが、要するに泥棒であれ何であれ、最後に金塊を手に入れた者が勝ちというのが、西洋の理屈です。
日本では、騙す人と騙される人がいたとき、騙した側が悪いとされますが、世界では、むしろ騙された側が悪いとするのが常識です。
価値観も、真面目に働いてお金を稼いで、みんながそうやって稼いだお金で、みんなが幸せになれるようにみんなが協力しあって社会インフラの整備をすることが正しい人の生き方と考えるのが常識となっている社会は、せいぜい日本くらいなもので、世界では、それは宗教的理想です。
現実は、協力や努力の積み重ねによって財をなすのではなく、カネのある奴から財を奪って大金持ちになるという安易な道が世界の理想であり、個人の理想となっているわけです。
理想であることと、常識であることは異なります。
このことは、日本人はしっかりと知る必要があります。
ソ連における共産主義革命も、その意味では、共産主義思想という人々が助け合って生活するユートピアを求める思想を、カネと権力への欲望の塊のような連中が利用して民衆を扇動し、結果として自分たちだけが、この世のありとあらゆる贅沢三昧な暮らしを手に入れた革命であったということができます。
ちなみに、ロシア帝国が滅んで、ソ連が誕生したことで、行き場を失った(国にいたらブルジョアとして殺されます)旧帝政ロシアの旧貴族たちは、こぞって五族協和を目指した満洲国に流入しています。
おかげで旧満鉄の職員には、美しい帝政ロシア貴族の娘たちが数多く採用されていたのですが、満洲がソ連に蹂躙されたとき、その旧貴族の一家や娘たちがどのような運命をたどったのか、歴史家たちは、誰もそのことに言及しません。
どうなったのか気になっていたのですが、さすがは日本です。
ソ連が攻め込んでくるとわかったとき、彼ら帝政ロシアの人々を、なんと早々と上海経由でブラジルに逃しています。
そのブラジルに逃げた、かつて満州にいた帝政ロシアの人々と、ブラジルの日系人たちは、いまもたいへんに深い信頼関係で結ばれています。
さて、冒頭に紹介したオーウェルの『動物農場』は、昭和20年には爆発的なベストセラーになり、昭和21年には全米でも発売されました。
そして米国政府は、昭和26年に『動物農場』を30ヶ国語以上の言語に翻訳して、これを世界に配布するための資金援助を行い、さらには、この年、「動物劇場」のアニメ映画の製作にまで出資しています。
アニメ版の「動物劇場」は、いまではDVDにもなっていて、たまにレンタルビデオ屋さんで、見かけることもあります。
『動物農場』では、民衆を扇動して支配者であった人間を追い払い、動物たちが自治政府を構築するのですが、内紛が絶えず、結果独裁者が現れて、反対派を皆殺しにする粛清が行われます。
こうした展開は、題材となったソ連のみならず、かつてのフランス革命でも起きていますし、China共産党が政権を取ったあとにも、また韓国が成立した頃の李承晩も、同じことをしていますし、歴史を振り返ってみれば、世界の歴史の中に登場する王国の多くが、実はまったく同じ展開となっていることに気付きます。
なぜそのようなことになるのかといえば、現在の政権が気に入らないからと、武力を用いて新たな政権を築いたとしても、武力で奪った政権は、武力が強い者が政権を担うということを歴史にしてしまっているわけです。
ですから、より強い武力を持つ者が現れれば、それによって滅ぼされる。
はじめの一歩が、政権の運命を決定づけてしまうのです。
これが歴史の流れです。
ということは、たとえば不正な選挙で一国のトップが生まれれば、そのトップの座は、それ以上の不正によって、守られるか、交代させられるかといった事が起きるわけです。
トランプさんの場合、前回の選挙で、もともと大統領になろうとして出馬したわけではなく、根性なし(英語だとチキン)に成り下がってしまっていた共和党の候補が気に入らなくて、あるいは米国の状態が気に入らなくて、もう歳だし、この際、大統領選に出馬して言いたい放題言ってやろう!と思って出馬したら、なんと、あれよあれよという間に、他の共和党の候補を出し抜き、オバマ前大統領さえも破るという大番狂わせで、大統領になりました。
だから、この際、米国内にはびこる不正や不条理を徹底的に叩いてやろうと思ったら、なんと驚くべきことに、米国内では、中共の共産邪霊がはびこり、選挙まで不正が行われ、米国の民主主義は地に堕ちていたことがわかった。
だから二年前から、次の選挙に向けて、着々と手を打ってきて、今回、やりたい放題をその連中にやらせたうえで、それらを一気に叩き潰そうとしているのが、いまの情況と言われています。
実は、共産主義のいかがわしさと、資本主義のいかがわしさには、共通点があります。
それは、限られたごく一部のウルトラ大金持ちが、その他大勢の民衆を白痴化させてさらに大儲けを企(たくら)むというものです。
この場合、民衆は常に貧困というストレスにさらされますが、そこにごく僅かなお金を流してあげることで、さらに多くのお金を民衆がウルトラ大金持ちに貢(みつ)ぐようにするというのが、その基本的な仕組みです。
これに対し、古くからの日本のシステムは、上に立つ者は無私でなければならず、民衆の幸せこそが国の幸せとするものです。
これを古い用語で「シラス(知らす、Shirasu)」といいます。
最近の日本では、シラスは学校で全く教えられないため、誰も知らない用語になってしまっていますが、戦前戦中までは、大日本帝国憲法を学校で習うとき、その第一条の
大日本帝国は万世一系の天皇これを統治す
の「統治」のところを「スメラヒ、シラス」と読みましたから、では「スメラフ」とは何か、「シラス」とは何かということを、小学校の高学年くらいで、誰もが学び、この用語が日本の常識語になっていました。
古代史や中世史、近世史に限らず、黒船以来の日本の近代史においても、このシラスという概念は、我が国の歴史を通底するたいへん重要な用語となっています。
日本は、嘉永六年(1853年)の黒船来航以来、欧米列強に追いつき追い越せの富国強兵政策を行い、88年後の昭和16年には、世界の植民地支配を相手にたいへんな戦争を戦いましたが、この結果何が起こったのかといえば、世界から、植民地支配が無くなりました。
これは実に画期的なことといえます。
なにしろ500年続いた植民地支配が終わったのです。
これはすごいことです。
ところが、実はもうすこし深い歪(ゆが)みが世界には残っていました。
それが『動物農場』が示す、一部の人たちによる搾取と、闘争による支配という不条理です。
先日も書きましたが、ラビ・バトラ氏に言わせると、資本の時代の後には戦士の時代がやってくるのだそうですが、大航海時代からはじまる600年は、まさに資本の時代であったといえます。
これは、資本が世界を動かし、資本にぶら下がることで人々は生活の安定や富を得ようとしてきた時代です。
ところが何年か前から、その資本の時代にほころびが現れてきました。
つまり世界は戦士の時代へと突入したのです。
たとえば米大統領選挙では、中共という巨大国家と、それと深い関係を持ったGAFA《米国のグーグル(Google)、アマゾン(Amazon)、フェイスブック(Facebook)、アップル(Apple)の4社の総称》、そして二大政党のひとつである民主党という巨大勢力に、パウエルさんという女性弁護士が、たったひとりで戦いを挑んでいます。
その戦いは世界の注目の的(まと)になり、そして戦いはむしろパウエル弁護士に有利な展開になろうとしています。
つまり、戦士が世界を変える力を持つ。
そういう時代に入ろうとしているのです。
そうした戦士が理想としている社会の構図は、では、いったいどこにあるのか。
その理想とは、民衆が豊かに安全に安心して暮らせる社会です。
そしてそれは、間違いなく、古い昔の日本に実存します。
ここが核心です。脊椎(せきつい)動物にとっての脊椎です。
脊椎がなければ、脊椎動物は成り立ちえません。
同様に、この核心《それはひとことでいえばシラスということですが》を持たなければ、人類社会の理想の未来はやってこない。
つまり日本には、世界が理想として求めるもののすべてがある、ということです。
私達が私達の国の歴史を知ることは、世界の未来を知ることにつながるのです。
お読みいただき、ありがとうございました。
歴史を学ぶことでネガティブをポジティブに 小名木善行でした。
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コメント
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馬◯渕睦◯夫が胡散臭くなる。
鈴木宗男は言うまでもない。かと言って、
ウクライナ出身の日本ビジネス保守である、
アンドリーコンビも胡散臭い。
ねず先生、私は欧州情勢は複雑怪奇になりたくない。
もっと教授してくださいな…。
以上
2020/12/24 URL 編集
koukenz
1945(昭和20)年8月12日朝鮮半島北部興南で原子爆弾実験に成功しました。
ソ連軍は核インフラと科学者を強奪す、4年後に核実験成功させました。
台湾が欲しかった毛沢東が参戦したのは”核”の誘惑だと思っています。
出来ましたなら、この史実を精査の上、「満州インフラのみならず半島からも”核”強奪!」を付け加えていただければと思います。
2020/12/20 URL 編集
古格
2020/12/20 URL 編集