彼を是し我を非し、我を是し彼を非す



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世界がそのまた次に求めるのは、不正の反対、つまり公正です。
そして世界で唯一、歴史を通じて世界に対して公正であり続けた国は、日本だけです。
つまり、日本の時代が、すぐそこまでやってきています。
問題は、その日本に住む日本人が、ただただ「正しいか、間違っているのか」と、小学生の宿題プリントの採点の意識から、いまだ抜け出せていないこと。
いつまでも、小学生ではいられないのです。
日本は、いま、変わろうとしています。

20210216 聖徳太子
画像出所=https://toyokeizai.net/articles/-/118796?page=2
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歴史を学ぶことでネガティブをポジティブに
小名木善行です。

聖徳太子の十七条憲法の第十条に、次の言葉があります。

 ひとにはたれも こころあり   人皆有心
 おのがこころに まもりあり   心各有執
 かれをぜし   われをひし   彼是則我非
 われをぜし   かれをひす   我是則彼非
 われかならずも きよからず   我必非聖
 かれかならずも ぐにあらず   彼必非愚
 ぜひのことわり よくさだむべき 是非之理能可定
 あひともに   けんぐなり   相共賢愚
 たまきのごとく はしはなし   如鐶无端

現代語に訳すと、次のようになります。

「人には誰にでも、思うところや心があります。
 そして心には、誰にでも何がしかの執着があります。
 そんななかにあって、
 彼が正しくて、俺が間違っている、
 俺が正しくて、あいつが間違っているなどと言い合っても、
 自分が必ずしも聖(きよ)いわけではありませんし、
 彼がかならずしも、バカ者ということでもありません。
 だいたい何がただしくて、何が間違っているのかなど
 誰が定めるというのでしょうか。
 人は、ともにかしこくもあり、またおろかでもあるのです。
 結局のところ、良いも悪いも、正しいも正しくないも、
 まるで環のように、端がないのです。」


よく、「正しい○○」とか、「間違った○○」などといった言葉を耳にします。
商業的には、これは認知不協和で人目をひくキャッチ・コピーで、聞いた人はびっくりしたり、「なんだろう?」と疑問に思ったりしますから、とても上手なものなのだと思います。


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けれど実際には、何が正しくて、何が間違っているのかなど、互いにひとつの物事を別な角度から見ているだけのことです。

円錐は、真横から見たら三角です。
真上から見たら円形です。
これを互いに「三角だ、円だ」と言い合う。
しまいに感情的に、対立しあい、闘争に発展し、ゲバルト(暴力)まで行わる。
馬鹿げています。
実は、「三角だ、円だ」と言い合っている限り、永遠に真実にたどり着けないのです。

学校であれば、テストの答案に、正しい、間違っているは、これははっきりと存在します。
ただし、テストというのは、出題する側には、答えがあらかじめ明確に定まっています。

しかし実社会では、あらかじめ定まった答えというものは存在しません。
議論になれば、どちらが正しくて論理的かよりも、声の大きいほうが勝ったりするし(笑)、停まらなければならないはずの赤信号だって、みんなで渡ればこわくない(笑)。

いま騒がれている世界の金融支配にしたところで、もし、自分が金融マンなら、会社を儲けさせるのが仕事です。
それによって、戦争が起き、どれだけの人命が失われようが、会社にとっては儲かれば勝ちだし、会社を儲けさせた金融マンは当然高評価となって、特に海外企業の場合ですと、給料が劇的にあがり、人生の成功者となります。
もしかするとゴーンさんみたいに、年収○十億円になるかもしれない。

正しいか間違っているかではなく、それが現実です。

刑事事件にしても、なるほど殺人を犯せば、刑法199条「人を殺した者は、死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処する。」という条文によって、殺人罪に問われることになります。
けれど、娘を乱暴されて殺害された父親が、犯人を殺害することは是か非か。
このことをテーマにした東野圭吾の小説『さまよう刃』は、寺尾聰主演で同名で映画化されました。
衝撃作であったように思います。

そこまでシリアスな問題でなくても、日々目の前に立ちふさがるさまざまな問題や課題、あるいはいま世の中に起こっていることなど、それらすべては、学校のテストの答案用紙のように、「○かバツか」とか「正しいか間違っているか」など、実は《あえて言うなら》「何の意味もない」のではないかと思います。

大切なことは、どちらが正しいかではなく、どちらもが正しいと主張していることを相互に「むすんだ」先にある。
正しい答えは、Aにあるのか、Bにあるのかではなく、AとBを結んだ先にあるのだと思います。

A 顧客は画面の大きなテレビを求めている。
B 顧客は美しい映像のテレビを求めている。
C 顧客は価格の安いテレビを求めている。

どれが正しい答えでしょうか。
どれが間違った答えでしょうか。
もし、会社の商品企画会議で、A案、B案、C案が、互いに自分だけが正しいと言い張り、互いを間違っている、愚かだと罵りあったら、それで良い商品はできるのでしょうか。

むしろこの三者を結び合わせることで、三者に共通することはなにかと考えてみる。
すると、顧客が求めているのは、もしかすると「手軽さと没入感」であるのかもしれないという仮説が成り立ちます。
そうであれば、音声の抜群にきれいなVRゴーグルで、4Kや8Kレベルの映像で低価格なモデルが新商品になるかもしれません。

要するに、あれが正しい、これが間違っているというドグマに終始するのは、学生どまりの思考でしかないのです。
大人であり、社会人であれば、異なる議論を結びつけて、新たなステージを開拓する。
それが、新しい時代に求められる姿勢です。

歴史認識も同じです。
こっちが「正しい歴史」で、あっちが「間違った歴史だ」と言ったところで、その時代を観てきた人はいないのです。
信長は本能寺で亡くなったことになっていますが、実は生きていたという説があります。
西郷隆盛もまた、西南戦争で亡くなったことになっていますが、実は生きていたという話がある。
最近では、ケネディ大統領や、マイケル・ジャクソンが実は生きていたなどという話もあります。
何が本当のことなのかは、実は当事者でなければわからないことが多々あります。
だから大切なことは、「これが真実だ、これが正しい歴史だ」と口角泡を飛ばすことではなく、その歴史から我々自身が、何を学び、自分の人生にその歴史をどう活かすかにあります。

小中高生なら、「正しい答え」を答案用紙に書かなければ、点をもらえません。
しかし社会人に求められるのは、「正しい答え」ではなく、「結果を築く力」です。
いくら「正しい答え」をたくさん知っていても、結果が出せなければ、社会人としては、ただの「やくたたず」なのです。

世界はいま、大きく変わろうとしています。
米国大棟梁選挙(あえて伏せ字にしています)にコロナ騒動。
この2つの大騒動によって、世界は、巨大な経済集団が、自分たちの利益のためにだけ公然と不正をはたらくものであるということを、明確に認識してしまいました。
不正競争なら、勝つのは寅さんでもなければ売電さんでもない。
より悪質な中凶が勝利者となります。
目下その方向に世界は向かっている。
けれど、その勝利は、世界中から猛反発を被ることになります。
なぜなら世界はバカではないからです。

そうすると、世界がそのまた次に求めるのは、不正の反対、つまり公正です。
そして世界で唯一、歴史を通じて世界に対して公正であり続けた国は、日本だけです。
つまり、日本の時代が、すぐそこまでやってきています。

問題は、その日本に住む日本人が、ただただ「正しいか、間違っているのか」と、小学生の宿題プリントの採点の意識から、いまだ抜け出せていないこと。
いつまでも、小学生ではいられないのです。
日本は、いま、変わろうとしています。


お読みいただき、ありがとうございました。
歴史を学ぶことでネガティブをポジティブに
小名木善行でした。


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かず

ねずさん、ペルシャの神秘家とも呼ばれる詩人、Rumiの言葉にも Out beyond the idea of right doing and wrong doing, there is a field. I meet you there. 云うものが有ります。 私のモットーの一つです。
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ねずさんのプロフィール

小名木善行(おなぎぜんこう)

Author:小名木善行(おなぎぜんこう)
連絡先: info@musubi-ac.com
昭和31年1月生まれ
国司啓蒙家
静岡県浜松市出身。上場信販会社を経て現在は執筆活動を中心に、私塾である「倭塾」を運営。
ブログ「ねずさんの学ぼう日本」を毎日配信。Youtubeの「むすび大学」では、100万再生の動画他、1年でチャンネル登録者数を25万人越えにしている。
他にCGS「目からウロコシリーズ」、ひらめきTV「明治150年 真の日本の姿シリーズ」など多数の動画あり。

《著書》 日本図書館協会推薦『ねずさんの日本の心で読み解く百人一首』、『ねずさんと語る古事記1~3巻』、『ねずさんの奇跡の国 日本がわかる万葉集』、『ねずさんの世界に誇る覚醒と繁栄を解く日本書紀』、『ねずさんの知っておきたい日本のすごい秘密』、『日本建国史』、『庶民の日本史』、『金融経済の裏側』、『子供たちに伝えたい 美しき日本人たち』その他執筆多数。

《動画》 「むすび大学シリーズ」、「ゆにわ塾シリーズ」「CGS目からウロコの日本の歴史シリーズ」、「明治150年 真の日本の姿シリーズ」、「優しい子を育てる小名木塾シリーズ」など多数。

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