伝統的価値観に基づく正義の認識の常識化という選択



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すでに戦後体制の弱化は、日本人の誰もが知る問題となっています。
あとは、堂々と、「生花でなくちゃダメだよね」といえるだけのもの、つまり日本的精神性を復活すること。そうすれば日本は間違いなく良くなります。それこそがまさに御神意であり、歴史を通じた全人類の願いです。

クレイフラワー
20210309 クレイフラワー
画像出所=https://precious.jp/articles/-/19842
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小名木善行です。

それなりのホテルのフロントホールに飾ってある生花。
美しいものですね。
多くの国では、ビルやホテルのロビーに生花を飾りますが、それらは必ず生きた花を用います。
とりわけ日本では、そもそも華道に造花を使うという発想自体がまったくありません。

ところがお隣のSouth Koreaでは、ビルやホテルのロビーに飾られた豪華絢爛な花は、ことごとく造花です。
造花を使うという発想は、経済的合理性を考えれば、もっともな結論です。
生花よりもお金がかからないし、手間いらずで、水を取り替える必要もない。
土がこぼれる心配もなく、それでいて見た目は豪華絢爛です。
必要なら、花の香りを添えることも、香料を用いることで可能です。
しかも経費が、生花と比べて圧倒的に安く上がります。
経済的合理性と見た目の美しさだけを考えるなら、おそらく造花一択でしょう。

では、なぜ日本をはじめとした多くの国では、生花を用いるのでしょうか。
それが日本だけなら、たとえば「日本人には生花の美しさを一瞬の形状にとどめたものを美しいとする。これをワビ・サビなどと言う」などと、もっともらしい理由付けも可能でしょう。
けれど西欧をはじめ、米国などの新興国においても、ホテルのロビーは、やはり生花なのです。
それらはワビ・サビの精神なのでしょうか。

実はここに伝統的価値観が影響しているといえます。


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造花の歴史は古く、いまから3千年前くらいには、すでに造花が造られていたことが、チャイナの三星堆遺跡などから確認されています。
我が国では正倉院に1300年前の蓮の花の造花が保存されています。
こうした昔の造花は、木や金属で造られていましたから、本物の花と比べたら、その美しさは比較になりません。

造花がもっと柔らかな素材で造られるようになったのは、この100年くらいで、最初は香港フラワーと呼ばれるビニール製の造花が流行りました。
しかし、どうみても、これは安っぽい。

それがシルクやポリエステルを使うことで、いくらか見栄えがよくなったのが実は戦後のことですが、近づくと、やはり見るからに造花で、生花のもつなめらかさや、やわらかさまでは真似できないものになっていました。

これが改善されたのが、クレイフラワー(トップの写真)が登場してからで、7色の粘土と針金を用いて、ほんものの花と見間違えるほど完成度の高い造花がつくられるようになったのが、わずか半世紀ほど前のことです。

つまり、クレイフラワーが登場する前までは、大切なお客様を歓迎するロビーの花は、生花でなければお客様から「バカにするな」と叱られてしまうほどのものであったわけです。
ですから昔から、ホテルや旅館のロビーに飾る花は、これは生花しか考えられなかったし、すくなくとも100年以上の歴史のある国や、企業においては、ロビーの花は生花以外、伝統的に考えられないものであったわけです。

ところが、歴史を持たず、あるいは過去の歴史を全否定して葬り去って、かつ100年未満の歴史しか無い国や、そういう国に新しくできたホテルにおいては、生花以上に見た目が美しいクレイフラワーの方が、手間も経費もかからないから「合理的」なのです。

けれど、多くの国の人々は、これは日本人も含めて、いくら見た目が美しくても(香りまで付けられていたとしても)、造花とわかった瞬間に、「なんだ、造花か」と、言葉は悪いですが「客をなめてる」、あるいは「残念だ」と感じてしまうことになります。

ここに歴史伝統文化による、価値観の違いがあります。
過去を持たない(意図的に消し去ろうとしている)新興国では、見た目が良くて経費がかからないことが正しい判断です。
古い歴史を持つ国では、どんなに見た目がよくて経費がかからなかったとしても、ロビーに飾る花は生花でなければならないのです。
なぜなら、昔から、ロビーの花は生花と決まっているからです。

この「昔から決まっていることが正しい」という判断基準のことを、「権威」といいます。
ですから「権威」は、古いものほど価値を持ちます。
『なんでも鑑定団』と同じです。
古くて良いものが、価値あるもの、なのです。

逆にいえば、古いものを否定してしまったら、権威が失われます。
つまりこれは「価値観の喪失」です。
人々が価値観を喪失すると、喜ぶのは「権力」です。
なぜなら「権力」にとっての最大の敵が「価値観」、すなわち「権威」だからです。
「権威」は「正義」でもあります。
そして「権力」にとっての最大の敵であり脅威となるものが、「正義」です。

伝統的価値観に基づく「権威」という名の「正義」が失われれば、残るのは人々を支配し隷属させることができる「権力」だけです。
つまり「力こそが正義」になります。
こうなれば、力を持たないものが何を言っても、それは「たわごと」でしかないし、蟷螂の斧になります。

このように考えると、権力が間違った方向に進んだとき、それを間違っているとして、打ち倒すことができるものは、次の3つだけになるとわかります。

1 既存の権力そのものが何らかの事由によって弱体化する
2 既存の権力よりも強大な権力が打ち立てられる
3 伝統的価値観に基づく正義の認識が普及する。

チャイナの王朝の交替(つまり易姓革命)は、疫病の蔓延によって人口が激減し、1が起こり、2が既存の王朝に取って代わるという現象によって起きています。
この場合、疫病と戦乱という二つの事由に基づく大量死が、前提になります。

我が国の権力の交替は、1と3によって形成されてきました。
そしてこの場合、大量死は必要なく、世の中の必要が、伝統的価値観によって、既存の社会システムの変更を求めるという形で政権交代が実現しています。

日本を変えよう、日本をもっと良い国にしていこう、日本を取り戻そう。
このように考え、それを実現するためには、
Aタイプ 上の1と2の組み合わせを選択するのか、
Bタイプ 上の1と3の組み合わせを選択するのか、
これは大きな問題です。
なぜなら、Aタイプを選択するなら、そこには大量死が待っているからです。

Bタイプを選択するなら、そこで必要なことは、あらためて我が国における伝統的価値観とは何かを、掘り起こし、普及し、常識化していくことが必要になります。

すでに戦後体制の弱化は、日本人の誰もが知る問題となっています。
あとは、堂々と、「生花でなくちゃダメだよね」といえるだけのものを復活させたとき、日本は間違いなく変わる。
ここで短気を起こして、Aタイプを選択してはならない。
そのように個人的に思っています。


お読みいただき、ありがとうございました。
歴史を学ぶことでネガティブをポジティブに
小名木善行でした。


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小名木善行(おなぎぜんこう)

Author:小名木善行(おなぎぜんこう)
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昭和31年1月生まれ
国司啓蒙家
静岡県浜松市出身。上場信販会社を経て現在は執筆活動を中心に、私塾である「倭塾」を運営。
ブログ「ねずさんの学ぼう日本」を毎日配信。Youtubeの「むすび大学」では、100万再生の動画他、1年でチャンネル登録者数を25万人越えにしている。
他にCGS「目からウロコシリーズ」、ひらめきTV「明治150年 真の日本の姿シリーズ」など多数の動画あり。

《著書》 日本図書館協会推薦『ねずさんの日本の心で読み解く百人一首』、『ねずさんと語る古事記1~3巻』、『ねずさんの奇跡の国 日本がわかる万葉集』、『ねずさんの世界に誇る覚醒と繁栄を解く日本書紀』、『ねずさんの知っておきたい日本のすごい秘密』、『日本建国史』、『庶民の日本史』、『金融経済の裏側』、『子供たちに伝えたい 美しき日本人たち』その他執筆多数。

《動画》 「むすび大学シリーズ」、「ゆにわ塾シリーズ」「CGS目からウロコの日本の歴史シリーズ」、「明治150年 真の日本の姿シリーズ」、「優しい子を育てる小名木塾シリーズ」など多数。

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