十七条憲法第三条「承詔必謹」



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みんなにはかり、みんなで決め、決まったら、みんなで実行し、四の五のと途中で文句は言わない。決められたことは途中で投げ出すことなく、きちんと果たしていく。
それは責任感であり、大脳新皮質や肉体の遺伝子が持つ利己的な行動や、いたずらに対立をあおる思想ではなく、ものごとを霊(ひ)で受け止めて自他ともに一体であるとする清陽(すみてあきらか)な思想です。
そういうことを、私達の祖先はたいせつな文化として育んできたのです。

20210401 高天原
画像出所=https://youtu.be/4Mexv3nnBtM
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小名木善行です。

十七条憲法の逐条解説です。
 第一条「以和為貴」https://nezu3344.com/blog-entry-4813.html
 第二条「篤敬三宝」https://nezu3344.com/blog-entry-4818.html
今回が「第三条・承詔必謹」です。

これまでの流れとして、十七条憲法は第一条で先ず「和することを第一として、上下心を合わせてちゃんと議論しなさい」とし、続く第二条で「その議論にあたって仏法僧を敬う心を持とう」と説いていました。
続く第三条は、議論が決まったらどうするか、ということが描かれます。

第三条
《原文》
 三曰
 承詔必謹
 君則天之 臣則地之
 天覆地載 四時順行 万氣得通
 地欲覆天 則致壊耳
 是以
 君言臣承 上行下靡
 故承詔必慎 不謹自敗


《読み下し文》
三にいわく
詔(みことのり)を承(う)けては必ず謹(つつし)め。
君(きみ)をば則(すなわ)ち天(あめ)とし、臣(おみ)をば則ち地(つち)とせよ。
天(あめ)が覆(おお)い、地(つち)が載せて四時(よつのとき)順(めぐ)り行(ゆ)き、万気(よろずのしるし)は通うことを得(え)む。
地(つち)、天(あめ)を覆わんと欲するときは、則ち壊(やぶ)るることを致さむのみ。
ここをもって、君(きみ)言(のたま)えば臣(おみ)承(うけたまわ)り、上(かみ)行なえば下(しも)靡(なび)く。
ゆえに詔(みことのり)を承(う)けては必ず慎(つつし)め。
謹(つつし)まずんばおのずから敗れん。




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《現代語訳》
天皇の「詔(みことのり)」が出されたら、必ず恐れ敬って、気をひきしめて、けっしておろそかにしてはいけません。
天皇は天であり、臣は地であり、天地は常に一体です。
天がすべてを覆い、地がすべてを載(の)せることで、四季が順序どおりに進み、あらゆることに気が通い整うのです。
もし地面が天を覆おうとするなら、あらゆる天地の法則が壊れてしまうことでしょう。
ですから君のお言葉をちょうだいしたときは、臣はつつしんで、これを承らなければなりません。
上が行えば、必ず下は、それになびかなければなりません。
ですから、強く申し上げることは、
「詔(みことのり)を承(う)けては必ず慎(つつし)め」ということです。
もし、慎まないなら、その者は、必ず敗れることでしょう。


《解説》
第一条で、上下心を合わせて大事なことはしっかりと議論すること。
第二条で、その議論にあたっては、仏の心を根底に置くことが述べれられました。
続く第三条は、その議論の結果が出て、それが天皇の詔(みことのり)として発せられた場合のことが述べられています。

まず「詔(みことのり)を承(う)けては必ず謹(つつし)め」とあります。
これは、「天皇の詔(みことのり)が出されたら、必ず恐れ敬って、気をひきしめて、けっしておろそかにしてはいけません」という意味なのですが、西洋的な権利と義務の関係と、だいぶ異なる点があるので、すこし解説します。

我が国では、大事なことは、上下の別なく、みんなでちゃんと議論して、全員一致で決めなさい、ということが、縄文以来の伝統です。
これはいまでも南方の島々で、この形で村の意思決定が行われています。

みんなで議論して意思決定するということは、その決定事項についての結果責任が生じます。
これは、意思決定に基づいて何らかの政策等の実行があったとき、その実行によってもたらされる事態への責任までをも含みます。
結果について、意思決定に参加した全員が共同して連帯責任を取る、ということです。

ですから、もしその決定事項を実施した結果が、死罪にあたるような悪い結果となってしまった場合も、その責任は、意思決定に参加した全員に降りかかります。
そしてケースによって、責任者のみが処罰される場合、あるいは意思決定に際して、特に重要な働きをしたと思われる者が死罪になります。
決定事項には責任が伴うのです。あたりまえのことです。

同時に、いちど意思決定が行われたら、あとになってから「オレはあのとき実は反対だったのだ」などという言い逃れは許されません。
なぜなら、一同の意思として決定された事項は、国家最高権威であられる天皇からの詔(みことのり)となるからです。

そしてひとたび、それが詔となって世に出されたら、たとえ反対意見があったとしても、一切それに異論を挟んではいけません、というのが第三条の趣旨です。
反対意見があるなら、議論の段階で主張すればよいのです。
決めることに参加していながら、決まった後から、決まった内容に異を唱えるのは卑怯卑劣です。
ましてその意思決定事項が、天皇の詔となったときには、臣下は全員、必ず謹(つつし)んで、そして慎(つつし)んで、これを承らなければなりません。

この「つつしむ」ということについて、第三条の原文は「承詔必謹、承詔必慎」と、二度にわたって同じ言葉が出てきます。
「謹」と「慎」の違いは、
「謹」が、恐れ敬まい、気をひきしめて、けっしておろそかにしない、という意味。
「慎」が、謙虚で誠実に、という意味になります。

原文にある「天地」は、それぞれ「天(あめ)」と「地(つち)」と読みます。
中国発の陰陽道などでは、天地はそれぞれ陽と陰であり、互いに対立する二つの軸とされますが、我が国ではこの十七条憲法においても、あるいは日本書紀においても、「天地(あめつち)は一体」という概念を取ります。
日本書紀によれば、はじめに天ができ、次に地ができたけれど、こうして生まれた「天地から最初の神様である国常立命(くにのとこたちのみこと)がお生まれになられた」と書かれています。
つまり、最初の創世神である国常立命は、天地から成っているというのです。

実際、私達の肉体は、地(つち)からできた農作物によってできているし、死んだら誰もが地(つち)に帰ります。
けれどその肉体には、目には見えない天の命が備わっています。
私達の肉体と命は、まさに天地(あめつち)からできているのです。
つまり、天地は一体です。

一体ですが、別なものです。
ですから「天がすべてを覆い、地がすべてを載(の)せることで、四季が順序どおりに進み、あらゆることに気が通い整う」と続きます。
天には天の、地には地の役割があるわけです。
互いがその役割をちゃんと果たすことが、天地自然の法則です。
だから、
「もし地面が天を覆おうとするなら、
 あらゆる天地の法則が壊れてしまうことでしょう。」
と、きわめて当然の続きになっています。

天地自然の法則についてもうひとつ。
天橋道士龍華斎修聖先生のお言葉をご紹介します。
「人の身は先祖、親から受けているが、それは器であり、衣でもあるのじゃ。

 その器に親、神から御魂を頂いて霊止(ひと=人)となるのじゃ。

 肉体は御魂の生き宮じゃ。

 時来れ ば土となり、水に帰るが、御魂は消えず霊界で働くのじゃ。 」

人は「霊止(ひと)」。
これが縄文以来の日本の智慧です。

西洋では、旧約聖書によって、神は「主」です。
主とはオーナーであり、ご主人さまです。
かつて植民地された国々では、支配する側の国のことを宗主国といいますが、これまたご主人さまという意味です。
被植民地の人たちは、全員、ご主人さまの下僕であり、私有物です。
だから隷民と言います。
隷という漢字は、木につながれた動物の象形です。
要するに、ご主人さまによって、鎖で繋がれた奴隷を意味します。

いまD Sと呼ばれる人たちが、世界の主人であることを自覚し、世界の民衆を隷民にしようとしています。
そのような思想のもとでは、「承詔必謹」は、一見すると、支配者(ご主人さま)に、ただ、従え、と述べているかのように見えてしまうかもしれません。

けれど、ここは日本です。
日本では、人は霊止(ひと)であり、その本体である霊(ひ)は、それぞれが神であり、八百万の神々です。
すくなくとも、神々の国である高天原ではそのようになっているのであり、日本は、天照大御神によって、高天原と同じ統治をするようにと命ぜられてできている国と自覚されてきたのが、日本の成り立ちであり、十七条憲法の精神です。

ですから「承詔必謹」は、最高神の依代(よりしろ)である天皇のお言葉に、八百万の神々が必ず従うことと同じ意味になります。
ひとりひとりは、神である霊(ひ)を持つのだから、「承詔必謹」なのです。
ということは、「承詔必謹」しない者は、みずから八百万の神々の一部であることを否定し、あるいはみずからの体に備わった霊(ひ)の存在を否定することになります。
それは、我を優先し、神を否定する行いであり大罪となるのだという思考が、この「承詔必謹」の背景となる思想です。

思想というより、我々日本人にとっては、それこそが真実です。
そういう自覚を共有するのが日本人なのですから、人が作った日本国籍があろうがなかろうが、生まれ育ちが代々日本人であろうがなかろうが、外国に住む外国人であったとしても、霊(ひ)を自覚する者は、日本人ですし、そうでない者は、ガイジンです。
ガイジンとは、人の外、つまり人でない者のことであり、霊(ひ)を否定した人たちのことを言います。

こうした自覚のもと、みんなにはかり、みんなで決め、決まったら、みんなで実行し、四の五のと途中で文句は言わない。
決められたことは途中で投げ出すことなく、きちんと果たしていく。

それは責任感であり、大脳新皮質や肉体の遺伝子が持つ利己的な行動や、いたずらに対立をあおる思想ではなく、ものごとを霊(ひ)で受け止めて自他ともに一体であるとする清陽(すみてあきらか)な思想です。

そういうことを、私達の祖先はたいせつな文化として育んできたのです。



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コメント

湘南童子

畢竟、至言。

『 外国人であったとしても、霊(ひ)を自覚する者は、日本人ですし、そうでない者は、ガイジンです。』
『 ものごとを霊(ひ)で受け止めて自他ともに一体であるとする 』
全く以て其の通りと存じます

日ノ本の大和の天命が完うされますように

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ねずさんのプロフィール

小名木善行(おなぎぜんこう)

Author:小名木善行(おなぎぜんこう)
連絡先: info@musubi-ac.com
昭和31年生まれ。浜松市出身。上場信販会社を経て執筆活動を中心に、私塾である「倭塾」を運営。またインターネット・ブログ「ねずさんの学ぼう日本」を毎日配信。「歴史を学ぶことでネガティブをポジティブに」という理念を掲げ活動する。古事記・日本書紀・万葉集などの原文を丁寧に読み解き、誰にでも納得できる日本論を発信。

《著書》日本図書館協会推薦『ねずさんの日本の心で読み解く百人一首』、『ねずさんと語る古事記1~3巻』、『ねずさんの奇跡の国 日本がわかる万葉集』、『ねずさんの世界に誇る覚醒と繁栄を解く日本書紀』、『ねずさんの知っておきたい日本のすごい秘密』、『日本建国史』、その他執筆多数。

《動画》「むすび大学シリーズ」、「ゆにわ塾シリーズ」「CGS目からウロコの日本の歴史シリーズ」、「明治150年 真の日本の姿シリーズ」、「優しい子を育てる小名木塾シリーズ」など多数。

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