ときに重く濁った気持ちになってしまうのだって、当然です。 なぜなら、それは「もとからあるもの」だからです。 でも同時に私達の中には、清陽(すみてあきらか)なるものが存在します。 清らかで、陽(ほがら)かなものが、ちゃんと内在しているのです。 だからいまは落ち込んでも、次の瞬間には、笑顔でいることもできるのです。 それが人間です。 |

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歴史を学ぶことでネガティブをポジティブに 小名木善行です。
日本書紀の冒頭に「清陽」という文字が見られます。
このように書いて「すみてあきらか」と読みます。
「清(きよ)らか」であることは大切です。
だから、体《身》のよごれなら、お風呂に入って落とします。
同様に魂《霊(ひ)》の穢(けがれ)なら、神社に参拝したり、お祓いをしてもらって、これを祓(はら)います。
けれど日本書紀は「それだけではダメだ」と書いています。
もうひとつ、
「陽」でなければダメだ、と書いているのです。
「陽」という字は、このようにかいて「あきらか」と読み下します。
そして「陽光のように明るい、あたたかい」そして「ほがらか」という意味を持ちます。
つまり日本書紀は、清らかであるだけでなく、ほがらかで陽気なくちゃダメだよ、と書いているわけです。
それが、日本書紀の冒頭、いちばんはじめにかかれています。
いにしへの 古
あめつちいまだ わかれずに 天地未剖
かげあきらかも わかれずに 陰陽不分
とりのこのごと こんとんの 渾沌如鶏子
ひろがるうみに きざしあり 溟涬而含牙
すみてあきらか なるものは 及其清陽者
うすくたなびき あめとなり 薄靡而為天
おもくてにごり たるものは 重濁者
つつひてつちと なりにけり 淹滞而為地
《現代語訳》
大昔、天地がまだ分かれていなくて、陰陽もまた分かれていない混沌としたなかに、ほのかな兆(きざ)しがありました。その兆(きざ)しの中の清陽(すみてあきら)かなものが薄くたなびいて天となり、重くて濁(にご)っているものが、停滞して地(つち)になりました。美しく言いようもなく優れたものは広がりやすく、重くて濁ったものは固まりにくかったため、先に天が生まれ、後に地が定まりました。
▼清陽と重濁から神様は生まれた
日本書紀には古事記のような前文がなく、いきなり本文がはじまります。
その冒頭の言葉が「古天地未剖(いにしへの あめつちいまだ わかれずに)」です。
天地がわかれることに、解剖するときに使う「剖」という字を充てています。
この字は刃物を使って二つに切り裂くことを意味する漢字ですが、その天地はもともと別れてなどいない、陰陽も別れていなかったと日本書紀は記述しています。
よく「日本書紀は中国古来の陰陽道に基づいて書かれた」と言う人がいます。
しかし中国における陰陽思想は、陰陽は対立概念であり二元論です。
しかし日本書紀は、陰陽はそもそも一体だと書いているわけです。
このことは、「日本書紀は陰陽思想ではありませんよ」と、冒頭で宣言しているようなものです。
そこから、清陽と重濁が別れます。
清陽は「すみてあきらか」と読みますが、清らかで、かつ陽気なものです。
それが薄く広がって天になった。
そして重くて濁ったものが下方に固まって地(つち)となったと書いています。
そしてここが大事なのですが、こうしてできあがった「天地」に、最初の神様である国之常立尊(くにのとこたちのみこと)がお化(な)りになります。
そして続けて国狭槌尊(くにのさつちのみこと)、豊斟渟尊(とよくむぬのみこと)がお生まれになられたと書いています。
一般に神様といえば「天にまします清(きよ)らかな御存在」と認識されます。
しかし日本書紀は、そうではなく、「清らかな天」と「重くて濁った地(つち)」で出来た天地に、最初の神様がお化(な)りになられたと書いているのです。
神様の中にも、重くて濁ったものがあるのです。
ましてや我々人間の身は、その重くて濁った地(つち)でできた作物によってできています。
つまり、もともと人の体は、そもそもが重くて濁っているのです。
ですから、ときに重く濁った気持ちになってしまうのだって、当然です。
なぜなら、それは「もとからあるもの」だからです。
でも同時に私達の中には、清陽(すみてあきらか)なるものが存在します。
清らかで、陽(ほがら)かなものが、ちゃんと内在しているのです。
だからいまは落ち込んでも、次の瞬間には、笑顔でいることもできるのです。
それが人間です。
お読みいただき、ありがとうございました。
日本をかっこよく!! むすび大学。
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