日本の多神教と海外の多神教(ポリティスティック・Polytheistic)はまったく異なるもの



第83回 倭塾 5月23日(日)13:30より開催
https://www.facebook.com/events/535392340770225


近年では、英語を話せるようになりたい、ということから、小学校のうちから英語を学ばせようという動きが顕著になっています。
それはそれで良いことだと思いますが、そうであれば、それと並行して、あるいはそれ以上に、日本人としての日本的価値観や、歴史文化伝統をしっかりと子たちに教えることが必要です。
ただ、英語を話せれば、外国人とコミュニケーションがとれると思ったら、大間違いなのです。
なぜなら、文化的背景が異なれば、単語の語彙からして、まったく意味が異なってしまうからです。

20210506 英語教科書
画像出所=https://mana-viva.jp/mana-viva/2020-06-29-english
(画像はクリックすると、お借りした当該画像の元ページに飛ぶようにしています。
画像は単なるイメージで本編とは関係のないものです。)



人気ブログランキング
応援クリックこちらから。いつもありがとうございます。

歴史を学ぶことでネガティブをポジティブに
小名木善行です。

欧米における「神」は、人類とは発生も形態もまったく異なる人類以上の存在であり、人類のオーナー(所有者)です。
たとえばアダムとイブを創造した主は、唯一絶対神であって、単数の神様です。
唯一絶対神は、一柱しかおいでにならないという理解ですから、そこで日本人が、
「いや、日本には神様は八百万もおいでになります」
などと言えば、日本人は気が狂っているとしか思われないし、良く言っても「日本は不思議な国(Strange national )」とか、「不思議の国ニッポン」と思われてしまうのが当然です。

そういう意味では、悪魔もまた、日本人の理解と、欧米の人の理解は異なります。
なぜなら悪魔もまた、人類とは別な存在だからです。
むしろ悪魔は、神の親戚であって、人類にとって善を為す神と、悪事を為す悪魔なのであって、それらは人類とはまったく別な存在です。
すくなくとも、悪魔の持つ、あのガーゴイルのような姿は、人とはまったく別な存在であることを意味します。

多神教という用語もまた、日本的な意味と、欧米のそれとは異なります。
欧米における多神教とは、いわゆる妖精信仰のことであって、木の妖精とか、花の妖精などが、これにあたります。
やはり、人とはまったく異なるものです。

日本では、そのような「人と異なるモノ」のことを、「もののけ」とか、妖怪とか言います。
ですから日本人が、英単語の辞書的な翻訳で不用意に
「日本は多神教の国です」
(Japan is a polytheistic country.)
などと欧米の人に言えば、向こうの人は、なるほど日本人は妖精を信仰しているのだ、と思ってしまいます。
しかしそれは、語感としては、「日本は妖怪信仰の国である」と言っているようなものですから、むしろ日本悪玉論に拍車をかけてしまうことになります。



 最新刊
 
神もまた、西洋のゴッド(GOD)に対し、日本は八百万のGODの国です、などと言えば、やはり西洋の人には、日本人は頭がおかしい、としか思われませんし、だから日本は、良く言えば「不思議の国ニッポン」だし、悪く言えば、キチガイ国家としか思われなくなってしまうわけです。

このことがもたらす意味は重大です。
日本が、単に異教徒と思われるだけでなく、キチガイ国家であると思われてしまう、ということだからです。

そもそも我々日本人にとっては、神々とは、各世帯の共通のご先祖様のことをいいます。
斉藤家、田中家、高橋家、鈴木家といった、それぞれの家のご祖先は、ずっとさかのぼっていけば、400年前の戦国時代くらいまでは、遡ることができます。
ちょっと古い家なら、「我が家は戦国時代の何々の戦いにおいて、勇猛果敢な活躍をし・・・」といった話が、ちゃんと伝わっていたりします。
しかし、それよりも、もっと古い時代、たとえば700年前の鎌倉時代くらいまで時代を遡ると、どの家も、みんな先祖がつながってしまって、日本中のすべての家系は、みんな親戚になってしまいます。

こうしたすべての家系の共通のご先祖のことを、我々日本人は、「我が家のご祖先」と区別して、「神々」と呼びました。
その神々の祖先をさらにずっとさかのぼっていけば、地球そのものの誕生に行きつくし、あるいは宇宙そのものの創生にまで行き着くかもしれない。
だからすべてはつながっている・・・と考えるのが日本人の古くからの概念です。

ですからいまから1700年くらい前に伝わってきた仏教においても、御仏(みほとけ)である大日如来様も、阿弥陀如来様も、日本的理解では、私達と共通の人の祖先であり、偉大な魂であり、人々の幸せを願う存在と理解されました。
要するに神仏習合によって、我が国では仏様も、その多くは人が浄化されて尊い御仏(みほとけ)になったもので、代表的なのがお釈迦様であり、阿弥陀如来様とか、大日如来様もまた、人と異なる存在だけれども、ずっと祖先をたどれば、みんな人とつながっているのだという理解が、日本人の根底にあります。

我々日本人は、特に幕末において、西洋の文物を学ぶために、外国の文献を日本語に翻訳するために、たくさんの用語を新設しました。
たとえば、英語の「Right」を「権利」と訳したりしたわけです。
そこから「人権」などという言葉も生まれました。
「人権」は、人にもともと備わっているもの、というのが、おそらく多くの日本人の理解だと思われますが、ただし英語の「Human rights」にもある「Right」という用語には、「神の御意思に基づく」という語彙があります。

ですから、たとえば悪さをした者が、たとえ人権を口にしたとしても、それは神の御意思に背く行動であったわけですから、当然、処罰の対象となります。
しかし、翻訳語の「人権」には、そこにある肝心の「神の御意思」という概念が欠落しています。
このため、現代日本では「人権」という用語が一人歩きをしてしまっていて、むしろ悪事を是認するかのような使われ方をするに至っています。

福沢諭吉は、西周(にしあまね)らによるこの「権利」の翻訳について、これでは英語の意味がちゃんと伝わらないとして、「Right」はむしろ「通義」と訳すべきだ、などと喝破していますが、まさにその通りとなったものといえます。

要するに、我々日本人は、幕末から明治にかけて、たくさんの欧米の用語を日本に輸入し、これによって明治以降、それまでの日本になかった、まったく新たな日本文化を創生したわけですが、だからといって、そうして形成された日本文化を、単に辞書的な翻訳で、英語やドイツ語に翻訳すると、意味がまったく違って相手に伝わってしまうことは、よくあるわけです。

近年では、英語を話せるようになりたい、ということから、小学校のうちから英語を学ばせようという動きが顕著になっています。
それはそれで良いことだと思いますが、そうであれば、それと並行して、あるいはそれ以上に、日本人としての日本的価値観や、歴史文化伝統をしっかりと子たちに教えることが必要です。

ただ、英語を話せれば、外国人とコミュニケーションがとれると思ったら、大間違いなのです。
なぜなら、文化的背景が異なれば、単語の語彙からして、まったく意味が異なってしまうからです。


お読みいただき、ありがとうございました。
日本をかっこよく!! むすび大学。


人気ブログランキング
↑ ↑
応援クリックありがとうございます。

講演や動画、記事などで有償で活用される場合は、メールでお申し出ください。
nezu3344@gmail.com

 最新刊
 

《塾・講演等の日程》
どなたでもご参加いただけます。
第82回倭塾 4月17日(土)13時〜 富岡八幡宮婚儀殿
第83回倭塾 5月23日(日)13:30〜 富岡八幡宮婚儀殿
第84回倭塾 6月26日(土)13:30〜 富岡八幡宮婚儀殿
第85回倭塾 7月17日(土)13:30〜 富岡八幡宮婚儀殿
靖国神社昇殿参拝 8月14日(土)14:00 靖国神社参集殿
第86回倭塾 9月18日(土)13:30〜 富岡八幡宮婚儀殿



20200401 日本書紀
◆ニュース◆
最新刊『ねずさんの知っておきたい日本のすごい秘密』2020/9/19発売。
『[復刻版]初等科国語 [高学年版]』絶賛発売中!!
『ねずさんの世界に誇る覚醒と繁栄を解く日本書紀』絶賛発売中!!
『ねずさんの奇跡の国 日本がわかる万葉集』絶賛発売中。


『ねずさんのひとりごとメールマガジン』
登録会員募集中 ¥864(税込)/月  初月無料!


             
この記事が気に入ったら
いいね!しよう
\  SNSでみんなに教えよう! /
\  ねずさんの学ぼう日本の最新記事が届くよ! /

あわせて読みたい

こちらもオススメ

コメント

非公開コメント

検索フォーム

ねずさんのプロフィール

小名木善行(おなぎぜんこう)

Author:小名木善行(おなぎぜんこう)
連絡先: info@musubi-ac.com
昭和31年生まれ。浜松市出身。上場信販会社を経て執筆活動を中心に、私塾である「倭塾」を運営。またインターネット・ブログ「ねずさんの学ぼう日本」を毎日配信。「歴史を学ぶことでネガティブをポジティブに」という理念を掲げ活動する。古事記・日本書紀・万葉集などの原文を丁寧に読み解き、誰にでも納得できる日本論を発信。

《著書》日本図書館協会推薦『ねずさんの日本の心で読み解く百人一首』、『ねずさんと語る古事記1~3巻』、『ねずさんの奇跡の国 日本がわかる万葉集』、『ねずさんの世界に誇る覚醒と繁栄を解く日本書紀』、『ねずさんの知っておきたい日本のすごい秘密』、『日本建国史』、その他執筆多数。

《動画》「むすび大学シリーズ」、「ゆにわ塾シリーズ」「CGS目からウロコの日本の歴史シリーズ」、「明治150年 真の日本の姿シリーズ」、「優しい子を育てる小名木塾シリーズ」など多数。

講演のご依頼について

最低3週間程度の余裕をもって、以下のアドレスからメールでお申し込みください。
むすび大学事務局
E-mail info@musubi-ac.com
電話 072-807-7567

スポンサードリンク

カレンダー

08 | 2021/09 | 10
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -

最新記事

*引用・転載・コメントについて

ブログ、SNS、ツイッター、動画や印刷物作成など、多数に公開するに際しては、必ず、当ブログからの転載であること、および記事のURLを付してくださいますようお願いします。
またいただきましたコメントはすべて読ませていただいていますが、個別のご回答は一切しておりません。あしからずご了承ください。

スポンサードリンク

月別アーカイブ

ねずさん(小名木善行)著書

ねずさんメルマガ

ご購読は↓コチラ↓から
ねずブロメルマガ

スポンサードリンク

コメントをくださる皆様へ

基本的にご意見は尊重し、削除も最低限にとどめますが、コメントは互いに尊敬と互譲の心をもってお願いします。汚い言葉遣いや他の人を揶揄するようなコメント、並びに他人への誹謗中傷にあたるコメント、および名無しコメントは、削除しますのであしからず。

スポンサードリンク