事実はひとつ、真実は複数



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ストーリーは、幾通りにも描くことができます。
だから事実はひとつでも、真実はいく通りにも描くことができます。
良い悪いの問題ではなくして、それが世の中の真実です。

20210511 アルピノ孔雀
画像出所=https://www.pinterest.jp/pin/610730399445595902/
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歴史を学ぶことでネガティブをポジティブに
小名木善行です。

何日か前に「真実はひとつしかない」という言葉自体が嘘を含む洗脳用語だと書かせていただきました。
これはその通りで、
 事実はひとつしかないけれど、
 真実は幾通りも存在する
ということが、実は本当のことなのです。

たとえば「源義経=ジンギスカン説」というものがあります。
源義経は、奥州平泉で自害して果てたのではなく、実は生きていて、奥州藤原氏の巨額の黄金と兵を率いて大陸に渡り、猛虎将軍を名乗って北方遊牧民を統一し、彼らのハーン(大王)となって、ユーラシア大陸を席巻した・・・という説です。

なるほどジンギスカンは、中東のアラビア商人のインタビューに答えて、「自分の出身はニホのキョト村であると答えた」といいますし、なぜかジンギスカンの旗印は、モンゴル高原には存在しないはずの源氏笹です。

さらにいえば、モンゴルという族名は、モンゴル語で「勇猛な人」という意味なのだそうだけれど、そのモンゴル族がジンギスカンが登場するまで、どこでどのように遊牧生活を送っていたのか、まったくわからない。そしてどういうわけか、モンゴルという発音は、どうにも日本語の猛虎(もうこ)と同じです。

本当に源義経がジンギスカンになったのか、そうでないのか。
事実はどのどちらかひとつしかありません。
けれど、これが真実だ、という意見は、幾通りも存在します。

もっというなら、記録されている事実は、
・源義経という人物が平泉で死んだという記録がある。
・ジンギスカンという人物がモンゴル帝国を築いた。
という2つしかないのです。

そのとき本当は何が起こったのか、という、この2点以外の様々な見解は、すべて意見でしかありません。
ただし、やっかいなことは、その意見の方が、歴史の真実を言い当てているかもしれない。

本当のことは、タイムマシンが開発されて、その時代を調査に行かなければ、誰にもわからないことです。
我々がいま手にできる事実は、当時記録として書かれた文書と史跡という手がかりだけです。
我々は、その手がかりから、では真実の歴史はどのようであったのかを推論するのです。

このとき推論は推論であって、事実ではありません。
ただし、その推論が、意外と真実を言い当てているかもしれない。
そして「これが歴史の真実だ」という見解は、人によって様々なものがあるわけです。

もっというなら、先の大戦にしても、事実は日本が昭和16年12月8日に、米英仏蘭を相手に戦争を開始し、昭和20年8月15日の玉音放送によって、日本が武力行使を自主的に停止した、ということだけです。
その大戦が、日本の侵略であったのか、欧米の植民地支配を終焉させる正義の戦いであったのか。
これは、事実を、どっちの側面から見るかによって、結論は180度変わります。
つまり、歴史の真実は、さまざまな見方、見解があるのです。

歴史というのは、過去に起きた事実を時系列に沿って合理的かつ再現可能性がMAXになるように、ストーリー化して記述するものです。
簡単にいえば書かれたものが歴史です。

西郷隆盛という人物が、かつてこの世に存在していたことは、様々な史料が証明しています。
それら史料を使って、西郷隆盛の系譜をたどりながら、なぜそのときそのような事件が起きたのかを、合理的かつ再現可能性ができるだけ100%になるように、記述する。
それが歴史です。

つまり歴史とは、時系列に書かれたもののことをいいます。

ただし、年表は歴史のうちに入りません。
なぜなら、なぜそうなったのかが、年表だけではわからないからです。
そこには筋書き(ストーリー)が要ります。

ストーリーは、幾通りにも描くことができます。
だから事実はひとつでも、真実はいく通りにも描くことができます。
良い悪いの問題ではなくして、それが世の中の真実です。


お読みいただき、ありがとうございました。
日本をかっこよく!! むすび大学。


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小名木善行(おなぎぜんこう)

Author:小名木善行(おなぎぜんこう)
連絡先: info@musubi-ac.com
昭和31年生まれ。浜松市出身。上場信販会社を経て執筆活動を中心に、私塾である「倭塾」を運営。またインターネット・ブログ「ねずさんの学ぼう日本」を毎日配信。「歴史を学ぶことでネガティブをポジティブに」という理念を掲げ活動する。古事記・日本書紀・万葉集などの原文を丁寧に読み解き、誰にでも納得できる日本論を発信。

《著書》日本図書館協会推薦『ねずさんの日本の心で読み解く百人一首』、『ねずさんと語る古事記1~3巻』、『ねずさんの奇跡の国 日本がわかる万葉集』、『ねずさんの世界に誇る覚醒と繁栄を解く日本書紀』、『ねずさんの知っておきたい日本のすごい秘密』、『日本建国史』、その他執筆多数。

《動画》「むすび大学シリーズ」、「ゆにわ塾シリーズ」「CGS目からウロコの日本の歴史シリーズ」、「明治150年 真の日本の姿シリーズ」、「優しい子を育てる小名木塾シリーズ」など多数。

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