「この国」ではなく「わが国」



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日本列島は龍の形をしています。
私達日本人が日本のことを「この国」と呼べば、龍は他人事になります。
私達日本人が日本のことを「わが国」と呼べば、龍は我が命(いのち)の一部となります。
これはとても大事なことです。

20210616 日本列島龍
画像出所=https://fusui-fudosan.jp/column/knowledge/2016/06/%E9%BE%8D%E3%81%AE%E5%BD%A2%E3%82%92%E3%81%97%E3%81%9F%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%88%97%E5%B3%B6%E3%80%82/
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歴史を学ぶことでネガティブをポジティブに
小名木善行です。

戦後のGHQが仕掛け、朝日が普及したた悪しき日本語の代表的な言葉に、
「この国」
という呼称があります。
これは、私達現代人と、わが国を築いてきてくださったご祖先との絆(きずな)を断ち切る、たいへんに悪しき言葉です。

GHQに多くいた、そして戦後の日本で、なかば天下をとったような気でいた左翼主義者にとっては「この国」です。
なぜなら彼らの思想の基礎をなす共産主義史観は、いわば文明進化論ともいうべきものであり、過去は現在よりも常に「遅れている」というものだからです。

どうしてそのような思想になるかは、きわめて単純明快です。
マルクスの書いた共産主義史観が、マルクスの生前当時にあっては、「もっとも新しい思想」であったからです。
ですから古代ギリシャ・ローマ以来の伝統的権威や、ルネッサンス運動、近代市民革命における自由博愛平等思想などは、マルクス以前の遅れた思想であり、すべて、カビが生えた過去の遺物であって、新しく生まれた共産主義思想のみが正しいとされたのです。

けれども、常に「新しい思想」が「正しい」というのなら、オウム真理教の麻原思想は、すくなくともマルクスよりも新しいのですから、マルクス思想を越えた「正しい」思想ということになります。
これはまったくもっておかしな思想です。

こうしたおかしな思想背景の上に立つ左翼主義者が戦後の日本で説いた思想が、「八月革命論」です。
これは日本が先の大戦で破れたあと、まったく別な国に生まれ変わった・・・つまり大戦前の日本と、大戦後の日本は、まったく別な国である、とする思想です。



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そしてこの思想のもとで、当時よく使われた言葉が、
「古い衣(ころも)を脱ぎ捨てよう」
というものでした。
大戦前、あるいは大戦中にわが国に存在した思想や宗教の全ては古い衣であって、これからは「新しい思想」でなければならない。
そしてその新しい思想というのは、共産主義思想に基づき、あらゆるものごとを対立させ、対立しているものどうしが闘争し、闘争に勝利した者だけが(なぜか両班(やんばん)となって)日本中の利益を独占するのだ、という、特定の人たちにだけ都合の良い、あまりにも馬鹿げた思想でした。

そしてその思想のもとに提唱されたのが、自分たちの祖国を、日本人自身が「この国」と呼ぶことでした。
「この国」という言葉に、祖国への愛はありません。
国で起きる様々な出来事は、すべて所詮は他人事。
ですから『女工哀史』や、『野麦峠』のような、現実には存在しない悲惨が戦前戦中の日本にあったとし、また戦時中の悲惨ばかりが強調されました。

日本人が日本国への愛を失えば、日本で起きるすべてのできごとは、我が事ではなく、他人事になります。
そしてすべての日本人の紐帯が切れ、ひとりひとりが個人としてバラバラになれば、日本を解体することはきわめて容易になるとされたのです。
つまり、「八月革命論」を成就し、日本に住むごく一部の左翼主義者たちだけが、働き者の日本人を使役することで、自分たちだけの贅沢な暮らしを手に入れる。

その贅沢というのは、豪邸に高価な外車、そしてどこに行くにもゾロゾロと大勢の人がついて回る。
そして常に、そのなかのひとりだけが、贅沢を独占する。
まるで、どこかの国のアマチュア・○クシング協会の終身会長のような生活、昔の半島貴族の両班のような暮らしこそが、「八月革命」によって達成された新しい日本という形にされたわけです。

きわめて馬鹿げた話ですが、そうした思想の延長線上に「この国」という用語がある、ということを、私達は、あらためて考える必要があります。

日本人は、縄文以来1万7千年の間、武器を用いて人が人を殺すという文化を否定してきたという歴史を持ちます。
そして亡くなったご祖先は、すべてイエの、ムラの、クニの守り神となって、私達を見守ってくれている。
そしてそのご祖先たちが、道路を造ってくださったり、橋をかけてくれたり、上下水道を、いまよりもずっと(それこそオクレた)道具しかないなかで、生活を少しでも良いものにしていこう、そうすることで子や孫たちが、いまよりすこしでも安全で安心で豊かな暮らしができるようにと、苦労と努力を重ねてきてくださった結果、いまの私達の暮らしがあると考えてきました。

歴史に登場する多くの外国の国では、王侯貴族だけが贅沢三昧な暮らしをし、庶民は常に食うや食わずの生活で、なかには自分の妻や子を食べてようやく露命をつないできたという歴史を持ちます。
自国の歴史に、正面から向き合うのが、あまりにもおそろしく、あまりにも理不尽で、あまりにも無様で、あまりにも哀しすぎる。
だから、歴史をお花畑のファンタジーにしなければならないという国や民族も、世界にはあります。

けれどわが国は、調べれば調べるほど、知れば知るほど、なんと祖先たちは、先輩たちは愛情深く、しっかりと、責任をもって、どこに出しても恥ずかしくない、立派な生涯を送ってきたという歴史を持ちます。
だからこそ、我々にとって、わが国の歴史も、今日のわが国も、すべて「この国」ではなく、「わが国」なのです。

さらにいえば「この国」という言葉は、自国の政治に対しても、「所詮は政治家が行う他人事」にしてしまいます。
冷静になって考えれば、それはとんでもないことです。
なぜなら国というのは、国民の共同体だからです。

たとえば自分の会社の経営陣が、馬鹿ばかりで、内紛ばかりしていて、現実の経営を顧みず、自己の利益ばかりを求めていたら、そのような会社は潰れてしまいます。
みんなのために、みんなでがんばる。自分もがんばるからこそ、全体がうまくいくのだし、その全体が、「最低の努力で最大の成果を得ることができるようにしていく」のが、経営の役割です。

国における政治の役割も、これと同じです。
国民が、最低の努力で、最高の幸せと、平和と、豊かさと、繁栄と、安全と、安心を得られるようにしていくのが、政治の役割であり、それを実現するのが政治家の責任です。
それが他所の国ではなく、「わが国」のことであれば、国民にとって、それは重大事です。

しかし「この国」という用語に込められた、他人事なら、政治家が、あるいは行政が、国民生活をまったくかえりみなかったとしても、それは所詮は他人事です。

それで良いのでしょうか。

「この国」という用語は、司馬遼太郎が連載した「この国のかたち」によって、多くの日本人にとっての現代の常識語になっています。
司馬遼太郎は好きな作家ですし、作品は、ほとんどすべて読んでいますが、「この国」という言葉だけは、いただけません。

「この国」ではなく、「わが国」。

これは、ただの言い方の問題ではなく、もっとはるかに深い問題をはらんだことであると思います。

日本列島は龍の形をしています。
私達日本人が日本のことを「この国」と呼べば、龍は他人事になります。
私達日本人が日本のことを「わが国」と呼べば、龍は我が命(いのち)の一部となります。
これはとても大事なことです。


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コメント

湘南童子

当該作家について

名前の由来が文字通りであるならば
うつけモノでありましょうか



日ノ本の大和の天命が完うされますように

kaminari

残念ながら
私も竜馬が行くとか坂の上の雲は何度も読みました。遺書というか産経新聞に掲載された子供たちに伝える書を読んで、やはり「この国」というのが気になったことを思いだしました。
乃木将軍や伊地知参謀を貶めたことも許せない思いです。

tbsasahinhk

司馬遼太郎は”この国”を貶めた張本人である!
 いつも貴重なお話を披露していただいて感謝しております。

 司馬氏は、半藤一利氏らとともに、戦後日本でGHQ戦後政策、東京裁判史観を全国民に徹底させた重罪犯人と私は考えています。

 読むに興味深く面白いのですが、その行間に巧みに旧日本の悪いところを誇張して贖罪意識を高揚させてきた反日作家だと断定したいと思っています。

 ”この国”という言葉を広めた最初の作家だと私はずっと確信しております。
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ねずさんのプロフィール

小名木善行(おなぎぜんこう)

Author:小名木善行(おなぎぜんこう)
連絡先: info@musubi-ac.com
昭和31年1月生まれ
国司啓蒙家
静岡県浜松市出身。上場信販会社を経て現在は執筆活動を中心に、私塾である「倭塾」を運営。
ブログ「ねずさんの学ぼう日本」を毎日配信。Youtubeの「むすび大学」では、100万再生の動画他、1年でチャンネル登録者数を25万人越えにしている。
他にCGS「目からウロコシリーズ」、ひらめきTV「明治150年 真の日本の姿シリーズ」など多数の動画あり。

《著書》 日本図書館協会推薦『ねずさんの日本の心で読み解く百人一首』、『ねずさんと語る古事記1~3巻』、『ねずさんの奇跡の国 日本がわかる万葉集』、『ねずさんの世界に誇る覚醒と繁栄を解く日本書紀』、『ねずさんの知っておきたい日本のすごい秘密』、『日本建国史』、『庶民の日本史』、『金融経済の裏側』、『子供たちに伝えたい 美しき日本人たち』その他執筆多数。

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