勇気を語り継ぐ



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現代を生きる我々と同じ血を持つ先達たちの勇気を、戦いを、私達はしっかりと語り継いで行かなければならないと思います。
なぜなら、日本人の勇気を語り継げるのは、日本人だけだからです。

テルモピュライの戦いのレオニダス王
20200830 テルモピュライの戦いのレオニダス王



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歴史を学ぶことでネガティブをポジティブに
小名木善行です。

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西洋では歴史のことを「ヒストリー」と言いますが、この言葉は紀元前5世紀の古代ギリシャのヘロドトスが著した歴史書「ヒストリア」に由来します。
「ヒストリア」というのは、そのまま直訳すれば「知っていること」もしくは「私がヒアリングして知ったこと」という程度意味で、それ自体は「歴史」という意味の言葉ではありません。

ところが事実上、これが世界最古の「歴史書」となり、これがもとになって西欧における歴史認識が形成されました。
歴史認識というのは、共有すべき価値観の源泉となります。
つまり西欧における価値観の源は、ヘロドトスの「ヒストリア」である、ということになります。

では、その「ヒストリア」に何が書かれているかと言うと、概略次のようになります。

「ギリシャの小国が互いに奪い合ったり戦争しあったりしていたときに、
 東洋からペルシャの大軍がやって来て、
 次々とギリシャの小国が滅ぼされるのだけれど、
 最後は勇者とともにみんなで協力して
 強大なペルシャをやっつけた、
 めでたしめでたし」

この筋書き、何かに似ていると思いませんか?
「・・・地球では各国が互いに対立し、
 戦争に明け暮れていた。
 そこに強力な軍事力を持つ火星人が攻めて来た。
 あわや人類滅亡となりかけたとき、
 勇者があらわれ、みんなで協力して
 火星人をやっつけた。
 めでたしめでたし」

これ、H・G・ウェルズの「宇宙戦争」の筋書きです。
要するに「ヒストリア」は、これとそっくり同じストーリーで描かれているわけです。

ただし、影響力は違います。
ウエルズの「宇宙戦争」はフィクションですので、本がベストセラーになって、何回かハリウッド映画になり、たくさんの人々を楽しませました(それも大きな影響です)が、「ヒストリア」は、歴史書ですから、後の世に重大な思想的影響をもたらし続けています。

どういうことかというと、ヒストリアはその後、キリスト教やゾロアスター教の思想と結びつき、ヒストリアに描かれた東洋のペルシャの脅威は、そのまま悪魔王サタンの脅威と同列に扱われるようになったわけです。
これが何を意味しているかというと、西欧人にとって、有色人は悪魔であり、サタンの一味と認識される、ということです。
だから神に代わって、悪魔である有色人種を地域ごと支配し、押さえつける。
それが、植民地支配です。
植民地のことを英語で「コロニー」と言いますが、ひとつひとつの村ごとに、地域ごとに悪魔の支配地を切り取って、神の支配地にするわけです。
そして、これを行わなければ、白人世界は悪魔である有色人種によって征服され、滅ぼされてしまう、と考えられるようになったのです。

これが西欧思想の根っこであり、だからこそ十字軍の遠征が行われたし、500年におよぶ植民地支配へと結びついているし、チャイニーズもコリアンも、ジャパニーズも、十把一絡げで、悪魔なのです。

支那や韓国はこれがわからないから、露骨な騒ぎを起こします。
けれど、起こせば起こすほど、結果としては、彼らはますます悪魔とみなされるわけです。
ところが近年では、金儲け第一主義が普及し、一部の不逞な大金持ちが、そんな悪魔と結託して、個人の利得を得ようとしています。
悪魔と取引すれば儲かる、というわけです。

事実儲かるのですが、コリアやチャイナ相手では、それは本当に悪魔と取引するのと同じです。
最期には必ず身を滅ぼします。

よくハリウッド映画などで、古代の魔女や悪魔が蘇って、現代人に悪さをしかけるといったものが作られますが、古代の魔女や悪魔たちというのは、言い換えれば、悪魔と取引する個人の欲望のことなのかもしれません。
その意味では、現代は、まさに悪魔や魔女が蘇ろうとしている時代になっているといえます。

さて、そんな「ヒストリアイ」の第七章に、ペルシャ戦争における「テルモピュライの戦い」のことが描かれています。
紀元前492年から紀元前449年の三度にわたって行われたペルシアのギリシア遠征の歴史です。

この戦いで、スパルタ王レオニダスは5,200名の兵力を持っていましたが、次々に敗れ、ついに王のもとには、わずか350名の「スパルタ重装歩兵」たちだけとなりました。
レオニダス王は、このわずかな兵力で、ペルシャの210万の大軍団に挑みました。

戦い3日目、激戦の中でレオニダス王が敵の矢に倒れました。
スパルタ軍とペルシア軍は彼の死体を巡って激しい戦いを繰り広げ、ようやくスパルタ軍は、王の遺体を回収します。

しかし衆寡敵せず。
スパルタの兵士たちは、四方から攻めてくるペルシャの大軍に囲まれてしまう。
スパルタの兵士たちは、槍が折れると剣で闘いました。
剣が折れると、素手で戦いました。
両手が折られると歯で戦いました。

そしてスパルタ軍350名は、全員玉砕しました。
けれど、この戦いで、ペルシア側は、2万の戦死者を出しています。

たとえ寡兵なりといえども、たとえ国が滅んだとしても、最期の最期まで戦い抜く。
このスパルタ重装騎兵の勇気と、レオニダス王の鉄の意志は、いまでも世界戦史を代表する勇敢な戦いとされ、幾度も映画やドラマ化されています。
世界は、いまから2500年も前のレオニダス王たちの奮戦をいまだに忘れず、覚えているのです。

先の大戦において、日本もまた、数百から数万の将兵全員が、その数十倍の敵と火力を前に戦い、玉砕戦を闘いました。
その勇気は、その鋼鉄の意志は、レオニダス王と旗下の重装歩兵たちの勇気に倍するものであったと言っても決して過言ではないと思います。

そんな、現代を生きる我々と同じ血を持つ先達たちの勇気を、戦いを、私達はしっかりと語り継いで行かなければならないと思います。
なぜなら、日本人の勇気を語り継げるのは、日本人だけだからです。


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Author:小名木善行(おなぎぜんこう)
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昭和31年生まれ。浜松市出身。上場信販会社を経て執筆活動を中心に、私塾である「倭塾」を運営。またインターネット・ブログ「ねずさんの学ぼう日本」を毎日配信。「歴史を学ぶことでネガティブをポジティブに」という理念を掲げ活動する。古事記・日本書紀・万葉集などの原文を丁寧に読み解き、誰にでも納得できる日本論を発信。

《著書》日本図書館協会推薦『ねずさんの日本の心で読み解く百人一首』、『ねずさんと語る古事記1~3巻』、『ねずさんの奇跡の国 日本がわかる万葉集』、『ねずさんの世界に誇る覚醒と繁栄を解く日本書紀』、『ねずさんの知っておきたい日本のすごい秘密』、『日本建国史』、その他執筆多数。

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