「ひふみ」のお話し



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大切なことは、もとからある日本文化を取り戻し、日本人としての自覚と自信を取り戻すこと。
そのための重要な要素が、日本人の日本人による日本人のための日本的文化性の復活です。
これはいわばルネッサンス運動です。
原点に日本の要素が回復されると、日本人のハートに「希望とぬくもり」がもたらされます。
混迷の時代に、もっとも大切なものは、まさに「希望とぬくもり」といえるのではないでしょうか。
「ひぃふぅみぃよぉいっむぅななやこことぉ」
ひふみの中にあるのは、万年の単位で「希望とぬくもり」を大切にしてきた日本人の心そのものです。

20201231 宝船
画像出所=https://illust8.com/contents/11809
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日本て、かっこいいです。
数詞だってかっこいい。

「いち、にぃ、さん・・・」の他に、「ひぃ、ふぅ、みぃ、よぉ、いつ、むぅ、なな、や、ここ、とぉ」という数詞があります。
ところがこの数詞、昔から算術にはまったく使われません。
「1+2」を、「ひぃたすみぃ」とは言いませんよね。
計算するときは、昔も今も「いちたすに」です。

では、そんな計算に使わない(使えない)数詞が、どうして使われ続けたのか。
昔は、幼い子どもがお父さんとお風呂に入って、
「とうちゃん、もうお風呂出ていい?」
「よし!じゃあ、とぉまで数えたら、出ていいぞ」
「はい。わかった。
 ひぃ、ふぅ、みぃ、よぉ〜〜〜〜」
なんて会話が普通にあったものです。
イメージ的には、鬼滅の刃の竈門炭治郎が幼稚園児くらいだった頃には、必ずそんな会話が、これは全国のあらゆる家庭で繰り返されてきました。

つまり「ひぃ、ふぅ、みぃ、よぉ」という数詞は、幼い子が、「いち、にぃ、さん」より先に教えられていたのです。
ここで不思議なことがあります。
それは
「どうして昔の日本では、
 計算するときに役に立たない数詞が、
 計算に役立つ数詞よりも先に教えられていたのか?」
という疑問です。

実はここに日本の秘密があります。
数詞と書いて「かぞえことば」と訓読みするのですが、その数詞には、二通りの意味があったのです。
ひとつは、いまでも計算に使う「いち、にぃ、さん」です。
これは算術に使う「数詞(すうし)」です。

もうひとつは、「ひ、ふ、み」です。
これは、日本人としての道徳観や文化の本質を伝えるために使う数詞(かぞえことば)です。
日本語の最大の特徴である「一字一音一義」を伝えるものであったのです。
言い換えれば、文化を「「かぞえことば」で学んだのです。

そしてこの根幹にあるのが、いちばんはじめにある「ひ、ふ、み」です。
これは霊主体従(れいしゅたいじゅう)を表します。
「ひ」が霊(ひ)、「ふ」が生、「み」が身です。
ですから「ひふみ」は「霊生身」で、霊(ひ)《魂のこと》から身が生まれることを表します。

人が霊を持たず、人には身しかなく、死んで身が滅んだら、すべてがおしまい、というのなら、人は我が身の贅沢だけのために生きることになります。
そのためには、他人を踏み台にしたり犠牲にしてもいっこうに構わないし、仕事は人が見ているときにだけやって、監督がいなくなったら、サボタージュがあたりまえになります。
それは、魂の概念を持たない、まるでどこかの国の人達と同じです。

ところが日本人は、魂《霊(ひ)》という概念を持ちます。
たとえ肉体は乞食をすることがあっても、自分の霊《霊(ひ)》だけは決して穢さない。
なぜなら、身は今生限りのものですが、霊(ひ)の記憶、魂の記憶は、来世にまで影響を与えるからです。

さらにいうと、仏教では死んだ人の魂は、極楽浄土へと旅立ちますが、日本の縄文以来の神道では、死んだ家族の魂は、その家の守り神になります。
つまり、自分で自分の霊(ひ)《魂》を穢してしまったら、それは子や孫、そして末代にまで影響を及ぼしてしまう。
そうであれば、たとえ人が見ていないときにでも、しっかりと行きなければならないし、他人を踏み台にしてはいけない。
人をたすけ、人とともに共同し、協力しあって、自分たちみんなとともに、未来への希望を築いていく。
それが「積小為大」です。
小さなことの積み重ねが、偉大な事を成すのです。

では、ひふみを、1から10まで、順番にその意味を考えてみます。
(この解釈には、歴史が古いだけに諸説あります。以下はその一例です)

「ひ」 霊(ひ)のことです。何事も御霊が先です。
「ふ」 生(ふ)のことで、御霊(ひ)から生命が誕生します。
「み」 身(み)誕生するのが「身」です。
「よ」 世(よ)身が織りなす世です。
「い」 齋(い)「いつき」とも言いますが、不浄を清めた神聖なという意味です。

「む」 無(む)は神聖を意味し無であることによって億兆に心が通います。
「な」 菜(な)食のことです。
「や」 家(や)住まいです。
「こ」 子(こ)子供たちです。
「と」 戸(と)戸がひらきます。

つまりここまでをまとめると、
「人は、肉体が今生を生きているということだけでなく、
 永遠の生命である御魂の存在を自覚し、
 その御魂の乗り物である身が織りなす世を清め、
 自分自身を無とすることで億兆と心を通わせ、
 衣食住を足り、
 子どもたちの未来を担い、
 新しい世を築いていく、
 そのために私達は生きている」

という意味になります。

他にもたとえば「ひ」は火、「ふ」は風、「み」は水なのだといったものから、「ひ」は人であり、その人には「ふ」で御魂と肉体のふたつが「み(身)」にそなわり、「よ(世)」を渡るといった解釈などもあります。

古い日本語の言葉は、「意味に八通りの深さあり」と言われます。
八は霊数で「数え切れないくらいたくさんの」を意味しますから、やさしい解釈から奥深い解釈まで、幾通りもの解釈があるのです。
ですから、上に述べた数詞の意味は、そのなかのごくひとつであるにすぎません。

よく、「これが《正しい認識》だ」というようなことをおっしゃる方がいますが、そんなものはありません。
歴史にしてもそうですが、早い話、源平合戦を、源氏の側から書くのか、平氏の側から書くのかによって、その記述はまるで違ったものになります。
たいせつなことは、その本質にある事柄で、これが「核」になります。
あれが正しい、こっちが正しいなどとやっているのは、それは核の周りをただ、人工衛星のようにぐるぐると回ってるにすぎません。

あと何日化すると、節分の豆まきがやってきますが、そのことが「ひふみ」にもあります。
それが「なやこと」で、「衣食を満たして子の幸せを願い、未来への戸を開く」という意味です。
ここに戸が出てきます。

戸は、開けたり閉めたりして、内と外を分けるものです。
「福はうち、鬼はそと」です。
良いものは取り入れ、悪いものは中に入れない。
それが我が国では、古来、数詞にまでなる常識です。
いかがでしょう。
戦後、そしていま現在の日本の政策は、海外から悪いものや悪い人たちを次々と日本国内に招き入れています。
それは、我々の子や孫、そして子孫たちに、良い影響を与えるのでしょうか。
末代の人たちに、豊かで安全で安心できる暮らしを約束できるものなのでしょうか。
自分だけの贅沢のために、子や孫やひ孫を犠牲にして、それで構わないのでしょうか。
それが人の生き方なのでしょうか。
人として恥ずかしい振る舞いや行動、もっといえば、それらは末代の破壊行為であり、人としての犯罪行為であるといえるのではないでしょうか。

10を意味する「と」には、「止める」という意味があります。
「9(ここ)で10(と)める」のです。
それが大人の役割であり、人の生きる意味です。
そういうことを昔の日本人は、幼い頃から数詞を通じて無意識のうちに学んだのです。

戦後の日本では、よくない者たちまで、国内に招き入れたり、あるいは国内で家族(国民としての永住権等)を与えたりしてきましたが、そういうことは良くないと、日本語の数詞にちゃんと書いてあるのです。
ということは、もしかすると、そのような日本人のような顔をして日本人になりすまし、日本語を話し日本人のような通名を、ひとりでいくつも名乗っているような人たちは、あまり「ひぃ、ふぅ、みぃ」といった和語の数詞を使いません。

数詞(かぞえことば)は、子供が最初に受ける教育語です。
赤ちゃん言葉の「まんま」などは、食のための生活用語ですが、数詞は教育で覚えていきます。
その数詞に、日本人としての魂の自覚を得るための工夫がなされてきたのが、縄文以来の日本の知恵です。

すこし余計なことを書きます。
「バンカラ」という言葉があります。
明治から昭和にかけて、威勢の良い大学生の合言葉のように用いられた言葉です。
かまやつひろしの「我が良き友よ」にも出てきます。

「バンカラ」というのは、もともと「南蛮カラー」、あるいは「南蛮渡来」を意味する言葉でした。
日本古来の、江戸時代を通じて正しいとされた、居住まいをただし、姿勢を良くし、上長の前では襟を正して正座して、深々と頭を下げる。
そのような礼節を重んずる旧来の書生の姿ではなく、自分たちは「南蛮カラー」だ、旧来の陋習(ろうしゅう)をぶちこわすのだ、自由な精神を重んずるのだといって、学生服や学帽をあえてボロボロにし、無精髭を生やして乱暴者を装(よそお)う、そのような学生たちの、ある種の(当時としては)近代的な自己主張の言葉であったわけです。

いまでは「バンカラ」もすっかり古い言葉になってしまっていて、何やら古い時代の美意識を感じさせるような言葉になっていますが、実は和を貴ぶ日本文化を否定する精神文化であったわけで、決して良い言葉ではありません。

戦後は、60年代から70年代にかけて、政府や戦前の日本と対立することを美意識とする学生運動がさかんになりましたし、80年代にはノンポリ、90年代には三高、2000年代になりますと草食系で、昨今では宇宙人のようですがいずれも社会経験の乏しい学生たちを扇動して、日本社会を破壊するものとして学生たちが利用されてきたという側面があります。

要するに2000年以前には、日本社会を破壊する闘士として学生が扇動されてきたのだし、昨今ではむしろ日本人は、ボーッとして何もしないでいてくれて良いという、日本社会を破壊することで利得を得ようとする人たちに利用されてきたわけです。

私は「人を利用主義的に利用する」ということが大嫌いで、自分では一切これをやる気はないし、またそういうことをする人や組織や国を心から軽蔑します。
なぜなら、それは「良くないこと」だからです。

大切なことは、もとからある日本文化を取り戻し、日本人としての自覚と自信を取り戻すこと。
そのための重要な要素が、日本人の日本人による日本人のための日本的文化性の復活です。
これはいわばルネッサンス運動です。

原点に日本の要素が回復されると、日本人のハートに「希望とぬくもり」がもたらされます。
混迷の時代に、もっとも大切なものは、まさに「希望とぬくもり」といえるのではないでしょうか。

「ひぃふぅみぃよぉいっむぅななやこことぉ」
ひふみの中にあるのは、万年の単位で「希望とぬくもり」を大切にしてきた日本人の心そのものです。


<おまけ>『塵劫記』による数の単位

十 da(デカ) 10^1
百 h(ヘクト) 10^2
千 k(キロ) 10^3
万 10^4
(百万) M(メガ) 10^6
億 108
(十億) G(ギガ) 10^9
兆 T(テラ) 10^12
(千兆) P(ペタ) 10^15
京(けい) 10^16
(百京) E(エクサ) 10^18
垓(がい) 10^20
(十垓) Z(ゼタ) 10^21
𥝱(じょ) Y(ヨタ) 10^24
穣(じょう) 10^28
溝(こう) 10^32
澗(かん) 10^36
正(せい) 10^40
載(さい) 10^44
極(ごく) 10^48
恒河沙(ごうがしゃ) 10^52
阿僧祇(あそうぎ) 10^56
那由他(なゆた) 10^60
不可思議(ふかしぎ) 10^64
無量大数(むりょうたいすう) 10^68


※この記事は2019年1月の記事のリニューアルです。
お読みいただき、ありがとうございました。
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小名木善行(おなぎぜんこう)

Author:小名木善行(おなぎぜんこう)
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昭和31年1月生まれ
国司啓蒙家
静岡県浜松市出身。上場信販会社を経て現在は執筆活動を中心に、私塾である「倭塾」を運営。
ブログ「ねずさんの学ぼう日本」を毎日配信。Youtubeの「むすび大学」では、100万再生の動画他、1年でチャンネル登録者数を25万人越えにしている。
他にCGS「目からウロコシリーズ」、ひらめきTV「明治150年 真の日本の姿シリーズ」など多数の動画あり。

《著書》 日本図書館協会推薦『ねずさんの日本の心で読み解く百人一首』、『ねずさんと語る古事記1~3巻』、『ねずさんの奇跡の国 日本がわかる万葉集』、『ねずさんの世界に誇る覚醒と繁栄を解く日本書紀』、『ねずさんの知っておきたい日本のすごい秘密』、『日本建国史』、『庶民の日本史』、『金融経済の裏側』、『子供たちに伝えたい 美しき日本人たち』その他執筆多数。

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