新刊本の『子どもたちに伝えたい美しき日本人たち』の「はじめに」の全文をご紹介したいと思います。 ここに書いたことが、この本で書きたかったことのすべてです。
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歴史を学ぶことでネガティブをポジティブに 小名木善行です。
!!最新刊!! 新刊本の『子どもたちに伝えたい美しき日本人たち』の「はじめに」の全文をご紹介したいと思います。
ここに書いたことが、この本で書きたかったことのすべてです。
【はじめに】
『ノアの箱舟』といえば、おそらく日本人で知らない人はいないことでしょう。
旧約聖書の『創世記』に描かれている大洪水にまつわる物語で、西洋では、繰り返し映画化され、またテレビドラマ化されています。
神が地上に増えた人々の堕落を見て、これを洪水で滅ぼすと決め、唯一の正しい人であるノアに箱舟の建設を命じられます。
ノアはその船に家族とあらゆる動物のつがいを乗せ、150日間の漂流の末、アララト山の山頂に漂着したという物語です。
この物語の信憑性云々は別として、物語全体を通じていえることは、ノアとその家族以外の人物が、全員「モブキャラ」である、ということです。
「モブキャラ」というのは、ビデオゲームなどにおける背景キャラのことです。
ただの背景ですから、モブキャラ自身には個性はありません。
建物と同じ。ただの背景です。
西洋史を学ぶとわかりますが、歴史の記述は、常にこのノアの箱舟の物語と同じで、主人公以外は常に「その他大勢」しかありません。
しかし現実の人生を考えてみれば、おそらく生きて暮らしているすべての人は、国籍や民族や時代に関わらず、それぞれひとりひとりがモブキャラではなく、自分の人生における主役であったのではないでしょうか。
誰もが自分の幸せだけでなく、家族や周囲の人々とともに、幸せになろうと、必死に生きてきたのではないでしょうか。
日本の庶民史を考えるとき、常にその根底にあるのが、まさに、この「モブキャラなんていない」という日本人の思考です。
誰もが自分の人生の主役であり、誰もが幸せになろう、あるいは誰かを幸せにしたいと必死で願い、行動し、その結果として、日本の歴史は営まれてきました。
そして実は、この点が、我が国の歴史(これを国史と言います)と、西洋史などとの決定的な違いです。
本書は『代表的日本人』と銘打ち、30人の人物をマンガを含めてご紹介しています。
『代表的日本人』というと、内村鑑三(1861‐1930)の名著がすぐに思い浮かびますが、そちらは西郷隆盛、上杉鷹山、二宮尊徳、中江藤樹、日蓮という五人の歴史上の人物の生き方を通して日本人とは何かを考察した日本人論です。
「武士道」「茶の本」と並んで、三大日本人論の一冊に数えられている、立派な本です。
本書もタイトルは同じです。
しかしその根底にある思想はまったく異なります。
本書では「偉大な個性が日本人を築いた」とは考えていないのです。
日本の歴史は、いわば庶民の歴史であり、一般の、どこにでもいる普通のおじさんやおばさんが、我が子のために、あるいは村の人々のために、みんなによろこんでもらうために、そしてみんなが豊かに安心して安全に暮らして行けるようにと、日々、努力を重ねた結果が、日本という国の持つ国柄の最大の特徴です。
冒頭の言葉を借りれば、日本の歴史にモブキャラはいないのです。
本書でご紹介する様々な人物は、いわば全員、今の日本を生きている私達日本人と血のつながった人たちです。
つまりみんな親戚であり、ご先祖です。
そのご先祖のひとりひとりの思いが、行動が、いまの私達に影響を与えています。
誰もがより良く生きていこう、我が子のため、我が孫のために、少しでも良い時代を遺していこう。
そう思い続けて生きてくれた蓄積の果てに、私達が生きる現代があります。
本書が、そういうことをあらためて考える一助となれば、筆者としてこのうえないよろこびです。
末尾になりますが、本書の著述にあたり、かざひの文庫の磐崎社長には、本当にお世話になりました。
また漫画家のふわこういちろうさんには、絵によって、人物の魅力を一層際立たせていただきました。
心から感謝を申し上げたいと思います。
うららかな春の日に 小名木善行
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コメント
じょあ
2022/02/26 URL 編集