三大神勅を学ぶ



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三大神勅とは、
1 天壌無窮の神勅
2 宝鏡奉斎の神勅
3 斎庭稲穂の神勅
の3つです。
原文と読みを示します。
できれば声に出して読んでみていただきたいところです。

20201018 三大神勅
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歴史を学ぶことでネガティブをポジティブに
小名木善行です。

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日本の根幹にある形が「天皇の知らす国」です。
この概念は、国家最高の存在を政治権力に置くのではなく、国家最高権威に置くという形を明確にしたものといえます。
なぜそのような形が必要なのかといえば、権力は常に責任と等価の関係にあるべきものだからです。

この一点を間違えると、「権力=暴力」という世界の歴史の古代社会ようになるし、「権力=身分」という中世や、「権力=お金」という近代のような社会に至ることになります。
よく正義とか善悪とかいう用語が用いられますが、世の中は何が正しいかではなくて、「権力=お金」の社会なら、儲かるか儲からないかという損得が社会の根幹となります。

この場合、儲かりさえすれば何をやっても構わないわけですから、民衆を騙し、扇動し、挙句の果てには戦争が行われることになります。
右だ左だと対立や闘争が仕掛けられるのも、現代社会ならその根幹にあるのは損得勘定が根幹です。
そして稼げば、巨大な権力を得たり、権力を思いのままに操って、自己の富をさらに増やそうとする。
それが現代社会の世相の根幹です。

こうした構図が、情報化の波に乗って、世界中で暴(あば)かれるようになりました。
では「権力=お金」という構図の世界を、どのように変えたら良いのか。
これについて、今はまだ百家争鳴の状況にあります。
けれど世の中は確実に動きつつあります。

世界が古代という時代を迎えるずっと以前、縄文時代の日本は、縄文時代1万4千年の長きにわたって、人が人を殺すことがない社会を形成してきました。
ですから世界が「権力=暴力」であった古代においても日本では、暴力は許されないことであったし、むしろその古代において、「権力=責任」という姿が明確化された歴史を持ちます。

そこで今回は、あらためて日本書紀にある「三大神勅(さんだいしんちょく)を学んでみたいと思います。

三大神勅とは、
1 天壌無窮の神勅
2 宝鏡奉斎の神勅
3 斎庭稲穂の神勅
の3つです。
原文と読みを示します。
できれば声に出して読んでみていただきたいところです。

──────────
1 天壌無窮の神勅(てんじようむきゅうのしんちょく)
──────────

とよあしはらの              豊葦原
ちいほのあきの みずほのくには  千五百秋瑞穗国
あがうみのこの あるじのちなり   是吾子孫可王之地也
いましすめみま いでゆきしらせ   宜爾皇孫就而治焉
ゆきくませ                行矣
さちのたからと さかへむことは   宝祚之隆
まさにあめつち きはまりなかるべし 當興天壤無窮者矣

《現代語訳》
豊かに葦の原の広がる豊かな瑞穂の国は、
わが子孫が王となる地である。
我が孫よ、行って治(しら)しめなさい。
さあ、お行きなさい。
宝のように幸いを得て隆(さか)えることは
まさに天地と共に永遠となりましょう。

<解説>
瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)の天孫降臨の意義を明らかにした御神勅です。
「天照大御神の直系のご子孫が天皇の地位にあり、地上の中つ国をシラスことにより、その地上の国は天地が未来永劫続くのと同様、未来永劫栄えます」という意味です。
従って、天壌無窮の神勅とは、天孫の皇位が続く限り、地上が栄えるということです。

では、「栄える(原文:宝祚)」とは、誰が栄えるのでしょうか。
その答えは、そこに住む人々、つまり民衆です。
最高権威である天皇が治(しら)すということは、民を「おほみたから」とするということです。

そして民は、天皇の「おほみたから」という地位を得ることによって、政治権力者からの自由を手にすることになります。
天壌無窮の神勅の意義は、まさに権力=責任とする社会なのです。
だから民が「宝のように幸いを得て、天地と共に永遠に隆(さか)える」のです。


──────────
宝鏡奉斎の神勅(ほうきようほうさいのしんちょく)
──────────

あがみこよ              吾兒
たからのかがみ みまさむは   視此宝鏡
あれみるごとく すべしもの    当猶視吾
ゆかをおなじく とのをともにし  可興同床共殿
もちていはひの かがみとすべし 以為齋鏡

《現代語訳》
わが子よ、この宝鏡を視(み)ることは
まさに私(天照大御神)を見るのと同じにしなさい。
お前の住まいと同じ床に安置し、お前の住む宮殿に安置し、
祭祀をなすときの神鏡にしなさい。

《解説》
宝鏡(たからのかがみ)とは「八尺鏡(やたのかがみ)」で、これは天照大御神が天の岩戸にお隠れになられた際に、その天照大御神にご出現いただくために、高天原の八百万の神々が天の安河に集まって川上の堅石を金敷にして、金山の鉄を用いて作らせた鏡とされています。三種の神器のひとつです。

鏡は「かがみ」ですが、「かがみ」から「が(我)」を取ったら「かみ」です。
つまり人の上に立つ者は、我を持ってはならないという戒めでもあります。
ゆえに天皇は無私の御存在となられます。
そして無であることによって、億兆と心をひとつにされます。
これが天皇と天皇の民(おほみたから)との基本となる形です。


──────────
斎庭稲穂の神勅(ゆにはいなほのしんちょく)
──────────
あがもてる             以吾
たかまのはらの ゆにはのほ 高天原所御齋庭之穂
またあがみこに まかすべし  亦当御於吾兒

《現代語訳》
吾が高天原に作る神聖な田の稲穂を、
わが子に授けましょう。

《解説》
この斎庭稲穂の神勅によって、日本国中で栽培される稲は、ことごとく「天照大御神からの授かりもの」という位置づけになります。
つまり民(おほみたから)が栽培する稲は、そのすべてが天照大御神が召し上がられた稲の子ということになります。
私たちが毎日いただくお米は、高天原で天照大御神がいただかれるお米と同じお米です。
私たちの体は、そのお米によって育ち、生きています。

「戸喫(へぐい)」という言葉があります。
同じものをいただくということは同じ仲間となる、共同体の一員となるという意味の言葉です。
神社などで、参拝のあとに「直会(なおらい)」といって、奉納したお米や作物などを、みんなで一緒にいただきます。
これもまた、そうすることによって神様と心を通じあうための神事です。

このご神勅によって、全国でお米を栽培する民は、高天原の稲を栽培する人々という位置づけになります。
だからこそ、民は「おほみたから」という位置づけになります。
近年では、お百姓は収奪されていたなどという、とんでも説がまかりとおっていますが、国家としての農家への認識は、斎庭の稲穂を栽培するという大事を行う宝であったのです。

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コメント

鹿島田忠史

的確な歴史認識に感服しました。
今回の記事でねずさんが話された歴史認識は、非常に大切だと思います。
ここに記述された国家権力構造が混在しているのが現代の世界でしょう。
中国やロシア、北朝鮮などの権威主義国家(≒独裁国家)は古代国家に分類され、
貴族階級が残る英国などは中性的な要素が残っています。
権力と権威を分離する古代からのわが国の政治制度は世界に誇るべきもので、
自信を持って世界に発信したいものです。
僭越ながら、私のFacebookにもこちらの記事へのリンクを紹介させていただきました。
https://www.facebook.com/kashimadatadashi/
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ねずさんのプロフィール

小名木善行(おなぎぜんこう)

Author:小名木善行(おなぎぜんこう)
連絡先: info@musubi-ac.com
昭和31年1月生まれ
国司啓蒙家
静岡県浜松市出身。上場信販会社を経て現在は執筆活動を中心に、私塾である「倭塾」を運営。
ブログ「ねずさんの学ぼう日本」を毎日配信。Youtubeの「むすび大学」では、100万再生の動画他、1年でチャンネル登録者数を25万人越えにしている。
他にCGS「目からウロコシリーズ」、ひらめきTV「明治150年 真の日本の姿シリーズ」など多数の動画あり。

《著書》 日本図書館協会推薦『ねずさんの日本の心で読み解く百人一首』、『ねずさんと語る古事記1~3巻』、『ねずさんの奇跡の国 日本がわかる万葉集』、『ねずさんの世界に誇る覚醒と繁栄を解く日本書紀』、『ねずさんの知っておきたい日本のすごい秘密』、『日本建国史』、『庶民の日本史』、『金融経済の裏側』、『子供たちに伝えたい 美しき日本人たち』その他執筆多数。

《動画》 「むすび大学シリーズ」、「ゆにわ塾シリーズ」「CGS目からウロコの日本の歴史シリーズ」、「明治150年 真の日本の姿シリーズ」、「優しい子を育てる小名木塾シリーズ」など多数。

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