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日本神話にある「因幡の白兎」。 有名な物語ですが、原文を読むと、ワニは「和迩」と書いてあります。 ウサギは「菟」と書いてあります。 和迩は、和迩船といって、大昔の船舶のことです。 「菟」は、草かんむりです。 草かんむりであるということは、動物ではなく、この漢字が意味するのは植物です。
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画像出所=https://cultural-experience.blogspot.com/2015/07/blog-post.html
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歴史を学ぶことでネガティブをポジティブに 小名木善行です。
!!最新刊!! 神話のお話をしてみようと思います。
なぜ神話を学ぶのか、というお話です。
日本の古武道は、まるで魔術かと思わせるような相手の倒し方をします。
技はそのままでは、間違いなく相手に怪我を負わせます。
あるいは、死亡させてしまうものです。
けれど、それをあえて相手に怪我をさせないように技を修練します。
その古武道の技は、神話に基づいています。
たとえば手技なら、それは大国主神話にある、建御雷神と建御名方神との戦いが元になります。
この技を「手乞(てごい)」と言います。
相手に腕を掴まれた途端、その腕が氷の刃になるという神話ですが、私たちの祖先は、それをそのままこの世で実現しようと種々努力を積み重ね、何百年、もしかすると何千年という歳月をかけて、実際にそれ(もしくはそれに近いこと)ができるように工夫を凝らしてきました。
あるいは神話では、天照大御神が、「地上の中つ国では高天原と同じ統治をしなさい」と命ぜられたとあります。
私たちの祖先は、それをそのまま受けて、「それはいったいどのような統治なのか」を真剣に考え、何百年、もしかすると何千年という歳月をかけて、実際にそれ(もしくはそれに近いこと)ができるように工夫を凝らしてきました。
要するに我が国の神話は、歴史を通じて、我が国のあらゆる文化やアイデンティティの基礎になってきたわけです。
戦後の日本は、GHQの日本解体工作や、その後の親米ポチ政治によって、なんでもかんでも洋式が良く、和式はダサいと決めつけられてきましたが、どっこい、精神性や文化の面、あるいはどこまでも庶民が主役とする日本文化は、かなり破壊が進められた昨今において、世界中から称賛を得るようになってきています。
もちろん、何でもかんでも日本式が良いとは思いません。
同様に、何でもかんでも洋式が良いというわけでもありません。
大切なことは、両者の持つ良いところを組み合わせて、もっと良い世の中をつくること、あるいは自分自身の中に、強い精神性を養うことにあると思います。
それは、新しい未来を築くものでもあります。
未来は、これからやってくる時間です。
パラレルワールドという言葉もありますが、その未来には、様々な選択があります。
その中で、どのような未来を受け止めていくのかは、いまこの瞬間の判断の積み重ねにすべてがかかっています。
未来とは「未だ来ず」、つまり「これからやってくるもの」です。
過去は、「過ぎ去る」、つまり済んだことです。
日本の古くからの感覚では、時間は過去から未来に流れるのではなく、未来から過去に向かって流れるのです。
このことは、川に例えることができます。
上流が未来、下流が過去です。
上流からやってくるのが激流なら、その激流を乗り越えていくのが、いまです。
未来に向かって、川を昇って行くのです。
ときには、上流から流れてくる流木にぶつかって、大怪我をすることもあります。
激流に流されることもある。
それでも昇っていくのが、人生だと考えられていました。
このとき、昇る原動力になるのが、神話です。
神々だって、激しい川の流れをさかのぼって行かれたのです。
人々が後に続くことを信じて。
神々がどうやって川をさかのぼったのか。
日本の神話は、数千年どころか、3万年、4万年の太古の昔からの知恵の積み上げのエッセンスです。
このことは、通り一遍に、童話のような神話の読み方をしているだけでは、決してわかりません。
私たちの神話を、大事な祖先からのメッセージととらえて、祖先たちが後世の人に何を伝えようとしたのかを、真剣に読み解こうと努力するところに、神話は様々な教えを、勇気を私たちに与えてくれます。
現代的心理学などによって、現在抱える問題を解決しようとする取り組みは、数多く行われています。
それ自体は、素晴らしいことだと思います。
けれど、そういう取り組みが、万年の単位で情報が蓄積され、その長い時間のなかで、様々な思考が取捨選択され、本当に役に立つものだけが生き残り、その役に立つものを、物語として遺したのが神話です。
昔、朝のうちに各社の新聞を全紙読むことが提唱された時代がありました。
世の中で起きている最新情報を常に追いかけることが良いとされたのです。
実行された方も多いのではないかと思います。
けれど、そうやって新情報を追いかけても、次々と新情報が出てくるのです。
新聞各紙くらいなら、ある程度情報の方向が一致しているのだとしても、これが現代のようなネットの時代になったら、すべての発信情報に眼を通し、頭に入れて置くなど、およそ不可能です。
ではどうしたら良いかと言うと、目的、テーマを定めて、その目的やテーマに沿った情報を集めることになります。
ところがこの方法でも、正しいか正しくないかといった両極端の意見に振り回されることになり、なかなか本当のことが見えず、ますます混乱することになります。
一昔前なら、知っている、覚えていることが有能の証でしたが、現代社会では、手がかりさえあれば、スマホでいくらでも情報を取ることができるようになっています。
そうなると重要なことは、知っている、覚えているではなく、それらをどのように判断するかということになります。
そして判断には「基準」が要ります。
神話というのは、日本人が日本的判断をするに際して必要な万年の知恵を、物語の形にまとめたものです。
ですから、物語の表面だけを読んでもなにもわかりません。
たとえば因幡白兎(いなばのしろうさぎ)という神話があります。
うさぎが沖合の島から海を渡ろうとして、ワニを騙すと、怒ったワニがうさぎの皮を剥(は)いでしまうという物語です。
それだけ見たら、この物語は「ウソをついてはいけませんよ」というだけの物語になります。
けれど、しっかり読むと、ワニは「和迩」と書いてあります。
和迩というのは、和迩船といって、大昔の船舶のことをいいます。
あるいはウサギは「菟」と書いてあります。なんと草かんむりです。
草かんむりであるということは、これは動物ではなく、植物だということです。
古事記にしても日本書紀にしても、古くから伝えられた物語を、漢字を使って書き留めたものです。
つまり、先に物語があって、後から、その意味に近い漢字を用いて物語を記述しているわけです。
では、なぜ「菟」なのでしょう。
なぜ「和迩」なのでしょう。
あるいは、イザナギのミコトが黄泉の国から帰ってくるときに、追ってきた1500人の黄泉軍を、桃の実を3個取って投げただけで、黄泉軍が退散したという物語があります。
普通常識で考えて、たかが桃の実3個で、大軍勢が退散することなどありえないことです。
では、何があったのでしょう。
ひとつには、たとえば「もものみ」のそれぞれの単音の意味を考えると、
「も」という訓読みを持つ漢字には「裳藻喪」などがあります。
それらに共通する意味は「漂う」ことです。
「み」という訓読みを持つ漢字には「身巳実深箕」などがあります。
それらに共通する意味は「からだ」であり、「深みのある実体」です。
それらを要約すれば、「はっきりしたものではないけれど、実体を持つもの」といことになります。
現代風に言い換えれば、形而上学的な何かです。
さらに桃の実は、甘くて、酸っぱくて、口に含んだ瞬間に、幸せを感じる味わいを持ちます。
そうであれば、イザナギが投げた「3つの実」というのは、
甘い「愛情」
ちょっと酸っぱい「人情」
幸せを得る「友情」
であったのかもしれません。
上から命令されて、ブリキの兵隊となって、ただ追いかけていただけの黄泉軍の兵たちは、イザナギの与えた「愛情、人情、友情」によって、「俺たちはいったい何をしているのだろう」と我に返り、結果、彼らは去っていったと、そういうことを神話は述べているのかもしれません。
支配からの自由、私有から解放されて自由を得るには、「愛情、人情、友情が大事だよ」ということを、神話は物語として伝えているのかもしれません。
実は、日本武道の精神も、ここにあると言われています。
相手をただ倒すのではない。
厳しい修行を通じて、人としての「愛情、人情、友情」を得れるように成長する。
それが実は「たける」を意味する「武」の道だというのです。
つまり、これもまた神話に依拠して発展してきた日本文化なのです。
日々の生活は判断の連続です。
その判断の根幹に何を持つかによって、その人の、あるいはその国の方向が変わります。
日本には日本神話があります。
日本神話をあらためてしっかり読むことで、私たちは万年の単位で蓄積された日本の知恵を得ることができるのです。
日本をかっこよく!
お読みいただき、ありがとうございました。
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コメント
Kohki
娘たちの歩みと先生の優しさは感謝です
2022/04/17 URL 編集
KI
2022/04/17 URL 編集