江戸の大火と未来への知恵



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日本建国史 学校で教えない日本建国の歴史をわかりやすく解説


物事は直線上の二極ではなく、立体構造を持っている、ということでます。
グローバリストの主張にも、良いところもあれば、悪いところもあります。
ナショナリストの主張にも、良いところもあれば、悪いところもあります。
つまり、四面があるということです。
その四面に、人々の幸せという軸を加えると、全体が立体構造になります。
そこに、私たち日本人が築こうとする未来があります。
こういうことが、古代の神話の時代から続く、日本の知恵です。

20220423 江戸の大火
画像出所=https://edo-g.com/blog/2016/01/fire.html/bunka_no_taika_m
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◆江戸に大火と呼ばれるものがありました。
江戸時代260年の間に、そんな大火は100回以上もありました。

なかでも大きかったのが、

 明暦の大火(1657年・明暦3年)
 目黒行人坂の大火(1772年・明和9年)
 丙寅の大火(1806年・文化3年)

の3つでした。

これらの大火は、いずれも江戸の街のおよそ半分を焼き尽くして甚大な被害をもたらしました。
では江戸の人たちは、そんな大火のあと、どのように街を復興したのでしょうか。

火災によって何もかもが焼失するのは、とても悲しいことです。
そして多くの避難民や死者が出ます。
避難者には、屋根のある仮設避難施設を、死者には弔いを、そして災害現場は片付けが必要になります。
それらを行いながら、実は、江戸の街は、火災の都度、より火災に強い街へと生まれ変わっていきました。

たとえば、延焼の拡大を防ぐために、それまで住宅地であったところを、広い道路にしました。
建物の向きを一定に揃え、火災の際には延焼を防ぐために、その広い道路に向けて建物を倒す。
建物の高さを一定に揃え、延焼を防ぎやすいようにする。
辻ごとに設置する用心桶の数を増やす等々です。

火災前の住居の復興を前提としたり、あるいは民間ベースで火災後に好きなように建物を建てさせたら、江戸の街はまるで迷路のように入り組み、また建物が密集して、より火災に弱い街が生まれてしまいます。
だから、幕府の行政は、強権を発動ました。

「ここにオイラの家があったんです!」
「ならぬ!ここはあらためて道路にするのじゃ!」

幕府は火災の都度、街そのものを生まれ変わらせて行ったのです。

お堀の幅も広げられたりしました。
これには大土木工事が必要ですし、一定の立ち退きも必要です。

要するに幕府は、火災の都度、江戸の街をより強靭な街にするよう、最大を尽くしたのです。

延焼が拡大し、火災が大火に至ったのは、延焼を防ぎきれなかったからです。
そうであれば、火災以前とまったく同じ街を復元させたとしても、ふたたびそれが燃えてしまう危険がある。
それなら、火災があった、すべてが燃えて失くなってしまった、という、いま、この瞬間の情況から、新しく火災に少しでも強い街づくりを行っていこうではないか。

未来志向なのです。

「いま」は、「かこ」を調べることで、なぜこのようになったのかを知ることができます。
それは、「かこ」の時点では、ほぼすべてが、正しい、正解だと思われていた選択であったわけです。
けれど「いま」になってみれば、「かこ」のどこに問題があったのかの原因がわかる。

そうであれば「いま」すべきことは、いまある不幸の原因を取り除くのみならず、より火災に強い未来を築くことにある。
そうすることで、より良い「みらい」に来てもらうことができる。
このように考えられてきたのです。

時間は、過去から未来へと流れます。
物理的にはそれが事実であろうと思います。

けれど日本では、時間は未来から過去へと流れるものだと考えられてきました。
事実、過ぎ去った過去は変えられないのです。
変えられないものに、くよくよしたってはじまらない。

何年も前のことをいまさら蒸し返して、ああだったら、こうだったらと愚痴ったところで、何も変わらない。
誰しも、生きていれば、辛い過去、人に言えない悲しい過去を持つものです。
けれど、それを云うなら、楽しかった過去、みんなに自慢したくなるようなよろこびあふれた過去だって、誰もが必ず持っています。
そんなものを自慢したところで、何の足しにもならない。

いずれにしたって、「いまこうなっている」のだし、「こうなってしまった」のです。それが現実です。
そうであれば、いま、この瞬間に、最大限できること尽くしていく。
そうすることで、より良い未来にやってきてもらおうとしたのです。

よく、「神様は乗り越えられない試練は与えない」といいます。
実はそれだけではありません。

「神様は、いくつもの未来をご用意されている」のです。
未来へと続く道は、
ものすごい悪路もあります。
暗くて細くて心細い山道もあります。
天下の大通りもあります。
美しい景色に囲まれた道もあります。
どの道を選ぶかは、すべて「いま」の選択次第です。

露四亜と浮来奈の問題がテレビや新聞などの大手メディアを賑わしています。
報道される事実は、すでに起きてしまったことです。
その起きてしまったことを、多くの人は「知りたい」と思います。
そこにメディアの需要があります。

しかし、報道されている事実というのは、すでに起きた過去でしかありません。
過ぎたことをとやかく言ったところではじまらないし、ましてそれが「誰それの思惑は・・・」などといっても、思惑などというものは、誰しも一瞬の中に三千もの異なる思いが交差するのが人間です。
要するに意味がないのです。

たいせつなことは、起きた事実が「なぜ起きたのか」を、事実に基づいてしっかりと見極めること。
「そんなものはやっているよ」という方も、それが実は、「どのような未来を得ようとしているのか」という立場によって、180度違う見極めになってしまうということです。

世にいうグローバリストという人たちは、世界に国境がなくなって、世界がひとつになれば、関税をかけられたり、自由競争が損ねられたりすることがなくなり、世界的な大企業が、ますます儲かるという未来を築こうとしています。
ただしその未来は、大金持ちが、ますます大金持ちになる一方で、圧倒的大多数の人々は、職もなく、収入もなく、結果、強盗などの犯罪に頼るか、麻薬に逃げるかでしか生きることができない未来です。

一方、ナショナリストとされる人たちは、自国内の民衆が豊かに安全に安心して暮らせる未来を築こうとしています。
国によって、幸せの概念は異なります。
なかには、その国の支配層だけが儲けたいという国があることも事実です。

けれど日本が求めているのは、いつの時代にあっても、末端にいる人々が、豊かに安全に安心して暮らせる未来です。
つまり、いま一般に言われているグローバリストでもなければ、ナショナリストの描く未来像ではなく、その両方のバランスを上手く取りながら、誰もが豊かに安全に安心して暮らせる社会にあります。

このブログや、動画などにおいて、毎度申し上げていることは、物事は直線上の二極ではなく、立体構造を持っている、ということです。
グローバリストの主張にも、良いところもあれば、悪いところもあります。
ナショナリストの主張にも、良いところもあれば、悪いところもあります。
つまり、四面があるということです。
その四面に、人々の幸せという軸を加えると、全体が立体構造になります。
そこに、私たち日本人が築こうとする未来があります。

こういうことが、古代の神話の時代から続く、日本の知恵です。
そういう知恵を現代に活かす。より良い未来を築く。
それは、単にいまの時事を追うだけでは、決して手に入らないものです。


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小名木善行(おなぎぜんこう)

Author:小名木善行(おなぎぜんこう)
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昭和31年1月生まれ
国司啓蒙家
静岡県浜松市出身。上場信販会社を経て現在は執筆活動を中心に、私塾である「倭塾」を運営。
ブログ「ねずさんの学ぼう日本」を毎日配信。Youtubeの「むすび大学」では、100万再生の動画他、1年でチャンネル登録者数を25万人越えにしている。
他にCGS「目からウロコシリーズ」、ひらめきTV「明治150年 真の日本の姿シリーズ」など多数の動画あり。

《著書》 日本図書館協会推薦『ねずさんの日本の心で読み解く百人一首』、『ねずさんと語る古事記1~3巻』、『ねずさんの奇跡の国 日本がわかる万葉集』、『ねずさんの世界に誇る覚醒と繁栄を解く日本書紀』、『ねずさんの知っておきたい日本のすごい秘密』、『日本建国史』、『庶民の日本史』、『金融経済の裏側』、『子供たちに伝えたい 美しき日本人たち』その他執筆多数。

《動画》 「むすび大学シリーズ」、「ゆにわ塾シリーズ」「CGS目からウロコの日本の歴史シリーズ」、「明治150年 真の日本の姿シリーズ」、「優しい子を育てる小名木塾シリーズ」など多数。

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