端午の節句



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昔も今も変わらぬ心。
そして今の日本が政治上も教育上も取り戻さなければならない心。
それは、「民衆こそが『おほみたから』である」という、日本古来の伝統的思想です。

20220501 鯉のぼり
画像出所=https://www.e-fukudaya.co.jp/goods/koinobori/
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光陰矢の如し。
はやいもので、もう今日から5月ですね。
年々、過ぎた時間はとても速く感じます。

5月といえば端午(たんご)の節句(せっく)。
毎月のはじめ(端)の日が「午(うま)の日」で、「午(うま)」は「ご」とも読まれることから、「5(ご)」と「5(ご)」が重なる5月5日が端午の節句となりました。

その「5」は、ひふみの数詞で「いつ」と読み、これは「齋(いつき)」を意味します。
不浄を清め、神聖なことや、ものに、命を賭ける。
それが男子の生きる道。
というわけで、端午の節句は男子の日とされました。

端午の節句というと、すぐにチャイナにその起源を求めるひとがいますが、節句というのは、暦の上で毎月あるもので、このことは日本もチャイナも同じです。
ただし、「5」を「齋(いつき)」としたのは、日本語によります。

ちなみにチャイナでは、およそ2300年前の戦国時代の屈原(くつげん)の逸話が、端午の祝のはじまりとされています。
日本で端午の節句を祝うようになったのは、8世紀の奈良時代からといわれていますから、古さという点においては、チャイナに軍配です。

屈原というのは、始皇帝で有名な秦や、斉や燕、楚などといったチャイナの戦国時代の楚の政治家です。
外交面で迷走した楚は、ついに秦によって滅ぼされ、これを苦にした屈原は、川に身を投げて死んだとされます。
その日が5月5日で、その人たちは屈原の死を悲しみ、川にもち米を蒸した「ちまき」を投げ入れたという伝説があります。(近年では、屈原そのものの実在が疑問視されるようになってきてもいますが)

気の毒な末路ですが、それだけ民衆に慕われたということについて、江戸時代の日本で国学が盛んになった頃に、チャイナの故事として注目を集めるようになりました。
国学は、民衆こそが「おほみたから」という認識に立ちます。
そうであれば、武家の男子の本懐は「民衆のために生き、民衆のために役立つこと」にあります。
そのような、民衆に慕われる立派な武士に育ってほしい。
そんな願いが、端午の節句をして、男児の祝とされていきました。

昔も今も変わらぬ心。
そして今の日本が政治上も教育上も取り戻さなければならない心。
それは、「民衆こそが『おほみたから』である」という、日本古来の伝統的思想です。
なにしろ、それが実現できたのは、歴史上、世界のなかでただ一国、日本だけなのですから。


《付録》
そうそう。端午の節句を書いたら、鯉のぼりのことも触れておかなければなりません。
男児のお祝いに鯉のぼりが立てられるようになったのは、明治に入って四民平等になってからのことです。
それまでは、農民はその土地で生きる他なかったのですが、四民平等によって、農民でも、大出世して、世のため人のために役立つことができる世の中になった。
というわけで、昔から縁起物と言われる「鯉の滝のぼり」を模して、鯉のぼりを高らかに空に上げる。
そうすることによって、より高い地位に子が昇るようにと願ったのがはじまりです。

その鯉のぼりには、鯉と「ふきながし」が飾られますが、実は「ふきながし」の方は、戦国期から江戸時代にかけて、武家が家に「幟(のぼり)」を建てたことに由来します。

四民平等によって失われた武家を表す「幟」を模した「ふきながし」を、鯉のぼりのいちばん高い位置に飾り、息子の出世を願う「鯉のぼり」をその下に配置する。
こういうところにも、日本人の、常に相手に一歩譲るという謙譲心が見えているのです。


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Author:小名木善行(おなぎぜんこう)
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昭和31年1月生まれ
国司啓蒙家
静岡県浜松市出身。上場信販会社を経て現在は執筆活動を中心に、私塾である「倭塾」を運営。
ブログ「ねずさんの学ぼう日本」を毎日配信。Youtubeの「むすび大学」では、100万再生の動画他、1年でチャンネル登録者数を25万人越えにしている。
他にCGS「目からウロコシリーズ」、ひらめきTV「明治150年 真の日本の姿シリーズ」など多数の動画あり。

《著書》 日本図書館協会推薦『ねずさんの日本の心で読み解く百人一首』、『ねずさんと語る古事記1~3巻』、『ねずさんの奇跡の国 日本がわかる万葉集』、『ねずさんの世界に誇る覚醒と繁栄を解く日本書紀』、『ねずさんの知っておきたい日本のすごい秘密』、『日本建国史』、『庶民の日本史』、『金融経済の裏側』、『子供たちに伝えたい 美しき日本人たち』その他執筆多数。

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