愛と喜びと幸せと美しさの国柄



あらゆる人間愛の中で、
最も重要で最も大きな喜びを与えてくれるのは
祖国への愛である。
  キケロ(古代ローマの歴史家)

20220602 あじさい
画像出所=https://gardenstory.jp/plants/13515
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日本には古来「水に流す」という文化があります。
過去に何があっても、とりあえずは水に流して、今日も頑張ろう!といった具合です。
こうした考え方が生まれた背景には、3つの日本的思考が関係しています。

ひとつは「時間の流れ」です。

日本人は古来、時間が未来から過去へと流れると考えます。
だから未来は「未だ来たらず」ですし、過去は「過ぎ去る」です。
過ぎた昔のことにいつまでも執着するのではなく、すこしでも良い未来にやってきてもらうために、今日も一日がんばろう!といった考え方をします。

日本には神話の昔から、この世界は「よろこびあふれる楽しい国」を目指して神々が築いたものであるという自覚があります。
たいせつなことは、いま努力してそういう未来を築くことであって、済んだことにいつまでも執着して和を乱すことは、いけないことであると考えられてきたわけです。


ふたつめは「対等性」です。

このことは、日本とは異なり、上下と支配の関係を軸にする国や民族を考えるとよくわかります。
何事につけ、順位や上下を付けたがる思考を持つ国柄にあっては、過去の不冴は、相手よりも上位に立つ格好の材料になると考えられます。
ですから、いつまでも執拗に、そして毎日、過去の相手の失敗や過不足を言い続け、それによって自己を相手よりも優位に立たせようとします。

少し考えれば、相手の悪口を言ったところで、自分が偉くなるわけはないことくらい、誰にだってわかりそうなものですが、そこが文化性です。
ひたすら相手の悪口を言い続けることで、自分が相手よりも優位に立てると思い込む。

こうした人の特徴として、常に人の悪口を言い続け、口を開けば他人の悪口ばかりをいうけれど、ひとたび自分の悪口を言われると、まるで発狂したかのように自分を被害者に仕立て上げます。
そしていつまでも執拗に相手を批難し続け、決して「水に流す」ことがない。

上辺がいかにイケメンや美人であろうと、どれだけスタイルが良かろうと、いかに良い大学を出ていようと、そうした人とはあまりお友達になりたくないものです(笑)


みっつめが「騙しの文化」です。

日本人は古来、騙す人と騙された人がいたら、「騙す人が悪い」と考えます。
実はそうした考え方が成立するためには、世の中が豊かで平和で、手ひどい悪事を働く人がいない社会であることが不可欠です。
そもそも騙す人がいないのですから、騙される人もいない。
そういう社会の中にあれば、騙す人が出れば、それは「悪」であるとされるわけです。

ところが世界はそうではありません。
一部の支配層が民衆から徹底的な収奪をし、民衆は貧窮のどん底暮らしです。
そうした社会にあっては、むしろ支配層をうまく騙して利得を得た人が、喝采を浴びることになります。
こうして、騙される方が悪いのだ、という文化が成立していきます。
すると、騙してでも利得を得たものが勝ち、という社会になります。
けれど、そうは言っても騙された側は、いつまでも、騙された恨みを忘れない。
そこから「恨の文化」なんてものが生まれたりもするわけです。

こうなると、意図的に「恨み」を作り出すことで、自己の優位を図ろうとする馬鹿者まで現れるようになります。


新約聖書に次の言葉があります。
「友のために自分の命を捨てること、これ以上に大きな愛はない」

古代ローマの歴史家のキケロの言葉です。
「あらゆる人間愛の中で、
 最も重要で最も大きな喜びを与えてくれるのは
 祖国への愛である」

愛と喜びと幸せと美しさ。
そうしたものを大切にして生きることができる社会を生むために、私たちはいまいちど日本文化の根底にある、「よろこびあふれる楽しい国」を目指すという国柄を回復させていかなければならないと思います。


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Author:小名木善行(おなぎぜんこう)
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昭和31年1月生まれ
国司啓蒙家
静岡県浜松市出身。上場信販会社を経て現在は執筆活動を中心に、私塾である「倭塾」を運営。
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