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10月23日13:30より富岡八幡宮婚儀殿で第95回倭塾を開催します。 詳細は↓で。
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我々は、日本という国の持つ歴史、文化、伝統、国風をしっかりと学ぶ必要があります。 その上で海外の文物も学ぶ。 基礎を固めてから、舶来思想を学ぶのです。 この順番が逆になるものを、「かぶれ」と言います。 「かぶれ」は、痒くなるだけで、迷惑千万です。
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画像出所=https://reki.hatenablog.com/entry/190402-World-Utopia-Legends
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画像は単なるイメージで本編とは関係のないものです。)
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歴史を学ぶことでネガティブをポジティブに 小名木善行です。
!!最新刊!! 以下に示すのは、昭和7(1932)年に刊行されたある本に掲載された文章です。
ちょっと堅い文章ですが、是非、ご一読なさってみてください。短いものです。
*
国家の進運は
畢竟(ひっきょう)
その国家本然(ほんねん)の
独創的改革によって
はじめて成就し得るものであって、
決して模倣によって
招来(しょうらい)し得るものでない。
日本には本来、
建国の昔から貴き伝統があり、
有難き国風がある。
ロシアの真似も、
英国の真似も、
アメリカの真似も、
すべてそれらは、
この国風を長養(ちょうよう)する意味で
摂取する場合においてのみ
意義を発揮し得るのであって、
単に模倣のための模倣は
決して日本のためにならぬのである。
その昔
儒教仏教もこれが国風化したときに、
はじめてそれは日本国家のものとなり得た事実に鑑み、
欧米舶来の新思想もまた、
これを国風化して
日本開展の一資料たらしむる覚悟が
なければならぬのである。
*
たいへんに内容の濃い文章でが、実はこの文は「特高(とっこう)」と呼ばれた、特別高等警察官の職務手帳である「特高必携」の冒頭序文に書かれているものです。
戦前の「特高警察」といえば、思想取締警察として有名で、苛酷な拷問や尋問を行った恐怖の機構組織と、いまどきの多くの方が思っておいででいるようです。
特別高等警察は一般の警察機構が都道府県単位に独立した警察組織になっているのに対し、特高は内務省の直接指揮下に置かれました。
そして全国規模で思想の取締を行いました。
特高警察がおかれたのは、大正12(1923)年です。
なぜそういう機構がおかれたのかは、時代を考えると答えはすぐに見つかります。
その前年の大正11(1922)年に、日本共産党が結成されたのです。
大正六年(1917)にはじまる共産主義のロシア革命では、ニコライ二世など、ロマノフ王朝の王族がことごとく虐殺されました。
大正九年(1920)には、ロシアのニコライエフスクで尼港事件が起きて、ソ連の共産主義者(露中韓人)たちによって日本人居留民約700人が、みるもおぞましい姿で全員虐殺されるというたいへんショッキングな事件も起こりました。
さらに大正十一年(1922)になりますと、ソ連が世界の共産化を目指してコミンテルン組織をつくりました。
そしてコミンテルンは「世界から君主を廃絶すること」を目標に掲げました。
これは我が国でいえば、天皇の廃絶です。
しかもそのためには、どれだけの人の命を奪っても、それは革命のためだからということで正当化されるというのです。
思想信条は自由です。
いろいろな考え方を持つ人が切磋琢磨するから、人々の生活は進化していくのです。
けれどだからといって、何をしても良いことにはなりません。
まして理不尽な暴力を用いた殺人を是認することは、絶対に許してはいけないことです。
そのような人や団体は、取り締まらない方が、どうかしているのです。
ですからこの時代、世界中で共産主義者に対する逮捕や投獄がさかんに行われました。
日本でも、日本共産党という極左暴力集団が結成された以上、これを取り締まるための警察機構が必要になりました。
これは当時の世界の常識でした。
大正十四年(1925)には、先般お話した「治安維持法」が制定されました。
これにより特高警察の取締に法的根拠が明示されました。
そして昭和初期にあった無政府主義者や、朝鮮独立運動と称するテロ組織、あるいは似非宗教などの反政府的団体も、取締の対象となりました。
これを思想弾圧、言論弾圧と思われる方もおいでになるかもしれません。
しかし犯罪は、常に「起きてからでは遅い」のです。
ですから犯罪が起きる前に、おかしな思想に染まったと思われる人に警告を与え、必要に応じて逮捕し、ひとりひとりに説諭を与え、更生の機会を与えることが大事なのです。
戦後、特高によって逮捕投獄された人たちが、GHQの解放によって、牢獄からゾロゾロと出てきました。
彼らは口を揃えて
「自分は国家権力による弾圧にもめげずに信念を貫き通した」と言いました。
なるほど彼らがヒーローになるためには、特高による取り調べが厳しいものであればあるほど彼らにとって都合がよかったのかもしれません。
そのために、特高の取り調べは、脚色され増幅され、特高警察自体があたかも暴力機構であったかのように宣伝されました。
けれど特高警察の取り調べが、ほんとうにそれほどまでに苛酷なものであったのなら、どうして保釈された彼らは、きわめて健康な状態で出所して共産主義活動を再開できたのでしょうか。
近年、法輪功や香港独立派の学生が逮捕され、なかには出獄できた人もいますけれど、誰も彼もがまるで幽鬼のような姿になっているし、若い女性の逮捕者などは、まるで別人のように痩せこけ、体中がボロボロになった姿で出所してきています。
共産主義国家における思想犯逮捕は、かくまでにおぞましい拷問が繰り返されるものなのです。
「特高必携」の序文には、冒頭でご紹介した文に続けて、次のように書かれています。
*
特高警察官は、
彼等に対してよき薫陶を与え、
よき反省のための伴侶であり、
師であり、
友であることによって、
職務の実を挙げ得るよう心掛くべきである。
それは独りその人々の幸福たるのみならず、
国家のための至福たるべきものである。
*
いかがでしょう。
もし本当に特高警察が、苛烈で鬼のような恐ろしい殺人鬼集団であったのなら、特高に逮捕された人たちは、そもそも出所できていなかったのではないでしょうか。
実際には逮捕された人たちは、特高の捜査官たちが真面目に向き合い、彼らの話も一生懸命に聞きながら、彼らに対して、その心得違いを諭し、ときに涙を流しながら、彼らに日本の国風にあった改革を考えるよう、懸命に説得を重ねていました。
もちろん暴力をふるうこともありました。
暴力が良いこと悪いことという議論はさておいて、我が国の特高では、不幸にして取調中に亡くなった方は小林多喜二1名しか例がありません。
これが共産主義国の政治犯収容所なら、数千、数万人規模で死者が出ています。
逆にいえば、特高警察官が、当時の世界の思想犯に対して、「どれだけやさしかったか」ということです。
戦後、GHQによって特高警察は解散させられました。
その一方で、元政治犯たちによって、特高は恐怖の国家権力集団としての印象操作が行われました。
そしてその印象操作は今でもまだ続いています。
かつて特高警察官として、涙を流して説得にあたっていた、まじめで正義感の強い警察官たちの悔しさは、いかばかりだったことでしょう。
さて、その特高警察が取り調べにあたった対象が共産主義者です。
共産主義思想は、ロシア正教にもともとあった「ユートピア」に由来しています。
根っこのところに、ロシアの宗教的伝統文化があるのです。
だからこそ、世界初の共産主義国はロシアに産まれました。
ユートピアというのは、ロシア正教が太古の昔に「あった」とする貧富の差のない理想郷です。
人類は社会の発展にともなって貧富の差や格差を産んだけれど、未来には人類発展の理想型として神によってユートピアが人々に与えられるというものです。
これは日本でいうなら、さしずめ極楽浄土です。
ただし極楽浄土が死後の世界であるのに対し、ユートピアは現世の社会であるという点が異なります。
もとが宗教的理想郷ですから、そのユートピアなる社会が、どのような刑事、民事、商事等に関する社会構造があるのかといった具体像はありません。
極楽浄土の社会構造や、立法、司法、行政の仕組みに具体的解説がないのと同じです。
あろうがなかろうが「ある」と信じるのが信仰です。
これだけなら、共産主義はただの宗教的空想論です。
ところが、現実の貧富の差のある中で、このユートピア思想に当時流行したダーウインの進化論が加わりました。
進化論は、すべての生物は進化するものであり、進化に乗り遅れたものは淘汰されると説かれます。
自然淘汰の原則です。
ですからユートピアにむかうことが人類の進化とするなら、これを阻害する者は、たとえ相手が君主や貴族や雇い主、はたまた同じ共産主義者であっても思想的に対立する者は、すべて淘汰されてしかるべし、となりました。
淘汰の原則に従って、進化した人類は、古い未進化の人類から、殺たり奪ったりして構わないということになったのです。
これは強盗や殺人鬼、権力主義者などには、まことにもって都合の良い思想です。
なぜなら彼らの悪辣な趣味嗜好が「科学的に」正当化されるからです。
どれだけ凶悪な悪事を働いても、進化のためだという一言ですべて愛国無罪になる。
おかげで共産主義によって殺害された人の数は、共産主義誕生以来おそらく10億人を下らないであろうとさえ言われています。
とんでもない暴力主義です。
冷静に考えれば、実にとんでもない話ですけれど、当時のロシアの人々は、共産主義のユートピア思想にコロっと騙されました。
なぜならもともとユートピアを希求する歴史、文化がロシア内部にあったからです。
ここが大事なところです。
ひとつの大きな変化は、それ以前にその国に、それに似た思想文化が背景になければ成立しないということだからです。
ただし、そうした土壌があってもなお、ロシアの共産主義者たちが、ロシア国内でに共産主義国を実現するためには、人類史上も、ロシア史上もかつて類例のないほどの、異常な殺人を重ねなければならなかったことは、注目に値します。
このような危険思想を、ただやみくもに日本にとりいれるのは、いかがなものかと思います。
それぞれの国には、その国に根ざした歴史、文化、伝統があります。
良いところは学び、そうでないところは切り捨てて、我が国なら我が国の国風にあった形に改善・改良しながら、学び、取り入れていかなければならないのではないか。
冒頭の「特高必携」の序文は、そのように書いているわけです。
序文は、儒教や仏教のケースも採り上げています。
古代の中国で生まれた儒教も、インドで生まれた仏教も、日本国内で長い年月をかけて神道的思想と一体化し、国風化しました。
なぜ国風化したのかといえば、儒教や仏教でさえも、我が国の国風にあった形にならなければ、我が国内で一般化し、常識化することはなかったからです。
このことが「欧米舶来の新思想もまた、これを国風化して日本開展の一資料たらしむる覚悟がなければなない」という言葉にもなっています。
この意味からすれば、欧米生まれの自由主義、民主主義、資本主義といった思想さえも、やはり我が国の歴史、伝統、文化に即して、良い部分は取り入れ、良くないところは切り捨てる。
そういう国風化していく努力が、まず必要だということです。
なんでもかんでも舶来モノをありがたがるのではなく、日本の国情にかんがみて、学び、活かすという努力が大事です。
すこし脱線するかもしれませんが、英国生まれの高級スコッチのジョニ黒は、昭和40年代、つまり、サラリーマンの初任給が1〜2万円だった時代に、国内での販売価格は1万円しました。
いまで言ったら一本20万円くらいの感覚になるのでしょうか。
まさに高級酒だったわけです。
けれど当時のジョニ黒は、英国から船に載り、アフリカ南端の喜望峰をまわって、はるばるインド洋を経由して日本に輸入されていました。
まだ船に冷蔵設備などなかった時代です。ですから赤道を通過するときには、船内でウイスキーが沸騰しました。
このため日本に着く頃にはもともと英国で売られているときとは全然別な味に変わってしまっていました。
ところが当時の日本では、庶民に手が届かない高級酒として贈答用にたいへん喜ばれていました。
いまでは冷蔵して輸入されますから、英国で売られているジョニ黒も、日本で売られているそれも、味は同じです。
そして当時もいまも、値段は同じで14000円くらいです。
沸騰ジョニ黒だった時代、高給スコッチは、贈答用にかなりの数が売れたのですが、何をいいたいのかといいますと、
「味より値段が高いことが重要だった」
ということです。
かつては北朝鮮が人類の理想国家として、北朝鮮への移民が奨励された時代もありました。
日本は世界最悪のひどい国であり、北朝鮮には、人類が理想とすべき素晴らしい楽園が建設されているから、こんな日本は捨てて、北朝鮮に移り住もうというわけです。
けれど、現実の北朝鮮がどういうものであったか、いまでは誰でも知っています。
ただ、このとき移民を斡旋した連中は、大儲けしています。
要するに、思想であれ品物であれ、なんでもかんでも舶来品をありがたがるのは、なんらかの下心や邪心のもたらす悪徳商法や、利権集団の悪事の宣伝によるダマシでしかないということです。
ほんとうに我が国民のためを思うのならば、北朝鮮を理想郷としてそこに逃げ出すのではなく、「よくない」と思っているその日本を、いかにして住み良い国に変えていくかが大事です。
そのために世界中の様々な習俗や思想を学び、それをいかにして日本の国風に調和させていくか、そういうことをまじめに考え実行することが大事です。
そのためには、まずは日本という国の持つ歴史、文化、伝統、国風をしっかりと学ぶ必要があります。
その上で海外の文物も学ぶのです。
基礎を固めてから、舶来思想を学ぶのです。
この順番が逆になるものを、「かぶれ」と言います。
「かぶれ」は、痒くなるだけで、迷惑千万です。
戦後の日本は、否定してはいけないものを否定し、肯定しなければならないものを否定し、否定しなければならないものを肯定し、ただただ経済優先でやってきた時代です。
そろそろ日本人は冷静さを取り戻し、戦前の日本を再評価して、より良い、ほんとうに日本人が日本人として、豊かに生きれる社会について、本気で考えるべき時代がきていると思います。
日本をかっこよく!お読みいただき、ありがとうございました。
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