真実は真ん中にあって新しく生まれるもの



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互いに自分の意見に固執することなく、一緒に新しい答えを見つけ出すためにしっかりと話し合う。
それが日本式議論です。
そういうことを、私たちはあらためて歴史からしっかりと学び直す必要があります。

20200919 和柄



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歴史を学ぶことでネガティブをポジティブに
小名木善行です。

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冠位十二階の翌月に発布された十七条憲法は、冠位十二階による上下関係の秩序を打ち立てた上に、今度は上下心を開いて互いに議論する大切さを説いたものであるというお話は、当ブログで何度もさせていただいたお話しです。

議論のことを十七条憲法は「論」と書いて「あげつらふ」と読ませています。
「あげつらふ」とは「面(つら)を上(あ)げて議論すること」です。
冠位十二階があり、上下関係は、冠の色で明確に「色分け」されています。
上の人の前では、下の人は、低頭しなければなりません。

低頭して、上の人から「面(おもて)を上げよ」と言われて、はじめて顔を上げることができる。
それがルールです。
特に相手が偉い人の場合は、「面をあげよ」と言われても、一度言われただけでは顔を上げてはいけない。
一度目は、「ははぁ」と言って、さらに低く頭を下げます。
そしてさらに二度目に「面をあげよ」と言われたとき、はじめて顔を上げることができる、と言うのがルールであり、作法です。

けれど、大事なことを決めるときには、上に立つ人は寛容の心を持ち、下の人も心を開いて、互いに顔を上げて、相手の目を見て議論する。
そうすることで、間違いをなくし、みんなで心をひとつにして、大事なことに当たりましょう、と言うのが十七条憲法です。

そしてそのために、議論(論(あげつらふ))の作法として、
「まずは和を大切にしなさい」とし、さらに
「相手を呪ってはいけません」と続けています。

「相手を呪う」というのは、相手の人格を攻撃することを言います。
議論は、そのテーマに即して行うものであり、相手の人格攻撃を行うのは、ルールに反します。
そして古い時代から我が国では、議論は大いに奨励されたものの、相手の人格攻撃を行えば、その瞬間に、議論が議論でなくなり、人格攻撃をした側は、議論への発言権を失いました。

こうなると、上に立つ人から、下の人への人格攻撃は全くできません。
それをした瞬間に、話のまとめ役であるべき上の人が、議論への発言権を失ってしまうからです。
下の人も、周囲や上の人への人格攻撃はできません。
した瞬間に、議論の発言権を失うからです。

こうしたルールが、日本人が互いを敬い、大切にしあうという日本文化を形成してきています。

議論するということは、どちらかの意見に従うということではありません。
議論の結果、たまたまそうなることがあるかもしれないけれど、大切なことは、議論の結果は「中間にあるという自覚」です。

A案とB案が対立するとき、真実の答え、最も正しい答えはAにあるわけでもなければ、Bにあるわけでもない。
実はその中間にある、という考え方です。

これは男女の出会いと同じです。
A案が男、B案が女と仮定してみます。
男女は、互いに全く異なる存在です。
見た目も違えば、考え方も異なります。
そんな全く違うものが出会い、結ばれたとき、新たな命としての子が生まれます。
そして、その子は、父である男とも、母である女とも、全く異なる新しい生命を持ちます。

議論もこれと同じです。
「上(かみ)和(やわら)ぎ下(しも)睦(むつ)びて
 事を論(あげつら)ふに諧(かな)うときは
 すなわち事理おのずから通ず。
 何事か成らざらん」
と、これが十七条憲法の第一条に書かれていることです。

和は大切です。
けれど、和を大切にするために、真実を捨ててしまうことは馬鹿げたことです。
議論すべきときには、しっかりと議論する。
しかし決して相手への個人攻撃はしない。
そして互いに自分の意見に固執することなく、一緒に新しい答えを見つけ出すためにしっかりと話し合う。
それが日本式議論です。

そういうことを、私たちはあらためて歴史からしっかりと学び直す必要があります。


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小名木善行(おなぎぜんこう)

Author:小名木善行(おなぎぜんこう)
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昭和31年1月生まれ
国司啓蒙家
静岡県浜松市出身。上場信販会社を経て現在は執筆活動を中心に、私塾である「倭塾」を運営。
ブログ「ねずさんの学ぼう日本」を毎日配信。Youtubeの「むすび大学」では、100万再生の動画他、1年でチャンネル登録者数を25万人越えにしている。
他にCGS「目からウロコシリーズ」、ひらめきTV「明治150年 真の日本の姿シリーズ」など多数の動画あり。

《著書》 日本図書館協会推薦『ねずさんの日本の心で読み解く百人一首』、『ねずさんと語る古事記1~3巻』、『ねずさんの奇跡の国 日本がわかる万葉集』、『ねずさんの世界に誇る覚醒と繁栄を解く日本書紀』、『ねずさんの知っておきたい日本のすごい秘密』、『日本建国史』、『庶民の日本史』、『金融経済の裏側』、『子供たちに伝えたい 美しき日本人たち』その他執筆多数。

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