天皇による親任と天皇の御譲位の制度



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たいせつなことを書きます。
天皇による国務大臣その他への親任のことと、天皇のご譲位のことです。
この2つは相互に関連しています。
そしてこのことに加えて天皇が終身制となることによって、日本では政治権力の暴走への最後の歯止めが効かなくなってしまったのです。

20160628 天皇皇后両陛下2



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たいせつなことを書きます。
天皇による国務大臣その他への親任のことと、天皇のご譲位のことです。
この2つは相互に関連しています。

まず親任(しんにん)です。
わかりやすいように、内閣総理大臣を例にとります。

内閣総理大臣は、戦後の日本国憲法下では、政権与党第一党の党主が務めることになっています。
ただし、政権与党第一党の党首になっただけではダメで、天皇による親任を経て、はじめて総理としての権限を持つことになります
これは、会社でいえば、内示と任命の関係になります。
あたりまえのことですが、部長の内示を受けただけでは、部長としての印鑑の効力はありません。
何月何日をもって○○部長に任命する、という正式な辞令が出て、はじめてその人は部長としての権限の行使をすることができます。
その辞令に相当するのが、天皇による親任式です。

この親任という制度は、古代の律令時代にまでさかのぼります。
太政大臣にしても、左大臣、右大臣にしても、天皇によって親任されて、はじめてその権力の行使が可能になりました。

では、天皇による親任とはどのようなものかというと、天皇は天照大御神から続く霊(ひ)の存在です。
ですからこのことを天津日嗣(あまつひつぎ)といいます。
日嗣(ひつぎ)の日(ひ)は、霊(ひ)でもあり、天照大御神から連綿と続く万世一系の霊(ひ)を受け嗣(つ)ぐという意味です。

ですから、天津日嗣による親任は、そのまま神々の御意思としての親任になります。
わかりやすくいえば、その人が内閣総理大臣や太政大臣に任命されるのは、それは神々の御意思に基づくとされたわけです。

けれど、現実には、その任命は人が行うわけです。
天皇であっても、所詮は人間です。
ですから、あたりまえのことですが、間違いもあります。

太政大臣に任命したのは良いけれど、真面目な人だと思って任命したら、実はとんでもない人間で、私腹を肥やすことばかり考えていて、まったく民生を見ようとしない・・・などといったことも、現実には起こり得るわけです。

けれど、任命は、神の意思、天皇による親任であったわけです。
これには誰も苦情を言えない。

そこで登場するのが、天皇の御譲位です。
現天皇が任命した太政大臣であっても、次の天皇が誰を太政大臣に任命するかは、次の天皇次第なのです。
これが権力の暴走へのブレーキになります。
また、天皇から親任を受けた者への緊張、プレッシャーになります。
ちゃんと真面目に仕事をしないと、天皇が御譲位されて、次の天皇が自分を指名してくれるかどうかは、誰にもわからないからです。

これが江戸時代まで続いた我が国の形の根幹です。

ところが明治時代に生まれた大日本帝国憲法は、この形を強引に変形し、天皇を終身制にしてしまいました。
すると、天皇が崩御されるまで、政治権力者は、すきなように政治ができてしまうわけです。
内閣総理大臣であれば、任期が満了するか、本人が辞任するか、本人が逝去でもしない限り、就任中に好き放題な政治ができてしまうわけです。
この仕組は、戦後の日本国憲法も同じです。

つまり天皇が終身制となることによって、日本では政治権力の暴走への最後の歯止めが効かなくなってしまったわけです。

現上皇陛下(平成の天皇)は、さんざんご苦労の上、やっと明治以降、初の御譲位を実現されました。
しかしこれはとても大切なことです。
御譲位は、天皇ご自身の御意思によって、本当は、もっとかんたんに行うことができるようにすべきことなのです。


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小名木善行(おなぎぜんこう)

Author:小名木善行(おなぎぜんこう)
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昭和31年1月生まれ
国司啓蒙家
静岡県浜松市出身。上場信販会社を経て現在は執筆活動を中心に、私塾である「倭塾」を運営。
ブログ「ねずさんの学ぼう日本」を毎日配信。Youtubeの「むすび大学」では、100万再生の動画他、1年でチャンネル登録者数を25万人越えにしている。
他にCGS「目からウロコシリーズ」、ひらめきTV「明治150年 真の日本の姿シリーズ」など多数の動画あり。

《著書》 日本図書館協会推薦『ねずさんの日本の心で読み解く百人一首』、『ねずさんと語る古事記1~3巻』、『ねずさんの奇跡の国 日本がわかる万葉集』、『ねずさんの世界に誇る覚醒と繁栄を解く日本書紀』、『ねずさんの知っておきたい日本のすごい秘密』、『日本建国史』、『庶民の日本史』、『金融経済の裏側』、『子供たちに伝えたい 美しき日本人たち』その他執筆多数。

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