災害対策と三大神勅



本来であれば、あらゆる災害から大御宝の命を護るのが政府の役割のはずなのに、いまの日本政府は利権集団と化しています。
災害への姿勢があるといえるのかは甚だ疑問です。
我々は日本が三大神勅の国であることを、いまいちど根底から考え直して行かなければならないのではないでしょうか。

20200117 高天原
画像出所=http://www.cluster.jp/hp/?attachment_id=5038
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三大神勅(さんだいしんちょく)は、天照大御神が、孫である瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)が地上に降臨するに際して詔(の)らされたとされる3つの御神勅(三大神勅)のことをいいます。

1 天壌無窮の神勅(てんじようむきゅうのしんちよく)
2 宝鏡奉斎の神勅(ほうきようほうさいのしんちよく)
3 斎庭稲穂の神勅(ゆにはいなほのしんちよく)

ひとことでいうと、この三大神勅は、いずれも天然の災害が多発する日本という国土において、絶対に必要な3つのことを示したものということができます。

天壌無窮の神勅は、瓊々杵命の子孫がずっと我が国を「治(し)らせ」と説きます。
「治(し)らす」というのは、国家最高権威が、国家の政治権力よりも上位となって、民衆を「大御宝(おほみたから)」と規定することをいいます。
つまり民間の活力こそが国を救う。
その民間の活力がなければ、災害対策はできないし、災害からの復興もできないのです。

宝鏡奉斎の神勅は、地上における天皇の権威が、天上界における天照大御神と同じものとすることを示します。
つまりどのような政治権力であっても、神の威光の前には従わなければなりません。
その神の威光を示す鏡(八尺鏡(やたのかがみ))を持するのが天皇です。
その天皇が、常に大御宝である民が、豊かで安心して安全に暮らせるようにと祈られる。
これに逆らうものはご神威に逆らうということになります。

斎庭稲穂の神勅は、稲作に用いる稲が、神稲であることを示します。
その神稲から穫(と)れるお米は、神々からの授かりものです。
なぜなら冷蔵庫のなかった時代に、お米だけが常温で数年の長期の備蓄に耐えるものであったからです。
いざ災害というときに、食料の備蓄があるとないとでは、その後の人々の生き残りに雲泥の差が生じます。

稲作は、たいへんな労役を伴います。
土地を拓いて田をつくらなければならないし、田に水をひかなければならない。
そのために水害に遭ってはならないから、堤防など河川の管理も必要です。
ようやく田ができても、苗代づくりから、田植え、草取り、収穫といった労役が伴います。
とりわけまだ鉄器がなかった時代に、稲刈りがどれだけたいへんなことであったか。少し考えたらその苦労は誰しも容易に理解することができると思います。
その日暮らしの狩猟採集生活の方が、よほど楽なのです。

もともと日本民族は、海洋民族です。
つまり海に生きる民族です。
だから世界中にでかけていくことができましたし、実際、祖代、古代から中世に至るまで、世界中に日本人の足跡が残っています。
このことはつまり、日本民族が古代において諸外国を植民地化することさえできた可能性を示唆(しさ)します。
けれど日本人はそれをしませんでした。
むしろ、自国内の食生活を安定させ、自分たちが平和で豊かな国を築くことで、逆に諸外国と対等に富を分かち合うという選択をしています。
このことは、西洋が14世紀以降、諸外国からの収奪をもって自分たちの富を築こうとしたことと、まったくの対象をなしています。

ちなみにお米については、いまでは古米や古々米よりも新米の方が値段が高いですけれど、昭和初期までは、実は古米の方が値が高かったのです。
新米のほうがおいしいのに、どうして新米の値段が安く、古米、古古米の順に値が上がったのかというと、それは需給バランスの問題でした。

新米と古米は備蓄するもの、食べるのは古々米からというのが社会の常識です。
ということは、市場に新米が出るということは、相当、食べるお米に困っているということです。
即換金しなければ生活できないというところまで追い詰められているから、新米が市場に出される(売られる)のです。
ということは、お尻に火がついている状態ですから、当然、買い叩かれる。
つまり仕入れ値がそれだけ安い。
だから、売価も安くなる。
我々の祖先が築いた社会の一端をうかがわせる事柄であろうと言うことができます。

現代社会においては、冷蔵庫や冷凍庫が生まれることによって、新鮮な食べ物を長期にわたって保管することができるようになりましたし、耕運機などの農業機械によって稲作も楽になりました。
とりわけ冷凍コンテナの開発は、海を越えて海外からも新鮮な食物を新鮮なままで運ぶことを可能にし、国際的な食料需給を可能にしています。
また、国内の食料備蓄においても耐震性や耐火性にすぐれた保管庫が開発され、なるほど昔とは環境が随分と替わってきています。

では、食料の国際交通が確立し、冷凍庫による備蓄ができあがっていれば、それで本当に災害時の食料は十分にまかなえるものなのでしょうか。

戦後、これまでにも度々、何らかの事情で食料の国際交通が遮断され、スーパーから食料が消え去るということが起こりました。
幸い、2〜3週間もすれば、復旧できる程度の流通の混乱でしたから、一時的なもので済みましたが、大規模災害が発生したとき、果たして大丈夫なのかといえば、答えはNOです。

では日本政府は、そうした場合に餓死者を出すのでしょうか。
それを放置するのでしょうか。

災害は、地震や台風、あるいは水害ばかりではありません。
疫病(伝染病)の危険もあります。

本来であれば、あらゆる災害から大御宝の命を護るのが政府の役割のはずなのに、いまの日本政府は利権集団と化しています。
災害への姿勢があるといえるのかは甚だ疑問です。
我々は日本が三大神勅の国であることを、いまいちど根底から考え直して行かなければならないのではないでしょうか。


※この記事は2020年1月の記事の再掲です。
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