私達日本人は、いまの肉体だけの幸せや富のためばかりに生きる民族ではありません。 過去から現在、そして未来へと続く時間という横軸と、お亡くなりになられて天におわず御魂と、いま我々が生きている地上社会という地、つまり天地という縦軸が交差しているところで、中今(なかいま)に生きているのが日本人です。 そして過去からの心を未来につなぐ。 それは何より、未来を担う子どもたちの幸せを願ってのことです。 世の大人たちにとって、このことはとても大切なことです。
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日本を豊かに 小名木善行です。
!!最新刊!! 『英霊に贈る手紙』(青林堂)という本があります。
発売されたのが2015年です。
散って英霊となられた方々へ、ご遺族が綴ったお手紙集です。
出版にあたり、寄せられたご遺族からのお手紙は584通にのぼったそうです。
今回、その中から珠玉の60通のお手紙が、この本に収録されています。
その中に、アッツ島で玉砕した山崎保代陸軍中将の娘さんのお手紙が掲載されています(164頁)。
山崎中将とアッツ島の玉砕のことは、昨日の拙ブログ「5月29日アッツ島玉砕」でご紹介させていただきました。
アッツ島守備隊2,650名、その最後の玉砕戦が終わった後、累々と横たわる日本の突撃隊の遺体の先頭には、山崎中将のご遺体がありました。
これは米軍が確認した事実です。
山崎中将は、突撃攻撃の最初から、先頭にいました。
当然のことながら、先頭はいちばん弾を受けます。
おそらく山崎中将は、途中で何発も体に銃弾を受けたことでしょう。
その度に、倒れられたのでしょう。
それでも中将は、撃たれては立ち上がり、また撃たれては立ち上がって、そしてついに味方の兵が全員玉砕したときにも、山崎中将は突撃隊の先頭に這い出て、こときれていました。
享年51歳でした。
米軍戦史は、このときの戦いを次のように記しています。
「突撃の壮烈さに唖然とし、戦慄して為す術が無かった。」
そんな山崎中将以下のアッツ守備隊に向けて、昭和天皇は、
「すぐにアッツ島の部隊長に電報を打て」
と指示されました。
アッツ守備隊は、すでに突撃し、全員お亡くなりになったあとのことです。
杉山参謀総長が、
「閣下、電報を打ちましても、
残念ながらもう通じません」
と、お答えしたところ。陛下は、
「たしかに、その通りだ」と、うなずかれ、
「アッツ島部隊は、最後までよく戦った。
そういう電報を、杉山、打て」
とおっしゃっられました。その瞬間、涙があふれて。
山崎中将への娘さんの手紙には、中将が、家で食事をしているときにも、ふと箸を置かれ、隊に電話をかけ、
「今夜は風も強いし寒いから
十分火の用心をし、
営倉の兵は特に寒いだろうから
水筒に熱い湯を入れて差し入れるように」
と、いつも兵隊さんのことを気にかけ、その親御さんの気持になって、大切にしておられた、そんな人であったエピソードが綴られています。
昨年、靖国神社遊就館で行われた「大東亜戦争七十年展」に、その娘さんが行かれたところ、お父さんの山崎中将の遺影の下に、
「兵の名前と顔を1ヶ月で覚え、
ひとりひとりに声をかけてまわり、
分け隔てなく部下に接するその人柄に、
皆感激して奮い立った」
と、生還された方の証言が書かれていたそうです。
娘さんは、そんな父のエピソードを、そこではじめて知り、
「兵隊さんを大切に思う
お父様のお気持ちと
そのご苦労に頭が下がりました。
皆様のご冥福を祈りながら。
さようなら」
と綴られています。
日本の歴史は、西洋やチャイナなどにあるような英雄譚ではありません。
庶民の歴史です。
いつの世も、庶民が歴史の主役を成してきた国柄を持ちます。
信長や家康にしても、彼らを支えるひとりひとりの武士たちがいたからこそ、戦国の世を終わらせることができたのです。
かつての陸軍においても、兵を兵としてしか思わないような将校はいません。
部下の兵も、そして敵兵までも、どこまでも命ある人と考え行動してきた。
それが我が国の大将であり、将校であり、武士たちでした。
その日本文化の延長線上に、英霊へのご遺族のお手紙があります。
※この記事は2021年1月の記事の再掲です。
日本をかっこよく!お読みいただき、ありがとうございました。
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