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長谷寺(奈良)の梅

画像出所=http://710ichibou.blog.fc2.com/blog-entry-342.html
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日本をかっこよく!!!最新刊!! お世話になっている北辰一刀流の椎名先生の道場に、
「剣胆琴心」
という額が掲げられています。
剣士たるもの、常に剣を肝に起くべし。
なれど同時に、気品あることの音色をも心に保つべし
といった意味の言葉です。
武士は戦場に出る際は、鎧兜にお香を焚き染めました。
死後にも良い香りに包まれるようにとの配慮からです。
武家の屋敷もまた、お香が常に焚かれていたといいます。
春の香りというと、梅の香りがまずはじめです。
花は、梅、桜、桃の順で咲いていきます。
その梅を通じた紀貫之の和歌があります。
人はいさ 心も知らず ふるさとは
花ぞ昔の 香に匂ひける
この歌は、紀貫之が奈良の長谷寺に参拝したときに、近くの宿屋で詠んだ和歌です。
長谷寺というのは、奈良・大和路にある有名な「花の寺」です。
長谷観音とも呼ばれます。
ご本尊の十一面観世音菩薩は、その姿を33種に変えて、求めに応じて救いの手を伸べてくださる慈悲深い菩薩様で、人々の願いを叶える慈悲深い御仏様です。
要するに長谷寺は、願いを叶えてくれるお寺として、全国から参拝客が絶えなかったお寺です。
しかもこの季節、梅花の名所でもありました。
いまから千年前のこと、京の都に住む紀貫之(きのつらゆき)が、梅の季節にその長谷寺に詣でました。
奈良に来るたび使っていた宿屋に着くと、そこの女将が、
「あら、紀貫之様。
お久しぶりでございますわね。
私もずいぶんと歳をとってしまいましたが、
このように宿は昔のままでございますわ」
すると紀貫之は、なにやらサラサラと歌を書き、
その歌に、入り口にあった梅の小枝を、一輪添えて女将に手渡すのです。
そこには、
「人はいさ心も知らずふるさとは
花ぞ昔の香に匂ひける」
と書かれていました。
女将は、「あたしが歳をとって容姿が衰えたから、紀貫之様は、しばらく来なくなったの?」
と言っているわけです。
ところがこれに対し紀貫之は、
「他人様のことなんて知らないよ。
でもさ、俺にとってのふるさとは、
変わらぬ梅花の香りと同じ
昔のままのお前の笑顔なんだぜ」
と、梅花を添えて詠んだわけです。
歌の解釈は、それぞれの自由です。
ですから多くの先生方が、この歌に詠まれた相手を、宿屋の女将であり、紀貫之は、その女将と「できていた」と解釈したりしているようです。
けれど私は、紀貫之は、女将の笑顔の中に、都に残してきた意中の女性の笑顔を重ねたのであろうと読んでいます。
昔は通い婚社会ですから、意中の女性というのは、妻ということになります。
女性はいくつになっても、自分の容姿を気にします。
けれど男性にとっては、本当は見た目の容姿より、大好きな女性の笑顔こそ心の宝です。
近年の脳科学の研究で、性欲と愛情とでは、脳の別な場所が反応していることが確かめられたそうです。
女性は、自分の若さや容姿の美しさをとても気にするけれど、男性にとって大切なのは、昔と変わらない、相手の女性の笑顔です。
もちろん誰しも歳をとります。
けれど、好きな女性の笑顔は、年配の男性にとって、「心の宝」であり、「心のふるさと」です。
紀貫之の歌は、そういう大人の愛を、梅の花の香りに託して詠んだ、これまた名歌だと思います。
この歌は、百人一首の中に選歌されています。
日本をかっこよく!
日本をまもろう!お読みいただき、ありがとうございました。
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