人の世の問題は人の世が起こしたもの



人が作った問題なら、人の力で必ず解決することができる。
そのための不断の努力をし続けることが、人が生きるということなのではないかと思います。

20230712 課題
画像出所=https://www.irasutoya.com/2014/12/blog-post_314.html
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日本をかっこよく!

今回は「人の世の問題は人の世が起こしたもの」というお話です。
意味は、そのままです(笑)

よく聞く話に、政治問題等の時事問題を聞き、もう日本はおしまいだと思うけど、ねずさんの話を聞くと、昔の日本人の素晴らしさに心が洗われる等云云・・・。

すこし変なのかもしれないけれど、政治や時事の話を聞き、なるほどたいへんなことが起きている、ほんとうにこのままではマズイ!と思うようなことはたくさんあるのだけれど、問題が明らかになって、ある意味、良かったと思えるのです。

誤解を招きやすい表現なので、すこし例え話で補足すると、
たとえば新車の販売が開始され、10万台売れたところで、ユーザーから1件の修理依頼があった。
調べてみると、そこに不具合が見つかった。
10万台のなかの1台です。
確率的には0.001%の発生割合でしかありません。
けれど調査をしてみると、その不具合は、販売した全車でも起きる可能性がある。
そんなとき自動車メーカーは、販売した全車についてリコールを行います。
そして次の新車開発の際には、同種の問題が起きないようにする。
これは、普通に日常的に、日本の自動車メーカーなら、どのメーカーでも行われていることです。
日本車の強さの原因がここにあります。

もし万一、そうした不具合に、メーカーが目をつぶっていたらどうなるでしょうか。
重大事故が発生し、たいせつな顧客の命が失われるかもしれません。
また次の新車の開発時にも、同じ問題を引きずることにもなり、メーカーとしての信用が失われることになります。

世界には、スマホなどのメーカーで、発火現象が起きても知らん顔といったメーカーもあります。
莫大な広告宣伝によって、売ることばかりを考えて、改善を施そうとしない。
他所の国で開発された技術をパクるだけで、開発コストをかけずに金儲けに走っているのですから、そうなるのが当然でしょうけれど、パクられる側も馬鹿ではありません。
セキュリティを施し、パクられないような新たな技術が導入されることになる。
すると、儲けたカネに政府まで相乗りして、優れた液晶画面を手に入れるために、優れた液晶画面を作る会社の製品の悪口を喧伝して、その会社の株価を下げ、これを買い占めて、自社の傘下に組み込むことで、世界最高の技術を手に入れ、再びまた金儲けをしようとする。
そんな会社もあります。

けれど技術というものは日進月歩なのです。
いまこの瞬間に世界最高の技術を手に入れたとしても、5年もしたら完全に陳腐化します。
そして不具合を放置した責任もまた、追求されることになります。
結果、そのような会社は、メーカーとしての信用がなくなり、世界の競争から脱落していきます。

「いま」だけを見ていると、「いま」の世界は、財力があれば一流企業といった見方しかされませんから、そんなインチキメーカーであっても、すごい会社といわれていますが、企業の価値というのは財務だけではありません。
誠実に、本当に良いものを提供し、クレームに真摯に向き合うことで、常に品質の向上を図る。
その努力の積み重ねが、本来の企業価値であるといえます。

おもしろいもので、資源エネルギーは世界の様相を一変させますが、それがかつては石炭開発に成功したイギリスが産業革命によって世界の大英帝国となり、次いで資源エネルギーの中心が石油に変わると、石油採掘に成功した米国が世界の覇権を握ることになりました。
現代の世界の構造は、まさにその石油経済です。

石油は、誰かひとりのおっさんが資金を借りまくって大型の掘削機を買い、その掘削機であちこち掘って、たまたまそこから重油が吹き出せば、その瞬間、借金漬けだったそのおっさんが、億万長者になるという仕組みを持ちます。
石炭の時代には、まだ人々が協力しあわなければ石炭の採掘ができないわけですから、大勢の協働が大事にされたのですが、石油の時代になると、一山当てれば億万長者です。
これはまるで宝くじに当たるようなもので、ある意味「宝くじ経済」と言ってよく、この場合、信義誠実などはまったく関係ありません。
宝くじを買って、たまたま当たった人が勝ち組になるというだけの経済体制です。

こうした時代においては、誠実にモノの開発や改善をする人や組織よりも、いまだけカネだけ自分だけで、ひたすら金儲けに走る企業が、世界的に大きな力を持つことになります。

ブランド物のバックなども同じです。
どうしてブランドバックが高価なのかといえば、もともとはそれは特別な職人さんが、特別に腕をふるった製品であったからです。
けれど、現代では、ブランドイメージだけを独り歩きさせ、実際の製品はチャイナ産の安物でありながら、ブランドのロゴマークを付けるだけで、超高級バックとして売られたりしています。
お客様が、それで満足しているのですから、そういうビジネス形態が成り立つのですが、原点に帰って考えてみれば、これは現代の異常のひとつともいえます。

要するに、石油の時代なのです。
ひとやま当てれば大金持ちなのです。
そのためには、なんでもありの時代が、石油の時代といえます。

ところが、世の中の資源エネルギーの中心は、すでに電力に代わってきています。
実際、いま世界の工場で、石炭や石油で動いている工場はありません。
すべて電気で動いています。
まだ移動手段には、飛行機にせよ自動車にせよ、石油が用いられていますが、これも近い将来、電力に代わっていきます。
G7のような会議は、現代では飛行機で世界の要人がリアルに集いますが、10年もしたら、バーチャルな3D会議室に要人が集うことになるかもしれません。
時代は変わりつつあるのです。

そして電力の時代というのは、裏切ったら電気を停めるだけことです。
石油掘削のような一発屋では通用しません。
継続的に用いられる電力は、裏切ったら、その瞬間に電力の供給がストップされるという時代です。
つまり、人々の信義誠実を根幹に置かなければ成立しない時代になるのです。

現代社会における様々な問題は、実はその根幹に、一発当たれば大金持ち、という石油時代の思考が深く関係しています。
一発当たれば良いのです。
どこかの国を叩いて、その国の政府から数百億円のカネを引き出すことに成功すれば、たちまちその担当者は大金持ちになります。これも一発屋の仕事です。
けれど電力の時代では、そうやって引き出したことがわかった瞬間に、コンピューター上で振り込まれた金額の残高が、一瞬で「0」に変わります。

冒頭に申し上げました通り、問題というものは、すべて人が作り出したものです。
人が作り出した問題であれば、人の力で必ず解決することができます。
そして問題が認識されるということは、たとえそれが0.001%のものであっても、認識された時点で、すでに問題は8割方解決されているのです。

もちろん構造的な問題もあります。
石油の時代がもたらしている、嘘をついても儲けた者が勝ちという世の中の仕組みが、そのひとつです。
けれどそうした問題もまた、いま解決の方向に向かって進み出しています。

人が作った問題なら、人の力で必ず解決することができる。
そのための不断の努力をし続けることが、人が生きるということなのではないかと思います。


日本をおもしろく!

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Author:小名木善行(おなぎぜんこう)
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昭和31年1月生まれ
国司啓蒙家
静岡県浜松市出身。上場信販会社を経て現在は執筆活動を中心に、私塾である「倭塾」を運営。
ブログ「ねずさんの学ぼう日本」を毎日配信。Youtubeの「むすび大学」では、100万再生の動画他、1年でチャンネル登録者数を25万人越えにしている。
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《著書》 日本図書館協会推薦『ねずさんの日本の心で読み解く百人一首』、『ねずさんと語る古事記1~3巻』、『ねずさんの奇跡の国 日本がわかる万葉集』、『ねずさんの世界に誇る覚醒と繁栄を解く日本書紀』、『ねずさんの知っておきたい日本のすごい秘密』、『日本建国史』、『庶民の日本史』、『金融経済の裏側』、『子供たちに伝えたい 美しき日本人たち』その他執筆多数。

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