小麦のお話-2

人気ブログランキング←はじめにクリックをお願いします。

岩手県立農事試験場時代の稲塚権次郎氏
(小麦農林十号の開発に成功した頃の写真)
稲塚権次郎2


18世紀初頭の学者に、英国のトマス・ロバート・マルサス(Thomas Robert Malthus)という人がいます。

マルサスは、1798年に、「人口論」という本を書きました。

その中で彼は、

「人口は、幾何級数的に増加する。
一方、食料の生産能力には限界がある。
だから人口の増加には一定の限界がある」

という論を発表しました。

彼の説によれば、世界の人口は20億人が限界で、それ以上は食糧生産高が間に合わず、人口は増加しない、ということになります。

ところが、特に戦後世界は、爆発的に人口を増加させ、いまやその人口は約60億人です。

なぜ、そこまで人口が増えたのかというと、実は、小麦がそのファクターになっています。

人類の食糧は、世界三大穀物と呼ばれる、コメ、小麦、トウモロコシです。
もちろんそればかりではなく、牛や豚の肉を食べたり、野菜や果物も食べますが、腹を膨らませるのは、やはり、ご飯や、パスタ、麺類です。

日本ではコメが主食ですが、欧米やアジアの多くの国々は、小麦です。

小麦から作られる食品といえば、パンやうどんの他、ラーメンやパスタ、マカロニ、餃子の皮、シューマイ、カステラ、ケーキ、天ぷら、トンカツのコロモなどなどがあります。どれも基本的な食品ばかりです。

筆者などは、この世からうどんやパスタ、ラーメンが消えたら、とってもツライ(笑)

支那の人口は、いまや15億人に達しているといわれていますが、実は、戦前の支那の人口は、5億人程度です。

戦後、支那の人口はなんと約3倍に増えたのです。
なぜ増えることができたのかといえば、それは食料が豊富になったからで、ではどうして食料が豊富になったかといえば、小麦の生産高が爆発的に増えたからです。

ちなみに世界の小麦生産量は約6億トンですが、このうち約1億トンは支那で生産されています。
そして支那は、そのほぼすべてを自国内で消費しています。輸出はほぼ、ゼロです。

ではなぜ支那の人口が、3倍にも増えたのかというと、実はそれは日本のおかげです。

実は、日本は、支那の清王朝の西大后が画策した義和団事件で、清国政府から賠償金を得、その賠償金の還元策として、広く華北の産業発展を目指すためにと、北京に華北産業科学研究所を創設したました。

その研究所がもっとも力を入れたのが、支那の農業振興のための研究です。

支那の貧困を救い、彼らに安定した食料を供給しなければ、次のステップとしての教育の振興に至れない。

なんと当時、華北産業科学研究所には、日本の東大、北大、九大などからとびきり優秀な人材を326名も送り込んでいます。

当時の華北地方は、洪水、日照り、イナゴの害といった厳しい自然環境の中で、農民たちがきわめて原始的な農業を営んでいたのです。

そりゃそうです。
人は火を使いますが、火を焚くために木々を燃やせば、森はあっという間になくなり、砂漠化してしまう。
だから華北は砂漠ばかりです。

日本は豊富な森林資源を持つけれど、これは単に日本が温帯地方にあり、高温多湿な国だからではありません。
国をあげて、植林事業や、日常的な森の手当を行ってきたからです。

現に先の大戦で日本は、森林資源の30%を失ったけれど、いまは完全に復活しています。
戦後すぐに、陛下自らが全国を回られ、お手植えで植林をしてまわられたからです。
陛下がお手ずから植林されるのです。
そりゃあ民間だって力がはいる。
(もっとも早く木が育ち、住宅建築に活かせるようにと、当時スギを大量に植えたおかげで、戦後日本では花粉症というやっかいなものまで普及したけれど、これはまた別の話です)

そしてまだ、大戦が始まる前の昭和13(1938)年、日本から、ひとりの人物が支那の華北産業科学研究所に赴任します。

日本を代表する穀物品種改良の大家、稲塚権次郎氏です。

飯塚権次郎氏は、明治30(1897)年の富山県城端町の貧しい農家の生まれです。

字の読めなかった彼の両親は、息子に惨めな思いはさせたくないと、無理をして息子を学校へ入れた。

優秀だった権次郎は、独学で東京帝大農科大学農学実科を受験し、みごと現役で合格し、卒業後、秋田県の農事試験場に勤務します。

ここで開発したのが、「雨にもマケズ」の詩で有名な宮沢賢治が「冷害に強い品種」と大絶賛した米「陸羽一三二号」です。

権次郎の偉いのは、単に新品種を開発するだけでなく、その普及にも奔走したこと。
おかげで、毎年冷害に悩まされた東北地方は、飢饉から救われています。

さらに冷害に強くて収量が多いだけでなく、もっと味の良い品種を、ということで権次郎が開発したのが「水稲農林一号」です。

これは現在のコシヒカリやササニシキ、秋田小町の親にあたります。

ちなみに韓国人も米を食べますが、禿山ばかりだった朝鮮半島でも人口が増えたのは、日本統治時代に、さかんに植林事業を行ったことと、稲塚権次郎が開発した農林一号の子供たちを、朝鮮総督府が半島で普及させたことによります。

要するに、朝鮮人が主食である米を腹いっぱい食べて人口を増やすことができたのも、稲塚権次郎の開発した米の品種があったからなのです。

さらに岩手県農事試験場に移った権次郎は、ここで小麦の研究を始めます。

そして苦心の末、昭和10(1935)年、「小麦農林10号」を誕生させています。

このことは以前、「小麦のお話」でも書かせていただきましたが、もともと小麦というのは、収穫期には高さ1M20cmくらいの大きさに成長する植物です。

これをたくさん収穫するために、15cm間隔くらいに詰めて植える。
そうすると背丈が高い分、地面の養分を大量に吸い上げるから、地味が枯れてしまって、何年かに一度は、土地が使い物にならなくなってしまう。

さらに小麦は、背が高くて大量の実をつけるから、頭が重い。
で、収穫期に台風などの風害があると、小麦が倒れてしまって、収穫できなくなってしまいます。

これらの諸問題を克服するために、飯塚権次郎がしたのは、小麦の品種を改良して、背を低くし、稔りが多くて収量が多い小麦を開発すること。

それで実現したのが「農林10号」です。

この小麦は、収穫期に高さ60cmにしかならない。背が低いのです。
しかも大量の実をつける。
だから、植える時も50cm間隔くらいに植えることが可能で、背が低い分、小麦全体の体積が小さくて、地面を枯らさない。
しかも倒れない。寒さに強い。

華北産業科学研究所に赴任した稲塚権次郎は、この小麦の子供たちを支那で普及させていきます。

農業というのは、土地に種を蒔けばほっといて収穫できるというような単純なものではありません。

途中で雑草を排除しなくちゃなんないし、変な虫が食わないように、防虫もしなければならない。
水の与え方も、それぞれ時期に応じて与え方があります。

権次郎は、自身で開発した農林10号の子供たちを、華北の人々に丁寧に育て方から伝授した。

やがて大東亜戦争が起こり、昭和20年8月、戦争が終わります。
日本は海外にあったすべての権益を放棄し、駐屯していた日本人たちも次々に日本に帰国します。

広大な研究用農地を持つ華北産業科学研究所も、まるごと支那に引き渡されることになった。

このとき、金陵大学で小麦の育種をしていた沈宗瀚博士は、施設の接収に来た際に、こう言ったと伝えられています。

~~~~~~~~~~~~~
非常にいいものを作ってもらった。

私も方々歩いたけれども、こんな立派な試験場は見たことがない。

ほんとうにいいものをつくってもらった。

あなた方が許すことなら長くここに残って、この仕事を継続してもらいたい。
~~~~~~~~~~~~~

結局、稲塚権次郎は、支那当局に徴用され、終戦後も2年間、研究所に残って指導を続けています。帰国したのは昭和22年です。

おかげで、支那の小麦の収量は、あっという間に3倍に成長します。

支那人の主食は、小麦です。
ラーメンも、餃子も、中華饅頭も、小麦が原料です。

おかげで支那人は、腹いっぱい飯が食えるようになり、食料がある分、人口も増えた。
当時、5億人だった支那の人口が、いまの15億人に増えたのは、大局的にみれば、支那で生産される小麦の収量が増えたからです。

そしてその小麦は、日本の稲塚権次郎が開発した小麦の子供たちなのです。

 ↓クリックを↓


人気ブログランキング


濡れ衣の大日本帝国史



日本の心を伝える会 日心会
この記事が気に入ったら
いいね!しよう
\  SNSでみんなに教えよう! /
\  ねずさんのひとりごとの最新記事が届くよ! /

あわせて読みたい

コメント

ぷれっくす

それもこれも みな
日本人の思いつめる性格の成せる業。

をたく気質 万歳!

-

No title
シナ人5億人が日本の偉人のお蔭で、15億人に増えた。

15億人のイナゴが日本目指して攻め寄せてくる。

誰も責めてはいません。 でも何ともすっきりしません、自分で自分の首を絞めているような。

悔しいけれど、結果がそうです。

kozou

No title
まあ、食料の問題が解決しても水の問題があるけどね。
確か故中川さんがやってたんじゃなかったかな。

ジャギ様

日本農業は世界一~ィ!
 世界3大穀物のうち米と麦は、日本種と日本式農業技術様々といったところでしょうか。
 日本人は移民・植民した先々で一大農業改革を興し、荒廃した大地の生態系を一変させます。
 もちろんそこに至るには、数十年の試行錯誤と挫折があったのは言うまでもありませんが、日本人は未知の自然や現地人と真摯な姿勢で対峙し、一つ一つ問題を解決していきます。

 日本では古代より土地を休ませる農法も、そのために広大な土地を抱え込むことも許されませんでした。できることは、限られた土地で最大の収量を上げるための不断の努力です。
 鎌倉時代あたりから全国に広まった、下肥を使う施肥農業文化は、長い年月を経て結実期の肥料反応性と根腐れしない肥料耐性を備えた「奇跡の品種」を選別してきました。(農林10号の母種も、そうした選別を繰り返して選ばれた、日本人の努力の結晶なのでしょう。)

 アフリカの砂漠や中央アジアの荒れ地を北海道程度の面積、50年ほど現地人込みで日本に租借させれば、まだまだ世界中が度肝を抜くような成果を上げて見せることでしょう。

ジュン

小沢ガールズはカルト信者だ
テレビでコメントしていた小沢ガールは、完全にカルト信者だった。
自分が国会議員であるという自覚なんぞは無いとしか思えない。ただただ小沢教祖を信じるカルト信者だ。
国会議員がカルト信者になってどうする!?

千里

“初音ミク”だって草食系男と同じフヌケ化工作の一貫
歌うコンピュータ “ボーカロイド”は将来のセクサロイドへの試金石
http://whisper-voice.tracisum.com/
気をつけておかないと、男も女も機械にイカされる惨めな人間に成り下がらせられますよ!

愛信

【主張】民主党代表選 日本どうするか競い合え
【主張】民主党代表選 日本どうするか競い合え
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/100901/stt1009010257002-n1.htm
小沢氏は東京第5検察審査会から「起訴相当」の
議決を受け、再度同じ議決が出れば強制起訴され
る立場だ。政治とカネの疑惑も説明しておらず、
出馬の適格性を問われている。
http://www.youtube.com/watch?v=xiZHQjliCaA&feature=player_embedded
(動画)
民主党石井氏は菅首相側に付きました、輿石東氏が
先の参議院選挙で公明党の支持を受け当選(実情は
落選)や小沢氏と公明党は国籍法改悪、人権擁護
法案、外国人参政権等多くの売国法案を推進してい
ます。小沢代表になれば民公の連携は更に強化さ
れる事は明白です。  参議院のねじれ解消や連立
政権で衆議院の3分の2議席を制圧する恐れがあり
ます。
【経済・政治の掲示板】最新版
http://www.aixin.jp/axbbs/kzsj/kzsj.cgi
【政治・経済タイトル一覧】最新版はこちらをクリックして下さい。



山河 

水間さんが臨時国会に向け、質問資料を準備されています。今のうちにより拡散しましょう。
こんにちは!

水間さんが臨時国会に向け、質問資料を準備されています。今のうちにより拡散しましょう。
http://mizumajyoukou.blog57.fc2.com/

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
★数百万人の反対署名より効果的な答弁を引き出して戴けるように、
質問資料を準備しますので、皆様方に於かれましては、一人でも
多くの友人に同資料本の存在を、口コミ(メール)で広げて戴けたら幸いです。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


『朝日新聞が報道した「日韓併合」の真実』を読破した方、
アマゾンへレビューを一言短くても書いて頂き盛り上げていきましょう。

奇麗事を並べるだけでは決して、愛国心も、日本人の威信?など
育ちません。
あの当時の真実の歴史の証明が載っている資料本で知ることが今一番重要です。

この資料本を、盛り上げてより多くの日本人に読んでもらう必要があります。
保守と自認される方は色んな方法で宣伝をお願いします。

どんどん拡散を宜しくお願いします
非公開コメント

検索フォーム

ねずさんのプロフィール

小名木善行(おなぎぜんこう) HN:ねず

Author:小名木善行(おなぎぜんこう) HN:ねず
連絡先: nezu3344@gmail.com
執筆活動を中心に、私塾である「倭塾」、「百人一首塾」を運営。
またインターネット上でブログ「ねずさんのひとりごと」を毎日配信。他に「ねずさんのメールマガジン」を発行している。
動画では、CGSで「ねずさんのふたりごと」や「Hirameki.TV」に出演して「奇跡の将軍樋口季一郎」、「古事記から読み解く経営の真髄」などを発表し、またDVDでは「ねずさんの目からウロコの日本の歴史」、「正しい歴史に学ぶすばらしい国日本」などが発売配布されている。
小名木善行事務所 所長
倭塾 塾長。

日本の心を伝える会代表
日本史検定講座講師&教務。
(著書)

『ねずさんの昔も今もすごいぞ日本人』

『ねずさんの 昔も今もすごいぞ日本人!和と結いの心と対等意識』

『ねずさんの 昔も今もすごいぞ日本人!日本はなぜ戦ったのか』

『ねずさんの日本の心で読み解く百人一首』日本図書館協会推薦

『ねずさんと語る古事記 壱〜序文、創生の神々、伊耶那岐と伊耶那美』
『ねずさんと語る古事記・弐〜天照大御神と須佐之男命、八俣遠呂智、大国主神』
『誰も言わない ねずさんの世界一誇れる国 日本』
最新刊
『ねずさんの奇跡の国 日本がわかる万葉集』
近日発売
『日本書紀』(タイトル未定)

スポンサードリンク

カレンダー

01 | 2020/02 | 03
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29

最新記事

*引用・転載・コメントについて

ブログ、SNS、ツイッター、動画や印刷物作成など、多数に公開するに際しては、必ず、当ブログからの転載であること、および記事のURLを付してくださいますようお願いします。
またいただきましたコメントはすべて読ませていただいていますが、個別のご回答は一切しておりません。あしからずご了承ください。

スポンサードリンク

月別アーカイブ

スポンサードリンク

ねずさんメルマガ

ご購読は↓コチラ↓から
ねずブロメルマガ

ご寄付について

ねずブロはみなさまのご支援で成り立っています。よろしかったらカンパにご協力ください。
【ゆうちょ銀行】
記号番号 00220-4-83820
【他金融機関から】
銀行名 ゆうちょ銀行
支店名 〇二九(店番029)
種目  当座預金
口座番号 0083820
口座名義 小名木善行
【問い合わせ先】
お問い合わせはメールでお願いします。
nezu3344@gmail.com

講演のご依頼について

最低3週間程度の余裕をもって、以下のアドレスからメールでお申し込みください。
テーマは、ご自由に設定いただいて結構です。
講演時間は90分が基準ですが、会場のご都合に合わせます。
E-mail nezu3344@gmail.com

講演テーマ
<ご参考>
古事記に学ぶ経営学
古事記に学ぶ日本の心
百人一首に学ぶ日本の心
女流歌人の素晴らしさ
日本人の誇り
その他ご相談に応じます。

スポンサードリンク

お薦め書籍1


日中戦争-戦争を望んだ中国 望まなかった日本


江戸の自治制


幻の黄金時代


ドキュメント自衛隊と東日本大震災

コメントをくださる皆様へ

基本的にご意見は尊重し、削除も最低限にとどめますが、コメントは互いに尊敬と互譲の心をもってお願いします。汚い言葉遣いや他の人を揶揄するようなコメント、並びに他人への誹謗中傷にあたるコメントは、削除しますのであしからず。

スポンサードリンク